魔法科高校の姫騎士~Alternative Order~   作:無淵玄白

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実を言うとこの話、データが吹っ飛んで一から書いたものだったりします。

不安定すぎるグーグルドキュメントアプリ版に見切りをつけた結果、ほかので書いたりした結果です。本当ならばアルクェイド誕生日を祝うかたちで出したりしたかったのですが、そんなこんななか

真綾さん。鈴村さん。おめでとうございます。お体に気をつけてくださいね。

何かと少し不安な世の中で、明るいニュースがもたらされたことに喜びながら、よろしくお願いします。


第81話『プリンセス&プリンス!』

圧倒的なまでの弓術の披露を前にして、一高の天幕は呆然とする他なかった。

それを抜きにしたとしても、あらゆる意味で絶技としか言えないものだったのだから、ムリもない。

 

「中条、同じマジックアローの使い手として、衛宮のやったことは出来そうか?」

 

その言葉を受けて中条あずさは、首をブンブン振り回して否定をしてくる。

 

「ムリムリムリカタツムリですよ!! 高速で飛んできた騎兵槍を、角度―――傾斜を付けて大地に叩きつけ、その上でそれを助走台として駆け上って、騎兵槍の柄尻で最大跳躍! そして、空中にて剣を魔力の弓矢に見立てた上で、天地を逆さにしたまま最大弓射……

運動音痴(うんち)な私じゃ、出来ないとかそういうレベルじゃないですよ―――!!!」

 

長々とした説明セリフありがとうと言いたくなる後輩。だがまだまだ疑問は残っている。

 

「人の魔法を探るようで悪いけど、あーちゃんの『梓弓』は、サイオンで構成されたもので、実体の矢を必要とするものではないのよね?」

 

「はい。私の魔法において弓の弦を引っ張るというのは、実体の矢を飛ばすことではなく、精神干渉のための範囲と効力を設定するための行為ですから、それと梓弓に物質的な質量や重量は感じないんですよ」

 

だからこそ余計に、扱いが難しい魔法なのだが、かといって中条あずさという小柄少女(ロリっ子)に、現実の強弓(こわゆみ)を弾けるだけの力があるかというと、まずそれはありえないだろうという結論が出るのだった。

 

「模造刀をしならせる(・・・・・)ことで、魔力の弓を構成する……いや、確かに弓道部の矢場とかは大喜びだろうが、それにしても、意味はあるのだろうか?」

 

現代魔法の価値観で言えば魔力の矢を『引き絞る』ということの無意味さとかを感じてしまう。竜の矢を使ってのホーミングレーザーというケレン味たっぷりのそれは、普通に放つのではダメなのだろうか? とも思ってしまう。

 

だが、画面において見えた威力は弓ありきだからこそ、そうなのかもしれない。

 

観客を沸かすほどの恐るべき魔法。まぁ現役JKの下着姿が見えたからかもしれないが、ともあれ―――。

 

「プリンセスの2人は戦闘不能。あとは一色を下すだけだな!」

 

「そ、そうね……」

 

摩利の勢いある言葉とは対象的に、真由美と十文字としては、何とも言えぬ表情をせざるをえない。

 

これ以上、ナンバーズを下して力を見せつけられては、色々な問題点が発生しかねない。しかし、アーシュラはそんなことは気にしないだろう。

 

己の望むがままに戦いを行い、勝利を掴む。

その有り様は、どうしても羨望を生むものだ。

 

心のままに戦うそれが、人々の心を変えていく――――。

 

最後のプリンセスたる一色愛梨。ふっとばされた彼女が起き上がり、それでも勇気が後退したのか三高本陣に逃げ帰る様子を見て、アーシュラは追撃をやめない。

 

そして、場面は最後の闘争へと変わるのだった。

 

―――Interlude out―――

 

三高本陣に遂に踏み込んだアーシュラは、一色愛梨を狙いながらも、まだ生き残っている三高生たちを黄金の飛ぶ斬撃で倒していく。

 

一条将輝ですら氷柱の破壊を止められなかった攻撃である。凡百の存在でどうこうできるものではない。

 

しかし、狙われている一色愛梨とて無策ではない。相手は小勢だ。一人でも欠ければ、欠けると思わせれば、それだけでいいのだ。

 

狙うべきは――――。

 

(付き合っているんだか付き合っていないんだか知りませんけど、狙わせてもらいますわ!! 司波達也!!!)

 

その高速でのステップが、明らかに自分に向けられたことを理解した達也は、ステップと同時にやってきた高速でのサーベルラッシュの迎撃をする。

 

難儀な話だが、男子はプリンセスから接近戦を挑まれた際に、応戦するように接近戦をすることは出来ない。せいぜい防御行動…障壁の展開をしながらの回避行動。そんなところだろう。

 

そして、本来の司波達也ならば、そんなことは出来なかっただろうが、アーシュラの協力の下で作ることが出来たテオスクリロノミアが、彼に汎用性ある魔法技能を許していた。

 

身体強化の術を発動しながら、小さい円盾(バックラー)の類を手の甲に発動させながら一色愛梨の英霊霊衣によって強化された攻撃を凌ぐ。

 

その膂力は流石は英霊のものだ。何処の英霊(モデル)であるか、どんな逸話・伝説(ヒストリエ)かは分からないが、サーベルラッシュの一撃一撃は、触れたところを持っていこうとする。

 

「硬さでは勝れない! 疾さで対応して!!」

 

手短なアドバイスが金色の姫騎士から達也に飛んでくる。要するに、防御しきれないから躱しに徹しろということか。

 

しかし、大きく躱していては逆転の芽はない。そしてプリンセスを倒せる手段が達也には無いのだ。

 

ならば、やるべきことは一つだ。とんでもない剣圧を至近距離に受けながらも、達也はそれを行うことにした。

 

懸念事項としては、これでジャッジからイエローフラッグが上がらないだろうかということだ。

 

「これで―――!!!」

「させるか!!」

 

達也の真芯を貫くだろう一撃。手の甲にあるバックラーは、既に魔法式を霧散させていた。その上で、達也が採った行動は。

 

真芯を貫くサーベルの切っ先を掴むことだった。

 

「ッ!!!」

 

「正気なの!?」

 

白刃取りなどとカッコいいものではない。

 

緑色の輝きを見せるサーベルを両の手で掴む。その行動、そして手の平に保護を掛けていたとしても、その武器の一色愛梨の膂力は尋常ではない。

 

既にグローブが焼き切れそうになっているのは理解していた。

 

だが、その瞬間―――戦士として優先すべきことをアーシュラは行うことにした。

 

達也の手は心配事だが(どうせ回復出来るとは知っている)、それ以上にこのチャンスを最大限に活かすことにした。

 

それを達也も望んでいることは理解していたので―――。

 

躊躇なくアーシュラは光刃の飛翔斬撃―――十字に重なったそれを一色愛梨に撃った。

 

今、司波達也に剣を掴まれている愛梨の横合いに迫る斬撃。柔らかい脇腹を突かれる形での奇襲を前に―――。

 

気付いたアーシュラは、即座に剣を地面に突き立ててから、腕を一杯に広げて『司波達也』の救出作業(・・・・)に入った。

 

もう少しで、無防備な一色にアーシュラの剣を当てられたというのに。

 

達也の体に光り輝く草蔦の鎖が巻き付き、上空へと引っ張り上げられた。

 

そのおかげで一色の剣から離れることが出来たが、それが攻撃を迎撃させることになった。

 

何故なんだアーシュラという疑問の声に答えるように、数秒前まで達也がいた地面で盛大な爆発が起こる。

 

霊衣を着込む一色には大した影響はないだろうが、達也にやられたらば、とんでもないことになったのだろう。

 

同時に、その『魔法』が何であるかを理解する。

 

(爆裂……! だが、何の水分を沸騰させて爆弾にしたかだ)

 

いきなりな上昇から地面に戻される。アーシュラが用意した風のクッションに落ちると同時に見ると―――草の全てが根本から消失したかのように、焼け野原が広がっていた。

 

「そうか、一条は草葉が地面の根から吸い取った水分を、爆裂の食媒にしたのか」

 

「でしょうね」

 

アーシュラはそれを読み切って達也を上方へと逃したのだ。この試合が始まる前に、達也は、渓谷ステージや、市街地ステージに存在する水が厄介。

 

それを使われたらば、たまったものじゃない。そう断じていたが、考えが甘すぎた。

 

一条はその気になれば、あらゆる物質に存在する水分を強制沸騰させられるのだ。そして、その量が多ければ多いほど、威力は比例する。

 

「将輝! 援護するよ!!」

「頼むジョージ!!」

 

魔法のターゲッティングが人物(フィギュア)ではないからと、A級殺傷性魔法を流すジャッジにイラッとくるが、ともあれ吉祥寺が足元の草葉を、移動魔法で『弾丸』のように飛ばしてくる。魔法を絶妙のタイミングで『終了』させたあとに、一条はそれを爆破してくる。

 

簡易の手投げ爆弾をどんどこ放り投げられている気分だ。

 

アーシュラもそれが爆弾になる前に草葉を微塵に切り捨ているのだが―――。

 

(数が多すぎる―――)

 

しかも威力が、普通よりも高い。

 

これはもしや……考えたアーシュラが気付く。

 

「それにしても威力が高すぎ―――ないか?」

 

痛みを堪えながらも障壁を張る達也を、仕方なく背中にしながら答えることにする。

 

怪我人のくせに無茶をするなと念話で言って――――

 

そして、自分のためにそんな怪我を負わせてゴメンナサイと―――付け加えておく。

 

そう言うことで、この後の展開を少しだけ和らげることを願った。

 

「この辺りの草葉は、先程のプリンセスバトルで、四十九院さんが喚起した地下水を根から盛大に吸い取ったからね。しかもワタシが湖の妖精(ヴィヴィアン)の加護で踏みしめたから、余計に触媒としていいものになっちゃってるのよ」

 

一高男子一同が沈黙した瞬間だった。詳しい説明をすれば、まだあるのだが―――ともあれ。

 

 

「「「お前のせいか―――ッ!!!」」」

「ゴメンねっ!! 自然干渉能力強くて!!!」

 

 

男子一同からのツッコミを受けて、流石のアーシュラも半ば泣き笑いで全面的に謝るしかなかった。

 

「で、対策はあるのかっ!?」

 

硬化したマント盾を持ちながら、一条の爆発を防ぐレオの言葉が響く。兎にも角にも、ここは一つ!!

 

逃走(えすけーぷ)――――!!!」

 

後ろに向かって前進(逃げるんだよォォォ―――ッ)することだった。アーシュラは剣を振り上げて後ろを示す。

 

「まずは距離を取るということか」

 

「追ってこないかな!?」

 

理解が早い達也とは違い、不安を覚える幹比古だが、ともあれ近くでありったけ爆発を起こされては、たまったものではない。

三高は爆発の余波を一色愛梨の盾で殺せるとはいえ、こちらの盾はそこまで頑丈なものではない。

 

だがこの展開は、三高にとってはイヤなものであった。殿を務めるアーシュラが、一条の『草木爆裂』(ブッシュファイア)をいなしながら去っていく。

 

一高勢が陣取ったその足元は、土が掘り返された黒色の大地であった。

 

この展開を意図していたわけではないが、バトル序盤でのアーシュラの吶喊で、三高の魔法の乱打が草原を掘り返していた。

 

それが一条の触媒が植生している範囲を狭めていた。

戦国城郭の防衛機構の一つ『畝堀』(うねぼり)のように、そこに入り込んだ瞬間に一高陣営の矢弾が降り注ぐのは間違いなかった。

 

この三高本陣前だけが、維管束から水を吸い上げた草葉がある場所なのだ――――。

 

「がっあああ!!!」

「吉祥寺くん!?」

 

将輝の思考の間を狙っていたのか、殿を務めていた衛宮アーシュラから飛翔斬撃が飛ぶ。

 

アバン○トラッシュか剣王震〇呀だか知らないが、これが厄介極まりない。片手で振るった模造刀で、ジョージ(相棒)を吹き飛ばして昏倒させるこの威力……あの氷柱の時にも見た威力だが。

 

(もしも両手での全力の振り抜きをされたならば、どれだけの威力になるのか……恐ろしい!!)

 

ともあれ、今は相棒がいなくなり、自分で草葉を飛ばさなければならない―――。少しばかり作業が難儀だと思ったが……。

 

「草葉は私が飛ばします! 私のサーベルを草刈り作業具も同然にするのですから、ちゃんと爆裂で一高を襲ってくださいよ!!」

 

「すまん 一色!」

 

そうして、三高と一高の戦いは距離を取るものへと変わっていった。

 

 

畝堀とでも言うべきものを超えて、爆弾を飛ばしてくる三高に対して、一高はレオの盾を前にして凌ぐことにした。

 

アーシュラもまた盾を強化するが、それでも長くは持つまい。

 

「どうするんだアーシュラ? このままじゃ持たないぜ!」

 

「そりゃ分かっているわよ。こうなれば、こっちも長距離砲で終わらせる―――わけだけど、これでジャッジがレッドフラッグを上げたらば、少しだけ心残りがあるわね……」

 

その言葉に全員が気付く。それは、先程から自分たちの近くで盛大な爆音が響く一条将輝の魔法を砕き、プリンセスごと戦闘不能にする術があるということだ。

 

 

「いいぜ、俺は賛成する。なんやかんや言っても、アーシュラと達也がいたからこそ、ここまでやれたんだ。これで失格負けになったとしても満足だぜ」

 

「僕もだ。アーシュラさんが僕の中にあるものを正常に戻したからこそ、ここに立てているんだ」

 

2人からそんなことを言われたアーシュラは決意する。手にした模造刀―――選定の剣を模したハリボテに魔力を込める。

 

「剣が――――」

 

(黄金に輝く……)

 

呆然とした幹比古の声。そして―――その輝きに眼を奪われた達也の内心の声。

 

2つに構わず運命の姫騎士は、黄金の輝きと化した剣を手にした。

 

その剣の柄に―――達也は、自分の手を重ねた。

 

アーシュラの手の甲に重ねられる達也のボロボロの手―――血だらけで、グローブの手の平部分は擦り切れて使い物にならない。

 

けれど出来ることはある―――。

 

「司波くん―――」

 

疑問を訴える顔。その眼差しに達也は真剣さを伝える。

 

「手を負傷した以上、この戦いで俺に出来るのは、これぐらいだ。次の六高戦―――宇津見さんと戦うんだろう。俺のチカラも使え。いや、使ってくれアーシュラ」

 

近づく顔と顔。そして、真剣な顔に真剣な顔で頷いたアーシュラは、下に構えていた剣の切っ先を持ち上げる。

 

そして黄金の輝きはさらなる輝きを示す。柄の上で重なる2人の手。

 

それを見た観客席の一部で、季節外れの氷雪が巻き起ころうとしていたが、いち早く藤丸立華が、星雲結界を展開して抑え込むことに成功。

 

「頼んだよ2人とも」

 

「勝負をお前たちに託すぜ!!」

 

マントシールドが限界に近づいていることを悟った2人のチームメイトが、後方に下がる。そうして2人は見据える爆音の向こうにいる敵の姿を―――。

 

マントシールドが、焼き散らされ吹き飛ぶ。そして―――その向こうに―――プリンセスとプリンスの姿を見る。

 

今こそ勝負の時、アーシュラの巨大すぎる領域に接続していた達也は、手に持つ剣を使って何が出来るかを理解していた。

 

いまこそ―――決着の時。

 

「輝きを示せ―――」

 

「―――勝利をこの手に」

 

重なる言葉、重なるチカラ、重なる鼓動―――全てが一体となったものが切っ先より放たれる。

 

 

「「偽性・勝利すべき黄金の剣!!!」」(イミテイト・カリバーン)

 

 

一歩、大股で踏み出したことで前に突き出された剣。

そして切っ先より放出されるは―――光条(直線)。斬撃の軌跡―――光波(曲線)ではないことにプリンセス・プリンスは瞠目する。

 

しかし、放出された光条は、その細さにも関わらず、一条将輝の魔法式を砕きながら真っ直ぐに、三高陣営にまで届く。

 

その直前で光盾で防ごうとした一色愛梨だが、その輝きを前にして、そして―――アトラントの盾を回転させて防げるほどの実力がなかったことが災いした。

 

俄仕立ての英霊霊基では、そこまでが限界だった。全ては修練不足―――

 

そして着弾した光条は、あちこちで「キラキラ」した爆発を起こして、2人を痛めつける。

 

(カリバーン……ブリテンの永遠の王「アーサー・ペンドラゴン」の剣……!! み、見事ですわ―――)

 

思わず見惚れてしまった黄金の輝きを前にして、最後の愛梨の感想はそれだった。全身の衣服が破れ散らされていく中でも、騎士として最後の瞬間は―――。

 

「我が全身全霊ッ!!! 敗れたりっ!!!」

 

―――相手への称賛を口にすることが礼儀だった。

 

そしてプリンスも己がネイキッドプリンスになる中、一つの感想をするのだった。

 

「お、俺も司波深雪さんと―――ケーキ入刀の魔法をしたい!!!」

 

……訂正、それはただの願望であった。そして、昏倒する三高の魔法師たちを前に、WINNERを告げるブザーが鳴り響く。

 

「「御粗末!!」」

 

言葉と同時に、柄尻を持ちながら剣を大地に突き立てる男女。柄尻にて重なる2人の手。それを見て狂奔する存在がいたり、再びJKのおはだけを見れたことに対する興奮―――更に言えば、魔法科高校女子を中心とした黄色い声が加わる。

 

魔法科高校のアイドルとでも言うべき、一条将輝のネイキッドな姿があるのだ。あるものは眼を手で覆いつつも、指の間から覗き見ていたり、またあるものは恥も外聞もなく、端末のカメラ機能でネイキッドプリンスを撮りまくったりするのだった。

 

そんな中、狂奔して氷雪を撒き散らしたいものは……。

 

「ふ、藤丸さん……そろそろ私を出してくださいぃい」

 

「ダメ。今にもバトルフィールドに氷雪を届けそうな、アナタを解き放てませんよ」

 

「だ、だって! ああ!! 手をつなぎ合わせて、指を絡めている!! な、なんですか!? なんでそんなにくっつくんですか!? アーシュラはお兄様が嫌いなのに!!」

 

「そりゃ、自分の為に怪我を負った男子に対して、情けの無いことは出来ないでしょうよ」

 

「―――ち、違います! あの剣つかみは、私のためのサクリファイス!! 」

 

なんか時々、著しく知能指数が下がった言動をする深雪に頭を痛めつつも、予定通りに決勝進出は決まった。

 

そして―――。

 

(エリセは強敵。しかし―――そろそろ「痺れ」を切らして出てくるでしょうね……)

 

 

あの程度の原理しか持たない人蛭風情がよくもまぁ……と思いつつも、観客の被害を抑えるべく、少しの警告を出しておくべきかと藤丸は思案するのだった。

 

 

そして……。

 

 

『それではオシゴトタ〜〜〜イム♪ 次の試合で思いっきり暴れちゃってくれちゃって! ついでに言えば、『クローバー』の少年は、殺しちゃって構わない! むしろメッタくそに殺せば『出るもの出す』かもしれないから♪ 吉報を待ってるよ〜〜』

 

その通信をハンズフリーの端末で受けた人物―――少女は。

 

目の前にある大丼―――なみなみと残ったラーメンスープを飲みあげる。

 

大丼を持ち上げての完食に、思わず周りにいた別の客たちは思わず拍手を送る。

 

「ごちそうさまでした」

「ま、またのご来店お待ちしています」

 

淡々とした様子でデカ盛りメニューを平らげた少女を見送る店員は、かしこまりながら言うも―――この子とは二度と相まみえることはないだろうと、何気なく気付いた。

 

そして―――惨劇の幕は開く……。

 

 

 

 

 

 

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