鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
ここで煉獄さんの運命が決まります。
血しぶきが上がる。
それと共に列車が斬り飛ぶ。
「ギャァァァァァァァァ!!」
凄まじい断末魔を上げながら列車はのたうち出す。
列車は何度も跳ねながら肉を纏いだし横転する。
「大丈夫か!しっかりしろ!」
「何とか大丈夫だ。他のみんなは」
「単一は肩になんかが刺さってる。あとの奴らも列車からはじき出されてる。だが大丈夫みたいだ」
「良かった。あと車掌さんはどうした?」
「あいつなら黒いものに下半身が埋まってるぜ」
「なら助けよう。」
俺と伊之助は車掌を助けるために石炭をどかしていく。
「くそっ、こうなれば1人でも食ってやる!」
「まだ生きていたのか?でもその姿だともう死ぬ間際ってとこだな!」
獣の呼吸。弐の牙 切り裂き
「ぎゃぁ、こんなの悪夢だ!俺は、まだ、本気を出していなかっ…」
鬼は切り刻まれてそのまま塵になった。
「大丈夫か、竈門少年!猪頭少年!」
「煉獄さん、大丈夫です。」
「見たところ大丈夫ではなさそうだな。太腿から血が出ている。もっと集中して呼吸の精度をあげるんだ。体の隅々まで神経を行き渡らせろ。そこに血管がある。破れた血管を呼吸で止血しろ!」
俺は集中する。太ももに錐が刺さっている。太腿に集中をし止血をする。
「呼吸を極めれば様々なことが出来るようになる。なんでもできる訳では無いが昨日の自分より確実に強い自分になれる。それに、乗客は全員生きている。怪我人は大勢だが命に別状は無い君は無理せずに休め!」
「はい!」
すると何か気配がする。そしてものすごい音と土煙が上がる。
煙が晴れると、そこには白髪の短髪の男がいた。
その目には"上弦 伍"が刻まれている。
どうしてここに上弦が現れた。
「浜松で待ってりゃ列車は来ねぇから思い切って来てやったらこのザマか、所詮、下弦の参なんかこの程度ってもんだな」
そういうと殴りかかってきた。すかさず煉獄さんが刀を振る。
炎の呼吸。弐の型 昇り炎天
男の腕は斬り飛ぶ。だがすぐに回復する。
「いい刀だ。それに、その太刀筋、気に入った!」
回復が速すぎる、これが上弦の強さか。
「お前に話がある。そうだな、お前も鬼にならないか?」
「ならない」
「見ればわかる。お前の強さ、その闘気、かなり練り上げられている。至高の領域に近い。」
「話を持ちかけるのもいいが、俺は既に君のことが嫌いだ。」
「おっと、そりゃ名乗らねぇで攻めりゃ嫌われるな!俺は猗窩座。上弦の伍だ。」
「俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ。」
「杏寿郎、なぜお前が至高の領域に踏み入れられないのか教えてやろう。それは人間だからだ。老いるからだ。死ぬからだ。そこにいる弱そうな餓鬼だっていつかは死ぬ。なら鬼になろう杏寿郎、そうすれば何百年何千年と鍛錬し続けられる。強くなれる。それに、世界だって救える」
何を言っているんだ。あの鬼は、強くなれるだと?世界だと?さっぱりわからない。
「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない。それに、この少年は弱くない。侮辱するな。何度でも言おう。君と俺とでは価値基準が違う。俺は如何なる理由があろうとも鬼にならない」
「そうか、残念だな。なら、殺す!」
術式展開。破壊殺・羅針
炎の呼吸。壱の型 不知火
凄まじい速さで煉獄さんと猗窩座がぶつかり合う。
目で追えない、それぐらい激しいぶつかり合いだ。
俺は立ち上がろうとするも太腿の刺し傷が痛む。
「今まで殺して来た柱たちに炎はいなかったな。そして俺の誘いに頷く者もなかった。何故だろうな?同じく武の道を極める者として理解しかねる。選ばれたものしか鬼はなれないというのに、素晴らしき才能を持つ者が醜く衰えてゆく。俺は辛い、耐えられない、死んでくれ、杏寿郎。若く強いままに」
猗窩座が何を言っているのか分からない。俺は加勢しようとする。
「動くな!傷が開いたら最悪歩けなくなるぞ!待機命令!」
俺は驚き留まる。そうだ。脚が動かなくなっては元も子もない。
「弱者に構うな杏寿郎!全力をだせ!俺に集中しろ!」
激しい刀と拳のぶつかり合い。ここまでの速さを見るに付いていけない。
「すげぇ、なんか分からねぇけどすげぇ!」
伊之助は感心していた。
しかし押されている気がする。技の威力も僅かに小さくなっている。
土煙が晴れると、煉獄さんは左目がつぶれ、体のあちこちに傷ができていた。
「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ杏寿郎。お前が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった。だがお前はどうだ。潰れた右目、吹き飛んだ左耳、砕けたあばら骨、傷ついた内臓、もう取り返しがつかない。鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ。どう足掻いても人間では鬼に勝てない」
加勢しようにも足に力が入らない。ヒノカミ神楽がまだ体に馴染んでいない。助けに入りたいのに…俺はどうすればいいんだ。
「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!」
「素晴らしい闘気だ…それほどの傷を負いながらその気迫、その精神力!一部の隙もない構え、さすがだな!やはりお前は鬼になれ杏寿郎。俺と永遠に戦い続けよう。」
術式展開。破壊殺・滅式
炎の呼吸。玖の型・煉獄
止まった?土煙で見えない。
煉獄さん。大丈夫か?
土煙が晴れるとそこには右太腿に腕が貫通している姿だった。
一瞬にして腹を刺すと察した煉獄さんは捻っていた。
「くっそ!ずらしやがったな!」
「君の技を少し見させてもらった。だが君の技は単調だ!」
「抜けねぇ!畜生が!」
煉獄さんは絶対に逃がさないその思いで太腿に力を入れていた。
なら今この隙に俺は頸を斬らなければ。
「伊之助!煉獄さんのために動け!」
煉獄さんはさらに刃を頸に突き刺す。だが、こちらも動かない。
拮抗した状態でお互いが耐え合う。今しか機会はない。
猗窩座は何かを察すると突然腕を砕いた。
煉獄さんの刀を首でへし折りながら。
「ちっ、しゃあねぇ!」
猗窩座は全力で走り去る。
俺は追いかけようとするも煉獄さんは俺を引き止めた。
「奴は陽の光を見て焦ったんだろう。追うべきではない。それに、夜も明ける。奴は今頃追ってくるものだと思って逃げている。それに、俺たちはここにいる人々を助けた。それに、下弦の参も倒した。これだけでも良い結果では無いか」
「そうですね。俺、本当に悔しかったんです。何も出来ずにただ見てるだけしか出来なくて。だから俺、あの猗窩座をいつか倒してみせます。だから」
「うむ、お主の活躍にも期待している。強くなれ!上弦を倒せるくらい強く」
「はい、頑張ります!」
こうして、俺たちは無限列車で誰1人として死人を出さずに人質を助け出すことが出来た。
「ところでだ、ここから磐田駅まで運んでくれぬか?あいにく右脚が動かなくて歩けない。どうか頼む。」
手当を終えたあと、俺たちは磐田駅まで煉獄さんを運んで行った。
煉獄さんギリギリ生存ルート入りましたね。
これでタグ回収ひとまず出来ました。
煉獄さん
あちこち大怪我してますけどどうなるんですかね。