鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
ここから物語は大きく変わると思います。
俺は急いでしのぶさんの元へと向かい、しのぶさんに手紙を見せる。
「この前倒した鬼の中に、鬼舞辻無惨の細胞がありません。そう珠世さんからは送られてきました」
「なるほど、つまり、鬼舞辻無惨以外にも鬼の始祖がいる。というわけですね。これは一大事です。それに、私たちに話したことを珠世さんには伝えていないようですね。なので早くこのことを書きましょう」
鬼の始祖が1人ではなく複数いる場合、鬼舞辻無惨を倒したところで、鬼は根絶やしにならない、つまり鬼殺隊が戦うべき相手が増えてしまったということだ。鬼の始祖というもの、それについても気になることが多い。そうしのぶさんは教えてくれた。
こうして俺たちにはさらなる戦いの可能性に落とされたわけである。
翌日、俺はそのことをみんなに話す。やはり返ってきた反応は俺と同じだった。
「え、俺たち、鬼舞辻無惨とかいう始祖を倒すために戦ってたの?しかも始祖が複数いる?いやーーーーー!こんな戦いが続くなんて俺は嫌だーー!」
「始祖だかミソだか知らねぇがそんな奴がゴロゴロいるのか。そうと決まれば、そいつらをぶっ倒せばいいんだな!」
「なるほど、鬼の始祖を倒せば全滅するはずだった。しかし、複数いるとなればその鬼舞辻無惨という始祖が倒されようがまだ鬼が出てくるということ、あと、炭治郎さんは、十二鬼月の一体を倒し、その血を珠世さんという協力者の方に送ったんですよね。ということは鬼舞辻無惨とは繋がりのある始祖がいる。これは大変ですね」
俺たちはそのことについてを考えながら完治を待つことにした。
そんなある日。
「チュンチュン!チュン!チュンチュン!」
善逸の鎹雀が飛んできた。
「どうした?ふむふむ、ふむ、え!?」
「炭治郎、どういう話だ。チュン太郎の伝えたいことはなんだ」
俺はそのことを善逸に伝える。
すると、善逸はすぐにお館様のいる本部へと向かった。俺も向かう。
「お館様!どういうことですか?獪岳が鬼になったって!」
「ああ、善逸くん、本当にすまない。君たちが無限列車で戦ったあの日、稲庭獪岳は鬼になった。いや、正確にはその5日前に上弦の弐に勝てないと踏んで寝返った、だね」
「その通りでございます。それについて、元鳴柱・桑島慈悟郎はもうすぐここで切腹を行う。これは本人が願い出たことです。介錯は霧雨魔理沙が付くことになっています」
「じいちゃん…なんで…なんでだよ…」
善逸は泣き崩れてしまった。
もし、禰豆子が人を食っていれば、おそらく俺がこうなる可能性もあった。
20分後、善逸のじいちゃんは庭に置かれた畳の上に正座していた。
「これより、元・鳴柱、桑島慈悟郎の切腹を執り行います」
「はい」
「霧雨魔理沙と申します。未熟ながら介錯つかまつります」
魔理沙さんは左背後へと周り刀を天へ向ける。
善逸のじいちゃんは小刀を手に取り、そして、腹を十字に斬る。
「じいちゃん!じいちゃん!」
「善逸、落ち着くんだ」
俺は泣いて叫ぶ善逸の手を握り制すことしか出来なかった。
「善逸!ワシの最期、しかと見届けろ!」
善逸のじいちゃんはそう言ってさらにもう一文字斬る。
その状態で、30分耐え続ける。腹から湧き出る血があまりにも辛いものを物語っている。
涙が枯れそうになるほど流す善逸に、俺も涙を流していた。
「し、師範ーーーーー!」
善逸のじいちゃんの首が皮一枚残し垂れていた。
その後、屏風が立てられ、じいちゃんの死骸は隠された。
屏風が外された時には棺に納まっていた。
善逸は棺に泣きつき、じいちゃん、じいちゃん、と叫んでいた。
「善逸、そろそろ火葬しなければならない。退けるんだ」
「俺が棺を持てばいいだろ!それなら、じいちゃんは幸せだと思う。それに姉貴だって、いちばん辛いんだろ!介錯なんて…」
「あたしも辛い!でも、お別れはしなければならない。たとえ、どんな形であろうと」
それを俺はただただ眺めるしか無かった。
もし、俺が今の善逸の立場だったら同じようになっていたかもしれない。
火葬を終えた帰り道、善逸は何かいつもと違う臭いがした。
「俺、獪岳を絶対に斬る。じいちゃんの呼吸、姉貴の教えてくれた技、そして、俺の日輪刀で」
善逸の目は今までの弱虫のような臭いはほとんど消えていた。
「そうだな。善逸」
俺はそういう言葉しか思いつかなかった。
原作だと柱稽古の途中で切腹をしていましたが今回はここということになりました。そして、新たな始祖とは一体なんなんでしょう。