魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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第76話『逃げるは恥だが役に立つ』

 

 

三高対六高の戦い。

 

その観戦及び偵察をしていたはずなのだが……。

 

「おいおい、マジかよ……」

「つまり―――三高は……」

「――――――――」

 

チームメイトであるレオと幹比古の言葉を聞きながら、眼下で繰り広げられている戦いを見る。

 

もはや六高の勝利など当然だ。

 

その理由は、一条将輝や吉祥寺真紅郎を、宇津見エリセや宇津見ボイジャーが凌駕しているという理由ではない。

下にいるプリンセスガードの三高の選手には、一条も吉祥寺も―――ここまでプリンセスとして戦ってきた一色愛梨もいない。

 

唯一の『前のメンバー』である『中野新』も善戦しようとしているが、いかんせん主力を欠く三高を支えきれる人材ではなかった。

 

そして―――エリセの放つ呪弾が、中野に直撃して、三高は全滅するのだった。

 

こんなことになった原因は、電光掲示板に表示されているのだった。

 

この試合の本来の出場メンバーの現状は―――。

 

「……『怪我のため欠場』ね」

「んなわけあるかよ。ここまで殆ど無傷で勝ってきてるじゃねえかよ」

「勝負を逃げたってところかしら。診断書でも出してみやがれと、三高の天幕にでも突撃してみる?」

 

 

「「「それはやめてさしあげろ」」」

 

本当にやりかねないアーシュラを止めるべく、男三人の心が一致したときだった。

 

今ならば、一人が裏切って恐竜帝国のために戦っても、三体合体できそうだ(?)

 

 

だが、この結果に納得がいかないものが、観客席の中にいた。

それは十師族としての責務とか、誇りとかそういったものを体現している男であった。

 

発端は確かに自分がボイジャーに負けたことだった。それを以て、十師族たちの警戒感を煽ったことは間違いない。

 

しかし、少なくとも十師族制度の根幹を揺るがすだのというお題目のために、このようなことをするなど……。

 

「十文字くん……」

 

「一条師は一色家と共に、ナンバーズに対する、衛宮及び宇津見などという存在に対する不戦命令を出したそうだ。つまり、完全に三高は―――勝負から降りたということだ」

 

「そんな。いくら十師族の権力が高くても、学校運営に対して強烈に介入すれば、どんなリスクを背負うことになるか……」

 

「あそこの校長は、元は三高のOGで軍人だ。更に言えば、一条師とは先輩後輩関係―――その辺りを汲み取ったんだろう」

 

 

俗に『忖度』というやつである。恐らく一条将輝を筆頭に、三高の生徒たちは反発したに違いないが、それでも色々な説得・脅し・賺しなどをやることで、『不満』を封じ込めたというところだろう。

 

十文字と七草が、それを察して黙る。

 

「佐渡ヶ島の『一件』で、三高には『あの悲劇』を繰り返さまいという意識が強い。その辺りも言ったんだろうな。『これ以上、一条など北陸のナンバーズが侮られれば、イワンがやってくるぞ。』とでもな……」

 

「………」

 

 

もう少し詩的な表現もあり得たかも知れないが、ともあれ……完全な不戦状態となった三高は、あとの出場競技は本戦ミラージバットと本戦モノリスとなるのだった。

 

 

「締まらないオチだな」

 

準決勝にて再帰することは―――もしかしたらば横紙破り的に可能かもしれない。克人が現在のガードチームを登録したときのように。

 

『治りました』

 

などと、逆の措置でやってくることも出来るかも知れないが……。

 

 

「―――、一条に喝入れでもしてくるかな」

「……アナタにもモノリスあるんだから自重して」

 

自校他校問わず兄貴分であろうとする態度は好感が持てるが、勝負事の日程の間ぐらい、少しは自重してほしいという想いで、真由美は言っておくのだった。

 

そんな真由美の思惑とはうらはらに、思わぬ形で三高との接触は始まるのだった。

 

 

「結局、一条の手札は見えずじまい―――しかし、出場しないならば、それはそれで」

 

「克人さんは、禁じ手で出てくるかもしれないと言っていたけど」

 

「それも一案だがな……実を言うと、一条や吉祥寺相手に立てていた対策があるんだ。今となっては用済みかもしれないが……『来るかもしれない』として、受け取っておくのが一番だな。受け取らずに帰っていいですよというのは、無情だな」

 

そういうからには『使いっぱしり』にした人間がいるということだ。

 

此奴は、ヒトもモノも使う人間すぎる……だが。

 

(まぁそのおかげでクリロノミアを作れたわけだから、その辺をあれこれ言うことは止しておこう)

 

 

結局の所、この男のお陰でアレは出来上がったのだから……その功績だけは認めておくのだった。

会場のゲートにて来るべきヒトを待ちながら、会話はとめどなく続く。

 

「……コウマ・クドウ・シールズってどんな人間なんだ? 俺は写真すら見せられたことがないから、本当にイメージが出来ないんだが」

 

「別に普通の―――男じゃないわね。まぁ何ていうか、大物かな……簡単に言えば、多くの人の為に動けるヒト……魔法師だからと言って、無理に魔法師らしくあろうとしない。けれど、魔法師として栄達したいならば、色んなヒトに道を授けていくヒトだね。これは―――健おじいちゃんの影響もあるんだろうけど、何ていうかコウマに比べれば、七草会長は他人(ヒト)世界(セカイ)も見ないでいる、『お嬢ちゃん』って感じで気に入らないわ。まぁ氏より育ちとはいうけどね」

 

なぜそこで『七草会長』と比べるのか、『氏より育ち』という言葉など、少々疑問に想いながらも、随分と長く男のことに関して語るものだと、少しだけ達也の中に妬み心が浮かぶ。

 

「まぁ結果的には色々とあったわけだけど……」

 

その色々の中身を教えて欲しいものだ。どうして別れたのか? そして、コウマという男の容貌とか知らないと……。

 

(コイツの頭の中だけに存在する、エア彼氏なんじゃないかと思ってしまいそうだ)

 

何故、頑なに『彼の写真』を見せたがらないのか。疑問をいだきつつも……。

 

「……新しい恋に生きようとか思わないのか?」

 

「そもそも。ワタシがコウマと付き合ったのだって……なんていうか『流れ』でしかないもの。当然、カノジョらしいことはそれなりにやってきたと想うけど―――それでもワタシにとって一番親しかった男の子だったから、まぁそういうことよ。今はまだそういう『気持ち』になれない。

そういうアナタこそ、光井さんに慕われて、これ見よがしにベタベタされているけど、付き合おうとは思わないの?」

 

そんな返しをされるとは思っていなかった達也だが、とりあえず想う所を返す。

 

「アーシュラ風に言えば、ほのかは……俺に『媚びている』女の子だからな。確かに付き合えば……それはそれで、男としては嬉しい限りなんだろうけど」

 

―――けれど、いまの達也には、そういう礼賛の言葉が響かない。

 

むしろ……。

 

 

「……どっかの誰かさんに『人非人』のごとく罵倒されてから、俺は変になってしまったよ。誰かさんに認められない自分が、誰かといい仲になるなんて出来そうにないな」

 

「………アナタがいなければ、テオスは複製出来なかった。それだけは感謝しているわよ」

 

「どうしたらば、それ以上になれるんだ?」

 

「さぁ、それは自分で考えて―――そして……抱きつかないでくれる? そっちに我が校の養護教諭がいるから」

 

「む。遅かったですね小野先生」

 

「いや、既にいたからね。新しい恋に生きようとか、その辺りの文言の時点で既にいたからね! アナタ達だけで二人の世界を作っていたから、入れなかっただけ!! 分かりやすい咳払いだって、何回もしていたのに!」

 

 

思わず『ほえ〜!!』などと叫びたかったと宣う、横にて真っ赤な顔をしていた小野先生は、再度咳払いしてから要件を告げてきた。

 

「それじゃ、これ『お寺』から持っていくように言われた『例のブツ』よ……ただ、そのご依頼に沿わないんじゃないかって九重先生がね……」

 

 

歯切れ悪くキャスターケースを達也に預ける小野遥にどういう意味なんだと問いたいが、それでも預けたからと、強引に達也に渡した小野教諭は『赤セイバー』か『ジャックちゃん』のような声で去っていくのだった。

 

「なんなのかしら?」

 

「さぁな……ともあれテントに戻るぞ」

 

「こんなオンブバッタみたいな状態でか?」

 

HANARERO! と念じながら、未だにアーシュラの背中から離れようとしない達也に抗議したが―――。

 

「せめて覇軍の○動のリ○とガ○リィのような様子だと評してもらいたいな」

 

それだと男女逆だろうが、などとツッコミたい気分を持ちながらも、どうやら離れるつもりは無いようなので―――。

 

「サメでも召喚して食わせたい。もしくはチートスレイヤーをけしかけたい」

「なんでだよ」

 

そんな悪罵の言葉を吐きながらも―――司波達也の後ろからの抱きつきを解除して横並びになる。

 

電動キャスター付きの荷物はアーシュラが引っ張ることにしながら……。

 

「ほら、手を出しなさい」

 

赤くなりながらも、手を達也の横に差し出すのだった。

 

「―――いいのか?」

 

あれだけセクハラしてきているというのに、なぜ手つなぎの方で疑問を覚える。そんな文句を呑み込みつつアーシュラは説明する。

 

 

「あのね。ワタシだって、同年代の男に事あるごとに抱きつかれて、辟易してるのよ。何だか分からないけどワタシに触れていたいってんならば―――せめてこれでカンベンしてよ」

 

「―――ありがとう」

 

ゴツゴツした手は、握りなれた妹の手とは違って、全てにおいて柔らかくは無かった。本人の自己申告通りに、確かに『女の子の手』ではなかった。

 

だが、それは『かよわい』という形容詞が付くだけであり、これは、この手は『色んなことに全力でがんばってきた女の子の手』なのだと、理解できた。

 

だから手の平から感じるプシオンとも思念とも取れるそれから……達也は、本当に不思議で魅力的な子だと思えた。

 

心の底から想いながら、五高との戦いでの礼なのかもしれない……手つなぎデートならぬ手つなぎリターンで一高テントに戻ると……。

 

 

「やはりお主ら付き合っとるんではないか!? 色恋ごとぐらい正直に言っても構わんと想うのじゃが?」

 

「あの時、廊下で抱きしめあっていた事実を俺たちは忘れていない……冷やかしの言葉を掛けたことも、いい青春の想い出だなジョージ?」

 

 

居並ぶ面子の姿と言葉に『テントを間違えたか?』と二人揃って外で再確認するも、やはり一高のテントだ。

再度戻るも、やはり面子が三高メインだ。どういうことだってばよ、という疑問に対して―――

 

 

「間違えていませんよ。間違いなくここは一高のテントです。その証拠に、先程から司波深雪さんが、親の仇を見るかのようにアナタを見ていますから」

 

 

四十九院沓子、一条将輝、そして一色愛梨から言われて、成程と納得する。納得したところで疑問が生まれる。

 

 

「なんで正座してんの?」「ブームなのかもしれない」

 

渡辺委員長が観客席でも正座をしていたのは、誰かに見られていたのかもしれないが。

まぁそんなわけで、何で三高が『敵地』に普通にいるのかを聞くことにする。

 

 

「―――端的に言えば、土下座してでも求めるものがあるのです―――衛宮さん……」

「どうか、ウチのプリンセスたちに似合いの衣装を仕立ていただきたい!!!」

 

 

その言葉の意味は―――――――。

 

 

「霊衣を欲しているというの?」

「そういうことなんだろうな……」

 

地面に頭を突いて、それを要求する態度に……。

 

「そのためにエリセたちとの戦いを避けた?」

「……それが九島老師との盟約だったので」

 

六高との戦いを避けた理由と、やはり復帰してくるという予想は当たっていた。

 

詳しく話を聞くと、このまま一高及び六高と戦った場合、またもや『やられる』と。しかも多くの解析結果として、アーシュラの纏う露出『強』な衣装が、プロテクションスーツよりも高い防御力―――霊的・物理的なものを遮断するということは既に掴んでいる。

 

ルールブックの隙を突いた―――というよりも、九島老師ないし運営委員会からの余計な茶々入れさえ無ければ、そんなものは使われなかっただろうに。

 

そういう納得は出来ても、それでも何とかしたいと思った三高は、こうして接触を持ってきたという理由も。

 

「なるほど、大まかなことは理解できた。六高との戦いを避けた理由は、『なんとなく』程度だけど理解できた。あなた達が勝利のために必死なことも」

 

「じゃあ――――」

 

いつになくイイ笑顔をみせて言うアーシュラに、希望を見た三高が顔を上げた瞬間。

 

 

「―――だが断る」

 

『『『『『ナニィイイイイ!!!!』』』』』

 

「この衛宮アーシュラには『夢』がある。健おじいちゃん(マイスター・クドウ)を故郷に返してあげて、本場のうなぎの蒲焼(関西風)を食べさせてあげるという夢が!! それこそが正しいと信じる夢があるのよ!!」

 

「その為に俺を6億でパッショーネの幹部にしてくれるのか……嬉しいなアーシュラ。まさしくディ・モールト!」

「いや、アンタは関係ないわよ」

 

 

なんだこの寸劇。一高勢が唖然とするほどに、色んな人間讃歌が混ざり過ぎな寸劇を前にして……。

 

吉本新喜劇かというものは――――。

 

「まぁ言っといてなんだけど、別にそんぐらいは問題ないわよ」

 

アーシュラの嘆息気味な言葉で打ち切られた。

 

「じゃあさっきのやり取りは何だったんだよ!?」

 

「一度は断っとかないと、『この人』たちが、不機嫌マックスになるからよ。ワタシの気持ちはともかくとして、一高の人間たちからすれば『利敵行為』と取られるからね」

 

半泣きの吉祥寺の言葉のあとに、親指差しで一高勢を不機嫌そうに見るアーシュラ。

 

その言葉に少しだけ呻く一高指導部だが……。

 

「しかし、そんなこと可能なのか? そのレイイ……ああ、これで『霊衣』と呼称するのか―――それをだな。今から三高のプリンセスたち―――どうやら三高は三姫……四十九院、十七夜、一色で、お前に挑みかかるらしいんだが」

 

立華からプラカード、もしくはADの指示スケッチブックよろしく、端末で漢字を見せられた摩利が言う。

 

「まぁ問題ないでしょ。問題は、この三人に相応の『花嫁力』があるかどうかです」

 

そんな摩利の言葉に何気なく返すアーシュラだが、聞こえてきた単語に三高は―――。

 

「「「は、花嫁力!?」」」

 

―――謎の単語のオンパレードに、誰もがざわつくしかない。

 

もはや自分たちの常識など、意味がないことは理解できていたが……。

 

それでも、詳細な説明が欲しいことはあっさりとスルーされる。

 

「で―――お歴々は、それでよろしい?」

 

「……仕方あるまい。お前と司波が手つなぎで『仲良く』来る前から、三高の皆は平身低頭で懇願してきたんだ。それに―――何というか、司波がやろうとしていることで、同じく『技術を流出させろ』と言われそうだからな―――何より……我が校と四高の時のようなことが再び起こった場合、少しは防御力高い『衣装』であれば、生還の可能性は高いだろうさ」

 

アーシュラの問いかけに対して、重々しく語る十文字克人の言葉。最後の方の可能性は、誰もが失念していたということだろう。

 

「というわけで―――頼むアーシュラ」

 

「承知しました。克人さん―――出てこーい『ハベトロット』!!」

 

どこの地中にうまるガン○ムを呼び出す男だと言わんばかりの行動だが―――――変化は一目瞭然であった。

 

「―――よばれてとびでてジャジャジャジャーン!! まさか指パッチンで呼ばれるとは思わなかったけど、話は聞かせてもらった! キミたちに花嫁衣装を作ろうじゃないか♪」

 

「「―――」」「せ、精霊!? いや、妖精なのか!」

 

突然アーシュラの頭上に現れた『小人』。特徴的な服を身に纏った小人は―――やはり小人なのだった。

 

そして、そんな小人の正体を見破った四十九院沓子の前に降り立ってから、小人は胸を張りながら答える。

 

「ボクの名前はハベトロット! 花嫁の味方で、裁縫の達人で、ハッピーエンドを運ぶ妖精なんだわ! キミたち―――花嫁力たかーい!! 一目見ただけで分かったよ―――こいつら逸材!と」

 

「は、はぁ……ええと、私の知識が正しければ、ハベトロットってのはスコットランドの妖精で、申告どおりに花嫁衣装を作ることが得意だとお聞きしておりますが……」

 

何でそんなものが、簡単に現世に現れているのだ。色んな知識を総動員するに、これが使い魔の類であることは、愛梨にも分かるのだが……。

 

疑問の視線をアーシュラに向けるも、答える時間が惜しいと言わんばかりに、ハベトロットに口を開いていた。

 

「―――疑問はあとで機会があれば答えてあげるわよ。ハベにゃん、糸は足りる?」

 

「3人分の霊衣となると、糸が心許ないんだわ。姫―――プリーズ♪」

 

どっから出したのか分からぬ糸巻き機を見てから、妖精ハベトロットはアーシュラに何かを要求して―――。

 

「ちょっ! アーシュラ!!!!」

 

なにかに気付いた立華が止める間もなく―――アーシュラはポニーテールにしていた(くし)を解いて、その波打つような髪の中に手をかき上げながら―――半ばから『断ち切っていた』。

 

「「「「――――――」」」」

 

その行動に誰もが絶句して、そして「その流れるような金髪」が、光り輝き地に落ちる前にアーシュラの手の中に全てがまとまり、巨大な糸束として収まった。

 

「―――これで十分ね?」

 

まるでなんでもないことのように、そのラプンツェルの髪のようなそれを、ハベトロットという妖精に視点を合わせてから、それを渡していた。

 

「思いっきり良すぎだろ! もー! 髪は女の命なんだぞ!! けど要求した僕が言うべきことじゃないね―――キミの想いは受け取ったよ。任せとくんだわ! ささっ、キミたちはこっちだよ!!」

 

ぷんぷん怒るも、最終的にはそれを受け取ったハベトロットの表情は―――笑顔であった。

 

その言葉で、あらかじめ立華が作っておいた、結界であり『アトリエ』の中に三高女子を押し込むハベトロットを見て、一息つこうとするも―――。

 

「あっ、その前に、そこのバロールもどきの眼を持っている少年。花嫁の衣装を覗くなよ〜。前も言ったけど、ナカムラの服の素材にするからな〜〜♪」

 

警告と指差しの文句で達也に注目が集まり、同時に深雪からの冷めた視線が届くのだった。

 

その空気を一新するべく――――。

 

「アーシュラ、ショートスタイルも似合っているな」

 

「「この状況で何を言っているんですかぁあああああああ!!!!????」」

 

素直な感想と共に空気を一新しようとするも、どうやら選択肢を間違えてしまったようだ。

 

と、見えて―――。

 

「ありがと」

 

後ろで立華が櫛で梳いている状態で短く礼を言われたことで、少しだけ心が温まるのを感じるのだった。

 

 

そんな中………。

 

「もはや驚きばかりで、何から聞けばいいのか分からない………」

 

「俺たち魔法師の常識が、どれだけ底の浅いものであるかを、行動一つとっても教えてくるからな」

 

「だが……あの変身ヒロインのような魔法、いや魔術は教えてもらいたい! 子供の頃から夢だったスーパーヒロイン!! 私だってコンパクトを叩いて、パフで化粧したらプリティでキュアキュアになってみたいんだ!!!」

 

三巨頭のうちの一人が、必死な形相で、とんでもないことを言っているが、ともあれ九校戦のプリンセスガード準決勝は、妙な形を見せつつあった……。

 

 

 

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