鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
枷が一つ壊れましたね。
でも勇儀って両手に枷をはめてるはずじゃ…
枷を砕けばはるか強い鬼の封印が解ける
私はその言葉の重みに耐えていた。
他の上弦、いや、もしかするともう1人の鬼の始祖か、この場にまで来られればジリ貧だ。
だが、ここで引き下がる訳にはいかない。
風の呼吸。拾の型 霧飄
「お前の動きなど見切ったわ!」
勇儀は金剛一進を放つ。
当たる訳が無い。私の霧飄は鬼殺隊最速最強なのだから。
それにその技が出るのを待っていた。やはり、私の速さはこれ以上だと気づいていない。
私は大きく
風の呼吸。肆の型 昇上砂塵嵐
私は勇儀の左半身を斬る。
「フン、残念だったな、僅かにズレて…」
「妹紅さん!今です」
炎の呼吸。拾の型 煉獄鳥
妹紅さんの髪が大きく燃え上がるように見える。
そして背中には炎の翼をまとっているようだ。
「私は痣など出さぬ。それよりも速く、そして強くあるべきものだ。それが柱の役目!」
勇儀の頸が浅く斬れる。
さらにもう一撃!
だが、勇儀のもうひとつの枷が砕けただけだった。
防がれたか、
「私に勝とうなんて百年はや…い…」
勇儀は突然、震え出す。
そして頭を抱える。
何があったんだ。もしかしてもうひとつの封印が外れて自分自身がより危険なものへと変身するのか。
その危険性がひしひしと伝わる。
だが、勇儀の髪の色は黒へと変わる。
更には呼吸も苦しくなる。
そして顔を上げた時には
片目が花のような瞳をしている。
「私は…私は…」
「なんだ、何が起きたんだ」
「私は…恋雪…私は恋雪!」
その言葉を私たちは聞いて驚愕する。
さっきまで戦っていたおには上弦の肆、勇儀だったはず。
だが、2つ目の枷を壊した時、頭を抱え、顔をあげれば別の女の鬼、一体どういうことなんだ?
「私は…今全部思い出した。私は200年近く前…」
「あら、初めまして、あなた、毒を盛られたのね?もうすぐ死ぬかもしれないわ」
「し…に…たく…ない…」
目の前にはこの国では余りみない履物を履いた女の子が立っている。
「一つだけ助かる方法があるわ…それはね…」
「どうなっても…いい…私は…生きなきゃ…」
自分は生きなければならない。来月には祝言をあげるからだ。
「生きたいんなら私があなたにできることはするわ。さぁ、私の血を飲みなさい」
私は垂れ流された血を藁をも掴むように飲み干す。
すると、体の奥がものすごく熱くなる。
自分が自分ではないかのような変化が起きる。
頭はクラクラし、目の前が突然回りだし、意識を失う。
「ふーん、まぁ仕方ないわね。強そうな女じゃないし、でも強くなれる可能性はあるから、楽しみね」
その意識のあるうちに聞こえた言葉はやはり異常だった。
そして2日後、私は目が覚める。
「あ、起きたのね?」
私は目を覚ますとそこは見たこともないような建物の一室だった。
私は厠を探す。
その時鏡に映ったのは栗色の髪をし、赤い角を額に生やした姿だった。
私は自分の姿に驚愕をする。
「あら、もしかして、鬼になったら見た目が変化することに驚いたのかしら、ならば、私があなたの人間だった記憶をぜーーんぶ忘れてもらうわ」
そして私は鏡の前で手を床について座っている私に枷を嵌めた。
「あなたはこれからは勇儀と名乗りなさい。そして、あなたは私のセブンスナイツとなるのよ」
「わかりました……」
それから私はあのお方を200年近く護るセブンスナイツの一員として戦い続けた。
そして3年前、
「結婚なさるんですか!」
「ええ、私たちの勢力だけではまだ世界を手に入れるには力不足、何よりこれからは日本が世界に戦いを挑める国として台頭してくると思うの。だから、私が日本の鬼の頭領と結婚すれば、その勢力をここに持ち込められる。私はそう見えるの」
結婚の前にその頭領は、十二鬼月と私たちセブンスナイツで大血戦をすることとなる。
その結果私は猗窩座という鬼を破り上弦の肆として十二鬼月に入ることとなった。
だが猗窩座には私は何かを感じていた。
もしかしてあったことがあるのかもしれない。
でも私には記憶がなく、何を訴えているのか理解が出来なかった。
でも私はよく猗窩座と酒を酌み交わしたり一緒に飯を食うこともあった。
私は性格が変わっていて口調というのも鬼になってからのものであり、人間だった時とはまるで違った。
だが猗窩座は何かが違った。
過去のことに囚われているようだ。
自分のやってしまったこと、自分の経験が全て血鬼術に現れている。
私はその中でも雪の結晶のような術式展開を見た時は、少し懐かしさを感じた。
私はなにか、忘れているような、私は鬼になる前は何を欲していたのか、それが私を悩ませ続けた。
だが今、私はその記憶を封じた枷が外れ、自分の本当のことを思い出せた。
「行かなきゃ、私は狛治さんと祝言をあげたくて鬼になったんだ。あの人の元へ」
そう言って恋雪と名乗る女鬼は戦いの場から逃げ出す。
「お前!戦え!私たちは鬼殺隊だ!私がお前の……」
「文、お前、あの好戦的な不死川さんみたいになってるぞ?それに、わからないのか?あの女鬼の本当にやらなきゃいけないことを」
「なんなんですか!教えてください」
「あの女鬼が探している鬼は恐らく、私の兄ぃを引退に追いやった猗窩座という鬼かもしれない。でも、もしそれが本当ならば、私たちは2体の上弦の鬼の最期を見届けようじゃないか」
「そうよ、文、恋というものは誰にだってある。それがたとえ鬼どうしであっても、変わることはないわ」
私はただただイライラするしか無かった。
でも私の心の知りたい欲求が駆け巡る。
「わかりました!行きましょう」
そう言って4人は猗窩座の所へと向かった。
まさかの事実、
勇儀は恋雪だった。
ここで生きていたということは猗窩座は…
次回!お待ちください!