鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は童磨の過去回想があります。


童磨の過去と裏切り者

俺は子供の頃から優しかったし賢かった。

可哀想な人たちをいつだって助けてあげたし幸せにしてあげた。

それが俺の使命だから。

 

「この子の瞳の中には虹がある。白橡の頭髪は無垢な証、この子は特別な子だ」

「きっと神や仏の声が聞こえてるわ」

俺の親は頭の鈍さは絶望的だった。

そうでなければ極楽教などという密教は作れないけど、

可哀想だったのでいつも話しを合わせてあげてたなぁ、神や仏の声なんて一度たりとも聞こえることは無かったけど。

初めは寄って集って崇められ祈られさすがに困ってしまった。

子供相手に泣きながら苦しい辛いどうしたらいいって僕は地蔵の生き写しかってバカにしたくもなった。

欠伸の出るような身の上話をした後、どうか極楽浄土に導いて欲しいと頭を下げられた。

俺は泣いた。

可哀想に極楽浄土なんて存在しないんだよ。人間が妄想して創作下御伽話なんだよ。

神も仏もこの世には存在しない。そんな簡単なことがこの愚かな人たちは何十年生きていて分からないのだ。

死んだら無になるだけ、何も感じなくなるだけ、脳が止まり心臓が止まり、血の巡りが絶えて腐って土に還るだけの話だ。生き物である以上須らくそうなる。

こんな単純なことも受け入れられないんだね。

頭が悪いと辛いよね。気の毒な人達を少しでも幸せにして死ねるように助けてあげたい。そのために俺は生まれてきたんだ。

そして俺が20歳の時、時代は明和、俺の両親が死んでたった1人で教祖をしていた頃。

「はぁ、なんで最近女ばっかり来るようになったんだ?」

途端に信者が女に偏り出した。

だいたい来るのは吉原で足抜けして来た女ばかり。

まぁそれもこれも俺が住んでる本山が神田川の近くだったことに他ならないんだけど。

その時やってきた信者は花魁の格好をしたものだった。

「お前、面白い男だ。鬼にならないか?」

「あ、もしかして別宗教の方?悪いけど俺はこの宗教を広めたいんだ。だから、信者は全体に渡さないよ?」

「お前はその望みを叶えたいのか、ならば鬼になれば永遠に教祖となれば人を導けるぞ」

「それはいい!俺は人を導ければそれでいいから」

「話がはやいな、さぁ、腕を出せ」

「はいよ」

 

俺はそれから鬼となった。

 

だがそれから100数十年が経ち明治末期、

「あなた、教団を運営してるのね」

「そうだけど?俺あのお方のせいであんまり信者増やせなくて困っててさぁ、250人までじゃないとダメって言われてて…」

「あなたならもっと増やせると思うわ、それに、私が教示してあげるから」

「ありがとう、でも、あのお方との血の呪いは…」

「なら、私の眷属となりなさい。あの方の呪いをぜーんぶ壊しちゃって私の血で改めて鬼になるの。

そうすればこの教団は日本、いや、世界中に信者を抱える大教団へと登りつめるのよ!

あなたはそこの大教祖となり、果てはキリスト教や仏教などの信徒を全員改宗させ、この世界の統一宗教になる。私にはその未来が見えるのよ」

「ほんと!俺の思いを組んでくれるなんて嬉しい!こんな気持ちになったの初めて!」

「じゃあ私との契約ね。既に玉壺とは手を組んでるし資金面でもさらに充実するわ」

「ありがとう!でもなんでそんなに手を貸してくれるの?」

「私はね、もうすぐあの人と結婚するの、その前に認められるべき者の増やさないとってね」

「ということは俺を上弦の壱に?」

「それとこれと話が別だけど、いずれはそうなれるかもしれないわね」

俺はとにかく喜んだ。

無惨様よりもあのお方の方に付いて言ったおかげで教団は信者が5桁にまで達した。

そしてその増加に気がついたのがカナエという柱だった。

 

 

 

「クククククッ」

「何を笑ってるんですか?」

「まさか君は姉と同じく痣を発動させようとしていた。やっぱり姉妹なんだね」

「何!?姉さんももしかして…」

「そう、痣を発動してたんだよ。あの時はホントびっくりしてさぁ、顔に花柄の紋様が出てたし、何より僕を初めて傷つけたのはカナエだからね」

 

「ふ……ふざけんじゃないわよ!」

しのぶは怒りを露わにし、突きかかってくる。

 

「あ〜、その美貌が怒りで台無しだよ!」

 

蜻蛉の舞。 複眼六角

 

「痛いなぁ、あちこち服がボロボロだよ、あ、そういえば君、鬼の頸を斬れないんだっけ」

 

「それがどうしたと言うんですか?」

「鬼の頸を斬れないならこの戦いにいても邪魔な気がするんだよね!」

 

血鬼術 枯園垂り

 

花の呼吸。弐の型 御影梅

 

獣の呼吸。肆の牙 切細裂き

 

 

「周りが見えなくなってるぜ」

「師範、私たちが絶対にあの童磨の頸を取ります。師範は補助をお願いします」

 

「わかりました。あともう少し待てば勝機はあります。あまり急ぎすぎないよう注意してください」

 

あの3人は連携が取れてる。

でも、勝てる見込みなんて生まれるわけが無い。

それに今この状態でも体力や体温を奪われているわけだし人間とは違って鬼は凍死なんてしないんだから。

 

血鬼術。蔓蓮華

 

「おせぇんだよ」

「それはどうかな?」

 

血鬼術。 散り蓮華

 

獣の呼吸。拾の型 円転旋牙

 

「ほほう、やるねぇ」

「テメェの技なんて俺の感覚で全部わかるぜ」

 

俺は距離を取る。

 

血鬼術。 冬ざれ氷柱

 

「近づけなきゃこっちのもんだよ」

「俺のこと舐めんなよ!」

 

獣の呼吸。玖の牙 伸・うねり裂き

 

「え?」

 

その腕はあらぬ方向へと曲がり、俺の頸が半分斬れる。

 

「いやぁ、何あれ、おそろしいわ」

「クソっ新技はまだ精度がイマイチか、だが、お前の頸に刃が入ったのはわかった。お前の命もあと少しだってこともなぁ」

「それはどうかな?俺と君たち、どっちが勝つかな」




童磨が裏切り者とは、それになぜ童磨と玉壺が優遇されていたのか、はっきりわかりましたね。
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