鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は伊之助妖夢サイドの荻本屋編です。


箸と手がかり

「こんな可愛い子見たことない、短髪の女の子二人も手に入るなんて、しかもこれは間違いなく番付に乗るわ」

伊之助と妖夢、もとい伊之里と妖子は荻本屋に売られていた。

二人は仕切りのついた部屋で同室だった。

「こんな格好暑苦しいわ!ぬぎてぇ!」

「だめよ、ここは女性しかいない場所だからね、あなたが脱いだらバレちゃうでしょ!」

「あー、暑い!」

「少しは我慢しなさい、それに、あなたは裏声が掠れるからあまり喋らないように!」

「ちっ、わかったよ」

 

伊之助はイライラしている。伊之助はいつもならば上半身裸に腰巻きの姿。

なので伊之助が何度も脱ごうとするのを止めるのが今の妖夢の仕事である。

 

「おい妖夢、帯が緩んでるぞ。ったく、メスのくせに帯の締め方もできねぇのか」

「うん、ありがとう…」

そして妖夢にしっかりと着物の着方を教えるのが伊之助の仕事である。

 

二人のところに女将さんがやってくる。

「二人とも、そろそろご飯にでもしましょうか」

「はーい」

「はぁ〜わかりました」

 

 

カラカラカラッ

「伊之里ちゃん、よく箸を落とすけど大丈夫?」

「あ、大丈夫です。彼女はちょっと箸の扱いが苦手なだけです」

「妖子ちゃんは伊之里ちゃんに献身的だね。もしかして、お二人さん仲がいいのかい?」

そんなはずがねぇ。俺とこいつとはこの任務を合わせてまだ二回しか顔を合わせていない。それに、俺は箸なんか一度も使ったことねぇんだ。

「伊之里ちゃん、箸は親指と人差し指と中指だけで持つんですよ」

妖夢は俺に対して丁寧に教えてくれた。

「はい、よくできました」

妖夢の教え方が上手いので俺はホワホワした。

「どう、箸、使える?」

「あたりめぇだよ」

それからは箸を使って飯を食うことができるようになった。

 

 

「はあ、食った食った。すげぇ美味かった」

「ちょっとだらしないよ!今は女装してるんだから女の子らしくしなさい!」

「そうやってガミガミするとこほんとアオイと似てるなぁ」

「アオイさんと似てる?ふーん、いつもなら名前覚えないくせにアオイさんの名前は覚えるんだ〜」

「何言ってんだよ妖糸、ぶっ飛ばすぞ?」

 

「しっ、ちょっと隠れるわよ」

そういうと妖夢は俺の手を引き噂の場所の近くの角際まで行く。

 

噂話が聞こえてくる。

「まきをさん大丈夫かしら、最近部屋に閉じ籠もって出てこないけど具合が悪いって言ったきりで病院にも行かないし、そろそろ青蛾さんに引きずり出されちゃうわよ」

「そうそう、私今ご飯持って行ってあげたのよ。とりあえずまきをさんの好きな紫蘇の天ぷらも乗せてとりあえず部屋の前に置いてきたけどさ」

 

噂を聞くとやっと話が聞けた。

「宇髄さんの嫁のまきをさん、もしかしてまだ生きているのかも、でも具合が悪いみたい、でもそれだけで連絡途切れるかな?」

「いや、3週間たったんだぜ?生きているのはわかったが一通ぐらい手紙を寄越すだろ?」

「それもそうね、怪しいから行ってみましょう」

「おう」

 

俺たちは西側の花魁の部屋へと向かった。

 

 

「ここがまきをさんの部屋のようね、暖かいうどんの置いてある部屋だからすぐにわかった」

「だが妙な気配がするぜ。こんな時にこんな暑いのを脱げたらすぐにでも」

「ダメよ!もし見つかったら、あんた男だってバレちゃうでしょ」

 

ギシッ

 

「何かあったようだぜ」

「ええ、行くよ」

物音のあるまきをの部屋の襖を開けると至る所に斬られたものや壁に斬り傷があるなど無惨な状況だった。

だが、部屋には誰も人がいない。それに、微かだが風を感じた。

俺は全力でうどんの入った器を天井へと投げつけた!

「おいコラ!バレてんぞ」

すると至る所からギシギシと物音が鳴り響く。

俺は全力で走る。

どこに行く。どこに逃げる。天井から壁を伝って移動するか?

よし、その瞬間に壁をぶん殴って引きずり出す。

何かが蠢く壁に向かい全力で殴ろうとする。

だが、

「おおっ可愛いのがいるじゃないか〜」

勢いがつきすぎた俺には止められず、そのまま男を殴ってしまう。

「キャーーー!殴っちゃった!」

「あ、ごめんなさい!」

クソっ、しくじった!下に逃げてる。

謝る妖夢を後目に俺は下の階を探したり入口の方まで探した。

だが、着物が邪魔で気配が分かりにくい。

俺は歯ぎしりした。

「見失ったァクソッタレぇ!邪魔が入ったせいだ…!」

俺は地団駄を踏む。

すると女がやってきた。

「ちょっと、何かあったの?」

妖夢はそれに対して説明する。

「すみません、彼女が何かを追っていたら勢い余って人に拳を打ってしまったようで」

「あら、大変ね。すぐにでもお客さんを手当しないと」

 

「あんた、人を殴るなんてどういうことなの!お客さんがすごい泣いていたわよ!これじゃあ人前に出られないって、しかもあの人は最近本書きになろうと頑張っている方なのよ」

「申し訳ございません!伊之里も」

「申し訳ございません」

俺と妖夢は女将の青娥さんに謝っていた。

「さっき芥川さんは許してくれたから良かったものの、もし、これで訴えられていたら大変だったんだからね」

俺と妖夢はただただ畳に頭を擦り付けるしか無かった。

「まだ入ったばかりだから大目に見るけど、次はないからね」

 

こうして俺と妖夢はひとつの手がかりだけを見つけたがそれ以上に迷惑をかけてしまった。




テレレッテッテッテー
伊之助は箸の使い方を覚えた。

原作だと手づかみで食べてましたし。野生児って感じはやはりなのですが、さすがにこの場所でさえ手づかみはダメだと思い追加しました。


大正コソコソプロフィール
古明地こいし
身長148cm
体重40kg
出身地は東京都麹町區
スリーサイズは80-58-78
位は乙

心柱古明地さとりの妹である。
彼女は古明地さとりとは全く違う呼吸法に適性があったため一時は何の呼吸なのか分からなかった。
その後霞柱の時透無一郎が入隊した際に霞の呼吸だと判明し、そのままこいしが先輩となるが、2ヶ月で無一郎が柱になってしまったので継子となる。
ちなみに胡蝶カナエの死は彼女を救うためにだったという過去を持つ。
それ以降、狂気と無意識の隊士として恐れられている。

ちなみに同期は蛇柱伊黒小芭内がいたりする。(1911年春季最終選別)
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