鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回から最終決戦です。
無惨との戦いがついに本格的に幕を開けます。


目覚めぬ炭治郎と肉の壁

「カァァァ!五十五分!夜明ケマデ五十五分!」

 

城は大きく崩れ、周りには街が見える。

「ここは…帝都の近くか」

「大変!このまま無惨を倒せなければ日本は終わるわ!」

 

「さぁお前たちと私!どちらが明日を生きるか勝負だ!」

瓦礫から無惨は現れる。

その背中にはトゲや鋭利な牙のような先端がついた鞭のような触手が生えていた。

 

その攻撃はあまりにも速く、辺りにいた隊士たちをズタズタに斬り裂く。

 

「みんな!」

「くっ、どれだけの仲間を殺せば気が済む!無惨!」

 

蛇の呼吸。参の型

 

恋の呼吸。弐の型

 

水の呼吸。捌の型

 

炎の呼吸。陸の型

 

触手や無惨の体を斬る。

 

頸を斬っても死なないが、攻撃は確実に有効。体をバラバラにして少しでも怯ませ…!?

 

「えっ!?手応えはあったはずなのに!」

「何故だ!私の型は確実に触手斬り裂いたはず!」

 

 

違う、斬った!確実に!ただこの化物が、

斬られた瞬間に再生速度を調整して手応えを騙しているんだ!

頸を斬っても死なない。再生速度を操り切断自体が不可能。

 

無惨は触手を振るう。

 

まずい!間合いが近すぎる!

 

次の瞬間、目の前で多くの隊士が血を噴き出す。

 

「いけーーー!すすめーーー!!前に出ろ!」

「柱や甲隊士は全力で守れ!命を捨てても肉の壁を作るんだ!」

「少しでも無惨と渡り合える剣士を守れ!最優先だ!」

 

千を超える隊士がいるとはいえ命を失うのは辛い。

 

「今までどれだけ柱や甲隊士たちに救われた!その人たちがいなけりゃとっくの昔にみんな死んでいた!その命をここで使え!臆するな!戦えーーーーー!」

「ダメーー!みんなやめて!」

甘露寺さんの言葉を放つものも一般の隊士たちは聞く耳を持つものはほとんどいない。

 

さらに、触手に斬られたものから異変が起きる。

 

「うっ……うわぁぁぁぁぁぁ!」

 

突然体を押さえ転がる者たちが現れる。

 

「即死できた者はかなり幸運だ!即死が出来なくとも私に傷をつけられた者は死に繋がる」

 

その転がった隊士の傷口は肉のようなものが現れ、脈動をし、そして血を吐きながら息絶えていた。

 

「私の攻撃に私自身の血を混ぜる。鬼にすることはない、それほど大量の血だ、猛毒と同じ、細胞を全て破壊し、死に至らしめる。私の血に耐えられるごくわずかな者が鬼になってきたのだから」

 

その言葉に絶望した。

無惨の血に耐えたもの、そのもの達が鬼となり、さらに血を耐え切れたものが十二鬼月になったのだ。

だからこそ強かった。

その十二鬼月よりもさらに別格、そんな鬼がもう一体もいるとなればここで無惨を太陽で殺さなければまた鬼殺隊もやり直しになる。

 

 

 

「どうしてなんだ!命は一つしかない!それなのに!なぜ…」

「お館様、一つ良いですか…」

「え?」

パシン!

 

私は平手打ちされた。

なぜされたのかはその時わからなかった。

 

「彼らは必死になって勝利への橋をかけているんです。無駄死になんかじゃないんです。それもこれもあなたの子供たちがあなたを思ってやっているんです。それこそあなたが無駄だと思ってしまったら死んだ隊士たちが浮かばれません」

「そうだね…早苗、私は悲しんでいる場合じゃないな」

「その強い面持ちがあってこそのお館様なんですから」

 

「現在の状況はどうだ!にちか」

「はい、現在生きている隊士の数は572人、そのうち116名が戦闘不能状態です」

「とにかく、あと少しだけ足止めするんだ。無惨が動かなければ帝都は守られる。そして私の勝手な予測だが、もう一体の鬼の始祖は無惨のところに向かっているんじゃないかと思う。おそらく無惨とは仲が悪いか、それとも無惨を狙うものかだ」

 

「なるほど、やはり鬼の始祖は一枚岩ではないと」

「それに海外でも鬼の被害は報告がわずかながらあったとされる記述も見つけた。おそらく、その鬼の始祖は海外からこの日本にやってきたと思う」

 

 

「どこなんだよー!炭治郎!」

俺は全力で探していた。

 

城が崩れた時、俺は他の甲の奴らとお互いで顔を合わせたが炭治郎だけがいないということに気がつく。

「善逸さんの耳と伊之助さんの感覚が頼りですからね」

「そんなことわかってるよ!」

「やっぱりなぁ、俺がいねぇとなんも出来ねぇんだよ。やっぱり俺が親分だな」

「はいはい、そうですね。親分伊之助さん」

 

全力で耳をすませる。

どこかにいな…

 

すると、俺は感じとる。

そして全力で走る。

 

「なんかあったんですか?ってちょっと!善逸!」

 

とにかく感じ取った俺は近くの瓦礫をどかす。

「いたーー!」

「善逸さん!なんか見つけたんで…」

「禰豆子ちゃ〜ん!よかったぁ、生きてる!心配したんだよ〜!ごめん…」

ゴンッ

「酷いよ〜、せっかく見つけたというのにさぁ」

「ここは戦場なんですよ?それに本来の目的を見失ってませんか?炭治郎をってあれ?なんで禰豆子ちゃんがここにいるんだ?」

「あ?それか?脇毛だとかいうやつが上弦の壱を倒すために連れてきてたんだよ。お前が知らねぇのも無理ねぇか、あの時妖夢はいなかったからな」

「え!?そんなことがあったんですか?禰豆子ちゃんが戦闘してるなんて」

 

「禰豆子ちゃんから鬼の音がしない。人間の音だ。禰豆子ちゃんはもう鬼じゃない」

「え?人間に戻ったんですか?すごいですね。鬼が人間に戻れるなんて初めて知りました」

「しのぶが言ってた薬が効いてたらしいなそれに、そうなるともうこの子分は戦えねぇわけか」

 

そしてその近くに手があるのに気がつく。

俺は周りの瓦礫を更にどかす。

そこには炭治郎が眠っていた。

 

右目は瓦礫によって潰れてしまっているがまだ息はある。

「起きろ!炭治郎!まだ寝てる場合じゃないぞ」

だが、全く起きる気配がしない。

早く起きろ!お前の大切な妹の禰豆子ちゃんが人間に戻ったんだぞ!

揺する、頬を叩くなどをしても目が一向に覚めない。

 

「炭治郎!炭治郎!」

 

夜明けまであと40分。




炭治郎が目を覚まさない。
何が起きているんでしょうか。
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