鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は、無限列車の後日談になります。
煉獄さんの生存ルートに入った炭治郎はどう行動するんでしょうか。


煉獄さんの実家と呼吸の話

無限列車での激闘から1週間が経ち、

俺たちは蝶屋敷に入院していた。

「はい、みなさん無限列車での任務お疲れ様です。上弦の鬼と対峙しながら生きて帰って来れたこと。素晴らしいです。みなさん、これからも頑張って鬼を退治しましょう。あと、炭治郎くんと伊之助くんは昇格しました。ということで私は失礼します」

そう言って八意さんは病室から出ていった。

「なんで炭治郎と伊之助は昇格したんだ。俺だって頑張ったのに」

「なぁに!俺は鬼の頸を斬るために貢献したからな!」

「そうですよ。今回の下弦の参を仕留めたのは炭治郎さんと伊之助さんですよ」

 

みんなそれぞれで言い争っている、元気そうで何よりだ。

ただ心配なのは煉獄さんだ。

あれだけの怪我をして最後にはみんなに運ばれて、帰ってきたら永遠屋敷に急いで担ぎ込まれた。

おそらく、相当危なかったんだろう。

 

俺は少し気になって永遠屋敷の方に行くことにした。

 

渡り廊下を進み永遠屋敷に入ると、ものすごく薬の臭いがする。

おそらく八意さんの大量にある薬の臭い。臭すぎて涙が出てきそうだ。

 

「あら、炭治郎くん、なにか用でも?」

「しのぶさん、煉獄さんの容態はどうなんですか?」

「そうね、実は煉獄さんはもうここにはいません。今は煉獄さんの実家にいます。療養をする際に家族も周りにいると安心するんだとか」

「お願いします!煉獄さんの家を教えてください!」

「煉獄さんの家なら荏原の駒沢にあります。大きい家なのですぐ分かると思います。」

「ありがとうございます!では行ってきます!」

「いってらっしゃい〜。ん、炭治郎くんってまだ完治してないはずじゃ」

 

 

何とか着いた。思いっきり大きい屋敷なのに気が付かなかった。

というかデカっ!

屋敷の塀を辿り入口に向かうと掃除をしている子を見つける。

「こんにちは、煉獄杏寿郎さんという方は、いらっしゃいますか?」

「はい、私の兄なら、今は自室にいます。よろしければ案内しましょうか?」

一目で分かる。その顔を見れば兄弟だと、本当にそっくりだなぁ。

 

煉獄さんの弟さんに案内される。そして戸を開ける。

「お前にはもっと頑張ってくれ。お前が…おう!竈門少年!久しぶりだな!」

「煉獄さん!大丈夫ですか?酷い怪我してたので心配だったんですよ!」

「ははは、命さえなくさなければ大丈夫だ!」

「大丈夫って言っておきながら右脚は麻痺して歩けないって言わないあたり強がりすぎますよ。お兄は」

元気で何よりだが右脚は猗窩座の腕が貫通してたせいでボロボロだったのを思い出す。

「おう、そういえば紹介してなかったな。彼女は藤原妹紅、俺の従兄妹だ」

「お兄からのご紹介に続けます。私、藤原妹紅と申します。階級は甲、齢は17です。よろしくお願いします」

甲、つまり柱になるための候補というわけか。

「妹紅にはもう少し頑張ってもらえば俺の後に柱になれる。そう思って妹紅に話をしていた」

「どういうことですか?煉獄さん」

「俺はもう既に杖なしでは歩けない。それに、八意殿によると肺も傷ついていて呼吸を多用出来ないようになってしまったからな!だから昨日、お館様に柱を辞すと申し入れてきた」

柱を辞す?つまり柱から引退するということか。

「まぁ、気を下げるな。俺は柱を引退したものの隠や裏方の方に回る。ただそれだけだ。鬼殺隊は辞めない。安心したまえ」

よかった。でも裏方に回るということは鬼を斬ることはもう出来ない。

弟子になろうと言われたあの時のことが実現出来なくて悲しい。

「そこでだ、俺は刀を振るわなくなる。だからこそ、竈門少年に渡すものがある。俺の日輪刀の鍔だ。いつか必ず使う時が来る。持っていくが良い」

「ありがとうございます」

俺は煉獄さんから鍔を貰った。

「お兄は気分がいいとよく物をやる。この前なんか、馬の蹄鉄なんか上げてたしな」

「馬の蹄は海外では魔除けとして言われているし。それに、産屋敷家の牧場で育てた馬の蹄鉄が古くなった物をあげただけだしな」

え、お館様って馬育ててたの?どうりであの裁判のとき右の女の子から獣の臭いがしたわけか。

「それに、お館様は日本でも屈指のお金持ちだからな。俺たち鬼殺隊を養って貰えるのも、それだけ素晴らしいお方だからな」

 

入口の方から物音がする。

「おう、帰ったぞ〜、今日はいいの当ててきたぞ〜」

「父上が帰ってきたようだ。今日は気分が良さそうだな」

 

「杏寿郎、今日はお前の好きなさつまいもがどっさりだぜ」

「それはとても嬉しい。今日はさつまいもの天ぷらが良い!」

「そうだな、お、今日はお前の見舞いが多いなぁ。ん?」

煉獄さんのお父上がこちらに来ると何かを見てしまったかのように表情が険しくなる。

「そこの坊主、お前、日の呼吸の使い手だな?そうだろう!」

突然俺の事を指さしながら煽ってくる。

「日の呼吸?なんのことですか?」

「その耳飾り、俺は見た事がある。そう、あの本に書いてあったことだ。始まりの呼吸。1番初めに生まれた呼吸、最強の御技、そして全ての呼吸が日の呼吸の後追いに過ぎない。日の呼吸の真似をし劣化した呼吸。それは炎も水も風も月も、全てがだ!何故ここにそんな奴がいる。こんな場所に来るべきではない。立ち去れ!」

俺に対して怒りだす。それを妹紅さんが全力で羽交い締めにする。

「父上、彼は俺の大切な客人だ!それに、何があったんだ!突然彼の耳飾りを見て怒り出す!」

「伯父様、お兄のお見舞いに来た人なんだから落ち着いてください」

 

 

「すまなかった。取り乱してしまい」

「まぁいいですよ。気にしないでください」

「仕方ない、父上は元炎柱であったが6年前に引退してから怒りやすくなってしまってだな。前までは優しい父上だったのだが」

「伯父様は、最近競馬か鉄火か酒を飲むしか生きがいを感じていないくらい腑抜けてしまって、本当に柱だった威厳はどこへ行ってしまわれたのか」

「妹紅、俺のことそう思ってたのか?お前の親父に言いつけるぞ」

「ヒィ」

騒がしい家族の言い争いに俺はここにいていいのか迷う。

「炭治郎くん。では、説明をしよう。実を言うとだな、呼吸法というものは縁壱という剣士によって編み出されたものだ。今から500年近く前から現在に続く。その剣士は日の呼吸を使っていた。そして彼に弟子としてついたものが5人いた。そこから、その5人がさらに編み出した呼吸こそが、炎、水、雷、岩、風の5つだ。この呼吸を扱うものが鬼殺隊の隊士として基本的に型と合わせて受け継がれる」

呼吸にはそんな始まりがあったのか、俺は色々気になり煉獄さんの父上に色々聞く。

 

「俺もあと数年若ければ日の呼吸を会得することも出来た。だが、俺は柱の定年を迎えてしまい、今はこうして隠居生活だ」

「たまにお兄や私にお金を貸してとねだったりして高酒や博奕につぎ込むのはさすがにどうかと思いますが」

「妹紅!さすがにこの場では慎め!」

「はーい」

話を聞いてみると結構重要なことがあった。呼吸を変えて扱うものもいる。派生したり合体してできる呼吸もある。それに、鬼殺隊や柱には45歳で定年引退があるということ、鱗滝さんが歴代で1番長く柱に在籍していたことまでわかった。

だがまだ聞けていないことが一つだけある。

「月の呼吸は、いつからあったんですか?」

「は〜、勘のいいガキだな。教えてやるよ。月の呼吸はそもそも派生ではない。日の呼吸とまた違う呼吸だ。月の呼吸を編み出したのは厳勝という剣士だ。だから呼吸の中でも特異なもんだよ」

月の呼吸は呼吸が同じでも編み出した人が違う。

そういう経緯もあったのか。

「今回は話をして下さりありがとうございます!」

「いいよ、俺だって日の呼吸の使い手だからって嫉妬しただけだから、その分いい情報でトントンだな」

 

煉獄さんの父上は随分といい人だった。最初は怒りやすい人だと言う印象があったが、落ち着いて話して下されば普通の人に感じる

 

「では気をつけてお帰りください」

「いいえこちらこそありがとうございました」

いい話が聞けて本当に良かった。これを蝶屋敷にいる同期のみんなにも話そう。

 

俺は蝶屋敷に戻るとしのぶさんが顔に青筋を立てながら迎えてくれた。

「炭治郎くん、まだ太腿の傷は完治してないですよね、あまり出歩かないようにしてくださいね」

「申し訳ございません」

俺はすかさずしのぶさんに土下座し謝り続けた。

 

その後病室へと戻ると、

「おかえり、炭治郎、こんな夕方までどこ行ってたの?」

「ああ、実は煉獄さんの実家にお見舞いと話を聞きに行ってた。それに、煉獄さん、昨日で柱を引退したんだ」

「え、どういうこと?」

 

「なんだと!俺たちに弟子になれってほざいてたくせに引退だと!許せねぇ」

「まぁまぁ落ち着きましょうよ。それに、煉獄さんには煉獄さんの事情がありますからね」

「そうだぞ。煉獄さんなんて杖なしじゃ歩けないからな。そりゃ柱として任務には着けない。だから引退した。それだけの話だ」

 

伊之助は本気で弟子になる気満々だったが引退ならば仕方ない。

俺も伊之助の気持ちが少しはわかったような気がする。

 

ふう、もうすぐ寝るか。そう思い枕の下に手を回す。

ん?枕の下に手紙がある。

手紙を開くと珠世さんからだった。

 

 

 

炭治郎さん、いつも鬼の血を回収して送って下さり

ありがとうございます。

実はこの前あなたが送ってきた鬼の血について単刀直入に話をします。

 

萃香という十二鬼月から採取したという血なんですが、

鬼舞辻無惨の細胞が一切含まれていませんでした。

おそらくこの血は別の鬼の始祖というものが存在する可能性を示唆しています。

そして多くの血を送って下さるのは結構ですが、もしかして私のことを話しましたか?鬼殺隊の優しい人ならいいですが、もし、鬼舞辻側に話していたのであれば打ち切りますのでご返信をお早くお願いします。

 

その文を読み俺はもういちども読み直す。

 

萃香という十二鬼月には鬼舞辻細胞が含まれていない。と、

 




呼吸に加えて血の話、そろそろ物語が大きく動きだしそうなものが出てきましたね。
2人の呼吸の始祖とは一体…
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