魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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ブレイバーンが、色々話題に上がっているが……本家のサンライズの勇者シリーズ
『勇者宇宙ソーグレーダー』が中々、盛り上がらない。

圧倒的空気!空気の限り!!磨伸先生が大好きそうな眼鏡美女も出てきたというのに……まぁ網島先生が少々、体調不良だそうで仕方ないか……

そしてサムレムコラボ……まさかデモンベインで刃鳴散らすをやるとは(違う)

何となく程度だが冒頭の巴と丑御前の戦いは『軍神強襲』の冒頭を思わせた。

などなど最近の事に関して書き連ねつつ、少々短いですが新話お送りします


第128話『決然と戦いに臨んで』

 

 

 

 

入り込んだ阿房宮において、即座に戦闘する相手を見極める。

 

まさか楊貴妃がいないとは思っていなかったアーシュラだったが。その代わりに『レッドクリフ』の主役がいやがった。

乳白色の髪をまとめて後ろに流した武人と貴人の間の存在。大陸風の衣装が何とも雅な女とみまごう男。

 

しかし、マスターの指示は『劉 雲徳』の抹殺のみ。

 

だから―――。

 

「アーチャー、後ろを黙らせろ」

「御意」

 

命令を受けて日本の強弓とは違う大陸式の反りを持った弓を手にした男は矢を放ってくる。その攻撃が後方にいた真由美たちを襲う。

 

「あの麗人は俺たちで抑える!!」

 

一高男子陣と三高男子陣がアーチャーを抑えようと向かう。

 

「んじゃ、あちらのムチの女王様は私達で何とかするか? 一色」

 

「お供しますよ。渡辺先輩」

 

その言葉で自然と戦う相手が定まっていき、そして―――。

 

「現代に生きる神秘の塊!! ブリテンの赤き竜の娘よ!! 我が魂竜を震わせてくれよ!!」

 

「興奮しすぎて逝かないように気をつけなさいよ!!」

 

硬鞭と刀がぶつかり合う。どちらも雷を発する得物。そのぶつかり合いは凄まじく、神代の戦士の戦いを見ているようなものだ。

 

「召雷!!!」

 

ただ一言。一言だけでムスペルスヘイム級の雷霆術が4つ分はあろうかという巨大な式がアーシュラを襲う。

これが震天将軍と呼ばれる大亜の魔法師のチカラか―――と思ったが。

 

それすらもアーシュラの対魔力の高さは否定するようだ。

 

「神代の魔術すらも無効化するか!!」

 

面白がる劉道士。そしてサーヴァント級の力を持っているはずのアーシュラと接近戦を演じる。

老骨に鞭打つという状況のはずだが、その老骨が鞭を打っている。

 

しかも追随しているのだ。

 

(こんな奴と真正面から戦うことになれば、どうなったかは分からんな)

 

達也であれば遠方からのマテリアル・バーストで完全消滅を図っていただろうが、もしかしたら……。

 

それすら防御してこの人は『ゴジラ』のように向かってきたかもしれない。

 

「余所見していていいのか」

 

美麗の武人が一呼吸の間に『矢』を幾本も放つ。いつの間に『矢』をつがえたのか分からぬ『タメ』が無い武芸。

 

間違いなくサーヴァントだ。そんな相手に克人、レオ、達也、吉祥寺、一条で立ち向かおうだなんて結構無茶な話である。

 

だが―――。

 

「男には意地があるのだよ!」

「意地だけで私に勝とうというのか。100万の軍勢を前に知恵と策略を尽くした男を知らないのか?」

 

その厳しい言葉と男の美しさに聡く気付くものが現れる。

 

「まさか三国時代・孫呉の総軍提督にして水軍大将『周瑜』か!?」

「おっと、口が滑りすぎたな」

 

戯けるように口を噤むアーチャーだが、そうしながらも接近してきたレオを拳でいなす辺り、とんでもない。

 

(まるで数百人、いや数千人もの膂力でいなされた気分だ!!)

 

「中々に優秀な戦士だ。しかし、私も美貌は当然として策略や孫策様に拝跪を一番にやったから孫呉の戦士大将になれたわけではないからな」

 

そうは言うが、メインウェポンが弓だからか、やはり遠ざかっていく。遠ざかりながらも弓を放つ速度はとんでもない。

 

「決して接近戦を得意とするわけではないようだが、提督殿に下手に掛かれば死ぬぞ!」

「それは分かっているんですがね……」

 

人体干渉を主な魔法としている一条は『霊体』が『肉』を持った存在へと魔法が通らぬ現実に、苦慮しながらも偏倚解放の空気圧で攻撃を通す。

 

一応は、達也の方で改良したものをもたせているのだが、やはり直接的な干渉は無意味のようだ。

 

そして空気圧もそれほど聞いているようには見えない。

 

『アーチャーの対魔力はBランク。下手な攻撃は無効化される。通用させたければ工夫して』

 

「無茶を言う!」

 

小鳥の使い魔を通して言ってくる立華。あちらもアーチャーの矢玉の無効化に努力してくれているだけに、それ以上は言えない。

 

『英雄には伝説が多く流布され、後世に伝わっただけに、その弱点・死因もまた同じく!!』

 

周瑜の弱点など孔明に策略で負けて南郡は取られ放題、荊州も取れなくって―――その死因は……。

 

(毒か)

 

漫画版の三国志演義でしかないが、彼の死因となったものは、南城における曹仁が曹操の秘計を用いたことに起因する。

 

だが英雄・霊体を害するほどの毒、しかも矢毒など用意出来ない。そもそも周瑜という『アーチャー』の速度と身のこなしは異常だ。

 

一発当てることすら困難である。

 

(こんな相手を前にして2人以上も討ち取ったアーシュラはスゴイんだな……)

 

関羽雲長、秦良玉……当然、ステータス上の『高低』はあったり相性の善し悪しもあったかもしれないが……こんな絶技を前にしてでも勝利をもぎ取れるだなんて。

 

 

そして、その様子を後ろのボーダーという高所から見ながら援護射撃をしていた一部を除いて、後方支援者組はもはや理解がしきれなかった。

 

「こっちにもアーチャーの矢が飛んでくる!!!」

 

その全てが『火矢』であることも若干の恐怖を煽る。音速の見えない弾丸も恐怖ではあるが、風を切って直進してくる鏃もまた恐怖だ。

 

見えているからといってそれが真に人を害するものであれば、やはり恐怖が総身を縛るのだ。

 

如何に障壁を張って無効化しようとしても、その矢は尽きることはないのだ。

 

人と人が原始的にぶつかり合い覇者を決めあった時代の武者の『技』とは現代に生きる自分たちを凌駕している。

 

一回の矢の番えで3本、5本、12本……恐るべき数の連射が冴え渡る。

矢筒を持っていないことから矢そのものは魔力による被造物なのだろうが、それにしても凄まじいものだ。

 

「藤丸さん、こちらから援護しなくていいの?」

「男子たちは弓持ちのサーヴァントを抑えると言ったんです。その心を尊重してあげてください。そして私達の帰りの『船』を確保することも必要ですから」

 

言われてみれば確かにその通りであった。自分たちが立っているこのボーダーこそが、この高空からの地上への帰還の縁であるのだ。

 

(まぁいざとなればアルトリア先生がエハングウェンでやってくるでしょうが……)

 

ある意味、退路を絶っている状態を作ることが戦闘に対する気迫を作る。

 

「けどいいの? 私ひとりならば動けるけど」

 

ボーダーの下……ある意味降り立った位置から動かずに矢を迎撃していたルーシャナ・クラウディウスが問いかける。

 

ローマ皇帝、ルーシャス・ヒベリウスというサーヴァントが如何なる秘技で作ったか分からぬあり得ざる存在は下から問いかけてきたのだ。

 

「まぁどうしても無理だとすれば、なにかあるでしょう」

「今からこちらにやってくる『連中』は?」

「遠慮なくぶっ飛ばしてください」

「分かった」

 

言葉を受けてアッドと同じような箱を手にした少女が、同じように大剣を手にして構える。

 

その得物は、あの九校戦の際にアーシュラと渡り合った紅き剣士と同じ『銀色の刀身』に『赤』と『黒』の百合文様を描いた魔剣。

 

身の丈以上のその剣をナイフか棒きれでも振るうように軽々と扱う姿に現実が色々と脅かされるのを感じる。

 

湧き出るエネミーを鎧袖一触するその様子。その中に―――。

 

「通さない」

「「―――」」

 

エネミーの群れの中に紛れ込んでいた大亜の道士・軍人を通せんぼするルーシャナ。力の差は歴然だったが……。

 

「フォーリナー・ユウユウによる強化……けど、いない」

 

蒼炎を纏い、どう考えても強化されている道士を前にしても気にかけることはそれ一つだ。

 

「このようなことになるとはな……『クモ』の甘言に乗ったがゆえの罰だと思ってしまえば、それまでだが」

 

「悪いですが、獲らせていただきましょう」

 

「私を倒そうというのっ!? ネイコが言っていたけど、本当に魔法師共は自意識過剰だな」

 

ルーシャナは小馬鹿にしたように、片方の眉をはね上げて、覇者としての笑みを浮かべてその傲慢さを当然として剣を構える。

 

そして戦いは一瞬で終わった。

 

「ぐっおおおおっ!! 傾城美姫 楊貴妃のチカラを得たとしても、勝てぬかっ!!」

 

中華史における究極のサゲマンじゃねーか。という無言でのツッコミを女子陣全員で行いながらも、ルーシャナは自分の竜に陳 祥山を拘束させている。

 

「いやぁお強い。これは無謀すぎましたね」

 

明らかにオッサンとしか言えない陳とは違い、いかにも美麗の青年としか言えない周公瑾とかいう『偽物』の存在もまた竜に拘束されていた。

 

因みに言えば周が出した黒犬……使い魔(?)の類は、あっさりと主人を裏切ってルーシャナに首を撫でられて懐いているのだった。

 

「ふっふっふ。まさかここまで簡単に主人を裏切るとは、犬の忠誠心が高いとは嘘だったようですね」

 

新しいご主人さまだワン! とでも言うように息を荒く突くのだった。

 

「カルデアのマスターどうするの?」

 

「下の国防軍……あの食堂で会った人たちに届けられます?」

 

「問題ない、ルクスリア。スペルビア―――頼むよ」

 

主人の言葉を受けて『女型の竜人』とでもいうべきとんでもない魔力を秘めた存在たちは、陳と周を連れて外へと飛んでいくのだった。

 

自分たちが突き破ったボーダーの穴を通って超速で飛んでいった彼ら……。

 

一見すれば何気ないことだが、アーシュラ並みのとんでも能力。

 

「分かっていたはずです。

並みの兵を百、千、万と揃えようととも、例えそれが異能の力『現代魔法』を持っていたとしても珠玉の将1人にすら太刀打ちできないことはね」

 

その代名詞は本来ならば現代魔法師……その数字持ちなどが持っておくべきものだったはず。

 

しかし、現実にその称号を取っていたのは、繰り広げられる下の戦いで主役を張っている連中ばかりだった。

 

そんな風に羨望などを覚えながらも、戦いの展開は早くなる―――。

 

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