鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は鳴女の過去回想です。
原作では語られなかった鳴女の過去が今明らかに


鳴女の過去と無惨への愛

私は今から900年ほど前、平安の中期に、公奴婢の子として生まれた。

その頃は屋敷から出ることは一度もなく、ずっと当時の公家によって奴隷としてこき使われていた。

その時の私は弱く、常に公家の暴力が怖かった。

更には他にも兄弟はいたものの全員、他の公家に人身売買をされていて、会うことさえままならなかった。

そんなある時、私は掃除をしていると、そのお方が趣味として琵琶を弾いていた。

私も弾いてみたい、そう思っていた。

だが、私のような身分が触れてはいけないものだ。

触れば汚れる。公奴婢の癖に何を触っている。

そう怒られると思っていた。

だけどそのお方は私が興味を示しているのを見て。

「お主、この琵琶に興味を持つか、面白い、お主に琵琶を弾かせよう。もし、時々疲れた時は私に聞くのじゃぞ。そうすれば私は琵琶を引くことも許そう」

 

私はそれからというもの、週に一度、疲れた時にそのお方に貸してもらっていた。

だが、私は騙されていた。

他の働いている女たちの話し声を聞き耳を立てると

「あの子汚いわね、旦那様に気に入られて琵琶弾いてるなんてね」

「私たちが全部旦那様がそそのかしてあの女に琵琶が欠けてることを押し付ければきっと旦那様が怒るわ、そしてあの醜女は追い出される。そして私たちは出世する、完璧ね!」

 

泣きたくなった。私はまだ心が弱く、そのお方の家を全力で飛び出した、

私が逃げ出したとなれば追手が来る可能性も少しはある。だが、私は公奴婢、吐いて捨てるような身分だ。

全力で夜の森を駆け抜ける。

すると大きな洞穴を見つける。

そこに入ると、髪の毛がボサボサの男が1人座っていた。

 

「貴様、私の住処になにか用か」

「助けてください、私は、追われているかもしれません、匿って貰えないでしょうか」

私は涙を流しながらその男に訴えた。

「とても非力な女だな。だが、お前は私と同じ人としての扱いを受けなかったものだな。私の仲間にならないか」

そう誘われた。私は縋り付くものもない。選ぶ手段はこれ以外に存在しない。

私はその男の仲間になった。

「お前、名はなんという」

「私に、名前はないです。公奴婢なので、名前さえ与えられずに15まで生きてきましたから」

「なるほど、なら私が名をつけてやろう。今日からお前の名は鳴女だ」

「なきめ?」

「そうだ、鳴る女と書いて鳴女だ」

「なんだろう、私は名前さえ付けられずに生きてきたから、名前というもので呼ばれるのは嬉しい」

「そうだろう、名前は大事だからな。私は無惨、鬼舞辻無惨だ。よろしくな」

「よろしくお願いします」

私はそれから鳴女とあのお方は呼んでくださった。

 

そして2日後の夜。

「お前たちが鳴女という女を虐めるのか」

「鳴女?知らないね。2日前に逃げ出したあの女なんか思い出したくないよ」

「ほう、お前は思い出したくないのか、ならば思い出す頭さえ潰されて死ぬがよい」

 

無惨様は私をいじめたもの達を片っ端から喰らい尽くした。

そして。

「お前が欲しがっていた琵琶だ。あの女たちが抱えていたのでお前にやる」

 

私は琵琶を弾く鬼となった。

その後鎌倉の時代に入ると順調に鬼を増やし続け、

珠世という女に恋をするなどもあった。

でも私は無惨様のためなら何でもする。

そう思い、続けて珠世のことを咎めなかった。

 

だが、あの女は口を一人の時にボソボソと呟いていた。

「私の家族がみんな死ぬなら鬼にはなりたくなかった。息子たち、孫たち、ごめんなさい」

珠世は鬼になったことを後悔している。

もしかすると裏切る可能性がある。

だが、無惨様はあまり聞きいれてくれなかった。

それもそのはずだ。無惨様は珠世を引き入れた時に鬼狩というものが存在するという情報を提供していたのである。

 

そして戦国時代、無惨様はあの男と対峙した。

継国縁壱、無惨様が以降ずっと悩みの種となる最強の鬼狩。

その男に無惨様は死にかけの所まで追い詰められる。

そんなの無惨様を助けたのが私だ。

だが、無惨様に呪いを込められていた珠世は無惨様の呪いが弱まっている隙に解呪をし、無惨様を裏切った。

 

でも私はその間、50年間無惨様の回復に尽力した。

 

そして私と黒死牟だけでは無惨様をお守りするには力不足だ。

そう思い十二鬼月を結成することを提案した。

 

そして無惨様は完治した後、関ヶ原の戦いに目をつけ、そこで多くの鬼を増やした。

しかし、その鬼たちも大半は大坂で死に、生き残れたのは矜羯羅だけだった。

それからは本格的に十二鬼月を完成させるべく、私は大坂城を乗っ取り無限城を本拠地として亜空間に隠した。

それからは十二鬼月となる素質の鬼が続々と増えていった。

だが、産屋敷も眠れる獅子ではなく、関ヶ原より前に徳川幕府に公認となっており、数多くの十二鬼月が狩られ続けた。

 

そして1802年を最後に上弦の変更は無くなったと思った。

しかし今から5年前、無惨様が突然十二鬼月を呼び出しこう告げた。

 

「私はもうすぐ結婚をしようと思う」

そのことには私は全力で反対をした。

無惨様は私が反対するが聞き入れてもらえなかった。

それに無惨様はその鬼もまた鬼のもう一人の始祖であり、二つの勢力が合わされば鬼としての力も世界に大きな力として認められる日が来る、そう言っていた。

だが無惨様は元々それほど大きな野望を持っていたお方ではない。

無惨様の最初の頃の目的は太陽の下で過ごせるようになること、そして鬼狩がいなくなった後にただ密かに過ごすことの二つしかなかった。

なのに無惨様はあの女と結婚をしたことにより大きな野望への奴隷となってしまった。

だからこそ私は無惨様を元の目的を果たすものとして戻って欲しい。

そうただ願うばかりだった。

 

 

 

「なるほどね。無惨という鬼は野望が小さい鬼だったのね。そしてもう1人の鬼の始祖と結婚したことにより大きく変わってしまった。それを止めるためにも私たちに協力してほしいと」

「そう、私と無惨様は本当は密かに暮らしたかっただけなの。でもここまで被害を大きくし、鬼の数を圧倒的に増やしたのはあの女なの。だから、私は無惨様をあの女から解放し、そして無惨様と私の2人だけで夜明けを見ることができればそれでいいの。もう無惨様が翻弄する姿は見たくない」

 

「じゃあさぁ、そのもう1人の鬼の始祖の名前って言えるの?」

「言えない。私はその鬼の始祖に呪いをかけられてる。口にすれば無限城は崩壊しかねない、でも、その鬼の始祖には妹がいてね…その鬼の名前は…」

 

私はその名前を聞き、ニヤッとする。

「ついに、あの鬼と戦えるのね…。私の両親を殺した鬼がまさかこんな場所にいたなんて」

「さとりさん。その顔、怖すぎるよ〜」

 

「その鬼の場所へと向かえる?」

「ええ、向かえることには向かえるけど、でも、私の血鬼術を使うにしても、この城は少し前に大増築されたせいで、ものすごく重いのよ。それに、一つの間を動かすと、他の間まで連動して動いてしまうの」

 

「え?」




鳴女の血鬼術は確かに強い、だが連動して他まで動いてしまうというのはちょっと欠点ですね。
無惨様たちがやったことがまさか裏目に出てるとは…
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