鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回で猗窩座戦、勇儀戦完結です!
この戦いは、奇跡である。


運命のめぐりあいと奇跡の最期

闘気の一切ない人間をこの百数十年間俺は一度も見たことがない。赤子ですら薄い闘気があった。

だというのにコイツらはあの一瞬全く闘気が無くなった。

そこにいるはずのない異物と対面しているような状態に。

感覚が混乱を起こした。俺の羅針は無反応、だがそんなことは問題ではない。戦いの場においては初めて遭遇する事態全てを即座に理解し対処しなれけばならない。俺はそれが出来るはずだった。

しかし、この短時間の戦闘でコイツらは何かを掴み俺の速度をはるかに上回った。

 

百数十年の武術の粋を正々堂々真正面から打ち砕かれた。

その瞳の中には怒りもなく殺気も闘気もなかった。おそらくその瞳が捉えていたものは、俺が求めていた至高の領域。無我の境地に他ならない。

その境地があるということを漠然と感じていたが今尚俺はそこにたどりつけずにいた。

 

まだ戦える!俺はまだ強くなる!

 

「猗窩座ーー!」

 

俺の頭は地面へと落ちる。

 

終われない!こんな所で!俺は強くなる!誰よりも強くならなければ!もっと強く…!

 

 

「頭が崩れました!」

「勝てた…!?」

「何故だ!何故体が崩壊しない!」

 

俺は…まだ戦わなくちゃならねえんだ!

 

術式展開!

 

まだ終われねぇん……

 

「狛治さん!」

 

誰だ!俺の名を呼ぶのは!

 

「狛治さん!もうやめて!」

俺は突然抱きつかれた。

 

「私……あなたと離れ離れになって190年間…勇儀として鬼になってたの…」

 

どういうことだ、恋雪は死んだはずじゃ…

 

「私、あの夜、毒の入った井戸水を飲んで死にかけた…。でも私はあなたと祝言をあげたいがためにあのお方が助けてくださったの!」

 

そうか…もしかするとあのお方の妻が助けてくれていたのか…。

 

「そして私は、記憶の封印とあの危険な鬼の封印の枷をつけられ、勇儀として生きていたの!私は、あなたのすぐ近くにずっと居たの!」

 

俺は…なんで気づかなかったんだ…。

いや、俺の無意識なところで俺は気づいていた。

体が反応してたんだ。

だから俺は、お前を…。

「狛治さん…、ごめんなさい…私があの井戸の毒を飲まされたばかりに…」

 

そうだった…。あの時俺は恋雪と祝言をあげる前だった。

 

 

 

俺は罪を重ね、病に伏せた親父のためにと思っていた行動で自殺した。

そして俺はその時、周りのヤツらに当たり散らしていた。

そんな時だった。

「すげぇな、お前筋がいいなぁ、大人相手に武器も取らずに勝つなんて気持ちのいいやつだなぁ」

俺はものすごく強い男に道場へと誘われた。

だがその時は若さの至りなのか俺は断り刃向かったがその男は俺を本の数瞬で気絶させた。

 

「いやぁ、目覚めるのが速いなぁ、あれだけ殴って半刻もせずに目を覚ますとは、大したもんだ!

俺は慶蔵、素流という素手で戦う武術の道場をやってるんだが門下生が一人もいなくてな、便利屋のようなことをして日銭を稼いでるんだ。

お前にまず、やってもらいたいのは病身の娘の看病だ。俺は仕事があるもんで任せたい。先日妻が看病疲れて死んでしまって大変なんだなぁこれが、本当に俺が不甲斐ないせいで妻にも娘にも苦労をかける」

 

「娘一人の家に罪人の俺を置いてっていいのかよ」

「罪人のお前は先刻ボコボコにしてやっつけたから大丈夫だ!」

「紹介する。俺の娘、恋雪だ」

その時、俺は可愛い、そう思った。

この娘をどうにかしたい。

その思いで俺は四年間付きっきりで看病したおかげで恋雪は普通に暮らせる程回復した。

そして、俺は慶蔵に。

 

「この同情を継いでくれないか、恋雪もお前のことが好きだと言っているし、何よりお前は随分改心した。お前やってしまった過去はとりもどせないが、俺はお前を全て許す。お前なら、俺よりももっと強くなれる。それにお前のことを尊敬してる子が来月門下生に入ることになった。頼んだぞ!」

その時は俺の人生で最高の瞬間だった。

それにこんな運命になるなんて俺は想像もつかなかった。

真っ当に生きよう、人生をまたこれから始めよう。そして俺はこの2人を守りたい。そう思っていた矢先。

 

「狛治!誰かが井戸に毒を入れた!そのせいで慶蔵さんと恋雪さんが死んでしまった!」

俺は過ぎった、隣の剣術道場が嫌がらせで素流道場に入ろうとした人を全て横からかっさらっていっていたという話は聞いていたがここまでやるとは…

 

俺は全力で2人の元へ向かう。

だが、そこに横たわっていたのは慶蔵だけだった。

 

「おかしい…」

俺はそう思いながら亡くなった慶蔵の手を握っていた。

そしてその場で話し声が聞こえた。

「さっき、剣術道場の坊ちゃんが素流道場の所から出てくのを見たんだけどもしかしてあの坊ちゃんがやったかもしれないわね」

「なんか壺みたいなのを抱えてたけどまさかね」

 

俺は怒りに溺れ、剣術道場の男、90人を皆殺しにした。

でも…俺は腑に落ちないことがあった。

何故あの場所に恋雪がいなかったのか、

何故、あの男はそんなことを言ったのか、

あれは嘘だったのか?

俺は全力で走り、そしてもうどうでも良くなった時にあのお方が俺の目の前に現れた。

「まさか鬼の配置していない駿河で鬼が出たとの大騒ぎで態々出向いてきてみれば、ただの人間とはな、なんともつまらぬ、だが…」

俺の頭をあのお方は貫く。

「十二体程の強い鬼を造ろうと思っているんだお前は私の与えられる大量の血に耐えられるかな?」

 

「鬼なってもいい、もし、恋雪に会えるのならば、構わない」

 

 

そして、190年もの時を越え、やっと、会えた。

「運命は…時に残酷だが…お前も鬼になっていたおかげで会えた…」

「この運命に私たちは感謝するしかないわ」

 

俺は全てが叶った。もうこの世に思い残すことも無い。

「恋雪、俺はお前とこの世で最期をともに出来て良かった。俺とともに行かないか」

「えぇ、もちろんよ、地獄の果てでも、私は狛治さんについて行くわ」

「ありがとう恋雪」

「狛治さん」

 

 

そして俺たちは互いの胸に手を当てる。

 

破壊殺・滅式

 

血鬼術。金剛一進

 

パァン

 

 

 

 

「うううっ…お二人共…お幸せに」

「逝ったか…2人とも最期は笑顔だったな」

俺たちは涙を流していた。

上弦といえど、悲しい者たちだった。

運命というものは不思議なものだ。

 

 

「俺は…胡蝶とあのような恋ができるか…」

「まずその前にまともに話せるようになってからになりましょう」

冨岡さんはしゅんとなっていた。

 

 

「上弦ノ肆!上弦ノ伍!義勇、妹紅、炭治郎、妖夢、文、アリス、弁々、八橋、八名ニヨリ撃破!」

 

鎹鴉が飛びまわる中俺たちは

無惨の方へと向かった。

 




2人は呪縛を解き放ち、地獄へと向かいました。
この2人が死ぬ時はまさに、綺麗な花火のような散り様でした。

狛治、恋雪、地獄でお幸せに
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