バトルスピリッツ――Reincarnation――   作:ショウ.

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第4TURN バトルの後に

 真っ白い世界が彩り形を織り成していく。

 気が付くとシオリはカードショップに戻っていた。

 

 「えっと……私……」

 

 非現実だったバトルフィールドから急に現実のカードショップに戻されたため脳が混乱状態のシオリは向かいで座り込み項垂れるタイヨウを見つけた。

 

 「あ、え!? 大丈夫タイヨウく――」

 

 混乱する脳に追い討ちを掛ける状況に慌てて駆け寄ろうとすると。

 

 「凄かったぞー!」

 「おいおい本当に初心者かよあんた!」

 「おねえちゃんちょうつよーい!」

 

 突然の拍手喝采にビクッと身体を震わすと壇上の下で二人のバトルを観戦していた客がシオリに賛辞の声を投げつける。

 

 「え、え、なにこれ。もう色々ありすぎて頭が追い付かないんだけど」

 

 どう対応すればいいか分からず戸惑っていると観客の中から飛び抜けた等身のマリアが手を叩き満面の笑みを浮かべて近付いてきた。

 

 「congratulation。素晴らしいバトルだったわ。シオリちゃん本当に初心者?」

 

 「正真正銘今日初めてバトルした初心者ですよ! ってそんなことよりもタイヨウくんが――あれ?」

 

 誉めてくれるのは嬉しいが自分の事よりもタイヨウの心配をと思ったが再びタイヨウの方を見ると自分の足でしっかりと立ち背筋を伸ばす彼の姿が写った。

 

 「あー負けた負けた。久々にフツーに負けた」

 

 疲れはなく比較的元気そうなタイヨウにシオリの脳はもう現実に追い付かない。

 

 「ん? せっかく勝ったのに浮かない顔をしてどうしたの」

 

 「いやだって、タイヨウくん相当痛そうにしてたし最後思いっきり後ろに飛んでったよね」

 

 思い出すクロノバース・ドラグーンが最後のライフを奪った直後。後ろに吹き飛ぶタイヨウの姿を。

 バトルに負けたら吹き飛ぶなんて知らなかったシオリはタイヨウが何処か怪我をしてるんじゃないかと心配していたがタイヨウは「なんだそんなことか」と笑っていた。

 

 「あれは過剰演出なだけで時野さんと同じですぐにここに戻ってきたから怪我なんてしてないよ。そもそも怪我をしたら問題事だよ」

 

 「でもさっきしんどそうにしてたよね」

 

 「まあちょっと痛みはあるけど慣れてるから気にする必要はないよ。それよりも初バトルはどうだった」

 

 「え、それは――」

 

 先程までのタイヨウとのバトルを思い返す。

 初めてのバトルは無我夢中で自分がどのようにバトルしたのかは上手く思い出せない。でもただ一つはっきり言えることがある。

 

 「とってもとっても楽しかった! またバトルフィールドでバトルしたいって感じ、というより今すぐしたい!」

 

 「大満足でなによりだよ。久しぶり僕も楽しいバトルが出来たよ」

 

 「あ、そうよタイヨウちゃん。あなた途中からシオリちゃんが初心者だってこと忘れて本気だしてたでしょ」

 

 「うっ、それは……」

 

 マリアの指摘にばつの悪そうな顔をして視線をそらす。

 タイヨウも最後の方は完全にスイッチが入り容赦なく叩き潰そうとしていた。結果的にシオリのファインプレーで事なきを得たから良かったものの普通ならあの場面で投げ出してもおかしくなくバトスピを嫌いになっていた可能性もある。

 

 「初心者に本気だすなとは言わないけどあそこで躊躇わずキースピリットを破壊するのはどうかと思うわよ。そこは普通に別のスピリットを破壊するとかして」

 

 「言われなくても反省してますよ。さすがにやり過ぎたって」

 

 「でも私楽しかったよ。マジックのカウンターも痺れたしキースピリット同士のバトルも熱かったよ」

 

 「初心者でそんなこと言えるのはシオリちゃんぐらいね全く。でも気に入ってくれてよかったわ」

 

 本人が気にしていないのならこれ以上の言及は不要だと責めるのを止め「それはそうと」とシオリに向き直る。

 

 「たぶんみんな気になってるから代表してアタシが聞くけどシオリちゃんのそのデッキはどこで手に入れたものなの。見たことのないカードばかりだけど」

 

 世界に一つしかないため誰も知らないのは当然だ。デッキの詳細が知りたくて堪らないみんなにシオリは笑顔で。

 

 「いいですよ。でもカードショップの店長さんが知らないのってなんか不思議~。まぁ、仕方ないんだけど。私のデッキはですね――」

 

 台の上にバトルフィールドからここに戻ってきた自身のデッキを取って何処で手に入れたか説明しようとしたときだ。

 

 「俺もその話に興味があるなぁ。ぜひ教えてくれよ転醒カードの入手方をよぉ」

 

 店内に響き渡る気だるげな男の声。その声は後ろから聞こえ全員の視線がその声の主に向けられた。

 一番後ろのバトル台の周りに紫のバンダナを着けたラフすぎる格好をした五、六人が囲っておりその中心には机に足を置いてふんぞり返って座る男が手を挙げていた。

 

 「なあ、新米バトラーの嬢ちゃんよ」

 

 にたにたと笑みを浮かべる男を見た瞬間、シオリの背筋に悪寒が走り本能が訴える。

 この男は不快で相手にしては駄目な人物だと――。




一先ずここまで読んでくださってありがとうございます
次話は早めに投稿できるよう頑張りますのでしばらくお待ちください(今月は期待しないで

~バトスピ小ネタ劇場~
《教えてマリア先生!!》
Q.創界神ってどこで手に入るんですか?

A.そうね、よくショップバトルの優勝商品になってるからショップバトルで優勝するのが早いかしらね
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