鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回から黒死牟戦です。
ついに残りわずかとなってきました。


上弦の剣士と集まる柱たち

「鬼舞辻の居場所がかなり近い!油断するな!無一郎!」

「はい!」

 

俺は今、悲鳴嶼さんと合流し、無惨の元へと向かっていた。

しかし、

 

足元が抜け、さらに、横から建物が突き出す。

 

「時透!」

 

「俺に構わず進んでください!悲鳴嶼さん!頼みました!」

俺は思いきり突き飛ばされ、そしてぶつかりそうになる。

 

一瞬の判断で俺は壁を斬り割く。

 

危なかった。あと少しで潰されるところだった。

だが、斬り裂いた先にはとても広い空間が広がっていた。

 

どこを支えてるのか分からない柱が幾本か立ち、そしてはるか奥になにか人影が見える。

 

「来たか…鬼狩り…ん?」

その人影が近づくと目が6つを持つ鬼だった。

 

「お前は何やら…懐かしい気配だ」

 

上弦の…弐!こいつが上弦の二番目の鬼か、他の上弦とは比べものにならない、重厚な様、威厳するある。

そして刀、歪な形だが刀を持っている。この男もしや元鬼狩だったのか?

これまでに鬼殺隊で鬼側に寝返ったものは2人だけのはず、1人は稲葉獪岳、もう1人は宮古芳香というものだ。だが、その姿とは2人とは全く違う風貌をしている。

しかも相当な使い手の鬼だ。

それに、怖気づきそうだ。体が戦闘を拒否している。

こんなことは生まれて初めてだ。

 

「お前…名は何という…」

なぜ名前を聞くのか、今までに名前を名乗り出した鬼は数が少ない。それに鬼側から名前を聞きに回ったのは初めてだ。

 

「時透無一郎…」

 

「成る程…そうか…絶えたのだな、継国の家は…」

「継国…誰のことだ?」

「何百年も経っているのだ…詮方なきこと…私が…人間であった時代…戦国時代の時の名は継国巌勝。お前は私が継国家に残してきた2人の子供のどちらかの末裔…つまりは私の子孫だ…。お前からは私と同じ臭いがするのだ…」

 

その名前を聞いた瞬間にゾワッとする。

子孫!?俺がこいつの!?まさか…信じられない!

刀鍛冶の里でもうひとつあった巌勝零式の元であり、始まりの呼吸の剣士の一人、その本人が今俺の目の前に立っているというのか、戦国の世から今まで生きていたのか…。

落ち着くんだ。取り乱すな、戦いたいという感情を抑えろ。落ち着け!

 

「うむ…精神力も申し分ないようだ…ほんの三瞬で動揺を鎮めた…」

 

霞の呼吸。弐の型 八重霞

 

 

「なかなかに良き技だ…。霞か…なるほど…悪くはない」

なぜそこにいるんだ!あの一瞬で逃げたのか!

 

伍の型 霞雲の海

 

「無一郎…」

速すぎる。動きが全く見えなかった。

 

「年の頃は十五、十六のあたりか…その若さでそこまで練り上げられた剣技…私に怯みはしたもののそれを押さえ込み斬りかかる胆力、流石は我が末裔の一人…血は随分薄くなっているだろうが…瑣末なこと…たとえ名は途絶えようとも私の細胞は増えて残っていた…」

「おちょくってるのかな?もし仮に末裔だったとしても何百年も経ってたらお前後も細胞も、俺の中には一欠片たりともも残ってないよ」

「その痣…やはり私の末裔だな」

 

 

霞の呼吸。漆の型 朧

俺にしか出来ない技、まだ完成から半年しか経っていない。ならばこの技ならば。

 

「此方も抜かねば…無作法というもの」

 

月の呼吸。壱の型 闇月・宵の宮

 

月の呼吸!?

八意さんの使っている技と同じ月の呼吸が鬼になっても使えるのか、異次元の速さだ。

俺が少しでも後ろにそれでなければ右手も斬られていた。だけどこの際なら左手くらい犠牲にしてもお前には勝たなければ。

 

俺は左腕の隊服の裾を噛み、力を込めて引き、血を止める。

 

霞の呼吸。 肆の型…

 

その瞬間、刀を奪われ、右肩を貫かれ、柱に磔される。

「ぐっ…」

 

「我が末裔の一人よ…あの方にお前を鬼として使って戴こう。己が細胞の末裔とは思いの外しみじみと…感慨深きもの…そう案ずることは無い。

腕とならば…鬼となったらまた生える。まともに戦える上弦は最早私一人のみ…あの御方もお前を認めてくださるはず…

止血はしておこう。人間は脆く儚い…しかし仮に失血死したとしても・あの御方に認められず…死んだとしても…死とはそれ即ち宿命…故に…お前はそれまでの男であったということ…」

 

俺は玄弥の気配を感じる。

玄弥…この鬼は恐らく最強…上弦の弐でありながら剣士としては最強の…。

 

「そうは思わないか…銃と刀を携えしお前も…」

 

その瞬間、玄弥の左腕がボロっと落ちる。

「玄弥ーーーー!」

 

抜かなきゃ、俺は力を込める。

だが、なかなか抜けない。

 

その隙に玄弥のもう片方の腕も落ちる。

 

「ぐあっ…!」

「鬼喰いをしていたのはお前だったか…玄弥という鬼狩りよ」

 

さらにもう1つ斬られ、上半身と下半身が分かたれる。

 

「ほう、まだ絶命しない…胴を両断されても尚…。三百年ほど前お前と同じく鬼喰いをしている剣士が2人いた。その剣士たちは私が胴の切断をしたことで絶命したが・お前の場合は首か…?貴様のような鬼擬き…生かしておく理由は無い!」

 

 

風の呼吸。肆の型 昇上砂塵嵐

 

「風の柱か…」

「その通りだぜ、テメェの頸を、捻じ斬る風だ」

「兄貴…」

「テメェは本当にどうしようもねぇ弟だぜ、何のために俺が母親を殺してまでお前を守ったと思ってやがる。テメェはにとりと結婚して家族増やして爺になるまでいきてりゃあ良かったんだ。お袋にしてやれなかった分も弟や妹にしてやれなかった分も、おまえがにとりやその子供を幸せにすりゃ良かっただろうが、そこには絶対に俺が鬼なんか来させねぇから…」

 

「ごめん兄ちゃん…ごめん」

「お前は戦うと選択した。ならばお前は早く腕を繋げろ…お前は…戦うと決めたんならな…」

 

「ほぅ、兄弟で鬼狩りとは…懐かしや」

 

「よくも俺の弟を刻みやがったなぁ!糞目玉やろう!許さねぇ許さねぇ!」

 

実弥さんが本気を出した!

 

あの鬼は斬撃を振るう、だが、実弥さんは足元へと潜り込む。

 

風の呼吸。 壱の型 塵旋風・削ぎ!

 

「はぁぁ!こりゃまた気色の悪ぃ刀だぜ!なぁ目玉野郎!」

 

 

「やはりあなたはここにいたのね」

「来てくれたんだ…」

「実弥が私と一緒に行動してたのに、上弦の臭いがして飛び出したんだもの、本当喧嘩っ早いのは困るわ、あっ、刀は抜いてあげるは、でも止血はしっかりしなさい。この戦いは長くなるのよ。それに、私はあなたと同じ先祖を持つものとしてあなたが血を残さなきゃならないんだから」

「ごめんなさい、でも俺はこの戦い、絶対に生き残るから」

「それでよし、私はあの鬼を全力で倒す。あいつには本当にやりたいことがあるから」

 

「ありがとう…八意永琳さん…」




最後の最後で永琳さん登場!

まさかの無一郎と血族が一緒だったとは、
激アツですね!
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