鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
十二鬼月のあいつです
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「あぁぁぁぁぁぁ」
ゴンッ
「いてて…すごく硬いんですね。痛かったですよ」
俺は目を覚ました瞬間にほぼ同時で目覚めた妖夢に頭をぶつけてしまう。
妖夢の頭からは血が滲む。
でも生きていた。やはり、夢の破り方はこれだったか。
「妖夢!夢に落とされたら夢の中で自分の頸を斬れ!破り方だ」
自分の頸を斬る、そして何度も夢の中で自殺する。こうすれば夢から現実に戻れる。
禰豆子の燃える血の臭いと何か違う臭いを嗅ぎとる。
「ん、なんだこれ、腕に縄が、焼ききれてる」
「私も焼ききれてます。どういうことです?」
「俺が寝てる間に禰豆子の血鬼術で縄を焼いたんだ」
「禰豆子さんってそんな術使うんですか?え、炭治郎さんって鬼連れてたんですか!鬼を連れて任務に出るとかどういう神経してるんですか?」
「まぁこれには深い事情があって、この前の柱合裁判で禰豆子は特別隊員として認められたから大丈夫だよ。それに、俺が付いてたら禰豆子は人なんか絶対に食べないし」
「まぁ、この任務が終わったあと詳しく聞きますからね」
「わかった」
周りを見渡すと善逸や伊之助、咲夜さんや煉獄さんも眠っている。
煉獄さんの方は何やら2人の少女の首を両手で締めている。
戦闘での本能でそう動いたんだろう。
「禰豆子頼む!この縄を全て燃やしてくれ!」
俺は日輪刀では切ってはいけない。もしかすると意識が眠っている人の夢の中に取り残される可能性がある。
「善逸さん、伊之助さん、起きて!」
妖夢が思い切り二人の頬を叩くが全く起きる気配がない。
それに善逸は何故か嬉しそうな顔をしている。
俺も他の人を起こそうとする。すると、
「死ねーー!」
女の子が錐を振り回して襲ってきた。
すかさず俺は避ける。
鬼にでも操られているのかとよぎる。
「邪魔しないでよ!あんたらが来たせいで幸せな夢を見せて貰えないじゃない!」
自分の意思で襲いかかってきたのか。それに周りの子供たちも何人か目覚めだす。
「何してんのよ!あんたも起きたなら加勢しなさい!白血病だがなんだか知らないけど、ちゃんと働かないならあのお方に言って夢見せてもらえないようにするからね!」
まだ居たのか。おそらく俺と繋がっていた人だろう。涙を流している。
白血病…病気なんだ。可哀想に…許せない鬼だ。人の心に付け込み幸せな夢に釣られて人殺しに走る。辛い、辛すぎる。
でも子供たちには同情してる暇はない。
「ごめん、俺たちは戦いに行かなきゃならないから」
周りにいた子供たちを気絶させ、俺たちは1号車側へと進んだ。
車両の分岐点の戸を開けると石炭の臭いに混じり鬼の臭いがする。
こんなにも臭っていたのか。俺は密閉されていたから気が付かなかったが気づくのが遅かった。
鬼の臭いは風上からする。
先頭車両の方か。
俺は急いで向かうために列車の屋根に登る。
「禰豆子は来るな。危ないから待ってろ!みんなを起こせ!切符だ!切符を血鬼術で燃やせ!」
「じゃあ私は列車の中から先頭を目指しますね!」
「ありがとう妖夢!そっちも頼んだ!」
俺は先頭車両に向かい走る。
すると2号車の屋根に影が見える。
「あれぇ起きたの?おはよう、まだ寝ててよかったのに」
こいつが乗客を眠らせていたのか。
「せっかくいい夢を見せてやっていたでしょう?お前の家族みんな惨殺する夢を見せることも出来たんだよ?今度は父親や祖母が生き返った夢も見せてやろうか?フフフ」
何故俺の家族のことまで知っている。お前は"下弦の参"十二鬼月か。それに俺は家族の思い出を玩具扱いされることに怒りが込み上げてきた。
「人の心の中2度速で踏み入るな!俺はお前を許さない!」
水の呼吸。拾の型 生生流転
血鬼術強制昏倒催眠の囁き
俺は一瞬夢に落ちる。だがその夢があまりに酷い様を見せられ俺はさらに怒りが込み上げてくる。こんなの見たくない。それは何度も自決する。
「なぜ、なぜ効かない。そうか、何度も自決しているのか。素晴らしいね。何度も死ねる勇気があるって」
「俺の家族を弄ぶな!俺の家族を侮辱するなぁぁぁぁ」
全力で鬼の首を刎ねる。しかし手応えが弱い。もしやこれは夢?それともこの鬼は累という鬼よりも弱かった?
俺は色々なことを勘ぐる。そして振り向く。
「あのお方が柱に耳飾りの君を殺せって言った気持ちすごくわかったよ。存在自体が何か癪に触ってくる感じだよ。」
死なない!?しかもなんだあの肉塊は。
「素敵だねその顔、そういう顔を見たかったんだよ。頸を斬ったのにどうして死なないのか教えて欲しいよね。いいよ、俺は今、気分が高揚しているから、赤子でもわかるような単純なことさ。その体がもう本体ではなくなっていたからだよ。今喋っているこれもそうさ。頭の形をしているだけで頭じゃない。君たち鬼殺隊がすやすやと眠っている間に、俺はこの列車と完全に融合した。この列車が全て、俺の血であり肉であり骨となった。わかるよね。この列車の乗客250人が俺の餌であり人質だよ。」
俺は恐ろしいことを聞いてしまった。250人全員が人質。このままじゃ乗客全員死ぬ。それだけは避けなくては。
「ねぇ守りきれる?君と下を全力で走ってる女の子のたった2人で、俺におあずけさせられるかな?フフフフフフ」
どうする。一人で守るのは2両が限界だ。それ以上の安全は保障できない。
「煉獄さん!妖夢さん!善逸!伊之助!寝ている場合じゃない!起きてくれ頼む!」
その声に呼応するように五号車が炎に包まれる。
「ついて来やがれ子分共!猪突猛進!伊之助様のお通りじゃあーーー!」
光が見えてきた。これなら機会もある。
「伊之助!この列車にはもう安全なところが無い!眠っている人たちを守るんだ!この列車じたいが鬼になっている。」
やはりな…俺の読み通りだったわけだ。俺が親分として申し分なかったわけだ!」
獣の呼吸。伍の牙 狂い裂き
「どいつもこいつも俺が助けてやるぜ、須らくひれ伏し。崇め讃えよこの俺を!」
伊之助は3号車と4号車を守ってくれていた。
俺も1号車と2号車を守るんだ。
すると何やら大きな音がする。電車も飛び跳ねる。
なんだ?
受身をとると目の前には煉獄さんがいた。
「竈門少年無事で何よりだ。」
「煉獄さん!」
「ここに来るまで斬撃を入れてきたので鬼側も再生に時間がかかると思う。それに俺が寝ている隙に、掛川まで来てしまったようだしな。この列車は客車八両の九両編成だ。俺は5号車から後方を守る!
残り4両のうち3号車と四号車は咲夜と妖夢が、1号車と2号車は黄色い少年と竈門妹が守る。君と猪頭少年はくまなく鬼の頸を探せ!」
「でも今この鬼は…」
「どのような形になろうとも鬼である限り急所は必ずある!俺も探りながら戦う。君も気合いを入れろ!」
そういうと煉獄さんは凄まじい速さで5号車の方へと向かった。
伊之助はどうなったんだ。伊之助ならわかる気がする。
「伊之助!どこだ!」
「うるせぇぶち殺すぞ!なんかギョロ目に指図された!なんかすげぇし腹立つぅ!」
屋根の上を全力で走っていた。
「伊之助!急所はどこだ!」
「前の煙が出てるところだ!そこがこの主の急所だ!」
前の煙、つまり先頭の石炭が積まれているところか。
俺と伊之助は先頭の車両へと向かった。
バキッバリバリバリッ
「怪しいぜ!この辺りがなぁ!」
「なんだお前は!出ていけ!」
「下がってろ!斬られてぇのか!」
気持ち悪い手が大量に生えてくる。
水の呼吸。陸の型 ねじれ渦
間に合った。伊之助も危なっかしい。先頭車両の扉を刀で破壊するのはいいがその扉の木の破片がやたらと飛んできていた。
鬼の臭いは足元からする。
「伊之助!この真下が鬼の頸だ!」
「俺に指図すんな!わかったよ!」
獣の呼吸。 弐の牙 切り裂き
切り裂かれた床には骨が見える。しのぶさんが言っていた。首の骨は七つある。
しかも、今見える骨も七つ。つまり鬼の頸はここか!
水の呼吸。捌の型 滝壺
しかし、生えてくる手が肉壁となり防がれる。
さらに裂け目が塞がる。再生がかなり速い。
骨を断つには露出をさせるものと断つものの2人が必要。ならば
「伊之助!連撃だ!肉を斬るものと骨を断つものに分かれよう。」
「なるほどな!いい考えだ。褒めてやる!」
「ありがとう!行くぞ!」
俺は何度も血鬼術かかりそうになるが、伊之助には何故か手ばかりが襲いかかる。
もしかして伊之助は猪の面を被っているせいで目を当てることが出来ていないんだ。
「ははは、俺は山の主だ!目ぇ合わせられなく手しか出せねぇとか、雑魚だな!」
獣の呼吸。肆の牙 切細裂き
今だ、ここの一撃で決める!
ヒノカミ神楽。碧羅の天
俺は思いきり骨を断った。
炭治郎と妖夢、まさかほぼ同時に目覚めるなんてね。
そこからの2人は割とやってましたね。
ちなみに妖夢は炭治郎が話している間に色々な鬼のだすと戦っていました。
それから妖夢と咲夜の2人で共闘しろと煉獄さんに言われた際にはちょっといやいやとしてます。
五号車の炎上は禰豆子が爆血で切符だけを燃やしています。なので乗客は無傷です。