鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
やっとこの話が書き終えられました。
皆さんを待たせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。
胡蝶病院に着いた俺は面会の話をする。
「あの、すみません。産屋敷輝利哉さんという方と面会したいのですが」
「予約していた嘴平さんですね。すぐに面会の用意をしますね」
俺は面会室に通された。
そこに座っていたのは年老いながらもただならぬ風格を感じる男だった。
「君が最近話題の嘴平青葉くんだね」
「はい…。あなたが産屋敷輝利哉さんですか?」
「そうだよ。私が鬼殺隊最後の隊士、産屋敷輝利哉だ」
俺は気になった。最後の鬼殺隊というのはどういう事なのか。
俺はそれを投げかけた。
「実はね、104年前の初夏の頃、私たち鬼殺隊は鬼の始祖を2体倒した。だが被害も大きく6000人の一般市民と1300人の隊士を失う大事件だったんだ。私は国の人からのかなり詰め寄られたよ。お前のせいで一般人が多く亡くなったんだって」
「それは…気の毒ですね」
「でも私はそれ以降あまり追求はされなかった。理由は君が見た通りの実験結果と同じだよ」
「つまり、この被害を出した元凶は既にこの世にいないと…」
「そう。それに鬼というのは太陽に焼かれるか、それと同等の型によって倒されるしか無かったのでな。その日は太陽が午前11時になるまで出なかったんだよ。太陽を隠す力を持つものそれが鬼の始祖の1人だったのだよ」
「もう1人の鬼の始祖ってのはどうなんですか?」
「ああ、もう1人はその力を持った鬼に吸収された。その後、僅かに残った細胞が傷ついたある剣士の傷をかなり治したがな」
「それってもしかして」
「わかったかい?それが明治生まれ最後の猛者と言われた男。竈門炭治郎だよ」
俺はすごいことを聞いていた。
竈門炭治郎。当時痣を発動しながらも21世紀の始まりまで行き続けたと言われる男だ。
俺はそれをテレビでしか見たことは無かったがとんでもない人だとは思っていた。
「そしてこれが私たち鬼殺隊の事実上解散前に撮影した写真だ。君の家にもあるとは思うけど」
「はい……!?曽祖父ってもしかしてこのイノシシの被り物を頭に乗っけているのですよね。そっくりじゃないですか…俺と」
「そうだね、君の曽祖父、嘴平伊之助は相当な野生的性格でね。場合を除いて上半身は裸だったんだ。それに彼の空間識覚には何度か助けられた」
「そんな人だったんですか…、だから家に飾ってある隊服が綺麗だったわけですね」
俺はそれからも色々と聞いた。
鬼殺隊の実情、彼らのその後、辛い人々の過去なども。
「それで、俺にやってほしいことってなんですか?」
「実はだね、この話の最後の部分、ここを君に書いて欲しかったんだ。青い彼岸花の実態についてだけが埋まってなくてね」
「なるほど、つまり青い彼岸花の解説を俺が加筆すれば良いんですね」
「これで完成できる。君がいなければこの本は完成しなかった。長く生きられて本当に良かった…」
そして俺は3日ほどかけて解説文を書き、再び胡蝶病院へと向かった。
その途中の電車の中で、見覚えがあるような女性を見つける。
その女性はしかめっ面をしている。
下の方を見ると女性は尻を撫でられている。
俺はすかさず男の手を掴んだ。
「てめぇ!しのぶになにしやがるんだ!」
俺はハッとした。なぜ俺の口から"しのぶ"という身に覚えのない名前を口にしてしまったのだ。
「ありがとうございます。妹の詩乃を助けてくださって」
「姉さん!そこは私が言うことよ!」
2人は仲が良さそうな姉妹だった。
「いえいえ、あれは見過ごせませんよ、妹さんの詩乃さんでしたっけ」
「そうですよ。私は冨岡詩乃と申します」
冨岡?もしかして…
「もしかして胡蝶病院の院長と何か…」
「はい、よく知ってますね。そうです。私の父、冨岡義太郎は院長をしています。それに私たちはちょうどその病院に向かうところです」
「奇遇ですね。俺も行くところだったんですよ」
俺はその姉妹と話しながら胡蝶病院まで歩いた。
彼女たちと話していると心がホワホワする。
病院に着いた俺はすぐに産屋敷さんの病室へと向かった。
すると黒い服の女性が病室の前に立っていた。
それを見て俺は病室へと走る。
そして戸を開けるとそこには布を顔の上に被せられた産屋敷さんの姿がそこにはあった。
「もっと早く…もっと早く来てれば…」
涙がボロボロと出て来る。
すると、近くに立っていた女性が俺に話しかける。
「嘴平青葉さんですね」
「はい、でもなぜその名前を?」
「私は産屋敷神奈子、産屋敷輝利哉は私の祖父です」
「すみません、ご親族の方でしたか、実は俺、産屋敷輝利哉さんから頼まれてましてそれで」
「ええ、亡くなる前日、祖父からは聞いています」
そういうと、神奈子さんは話し始める。
「祖父は凄い人でした。戦争の後、日本を大きく立て直すために尽力しました。それに大学もわかくして立ち上げ、今では権威のある大学にまで成長しました。ですが父は言っていました。私よりももっと日本のために、人々のために尽力した者がいる。その人々の思いを私は未来に託すためにも、と」
そして俺の目を見てさらに話す。
「祖父からあなたに伝えることがあると言われました。青葉くん、この国の大和魂を呼び起こすためにもこの本は必ず出版してくれ。それが私の最後の願いだ。頼みました。」
そう言われ、俺は何とかしてこの世に本を出せた。
その本のタイトルは産屋敷輝利哉の遺言の通りだ。
『鬼殺隊の全て〜Another of Slayer〜』
今回を以てこの作品の本編は終了とします。
全134話
340000字
本当に長くなってすみませんでした。
ボチボチその後の鬼殺隊の隊員がどうなったかを付け足す話を入れる予定ですが。
それはまたしばらくしてからにします。
本当に皆さんありがとうございました!