魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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今さらながらエフェメロスちゃんの在り方が、犬夜叉の『四魂の玉』に思えてきた。

いやエフェメロスちゃんは女の子だからタマはないよ(爆)とかシモなネタを言うわけでは無いが、汚染されていない状況ならば冬木聖杯もマリスビリーの

『目もくらむほどの大金・資産をおくれぇええ!!』

という願いを叶えて念願のカルデアス起動にこぎつけちゃったわけだしなぁ。

うん。やっぱり四魂の玉だわ。

そんなわけでるーみっくをちゃんと『巨』に描く島本先生の勇気を称えつつ久々の新話お送りします。


第120話『動き出す戦場』

 

 

 

 

戦場の趨勢は定まりつつある。もっとも、だからといって優勢な方が勝つとは限らないのだが……。

 

そして劣勢な所がどうしても気になる人がいた。

最初は見捨てようとした。正直言って……助けたいという気持ちが沸かなかった。

 

だが、こうして直に彼らの危機を横から見ていると、どうしても最後の情が残って邪魔をする。

 

そんなものは捨ててしまえばいいのに……。

 

その嘆きに応えたかのように……。

 

『では母のお下がりを紗耶香にあげましょう』

 

壬生紗耶香にとって、もっとも縁深い英霊から助力が来たのだった。

 

 

「覇覇覇覇ッ!!!!」

 

たった1人の魔法師……それも大亜の存在に圧倒される現実に誰もが歯噛みする。

 

夜魔という階梯の死徒と同列の力を得た呂は、方天戟を竹槍か、もしくは模造刀でも振るうかのように軽快に振るうが、その重さは当たり前のごとくそんなものではない。

 

アーシュラがマルミアドワーズを軽々と振るうところから勘違いして、一度持った時にその重みを支えきれなかった時のことを思い出した摩利は、剣では受け止めきれずに盛大に吹っ飛ばされる。

 

「摩利っ!!」「摩利さん!!」

 

恋人と後輩の悲痛な叫びが重なる。吹っ飛ばされた摩利に対して追撃が加えられる。

 

首頸(あたま)を落とすまでは、どうなるか分からない。最大戦力をたたき潰すべく動く呂剛虎は合理的な殺人者だ。

 

誰もがそう考えることだが……やられる側にとっては悪夢の限り、迫りくる白虎のごとき存在に対して無防備な摩利を――――守る存在は横からやってきたのだった。

 

受け止めたのは全身鎧の大武者であった。

 

それは鎧というにはあまりにも大きすぎた 大きく ぶ厚く 重く そして精巧(うつくし)すぎた……。

 

顔をすべて隠す面頬と一体の兜の鍬形。

大盾のような肩当て(大袖)

胸板に施されている紅尾と何の鳥なのか分からぬ羽毛飾り。

 

無骨なまでに黒鋼を鎧の色の基調としながらも、所々にある宝石。それと同じ色をした緑色の差し紋が、戦化粧と美を融和させていた。

 

『この邪法使いは私が引き受けます。あなた達は綜合警備保障の人たちの救援をお願いします』

 

「ぬうう!! なんだこの触腕は!!!」

 

背中から走っている菱形を何枚も繋げた触腕か鞭が、呂を完全に捕らえていた。

ただ動きを封じただけでなく何かの魔術作用があるのか、呂を行動不能にしている。

 

そして、身体を振り回すことで呂を明後日の方向に投げたが……空中で姿勢を安定させた呂はすぐさま襲いかかる気配のままに着地。

 

迎撃のため、大鎧武者はその体躯に相応しい刀を抜き去る―――恐らく『古刀』だろうものが黒と蒼の魔力で輝く。

 

「アナタは―――――――」

 

『名などこの場では無用なれど―――あえて名乗るならば、仮面ライダー京極。そう呼べばいい』

 

「仮面ライダー……キョウゴク!!」

 

鎧武(ガイム)系統のライダーに思える仮面ライダー京極は、大太刀を正眼に構え一直線に振るった。

 

その距離はまだ呂剛虎を斬れる距離ではなかったのだが、放たれた斬撃が―――衝撃波と魔力の合一で呂を襲う。

 

驚きの攻撃を前に反応が遅れた呂の片腕が肩口から吹き飛ぶ。躱そうとしても躱しきれなかった顛末である。

 

だが……。

 

「腕の代わりぐらいすぐさま『創れる』!!!」

 

呂の失われた腕の代わりに何か黒々としたものが腕の断面から出てきてすぐさま腕の代用品を作り上げた。

 

その事実と見せられた現実離れした展開を前に誰もが驚愕するも―――。

 

『推して通ぉおおおるううう!!!』

 

大鎧の武者はジェット噴射のごとき勢いで呂との接近戦を演じる。

 

「摩利!! ここは、仮面ライダー(?)に任せて私達は―――」

「駄目だ! 私は此処に残る!! 行くならおまえたちだけで行って来い……」

 

真由美の言葉を蹴ってから、仮面ライダー京極の戦いをサポートするべく足を動かす。

 

その間にも状況は変化していく……。

 

三騎の中華英霊に囲まれていたアーシュラだったが、連環の計で抑え込むにはあまりにも、アーシュラは強力すぎた。何よりも―――。

 

(マスターからの魔力供給のバックアップが乏しいわね!!!)

 

見抜いた直感に従って、アーシュラが崩したのは関帝聖君からだった。横薙ぎの一撃。

 

正しく速度、重さ、斬線の正確さに至るまで達人どころか神域の武将のそれであった。

こんなものを振るわれて受け止めることも躱すことも本来ならば不可能なはず。

 

だが、アーシュラにはその達人など超越した英雄の攻撃を受け止めるだけの技量が存在していた。

 

振るわれた青龍偃月刀を前に一歩の前進、されど素早く―――。認識できていたとしても運動ベクトル……メトロノームの運動のごとく止めれるわけもなく……。

 

アーシュラは、青龍偃月刀の穂先の手前を腕と脇で受け止めていた。

切り裂くべき穂先の刀は、アーシュラの衣服を少しだけ裂いて向こう側に突き出ていた。

 

「!!??」

「last!!!」

 

そして受け止めた方とは反対の腕を突き出してロンゴミニアドで関羽雲長の真芯を貫いた。

 

それどころか、そこから光波を放ち貫いた穴を拡大。身体半分を失わせたことで霊基は砕けていく。

 

「関羽殿!!!」

 

言葉を放った秦良玉。注意が完全に向く前に―――。返す刀でマルミアドワーズを打ち出す。

 

黄金に輝く巨大剣を前に秦良玉は対応に迫られるも、己が槍の功を頼りに巨大剣を……。

 

そう思ったのもつかの間、竜の炉心を持つ少女の動きは尋常のものではなかった。

 

巨大剣を撃ち落として、こちらを攻撃しようとする秦良玉の思惑を突き崩す形で、秦良玉の真上に飛び立ち、そこから落下。

 

動きを縫われた形の秦良玉が振り仰いだ時には、アーシュラの持っていた青龍偃月刀は秦良玉の顔面を半ばまで断ち切りながら相手の霊核を砕いていた。

 

返り血を盛大に浴びながら降り立ったアーシュラの姿は普段の彼女を知っている人間からすれば、天地がひっくり返るぐらいに恐ろしいものであった。

 

「くっ……!! 赤竜の騎士め!!!」

 

2人がやられたことで、退けることが出来た呼延灼の怨嗟の声を聞きながらも、アーシュラは追撃を―――と思った前に呼延灼が消え去る。

 

「令呪による強制転移―――トレース出来る?」

 

あまりにも唐突な消失は、すぐさま理由を分からせたがその後のことこそが肝要なのだが、マスターからの返答は色よいものではなかった。

 

(さて、どこを潰すべきかしら?)

 

韓信大元帥(国士無双)の軍を『上空』から攻撃して』

 

マスターからの指示に成程と思う。指示を受けてから―――返り血で赤く染まった召し物を変更することにした。

 

「転身。王鎧武装(トランスフォーム)!」

 

かなり適当な呪文ではあるが、登録してあるレシピ通りに衣装が変わる。

 

つばの広い帽子(キャップ)

ゆったりとしたソーサリスローブ。

魔法のメガネ(アイズ・オブ・マギ)

 

総じてその衣装はいわゆる古典的な魔女(ウィッチ)のものであった。無論、これも伯母からのお下がりである。

 

「アッド、フォーム:バリアブルロッド!!」

『おうさ!!』

 

アッドを『ホウキ』と呼べるものに変化させて、そこに跨がるアーシュラ。本当に魔女の神秘道具(ウィッチアイテム)ばかりに身を固めた少女は大空を翔ける。

 

(くう)を舞うとは汎用性が高すぎるな! しかし!!」

 

韓信の軍団から飛行出来るエネミーがやって来る。

 

「魔女のホウキは―――飛ぶだけじゃなくて」

 

魔女のホウキのような杖に跨りながらアーシュラの軌道は三次元を自由自在に使って、対空攻撃を躱していき―――。

 

「昨今では大型ライフルとしての機能すらあるものよっ!!!」

 

そんな昨今は全く到来している気配はないのだが、アーシュラのホウキの柄の先端から出た光波は、やってくる敵対者を薙ぎ払っていく。

 

扇状に放射された光波―――光線は正しく敵を穿っていく。

 

そこに藤丸立華は勝機を見出した。韓信軍は混乱している。

 

アスラウグですら低空での戦いで韓信軍を壊乱させていたというのに、そこにサーヴァント3騎を退けた巨大な『白石』が投入されたのだ。

 

小さな黒石の塊が全て、四方八方に散らばる。

碁盤の局面が覆る騒ぎだ。そこに円卓軍は突っ込むように要請する。

ここに乾坤一擲の突撃を仕掛けなければ大亜の司令も面倒な幽幻道士も捕獲できない。

 

最初に呼応したのは、虎戦車を使ってSFにおける人形機動兵器乗りのごとく戦っていた聖騎士親子であった。

 

「国士無双・韓信殿ではないが跨夫よろしく通らせてもらう!!!」

「押して通る!!!!」

 

私事では仲が悪い親子だが、こういう場面ではやはり連携をとってくれる。

そうして一点突破して地上を整理しつつも、今だに傷一つ付けずに浮かぶ始皇帝の真体を模した球体が恐ろしいのだ。

 

(大亜なのか中華の魔術組織なのかは分からないけれど、厄介なものを出してくれた)

 

そう悪態をつきながらも戦況は移ろい、そしてその混沌とした状況が……もう一つの国家の軍を招き寄せようとしていた。

 

 

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