彼は流浪人 されど剣士   作:湯タンポ

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皆さん、知らない方は初めまして、久しぶりの方はお久しぶりです。湯たんぽです、この作品としては約五ヶ月ぶりの更新で、作者としては約三ヶ月ぶりの更新です。

取り敢えず何故こんなにも更新がなかったかと言いますと、やる気欠乏症、スランプになっていて。正直この話も五ヶ月間この展開で面白いかな?…とちまちま書いては消して書いては消してを繰り返していたため、余りおもろくないと思います……

それでもええよ!って方は生暖かい目で見守ってあげて下さい…多分誤字脱字が多々あると思うので、優しい方は誤字脱字報告とか感想とか評価とか送ってやってください…感想送ってくれたら多分やる気出ます。



第三幕 海柱

「海の呼吸 三ノ型・離岸流!

五ノ型 改・大津波!

ニノ型・水面切り・乱流!

陸ノ型・波の揺らめき!」

 

ギャァァァァアアア!!!!

 

 

「チッ、俺もまだ未熟か……どうしても図体のデカい鬼を見ると、奴を思い出して切り刻みたくなってしまうな…」

 

 

彼は二つの刀を鞘にしまいながらそう零す。

 

 

 

……あ、俺は鱗滝錆兎だ、またつまらん者を切り刻んでしまった……いや、別にストレスが合ったからとかじゃない……ただ、(最終戦別)を思い出すんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……六年前……

 

 

 

当時、鱗滝さんに孤児として拾われた俺は、兄弟子達と一緒に鍛錬しながら暮らしていた。

 

兄弟子と鍛錬をする時間は楽しかったし、鍛錬の間の休息にお喋りをするのも楽しかった。

 

訓練の時は厳しかったが、いつも俺を気にかけてくれていた鱗滝さん。

 

当然、兄弟子達は最終戦別を終えれば正式な隊士となってなかなか会えなくなる…

 

だがそんな楽しい日々ばかりだったから俺は、こう思ってしまったんだ…

 

 

 

 

こんな日々が、続くんだろうなって。疑いもせずに

 

 

 

そんな俺の思いは直ぐに豹変した。

 

 

 

そう、俺は…

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼を憎むようになった

 

 

 

それは別に、俺が鱗滝さんに拾われた時に親兄弟が鬼に殺されていたと知った時ではない、その時俺は四歳か五歳だったし、正直あまり覚えていない。

 

 

だから俺が鬼を憎むようになったのは、兄弟子達が最終戦別から帰ってこなかった時だ。

 

 

そう、帰って来なかった

 

 

 

その事実が示す事は、つまり兄弟子達が死んだということで、その事に気づいたその時の俺は、泣き、叫び、怒り、最後には、怨嗟の声を上げた。

 

 

 

 

そして2年もの間、俺の心は怒りと復讐だけが支配し、兄弟子がよく使っていた『男なら』、という言葉が口癖になっていた。

 

 

 

 

 

……そんな時だった、彼奴が来たのは…。

 

 

 

 

 

 

何時ものように鍛錬をしていた時だ。

 

 

 

 

 

「錆兎、今日からお前の弟弟子になる少年だ。」

 

 

 

突然鱗滝さんがそう言って一人の少年を連れてきたんだ。

 

 

 

名を冨岡義勇と言った。

 

俺はそいつを見た時、軟弱な奴だと思った。犬猫に怯えるし、すぐ転けるし、剣を振ったら必ずと言っても良いほどの確率であらぬ方向へと飛んでいく。

 

そして何より。

 

 

ブンッヒューン

 

「ま、また飛んで行った。」

 

「ご、ごめんなさい」

 

直ぐに頭を下げ、すぐに泣く。 俺はそんな所が嫌いだった。 嫌いだった、嫌いだったけど…放っておく事は出来なかった。

 

 

 

だから教える事にしたんだ、剣の持ち方を、刀の振り方を、呼吸の仕方を、鱗滝さんに、そして、兄弟子から貰った物を、全部

 

 

「………義勇、刀の持ち方はそうじゃない、こんな方に持つんだ。」

 

そう言って、俺は飛んで行った刀を拾い上げ、義勇の手に持たせ、自分の手を添えた。

 

そこで俺は気付いた、義勇が驚いている事に。

 

「……何をそんなに驚いてるんだ?」

 

「な、名前、初めて呼んでくれた。」

 

そこで俺は気づいた、義勇が来て何日も経つのに、1度も名前を呼んでいなかった事に。

 

そして笑った、これ以上ない程に。何故笑ったか?そんな事は俺も覚えてない、ただ、義勇があんまりにも驚くもんだから、笑ってしまった。

 

「…ふっ、ははっ、はははははっ!」

 

「な、なんで笑うの!?酷いよ!」

 

そんな事を涙ぐみながら言うもんだからもっと笑ってしまった。

 

「…だ、だってお前、名前呼んだだけなのになんでそんなに驚いてるんだよッ!くくッ!」

 

「…だって今まで、話し掛けても返事は無いし、俺を呼ぶ時も『お前』って読んだりしてたから、吃驚しただけだよ!」

 

 

そうやって義勇と一日中言い合っていたら、いつの間にか俺の中の何かが吹っ切れた。無論兄弟子姉弟子の事がどうでも良くなった訳では無い、ただ、俺の中で何処か吹っ切れたのだ、今まで俺の心を縛っていた何かが。

 

 

そこから俺達が仲良くなるのは速かったし、ある意味必然と言えただろう。

 

そして、義勇が来てから最初の一ヶ月立ったある日共に鍛錬をしている時に気づいたのだ。

 

 

俺達の鍛錬は練習と言えども実戦とほぼ変わらない、その為相手の一挙一動を細かく見る、故に気づいたのだ、何故か義勇の頬に青い波のような『痣』が有った事に……

 

その時は全く気にしていなかった、何故なら鍛錬をしていれば当然怪我もする、更に義勇は鍛錬をしている最中にもよく転ぶことがあったからだ、その時にどこかにぶつけたのだろうと、当時の俺は思った。

 

 

そして、その『痣』が出来た日から義勇の動きが格段に良くなったのだ、その時の俺は義勇の鍛錬と才能だと思った。 しかし其の時からだ、義勇の言動と態度(・・・・・・・・)が可笑しくなったのは。態度は何処か余所余所しくなり、それ迄よく喋る奴だったにも関わらず、全くといっていいほど喋らなくなった。まるで必要最低限の言葉(・・・・・・・・)で会話をするかのように。

 

例えば

 

 

「義勇、飯の時間だ。」

 

そう聞くと、今までは

 

「うん!分かった!」

 

と、言っていたのに対し、その時は

 

 

「義勇、飯が出来たぞ。」

 

「……あぁ。」

 

 

と、言っていたのだ。

 

ここまで来るともはや別人の域だが、俺はそうは思わなかった、何故か?そんな物決まっている、義勇はどれだけ変わろうとも義勇だがらだ。

 

 

 

 

 

 

そして、時は流れ義勇と出会ってから一年が立ち、最終選別を一年後に控えたある日

 

その日はいつもと何ら変わりのない日のはずだった、何時もどうりの時間に起床し、何時もどうりの時間に飯を食い、何時もより力の容れた鍛錬を義勇と共にしていた。

 

…彼女と会うまでは…

 

 

「義勇、錆兎、お前達に紹介したい者が……」

 

 

俺はその時鱗滝さんの言葉等耳に入っておらず、義勇と共に見開き、鱗滝さんの隣に立つ少女に目を奪われていた。

 

 

 

その少女の名は、『真菰』と言った。

 

 

そしてそれが、最初で最後の恋だった。

 

 




アンケート置いておくので、気になった方はいちよ投票してくれると嬉しいです。



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