鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は鳴女回です。
原作では上弦の肆でしたが今回ではどうなるんでしょうか


甘露寺の暴走と鳴女の涙

「伊黒さん!情報が正しければこの辺りかな?」

「あぁ、この城で残る広い場所の中で最も広いのはこの辺りだ」

私と伊黒さんは城の中を駆ける。

 

「ここの扉かも!」

私は思い切り開ける。

 

するとそこには色々な間や物が浮かんでおり、

ものすごく大きな空間が広がっていた。

「ここまで広いとは、まさかその血鬼術を使う鬼は相当な手練か」

「伊黒さん、この先に気配を感じる、恐らく一体だけ」

 

私たちはこの大きな空間を探し回る。

 

「なんなのよもう!全然見つからないじゃない!どこにいるのよ!」

「甘露寺、あまり体力を使うな、鬼と対決する時に消耗したら元も子もない」

「そんなのわかっているわよ!伊黒さ…」

 

ベベン!

 

「今の音?なに?」

「おそらく鬼は弦でも弾く鬼なのだろう、音の近くまで行けば自ずと見つかる」

「今どっちから聞こえた?」

「わからない、だが、割と大きな音だったから…」

 

べべベン!!

 

「近い!あの間の方から聞こえたわ!」

「そこにいたか!やはり隠れていたんだな!」

 

音の響く方へと私と伊黒さんは跳ぶ。

 

 

「あーーーーー!見つけた!なんか黒いのがいる!」

「それに、あの手元、琵琶だ。あの鬼が弾いていたのか!」

その黒いのは髪で目元を隠している。

となれば見えていないのとほぼ同じ、

それにさっき上弦の参もしのぶちゃんたちがやっつけてくれたら恐らく弐か壱。

私も、頑張らなくちゃ!

 

私は全力でその鬼の元へ向かう。

だが、目の前には襖が現れる。

 

ゴン!

 

私は襖に頭をうちつけ、弾かれる。

 

はっ…恥ずかしいわ!ちょっと焦っちゃった力みすぎちゃった!私何してるのかしら!

私、上弦を倒せると思って舞い上がりすぎだわ!

 

「甘露寺!」

伊黒さんが私を抱きかかえてくれた。

嬉しい。

 

「甘露寺…相手の能力がわからないうちはよく見てよく考えて冷静に行こう」

 

「はい…!」

私のことを心配してくれた。

ものすごく嬉しい。

 

ベベン!

 

足元が開く。

 

「甘い!」

私は急いで襖の敷居を見極めて跳ねる。

 

 

ゴオォォン

するとその鬼は間自体をぶつけてくる。

 

「そこまで操れるとは厄介」

「伊黒さん!」

 

すると私の体が一気に重くなる。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

私は思い切り背中から押される。

 

「わぁぁぁぁぁ!潰される!」

目の前には別の間、やばい、何とかしないと!

 

心の呼吸。 漆の型 慙

 

 

「きゃっ」

「甘露寺!」

 

「ほ〜んと、周りが見えてないのね。柱としても注意力が散漫よ!私が指導してた頃から全く反省しないわね。蜜璃」

「さとりさん!」

「私が駆けつけてなかったらあなた今頃ペシャンコになってたわよ」

「ご…ごめんなさい」

私はさとりさんに怒られた。

私の師範はさとりさんと杏寿郎さんだ。さとりさんは私を杏寿郎さんの家に連れてってくれた初めて会った鬼殺隊士だった。

 

そして私の恋の呼吸は杏寿郎さんとさとりさんが話してるところを見てこの2人付き合ったらどうなるんだろうって考えてたら派生しちゃったのである。

 

「私、やっぱり焦りすぎかも」

「その通りよ、躍起になるのはいいけど、あなたは恋の呼吸そのままに盲目のようになるから気をつけなさいね」

「はい」

私はさとりさんに下ろされる。

「甘露寺、大丈夫か?怪我はないか?」

「うん、大丈夫、心配しなくていいよ」

伊黒さんにも迷惑かけちゃったかな。

 

「危ない!」

また間が飛んでくる。

 

蛇の呼吸。壱の型 委蛇斬り

 

「ふう、やはりあの鬼は建物自体を手足のように動かせるようだな」

「おそらくあの鬼、戦闘以外に関してはぶっちぎりの強さよ」

「それってもしかして上弦の弐か壱の鬼ですか?」

「う〜ん、違うと思うわ、戦闘に関してでの序列そのものが十二鬼月の数字と言われてるわ、だけどあの鬼はおそらくこの城自体を操ることにのみ特化したもの、戦闘をするには明らかに貧弱すぎるし」

確かに言われてみればそうだ。

戦闘どころか動かしているのは腕だけだ。

だが、琵琶の音とともに建物が大きく動くこと、それを武器と捉えれば話は別になる。

 

「それに、あの鬼、あなた達ははっきりと見えてなかったと思うけど、泣いているわ」

「「え?」」

 

まさか鬼なのに泣くの?涙を流した鬼なんて一度も見たことがないから知らなかった。

でも、なんで泣いているんだろう。

「あと、さっきここに来る前にちらっと紙を見つけたんだけど、あの鬼の名前はおそらく鳴女、十二鬼月の会議録とかいう紙の端に名前が載っていたわ」

「え?どこにそれがあったの?」

「私が落ちたあと、一つだけものすごく巻物やら何やらが置かれた部屋があったの。そこには歴代の十二鬼月の名前や会議の話がものすごく丁寧に書かれてたわ。まぁそこの鬼は私が全部倒したけど」

「そんなところに行ってたんですか!というかその間があるって事初めて知りました!」

「まぁ、私がたまたま見つけたからね。そしてそこから出たらすぐにあなたたちが戦闘してたわけ」

「なるほど」

私はさとりさんがなぜ動きがなかったのか少しわかった気がする。

 

 

「鳴女!あなた、本当は無惨という鬼のこと好きなんでしょ?」

すると、間の動きが止まる。

「やっぱり図星ね」

え?さとりさんってこんなにすごいの?それとも鳴女とさとりさんってお仲間なの?

 

すると間が動き出し、鳴女という鬼のところに誘われる。

 

「どうして私が無惨様を好きだとわかったの」

鳴女は初めて口を開く。

「そうね、私は心柱、あなたの心が読めるのよ。それに、あなたの心はずっと泣いている。もしかして恋が叶わなかったとかそれとも嫌われたとか?」

 

「私は…無惨様を愛しています。この900年、ずっと無惨様のことを思い続けていました。そして無惨様も私の事をずっと信頼してくださってます。だから私は無惨様の呪いを一切受けていない」

 

「なに?無惨は鬼にしたものを必ず自分の細胞や呪いを持って名を口にした者を潰すと聞いていたはずだ」

「それは無惨様が刃向かったりするような輩を管理するためです。それに、私は無惨様に鬼にしてもらった鬼としては唯一呪いを受けていないんです」

 

「じゃあ、全部話してもらおっか、ただし」

さとりさんは鳴女に刃を当てる。

「嘘ついたらどうなるかわかってるよね?」

さとりさんは鳴女を脅す。




鳴女、悲しい鬼なんですね。無惨様をずっとついていって900年、これ程悲しい鬼は見たことないです。
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