鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は禰豆子が大変なことになります。
そして柱が駆けつけてくれます。


暴走ともう1人の鬼

俺は顔をあげる。

その瞬間禰豆子は勢いよく太夫を蹴り飛ばす。

 

そのまま太夫は転がり、上半身と下半身が分かたれていた。

「ね…禰豆子…」

禰豆子の顔は血管が浮き出るほどの怒りに満ちている。

その禰豆子を見ながら太夫は怒りをぶつける。

「よくもやったわね。アンタ…あのお方が言っていたのは、アンタなのね。」

 

回復をすぐ済ませ立ち上がる太夫は吐き捨てる。

「なぶり殺してやるわ。苦しみなさい!」

「ヴーーー!」

禰豆子は太夫に襲いかかる。だが、帯が飛んできて禰豆子の片足を切り落とす。

そしてすかさず禰豆子を切り刻む。

「禰豆子…ゲホッ」

禰豆子は建物に吹き飛ばされる。

「あら、弱いわね。あんたは人を1人も食ってない。なのになぜあのお方からの支配を外せたのかしら?可哀想に、ズタズタになって動かないでしょ?あんたみたいな未熟者じゃその傷はすぐに再生できないでしょうし。同じ鬼だもの、いじめたりはもうしないわ。帯に取り込んで、朝になったら鬼の炭焼きの完成、鬼同士の殺し合いは時間の無駄だ…し?」

太夫はキョトンとなる。

禰豆子はそのまま立ち上がり、傷もほぼ回復している。

「どういうこと?ぐちゃぐちゃになったのよ?なぜもう回復してるの?」

禰豆子は変わっていた。兄の危機を察し、さらに鬼として進化していた。

その回復再生能力はもはや上弦の中でもかなり上に来るほどまで上がっていた。

 

「フゥゥゥゥゥゥ、ゔぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

禰豆子は角を生やし、強さを大きくあげていた。

 

禰豆子は太夫に向かい、再び、蹴りを入れようとする。

だが、帯で足を斬られた。だが、すぐに生えてきて。太夫を蹴り刺す。

「ぐげっ…なぜ、なぜ私の体に足が…」

 

禰豆子は太夫を嬲ると不気味な笑みをあげていた。

そのまま何度も踏みつける。

それに怒る太夫は帯で再び斬り刻む。

だが、禰豆子は、血を太夫にまきちらし、拳を握る。

 

血鬼術、 爆血

 

その瞬間悲鳴とともに太夫からは炎が上がる。

「ギャァァァァ、怖い!怖い!」

 

太夫は炎に焼かれてながら禰豆子に蹴り飛ばされた。

蹴り飛ばしたことで少し落ち着いたのか。一息をつく。

だが、周りには怪我人や死体が多く散らばる。

禰豆子は血の臭いに再び反応し、けが人の方に襲いかかろうとする。

 

止めなきゃ、禰豆子には絶対に人を殺させはしない。

ひどく痛む体にムチを打ち、全力で禰豆子を止める。

 

「禰豆子!だめだ!耐えるんだ!」

禰豆子の口に刀を噛ませる。

 

だが、周りの血の臭いは思っていた以上に充満している。

これでは抑えるのも難しい。

「禰豆子!辛抱するんだ!」

禰豆子は身悶えながら俺を引き剥がさんと暴れる。

そのまま建物に突っ込み、暴れる。

「禰豆子、眠るんだ!眠れば元に戻れる」

「ゔぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぐぁぁぁぁぁ」

理性を失っている。このままでは、どうするんだ!どうすれば、

 

「炭治郎!よく…聞きなさい」

アリスは振り絞りながら俺に話しかける。

「子守唄、子守唄を歌えば、眠るはず」

子守唄、あの歌だ。あの歌を歌えば。

 

 

「ほう、あの妹、派手に鬼化が進んでるなぁ、こりゃぁ炭治郎が死ぬのも時間の問題だな」

宇髄さんの声が聞こえた。

でも、俺にはこの歌を歌うしかないんだ!

 

 

「♪〜〜〜」

俺は子守唄を歌った。

 

 

「はぁ、ひでぇ歌だぜ、あいつ、かなりの音痴だな、俺が調律でもしてやろうか」

 

その言葉をよそに、禰豆子は少しずつ落ち着きを取り戻す。

母親のことを思ったのか泣きながら元に戻って言った。

「よ…良かった…寝てくれた」

「ははぁ、やるじゃねぇか、子守唄で寝かせるなんて、ただなぁ、音痴なのも大概にしろよな」

「宇髄さん、すみません、禰豆子を暴走させてしまい」

「だがな、お前はよくやった、こいつはお前以外誰も傷つけてない。それだけでも、評価に値する」

 

宇髄さんは俺の事をほめてくれた。

そんな時。

「よくもまぁやってくれたわね。よくもアタシの顔を、それに、なかなか治らないわ。ホント癪に障る」

 

「おうおう、こりゃすげぇやつだな、蕨姫太夫、いや、他の名前でも呼ぼうか、蓬姫太夫、それとも、菊姫太夫とでも呼べばいいかな」

宇髄さんは太夫を煽る。

「なぜ知っている。私の、昔の名を」

「俺は知っているぜ。お前が何度も顔を変えて太夫として何度も居座っていたことをよ。それに、ときと屋も荻本屋も京極屋もお前が全部吉原三大にまで仕立てあげたのも」

「そこまで知っているなら、なぜ!」

「いや、俺は共通点を見つけただけで今あげた名前もお前に出すハッタリだ。俺のあげた名前は歴代の吉原太夫だ。そこに気づいたのにお前は動揺した。つまり、お前が犯人だったって訳だな」

何を言ってるのかはさっぱり分からない。だがこの太夫が長年吉原で人を喰っていたことだけはわかった。

 

 

宇髄さんはそういうと凄まじい速さで刀を振るう。

「助けて!おにいちゃん!」

キンッ

すると宇髄さんの刀を太夫の体から生えてきた刃物のようなのもので止められる。

「なに?何が起こったんだ?」

「ふー、起こすんじゃねぇよ、俺はゆっくり寝ていたかったんだがなぁ」

太夫の体からもう1人の鬼が生え出てくる。

 

それを見て宇髄さんは飛び下がる。

「俺の妹に、何しやがる!」

その鬼は痩せこけたような体をし、鎌のような物を持っていた。

 

「お、お出ましか、あいつが俺が探っていたやつだ」

「泣くんじゃねぇぞ、おめぇはいつも俺に縋る。それに、顔の火傷を俺がしっかり治してやる。せっかくの美貌が台無しだぜぇ」

鬼は妹の太夫を擦りながら治していく。

 

宇髄さんは双刀を振るう。

その瞬間兄鬼の方が消える。

現れた時には宇髄さんの額当てが斬られ、血が流れる。

 

「やるなぁぁぁ、俺の攻撃をとめたなぁぁぁ。殺す気で斬ったけどなぁ、いいなぁ、お前のその綺麗な顔ぉ…」

「俺の顔が台無しだな、ただじゃおかねぇ」

宇髄さんは兄鬼と斬り合いを始める。

「いいなぁぁぁ、その肉付きにその上背、俺は太れねぇから妬ましいぃぃ」

「俺のことが妬ましい?上等だぜ!俺は派手にお前を倒す」

お互いの斬撃が早すぎる。ここは一度下がるか。

 

俺はそのまま禰豆子を抱えて下がる。

その時、

 

「俺が来たぞ!ご到着じゃ!俺を頼りにしろ!」

「ハイハイ、頼りにしますよ!」

 

伊之助、妖夢、善逸、弁々、八橋、みんなが来てくれた。

「みんな!頼む!宇髄さんを加勢してくれ!それに、あの太夫という鬼にも気をつけて!」

 

隊士はここに全員揃った。

ここからが本当の戦いだ。

 




全員集合!隊士8人で総力戦だ!


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