魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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冒険最新刊読了。

成る程、本当にエミヤ親子は男も女も色々と『惚れさせすぎる』だろ。つーか切嗣の理想というか思想の理解者はいたんだな。それがアインツベルンと同じく閉鎖的な一門だけだったというのが不幸の始まりか。

まぁそもそも慎二も士郎の一番のフォロワーだしな。一成よりもやっぱりシンちゃんの方が士郎の理解者……。ジュスト君はある意味、シンちゃんの別可能性とも言えるか。

そんなこんなで新話お送りします。

三田先生、最終エピソードが4冊って――――――きっとあれだ。冬には2冊同時刊行ということも――――――三田先生に無茶はさせたくないが、ああ、悩ましい!!まぁ大凡2年かかりでの完結かな?無茶しないでくださいねー


第146話『聖杯戦線~交叉戦場~7』

 

「深雪、なぜそこまでアーシュラを目の敵にする!?」

 

「お兄様は変わられた!!前は私だけを優先していろいろなことをしてくれるザ・(アニ)キングな存在だったのに!!今じゃこのように銃口向けて私の魔法をキャンセルしてくるぅううう!!」

 

「そりゃ敵なわけだしな。今の俺はアーシュラ・十文字ペアと同盟を結んでいる。ゆえに俺は深雪に戦いを挑まざるを得ないんだ」

 

深雪が大人気なく放とうとするニブルヘイムなどをキャンセルする。それでも深雪への直接攻撃というか魔法を放てないあたり、お袋の施術はすさまじいことを再確認する。それが兄妹ゆえの手心ではないことを達也は認識していた。

 

ゆえに―――。

 

「キミは種な世界の「戦友シリーズ」かい?」

「遺伝子レベルでの服従を余儀なくされているわけじゃないんだけどな」

 

―――ペア相手の宇津見エリセに深雪への攻撃をよろしく三角(?)するのであった。彼女の魔弾やら呪剣とでもいうべき黒色の魔力は、深雪を難儀させるほどの威力を持っている。

 

ここまでに自分たちが倒せたのは、千葉エリカと渡辺摩利、その他、有象無象というと大変に失礼だが、池田屋事件に駆けつけてくる他の隊士よろしくな連中も倒してきた。

 

その中には服部会頭や辰巳鋼太郎などもいたのだが……何はともあれ、生き残っていた深雪、そして壬生が協力すればあるいは自分たちを打破出来るのではないかとも考えるのだが……。

 

深雪が猪武者すぎるのか、それとも壬生が狡猾なのかは分からないが、どうにも深雪を前にして自分への攻撃を防いでいる様子。一応は先輩なのだから深雪の前で防御してくれてもいいのだが……そういう気持ちは無いようだ。

 

「源頼光は、母親としての判断を優先しているのね」

「あべべっ!!!!こ、コンチクショー!!」

 

吉祥寺などを打破したエリセの魔弾を喰らいながらも、深雪は術を行使する。

深雪の為に攻撃力を抑えているわけではあるまい。要は―――。

 

「ずあっ!!!」

――――壬生の攻撃に警戒をしていたのだ。

 

間隙を縫うかのように壬生の放つサンダースラッシュがこちらを襲う。

 

エリセは、このまま「術の撃ち合い」(ちからくらべ)となれば負けると悟ったのだろう。それまでの魔弾を終えて、魔弾の為に装填していた呪力を防御のためのものに編み直したようだった。

その手順は手慣れている。

 

魔術使い、ナイトウォッチ、死神……数々の異名を持つ宇津見エリセの面目躍如である。

 

「ゲフェングニスクーゲル!!」

 

エリセの声とともに、その身体だけでなく達也ごと覆うような黒い球体が現れる。

荒れ狂うような雷轟の限りが水場にて猛威を振るう。局地的な暴風雨が襲いかかっているようなものだ。雷轟は川の水すら撹拌して襲うのだ。

 

黒い球体の向こう側の光景の恐ろしさ。つまり―――。

 

「壬生先輩は連撃を放っているのか?」

「そのようね」

 

水面で飛び跳ねる魚の群れのように、鞭のような雷が先程から周囲で荒れ狂う。それと同時に加えられていく圧もまた、エリセの黒球を脅かすものだ。

 

(こんな勢いで放っていて壬生先輩は息切れしないのか?)

 

これがカルデアにて多くのサーヴァント達によって「変化」いや「進化」を果たした魔法師だというのか。恐ろしさと同時に羨ましさももってしまう。そして―――。

 

「お兄様を脅かすことは私が許しません!!」

 

如何に敵対しているとはいえ、深雪は壬生の行動を阻害する。確かに今は敵とはいえ、「それ以上はいけない」(アームロック)ということになったのだ。壬生の雷斬撃の勢いが少しだけ弱ったところで、エリセと達也は黒球から抜け出て、壬生へと攻撃する。

 

「お兄様!!」

「壬生先輩がやられれば、次はお前になるだけだぞ!」

 

魏呉蜀の三国のにらみ合いの如く、今だけは壬生が強すぎる脅威だとして深雪に協力するが、そこは釘を差しておく。

 

(悪辣だな。この展開は)

 

分かってはいた。バトルロイヤル戦となれば、個々人の利害の一致・不一致でカードの表裏が返ることは……。

 

そうしながらも、受けて立つ壬生紗耶香には何の表情の変化もない。

だからこそ、戦いは苛烈になるのだ。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

三高アマゾネスなどと呼ばれた三高の戦姫3人は、その3という連続した数字に違わず三位一体(トリニティ)な攻撃を繰り出していた。

 

しかし、相対する相手は尋常ではない使い手。ゴージャスな水着姿で大剣振るうわ、足踏み(ステップ)ひとつするだけでもとんでもない黄金の圧が襲いかかるわ。

 

はっきりいって強すぎるそれが―――。

 

「「「分身の術だなんて卑怯だぞおお!!!」(ガン泣き)

 

―――5人に増えて襲いかかるならば尚更だ。

 

「「「「「ブレイブリー・イーラルプス!!」」」」」

 

薄緑色に発光する巨大槍が、五本も猛烈な勢いで真正面から叩き込まれる。砂利が吹き飛び、水柱が出来上がる勢い。

 

「みぎゃあああ!!」

 

水で防御しようとした沓子が吹き飛ばされてしまう。

 

「いまです克人さん!!!」

「おおおっ!!!」

 

受けた克人は、駆け出してその手にあった剣を空中で身動きを取れない沓子にふるった。

 

―――戦維喪失!!!―――

 

四十九院沓子の敗北が決まった。同時に……

 

「ぎょわーーー!! もう嫁に行けんわーー!!」

 

などという捨て台詞と共に転移させられる。

 

「じゃあ克人さんが責任を持って、トーコちゃんを嫁にもらうということで」

「お前が、『この剣使ってフィニッシュ決めちゃって♪』とか言うからそうしたんだろうが!」

 

女子の嘆きを生み出したそれは、いわゆるスポーツチャンバラ、略してスポチャンで使うような得物であった。

 

ゴム製の竹刀とでもいうべきそれは、天魔剣豪武蔵の得物なのだから。

 

そして十文字克人は好みではなかったのか、ただ単にマッパを晒したくないのか、ツーマンセルのアマゾネスたちの攻撃が苛烈を極める。

 

十七夜のとんでもないレーザー攻撃の雨霰が、襲いかかる寸前に――

 

「!?」

「悪いが十七夜くん、俺の得意手はこっちなんだよ」

 

守護・防御の要たる十文字家のシールドが幾枚も展開されて多段レーザーを封殺する。

 

「リング・ガラティーン」

 

背中の礼装を巨大な砲にしたアーシュラが、ごん太レーザーを一条、いや『一柱』を放ってくる。

 

その突然の奔流を前にして、一色愛梨は光盾で受け止める。

ブラダマンテの持っていたという魔術師アトラントより奪った光の盾は、それを封殺するも―――。

 

「克人さん!!」

「ああ!!」

 

アーシュラが横に差し出した剣の柄を二人で掴む。

黄金に輝く剣。

 

それは九校戦の時にも見たものだが少しだけ違う。

 

直刃ではなく反りを持った曲刃―――いわゆる『日本刀』に該当するであろう太刀を持った剣は、鍔などの意匠こそ西洋風であったが、それでも、二人で駆け出しながら薙ぎ払うように振りかぶるその一撃は―――。

 

「「神威全力抜刀! これが…クサナギの(けん)だぁああ!!!」」

 

真名の解放とともに、ただ全力で、克人とアーシュラは剣を打ち振る。

 

それが導く結果は強烈であり、ツーマンセルの三高アマゾネス2人を光の斬撃で襲い。

 

―――戦維喪失!!!――――

 

ボディがお留守だぜと言わんばかりの横薙ぎの光刃斬撃が、2人を失格に追い込むのであった。

 

そして―――。

 

「どうやら……ここまで(・・・・)のようだな」

「ええ、あなた方との同盟は」

 

達也とエリセ、そして壬生が背後の方で生き残っており戦意を滾らせていた。どうやら司波深雪は失格したようだ。

 

言葉を交わしているのは、達也と克人だけだが……弁えたかのように、戦いのフィールドが整地される。

 

「今の俺はあんたに嫉妬している―――アーシュラとケーキ入刀のラブラブカリバーンをしたのは、俺だと言うのに」

「一応補足しておくけど、アーシュラの『らぶらぶカリバーン』の最初の相手はコウマだよ」

 

この戦いにおける達也のパートナーであったエリセから情報が入ったが、それを差し引いても―――。

 

「生憎ながら―――俺もアーシュラのラブラブカリバーンならぬケーキ入刀の剣の相手として満足だったらしいからな。お前がサソリの尾のようにこちらに戦意を向けている理由は、それか?」

 

言うまでもないことだと言わんばかりに、達也は銃口を向ける。

 

「十文字克人ぉ!!」

「―――先輩を付けんか!バカモノが!!」

 

女子陣からすれば、かなりしょーもない理由で男子の戦いは始まり。

 

「さてと。それじゃ、そろそろ決めますかぁ!!」

「ええ、遂に望んでいた戦いが出来そうよ……アナタに挑みたかった」

「本当、いろんな意味でモテモテよねアーシュラは」

 

3人のアマゾネスの戦いも真剣味を帯びながらも、ただの私戦ということで始まりを告げて、20分後には勝者と敗者の境界が刻まれるのであった……。

 

 

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