鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は伊之助の過去を中心とした話です。



伊之助の過去と乱入者

「俺はそこいらの有象無象とは訳が違うからな。俺ならお前のその面、ズタズタにしてやるぜ」

!?

なんかスースーする。

俺は一瞬身構える。

 

「伊之助!」

やはり被り物を取られている。妙に音の響きが違う。

 

「あ、やっぱりこれ被り物かぁ、猪の頭の人間なんてそうそういないよ、オーガとかゴブリンとも違うからもしかしたらと思ったらやっぱりね。んーかなり年季が入ってるねこの猪の皮、目はどういう加工してるのかな?」

 

俺の形見。俺の毛皮!

「テメェ…、返しやがれ!」

「あれ?君の顔見覚えがあるよ。年はいくつ?」

「は?俺は歳なんか数えたことねぇよ」

「俺と会ったこと絶対ある。俺は君の顔と似た人を知ってるよ」

「はぁ?テメェみたいな蛆虫とあった覚えは一切ねぇ!それに汚ねぇ手で俺の毛皮に触んな!」

「俺は会ったことあるよ。もしかして君、嘴平って苗字?」

「え………?なぜ俺の苗字を知ってるんだ?」

「やっぱりね!そう、君の母親、嘴平琴葉という子、そしてその息子、嘴平伊之助。あれは16年半前、琴葉は赤ん坊だった君を抱いて僕の寺院に駆け込んだんだよ。

旦那が殴るんだって毎日姑にも毎日いじめられて、俺の寺院に保護したんだけど、あの子には親も兄弟もいなくて頼れる所も行く所もない。

最初彼女を見た時顔が原型もわからないくらい腫れててあちこちから血が出たたんだよ。酷いことするよね。

殴られたせいで左目の失明と右耳の失聴をしたけど顔は手当したら元に戻ったよ。今までの信者で一番綺麗な子で印象に残ってる」

 

「俺に母親なんかいねぇ!俺を育ててくれたのは雌の猪だ!関係ねぇ!」

「君は猪から産まれた訳では無いよ。人間なんだから人間から産まれているでしょう」

「うるせぇんだよ!ボケカスがぁぁぁ!」

 

「まぁ人の話を最後まで聞きなよ。こんな巡り合わせ、奇跡でしょ」

俺は突然斬られる。

 

「伊之助くん?あまり動かない方がいいですよ」

「落ち着いて!今は相手に乗らない方がいい!」

 

そして童磨という鬼は話を続ける。

「君のお母さんのことはね、喰うつもり無かったんだよ。心の綺麗な人が傍にいると心地良いだろう?お母さんは頭が少し残念だったけど直感や閃きはすごくてね。

それに、美しかったし歌も上手で君を抱いてよく歌ってたよ。どうしてだか子守唄よりも創作の指きりの歌をさ。

ゆびきりげんまんってそればっかり君に歌ってたよ」

 

なんだかわからないが懐かしいような声がする。

俺は赤ん坊のころ、歌われていたんだ。

記憶が少しづつよみがえっていく。

忘れていた、母の顔を。

 

 

「指きりの歌は毎回歌詞が違うんだよね。途中から狸の歌になったり節みたいになったりと可愛かったなぁ」

思い出した。しのぶに似てはいたけどもっと髪が長い、それに、俺にそっくりだ。

 

「寿命が尽きるまで俺の付き人にして喰べずにいたんだけど、琴葉は鋭すぎる直感でバレちゃったんだよ。

俺の本当の素性も、俺の教団が鬼との繋がりがあること、そして俺自身が十二鬼月の当時は弐であったことまでね。

まぁ罵る罵る。酷い、嘘つき、何度も肌を重ねた時間をかえせってね、それで俺の寺院を飛び出して行っちゃったから、追いかけたらさぁ、伊之助がいないんだよ。

もしかしたら川に落っことして先に逝ったんだと思ってさぁ、探さなかったんだ。まぁ琴葉は骨も残さずぜーんぶ平らげたよ。

不幸だよねぇ、幸せな時ってあったのかな?なんの意味もない人生だったと思うよ。君のお母さん、琴葉はね。まぁ俺と琴葉で撮った写真だけが唯一意味があったくらいかな」

 

 

思い出が蘇る。

その思い出は俺にとって忘れていたかけがえのないものだ。

 

「本当に奇跡だぜ。この巡り合わせは、俺の母親としのぶの姉を殺した鬼が目の前にいるなんてなぁぁ!謝意を述べるぜ!思い出させてくれたこと!ただ頸を斬るだけじゃ足りねぇ!テメェには地獄を見せてやる!」

「猪に育てられたというのによく言葉を知ってるね。だけど間違ったことも覚えたみたいだ。この世界に天国も地獄も存在しない。ただの空想、作り話だよ。

現実には善良に生きてる人間の心を貪る悪人がのさばって善人を嘲笑うように甘汁を啜っているからだよ。

天罰も存在しないし悪人は死後地獄に行くって思わなきゃ精神の弱い人たちはやってられないでしょ?人間って気の毒だよねぇ」

「地獄がねぇなら俺が作ってやる!俺の母親を不幸みたいに言うなボケェ」

 

「あっ、そういえばそろそろ時間かな、もうすぐ猗窩座たちが死ぬ頃だと思う。ちょっと見に行こうかな。君たちの相手はこの子にして貰うよ」

血鬼術。結晶ノ御子。

 

「なんだそのチビは…」

 

散り蓮華。

 

「ぬぁぁぁ!」

 

「この子俺と同じくらいの強さの技出せるんだ。あとは任せるね」

「待てテメェ!逃げん…」

 

「たのもーーーー!ここに強い鬼がいるって鴉が言ってたからあたいがやってきたぞー!」

 

逃げようとした童磨の前に現れたのは小さな女の子。

「君?こんなところに来ても何も無いよ?ここには馬鹿な鬼狩たちしかいないか…」

「久しぶりだね…覚えてる?あたいの両親を殺した悪い鬼、その鬼がこんな場所にいるなんてね…、ここであったが十年目!」

 

氷の呼吸。弐の型 氷山割り

 

「おおっと!危ないなぁ、まさかこんなおチビちゃんが鬼狩なんて、びっくりしたよ」

「あんた、あたいのこと覚えてないよね。そりゃそうだよ。あたいはあんたと会うのは初めてだからね。

でもあたいはアンタのことを知ってる。覚えてる?あたいは氷川智溜乃、氷川製氷の一人娘、アンタの教団と取引してた製氷会社だからね!」

 

「そんな!まさかあの製氷会社って…」

「そう、アンタがかき氷の氷の質が落ちたって気分だけで殺されたあたいの両親は気の毒だよ。アンタと取引すれば儲かるって私の両親は大はしゃぎしてたのにさぁ」

 

「ここでアンタをぐちゃぐちゃの粉々にしてやる!」

「ほう?できるかな?俺の事を」

 

血鬼術。 蓮葉氷

 

血鬼術。 粉凍り

 

これだけの技を打てばカナエのように肺がボロボロに……!?

 

「フゥ、効かないねぇ。そのくらいの寒さ、あたいは、対策済みなんだよ!」

 

「なんでだよ!俺の氷の血鬼術が効かないなんて!」

「あたいはねぇ、修行したんだよ。冨岡さんの指示で北の大地、大雪山近くで鬼狩りしてりゃ効かないんだよ!」

 

やべぇ、とんでもねぇやつがやってきた。

俺は同じ感じのやつが来たことで少し危機感を感じた。

 

 




まさかの氷の血鬼術が効かない隊士現る。

てかどんだけ童磨は罪を重ねてるんですかね…。
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