魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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ロード・エルメロイ二世の冒険とはすなわち――――。

無印ドラゴンボールということである。(超解釈)

ブルマが凛で、『あの人』が悟空で、二世は亀仙人、グレイがクリリンといったところか。

何のことか分からん人は、電子書籍でも紙でもいいから見るんだ。

そしてアトラス院がレッドリボン軍というところだろうか。

そんな感じで新話お送りします。


第39話『戦いの前夜』

5分ほど経っただろうか。うんうん唸るアーシュラと、同じように腕組みして唸るフォウは―――。

 

ようやくのことで―――。

 

「思い出した! 『みーくん』のお姉さん!! そうだ。キョーコさんだ!!」

 

「フォウフォウフォー!!!」

 

「ひ、ヒドくないかしら、アーシュラちゃんにフォウくん!? そんな腕組みして知恵を回さなきゃ、私のこと思い出せないの!?」

 

「申し訳ないですけど、クドウの家の方は、どちらかと言えばUSNAの方が親近感湧きますので、記憶に残りにくかったんですよ」

 

「更にヒドイ……」

 

親しい間柄だと思って声を掛けたのに、掛けられた方はそうでもない。ワタシとアナタは友達じゃないけどワタシの友達とアナタは友達―――だいたいそんな感じだろうか。

 

ちょっとだけ響子に同情しつつも、『みーくん』とは誰なのかを尋ねたい気分にもなる。

 

「そもそも正確に言えば、私は光宣くんの『従姉』であって、血の繋がった姉ではないのよ」

 

「あれ? そうでしたっけ?」

 

その事が、心底の『疑問』であるかのように、何度か首を捻るアーシュラ。しかし、そんな久々の会話を断つかのように、風間少佐が声を掛けてきた。

 

「詳しいことは省かせてもらうが、国防軍の風間玄信です」

 

「どうも、衛宮アーシュラです」

 

「……詳しいことは話してもらえないでしょうし、何よりキミに対して予防的検束をすると、『どうなるか』分からないので手短に問わせてもらいたい。いいかな?」

 

「駄目です。何も言わないし何も答えない。以上です」

 

にべもない返答。予想していなかったわけではない風間は苦笑してから―――。

 

「分かった。戻っていいですよ。夜分に失礼しました」

 

「いいえ、御勤めご苦労さまです」

 

人のいい『おじさん』な顔をして、ホテルへと戻ることを促すのだった。

 

ソレに対して、大鎌をしゃべる小箱に戻したアーシュラは素直に帰るのだった……。

 

「よろしいんですか?」

 

「あそこで強硬手段に出れば、どうなるかぐらいは分かる。既にホテルの屋上などには、様々な『英霊』が抜け目なく、こちらの動向を監視しているのだからな」

 

「―――――――」

 

狙撃手が狙っている―――とでも言うべき言葉に、達也は緊張を果たす。何気なく思っていたことだが、あの玲瓏館美沙夜と同じく、アーシュラないし立華もまた英霊―――サーヴァントを己の使い魔として使役出来る存在のようだ。

 

達也の精霊の眼では詳細に見きれないが、確かに『強大な力が2つ』ほど、屋上からこちらを注視していた。

 

「この近辺に逃げ込んだ死徒崩れに関しては、『聖堂教会』の『戦闘信徒』たちが対処するようだ。少しは情報が欲しかったのだが、どこからも追い返されてしまったよ」

 

「―――軍に情報が降りてきていないのですか?」

 

「ああ、『こちらの仕事に手出しをするな』。大まかに言えば、そんな言葉での拒絶だった」

 

乾いた笑みを浮かべる風間に、何というか気の毒なと、達也は思っておく。

 

軍人としての大黒竜也ならば、上官筋に対して無礼なぐらいの憤りを見せておくのも一つだが、いまの自分は、ただの司波達也なのだから。

 

「詳しいことは明日の昼にでもゆっくり話そう」

 

「ええ、ありがとうございます。それと響子さん」

 

「うん? どうかした達也君?」

 

「アーシュラの言うみーくんこと、九島光宣との関係も教えて下さい」

 

「え、ええ。いいけど……そんなに気になる?」

 

「―――教えたくないならばいいですけど」

 

「そんな意地悪なことしないわよ。ただ―――ちょっと血腥いことも含まれてるから、あんまり吹聴しないでね?」

 

年長の女性としての顔を見せながら、不貞腐れるような達也の言葉に返した響子は、その達也の反応に少しだけ怪訝に想いながらも釘を差すことは忘れないのだった。

 

そんなやり取りを終えて達也もホテルに帰した風間と藤林だったが……。

 

 

「達也も色を知る年頃か……まぁいつまでも妹にばかり情愛を向けてもいられんだろうが……」

 

何気なく程度ではあるが、達也に施された精神改造を察していた大隊の人間ではあるが、それでもまさか衛宮の人間に焦がれるとは―――。

 

「まぁまだ確定ではないですけどね」

 

風間のつぶやくような言葉に響子は返しながらも、ここいら一帯が『あの頃の京都・奈良』のようになるのかと、恐怖を覚えるのだった……。

 

 

「――――――まさか、こんな大胆なセクハラしてくるとは思わなかったわ……。こういうのが許されるのは、帝国華撃団(帝国歌劇団)終身名誉隊長(終身名誉モギリ)たる『大神一郎』さんだけよ」

 

何気に紐育華撃団の隊長(プチミント)新生帝国華撃団の隊長(オサレなゲキゾウくん)が除外された。達也としても『ゲキテイ』に関しては激しく同意であったが、前者のことに関しては誤解を解いておかなければならない。

 

「そりゃ誤解だ。切り替わりのタイミングで、こっちの湯船が男湯になったってだけだろ……まぁ悪かったよ」

 

どちらにも決して落ち度があったわけではないが、湯けむりが立ち込める地下の温泉施設において、再び鉢合わせたアーシュラと達也は―――お互いの状況を確認して―――。

 

「さっさと入りなさいよ。ワタシはもう少ししたらあがるから、身体冷めるわよ」

 

半眼は崩れないが、顔を赤くしながら髪洗いも身体洗も済ませたからというアーシュラに促されて、共用の湯船のルールではないが、髪をまとめ上げて湯着を着ていても身体の見事さが損なわれていない彼女を見遣りながら入湯するのだった。

 

「…………」

「…………」

 

沈黙が互いに降り立つ。いや、風紀委員会とかそういうもの以外ではあまり喋らないから、それも当然なのかもしれないが。

 

というか、あのブランシュ事件以来―――正直、アーシュラの対応が『ドライ』どころか『フリーズドライ』になったような気がするのだ。

 

事実、アーシュラはあの時の『ブランシュ事件』での達也の言いように、何一つ納得できていないのだ。

 

別に司波達也に全て原因があったわけではないが、それにしても―――人の命を何だと思っているのか、そもそも『それだけの力』を持ちながら、相手を殺傷することを前提とした戦いなど『弱虫』『臆病者』の誹りを受けること間違いないのだ。

 

合気道の最強の技に『自分を殺しに来た相手と友達になること』というのがあるように、敵だからと辱めるように痛めつけるのは、武の極地とは真逆にある。

 

魔法師の戦いとは、ただ単に憂さ晴らしのための殺傷でしかない。

 

他を圧倒する力で他者を威圧的に脅しつけるように殺した所で、『人間』とはそれに反旗を翻す生き物なのだ。

たとえ万夫不当にして一騎当千の騎士たちがサクソンの民族移動を食い止めても、ピクトの王を倒しても、卑王を滅しても、ローマ皇帝ルーシャスをスワシィの谷で滅ぼしても―――。

 

人は生きるために―――『戦う生き物』なのだ。

 

『かつて『マンハッタン計画』でニホンに原爆を投下した米軍は、その後の世界を主導していった―――二発の爆弾で、20万人以上の人命を一瞬で奪った。中には地獄の如き苦悶にのたうち回って―――そのことの是非は、歴史が決定すべきものだ―――が、オッペンハイマーもアインシュタインも、その後にクレムリンの連中が同じものを手にして、冷戦構造が生まれるなど予期していなかっただろうな』

 

『核兵器を持つことを許されなかった・許せなかった日本の一つの可能性。核反応兵器を無力化し、核反応兵器を上回る―――人間兵器『魔法師』。結局の所―――10大研究所の連中も、ロバート・オッペンハイマーやエドワード・テラーと変わらなかったということだ』

 

『ジイちゃんは、アンジェリーナにもコウマにも―――当然、アーシュラちゃん、立華ちゃんにも、そんな人間になってほしくないよ。魔法も魔術も世界や自分を少しだけ幸せにするものであってほしいんだ』

 

泣きじゃくるアンジェリーナ(アーちゃん)をあやしながら語る人の言葉を覚えているのだ。

 

 

「――――――」

 

そういう意味でコイツは、『魔法師としての最大の俗物』。そういう表現が似合うんだなと思うのだった。

 

「……どうかしたか?」

 

「別に、何の逡巡もなく乙女の湯船に入るものだと思って」

 

「あったさ。……お前、俺のお袋から聞いているんだろ?」

 

「ミヤさんからは、『深雪さん以外のことで顔面(ガンメン)が固まってるから、会うことがあれば解してあげて』とは言われていたけど、やる気が起きないわ」

 

その言葉につまりながら体を擦る達也としては、嫌われているんだな、と『ショック』を受けるのだった。

 

「―――俺はそんなにお前から嫌われているのか?」

 

「別にいいじゃない。アナタの周りはアナタを慕う人間ばかり、ワタシや立華が少々辛くても、どうでもよくない?―――おまけにアナタが近くにいると、光井さんとかあんまりいい気分じゃないみたいだしね」

 

達也には分からないだろうが、女同士の仲の良し悪し、ある種の『毒の華』にも似た関係性というのは、一つどころにいれば形成されるものだ。

この2090年代に時代遅れも甚だしいが、『スクールカースト』というヤツである。

 

正直言えば、アーシュラも立華も達也たちの集団から離れたかったのだが、色々あって司波達也も司波深雪も、2人を『追い出そう』とはしていないのである。

 

寧ろ離れているのに、こっちに来るのだから面倒な話だ。

 

「エリカからは、まるで親の仇を見るかのように度々見られる。アナタがワタシに話しかける度に、光井さんの目線もキツくなる―――面倒なのよ。そういうの(・・・・・)

 

「……エリカは、武門の一員としてアーシュラを羨ましがっているだけだ。現在の日本の軍隊には剣術隊っていう魔法剣士の部隊が存在していて、そこで多く採用されているのが千葉道場の剣術―――それを超越(とびこ)えたものを、お前はエリカに何度か披露してきたんだ。

おまけに―――『母親』からスパルタ染みているとは言え、とんでもない剣技を教えられたこと―――引っくるめて『羨望』があるんだろ。ついでに言えば、『習わなくてもいいならば習いたくなかった』なんて言葉を言われれば―――まぁ懇親会での一言は確かに、そのとおりなんだがな……」

 

面倒な話だとするアーシュラを嗜めるように達也も長広舌をぶって言うが、確かにアーシュラからすればやっかみでしかない。

 

「ほのかに関しては……まぁすまないとしか言いようがない。けれど……だからといってそんな離れようとするなんて、言うなよ」

 

「今後次第ね」

 

ぞんざいに言ってからアーシュラは湯船から出る。水しぶきを自然と弾く我が身を見ながら、精霊の加護を得たその由縁をことさら意識して―――。

 

「アナタみたいな―――弱い人は嫌いだよ」

 

その言葉を掛けることで、司波達也への『否定』の言葉としておくのだった―――。

 

湯船から出る金色の姫騎士の言葉に、達也が深い懊悩に包まれても、それを手助けすることはない。

 

 

 

夜に『色々』あったとはいえ、委員長および会長の命令があったのか、達也一派に掴まれたアーシュラと立華は、先輩方の試合の観戦に連れられてしまった。

 

「立華は早撃ちに、アーシュラは波乗りに出るんだろ?少しは見といた方がいいんじゃないか?」

 

「下手に事前情報仕入れておくと、当日の状態とのバイアス調整が利かないかもしれない」

 

レオの言葉に返しながら、立華としては、他人の戦いぶりなんて見たって―――所詮は魔法師なのだ。

 

そういうことをおくびにも出さないでおく立華に対して、アーシュラは少しだけ心配する。

昨日も遅くまで『天球儀』をなぞっていたみたいで、魔術回路の調整に難儀しているようだ。

 

取り敢えず見えてきた会長の戦いは観戦しておくのだった。そのコスチュームに対しての感想が方面から出てくる――――。

 

((SFかぁ……))

 

 

光井ほのかの感想に何となく思い出すのは―――。

 

ジャージ姿のアーシュラママ似の宇宙騎士。

 

その宇宙騎士のオルタでありながら別人の「暗黒卿」(あんこ食う卿)

 

聖槍甲冑アーヴァロンを纏う銀河警察の宇宙刑事。

ブラックな職場環境に負けるな!!(他人事)

 

―――そんなものを思い出すのだった。

 

ともあれ大した波瀾もなく、順当に勝つことが出来た。だが一家言があるものが多く出てきた。

 

(ドライアイスを打ち出してそこまでの物理破壊力とか、意味不明なんだけどね)

 

ドライアイスを打ち込むよりも『魔弾』の方がいいと思えるのは、魔術師ゆえだろうかと想いつつ、物理学に対するアレコレをレオやエリカに教えたあとには、こちらに話が振られる。

 

「マルチスコープと言えば、アーシュラと立華は無効化してきたと会長は言っていたぞ」

 

「そう」

 

「別に普通のことだもの」

 

そこから手札でも吹聴することを狙っていたのか、はたまた話を広げることを狙ったのか、ともあれ達也の言葉ににべもなく返す2人に、誰もが複雑な表情をする。

 

「いや、ちょっと待ちなさいよ! さっき達也君が、マルチスコープはあらゆるものを見る多元レーダーのようなものとしてきたのに、何でアンタたちだけが無効化出来るのよ!?」

 

「生憎ながら、そんなことをペラペラ喋るほど緩い口ではないので」

 

「立華に同じく」

 

なんて友達甲斐の無い奴らだという感情が生まれるも、だが――――――。

 

「教えてくれれば、アーネンエルベでケーキ30個奢ってやろう」

「「喜んでお教えしよう」」

 

達也の言葉を受けた2人の変節に、殆ど全員がズッこける。

 

「まぁ姿隠しの術なんて幾らでもあるわけですから。『見えないもの』や『隠されたもの』は見通せない術ですよ」

 

「じゃあそういう術があるのか?」

 

「隠形の術なんてのは多くある。冥府の神ハデスの隠れ兜、マナナーン・マックリールの姿消しの長衣などに代表されるように、これらは魔術世界における『ステルス技術』として存在している―――それらを利用すれば、覗き見している人間を騙すことも可能」

 

「そもそもあらゆるものを捉えるとは言うけど、別に会長さんは、『蝿の王』(ベルゼブブ)でも『ウルトラマンケン』(ウルトラの父)でも無いわけだしね」

 

立華の理論的なようでいて観念論的なものを聞かされても、多くの人間は疑問符を浮かべる。更にアーシュラの話を聞かされてもいまいちわからない。

 

「……魔術の中にそういう術があるのは分かった。そう一応は納得しておく。だがアーシュラ、それはどういう意味だ?」

 

「人間の目は、所詮は『単眼』機能でしかない。『蝿』や『蜻蛉』みたいな『複眼』生物のように、『本当』の意味での『広くて詳細な視野』が存在しているわけじゃない。眼がどうやって『像』を結んでいるかなんて、あなた達には今更でしょうから言わないでおくけど―――本当にそんな風に全てを見ているならば、『脳』が焼ききれていると思うけど?」

 

「……つまり、会長のマルチスコープは『自動的』ではなく『能動的』なものだと?」

 

「なんじゃない。常にそんなものを見ていれば、普通はそうなるもの。恐らくだけど『そこに何があるか?』。造語だけど『ウェアダニット』(どこでおきたか?)『ホワットダニット』(なにがおきたか?)を探るものであって、隠そうと思えば隠れられる」

 

何でもないことのように言うアーシュラと立華の説明に、全員が唖然とする。あっさりとそんな風に会長のスキルを分解したことか、それともその説明のわかり易さゆえか―――。

 

「エリカの家って、一応剣道場なんでしょ? なんでこんなことがわからないの?」

 

「一応じゃなくて! 正真正銘の『剣術道場』!! いまの解説で何かウチに関係あること出た!?」

 

「「出た」」

 

端的かつ力強い言葉。この一言だけで、相手に『お前は浅い』と告げているという事実、実に『すごい魔法』だ。

 

「動体視力と静止視力の違いというやつですよ。千葉さん。剣士ならば一度は聞き及んだことがありましょう。『遠山の目付け』という極意ですよ」

 

「―――――――」

 

その言葉に絶句して気づいたエリカが、『まぁ……『分からなくもない』わ』と苦しげに同意したのが印象的である。他にはわからない発言だったが……ともあれ話の転換を図る。

 

「―――お前たちが会長と戦った場合、どういう結果になる?」

 

「さぁ? 知らないわ」

 

「そもそもドライアイス弾だろうが、魔弾だろうが、ワタシには子猫に引っかかれる程度の痛痒もないわ―――そういうマウンティングの言葉がほしい?」

 

答えをはぐらかされて、そもそも魔法が『効かない』ことが『当たり前』の存在から言われて、達也としても何も言えない。

 

 

「魔術師ならば、会長の能力をどう生かしますかね?」

 

「とりあえず動物科(キメラ)鉱石科(キシュア)に行って、複眼構造の『眼』を移植するわ」

 

そんな『当たり前』のように人体改造の話をされて、なんとも言えぬ顔を誰もがする中――――。

 

 

「否、複眼を持つ美女は『大尉』(雑魚)だけで充分であると当方は考える―――」

 

「いきなり何を言っているのさレオ?」

 

「いや、すまん何か変な電波を受信した」

 

 

『フルメタルデーモン』な言動が西城レオンハルトから出るのだった……。

 

 

七草先輩の割と順当な戦いぶりを見た後には波乗りの会場に行くことになる。アーシュラと立華としては、エリセたちと合流したいのだが……。

 

「確かに久しぶりに友人に会えて嬉しいのは分かるが、分別は着けてくれ。如何に偵察的な思惑が無かろうと、自校の人間たちがいい顔をしないのは分かるだろう?」

 

「利得・損得・金勘定なんかで『友人』を売るぐらいならば、死んだほうがマシよ」

 

「なんて徳に篤い女だ……」

 

「アンタに義侠心が無いだけ。自分に同調しない誰かのツラを潰して、それを当然と思っているようなヤツにはわかんない話よ」

 

「ヒドイ言いようだ……そんなにまでも俺は無情な人間に見えるのか?」

 

「見える―――が、こないだのワタシの心を察した一件でマイナス5ポイントぐらいは下げて、無情な人間(−5)としておくわ」

 

どんなステータス表記だと想いつつ『心底の苦笑』をした達也。それを見た深雪などは複雑な表情をするのだった―――。

 

それを分かっているから『絡むな』と言っていたのだが、どうにも聞いてくれない男に対して……。

 

『達也は顔面も硬いけれど、それに違わず心根も頑固な人間だから、気に入った相手には嫌われても『贔屓』しちゃうのよ。気をつけてねアーシュラちゃん。

達也にかけた『魔法』が解かれた時に、アナタを好きになっちゃってるかもね』

 

それは断固お断りしたいとアーシュラは想いつつも、寧ろそれを望むかのような司波深夜(17歳)の言動を思い出して、嘆息をするのだった……。

 

 

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