鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
原作のかなり内容変わるので驚かないように
「なかなかやるじゃねぇか、弱いと思っていたが、こっちの方が恐らく力じゃ上だ」
宇髄さんはそう見る。
「私は強いのよ!私は上弦なんだから!」
妹鬼はそう叫ぶ。
「何を寝ぼけたこと言ってんだ?鏡でも見て出直せ!」
「何を言ってるの?私は上弦の陸、堕姫よ!おかしいのはアンタたちの方よ!」
俺は堕姫の目を見る。そこには『下弦 弐』と刻まれている。
堕姫の言ってることは間違っている。何故だ。
そう考えていると斬撃が飛んでくる。
俺は全力で止める。
宇髄さんは帯を双刀で抑えながらアリスは攻撃を仕掛ける。
「あなたは記憶違いでも起こしてるんじゃないんですか!」
その時、帯から血鎌の斬撃がまとわりつく。
「アンタたちの動き、全部読めるわ!兄さんが起きたからね!これがアタシの本当の力よ」
アリスに斬撃が襲いかかる。刀で捌き切ろうとするも隊服が斬られ、右の袖に切り込みができる。
「私の帯からは斬撃も出せるの?今は兄さんと技を共有している。それに、兄さんの方の戦いもよく見える」
「厄介な奴だ。そんなことまでできるとはなぁ、だが、お前の斬撃はあいつと違ってまだ弱い。とにかく、今のうちに手を打つぞ!野郎ども!」
俺たちは帯を斬る。だが、帯が掠った時、俺は気がつく。
「宇髄さん!帯に、毒が仕込まれています!もしかすると血鎌の!」
「あぁ、そんな気がした。だからこそ、抑え込むんだ。奴の帯を纏めてそのまま両方で引け。そうすれば、あいつは動きが鈍る。その瞬間に俺があいつの頸を刎ねる」
宇髄さんは俺にそう伝えた。なら、それを実行するまで、
堕姫はおびただしい程の帯を飛ばす。それを俺は何本も串刺しのように刺し、纏めて引いた。
アリスも合わせて同じことをする。
だが、それだけで話が済めば良かった。
斬撃が帯から噴き出し、襲いかかってくる。
斬撃を防ぐためにも、纏めた帯を盾にしなければならない。
帯はまた細切れになる。これではラチがあかない。
宇髄さんは天井を火薬で爆破する。おそらくは目隠しのためだろう。
だが、天井を爆破したことにより2階にあった鏡台が落ちてくる。
そのまま鏡台は鏡だけを砕かれずに、台だけが砕ける。
「ちょうど良かった!鏡でも見て自分の目でも見やがれ!」
宇髄さんは煽る。
「は、見たところで私は上弦なん…だ…か…ら?」
堕姫は鏡を見る。すると、突然、震え出す。
「'私は上弦のはずよ?どうして私の目に刻まれたものは違うの?これは夢よ。夢なら覚めなさい」
「夢じゃねぇぜ!お前は下弦だ!その強さで下弦なら上弦はどんだけ強ぇのか気になるぜ」
「私は私は私は…上弦…上弦…」
堕姫の心がピシッと割れる音がきこえた気がする。
堕姫は背を反らし頬を抑え、高笑いをあげる。
「キャハハハハハハハハ!もう全部、無くなっちゃえ!」
堕姫は今までとは比べ物にならないほどの帯を体から飛ばす。
「まずい、奴が完全に壊れた。こうなりゃ、全力でやるしかねぇ」
帯は毒々しい色となり、更には斬撃を纏っている。
それも今まで以上に強力なものだ。
帯は辺り一面を破壊し続ける。
「なんだなんだ!何が起こってるんだ!」
兄鬼の方で戦っているところでも伊之助が騒ぐ。
「妖夢ちゃんが刺された!それに、こっちも暴れだした!」
兄鬼が堕姫の方を操る。その主導権が堕姫の方に移っていた。
帯の数は増えていくばかり、切り抜けなければ、
「俺に考えがある。炭治郎!アリス!5分だけ耐えてくれ!俺は兄の方に行く!」
宇髄さんはそう言ってその場から離れる。
俺とアリスは暴走する堕姫の帯を躱しつつ攻撃の機会を伺った。
その頃、妖夢達は
「突然、頸を持ち去ったと思ったら体の方が技を出してくるなんて、卑怯です!」
「鬼を倒しきるまでは油断すんな!これは親分からの忠告だ!」
妖夢たちは傷だらけになりながら兄鬼の斬撃を切り抜けていた。
「妖夢、あの鬼は戦いを拒む音が聞こえる。おそらく、あいつは妹の方に主導権を奪われている。それに、あいつを見ろ!涙を流している。あいつに訴えかけるんだ!」
「わかりましたよ!奴の頸をまた刎ねればいいんですね!」
兄鬼の斬撃を掻い潜り、妖夢は刀を振るう。
「た…すけ…てくれ…妹を…妹が」
涙声をきいた妖夢は一瞬止まる。
その時妖夢を斬撃が襲う。万事休すか。
そう思った時双刀が斬撃を防ぐ。
「宇髄さん!どうしてここに」
「油断するなよ!あぁ、話がある!実は…」
宇髄さんは妖夢たちに考えを話した。
「え!そのやり方ってできるんですか!」
「できるも何も、俺の継子ができるからやるんだよ!」
「でも、もし通じなかったら」
「その時のことも踏まえて俺はいくつもの"譜面"を組んだからな」
宇髄さんは譜面を組んでいた。それが宇髄さんの戦術だった。
「弁々!八橋!奏でろ!」
「「はい!」」
「♪〜」
2人は音を奏でた。すると、兄鬼の斬撃が弱まっていく。
「お前は妹を止めようと思わないか!お前だって、本当はそうしたいはずだ!なら、共感覚を切れ!」
「頸を…頸を斬って…」
「お前ら!あいつの頸を斬れ!」
「おう!」
「わかった!」
善逸と伊之助は襲いかかる斬撃を打ち消し、道を作る。
「これはあなたを恨む刃ではなく、あなたを救う刃です。因敵ですが、仕方ないです!」
兄鬼の頸が飛ぶ!その時、斬撃が消える。
「ハッ!俺は、一体…」
「あなたは乗っ取られていたんですよ。妹に」
「すまねぇ、殺そうとしてたやつに助けられるなんて」
兄鬼は情けなくなった。
「なぜ、あの妹は暴走したんだ?」
宇髄さんは兄鬼にきく。
「実はだなぁ、俺たち兄妹は2年ほど前までは上弦だったんだ。だが、大血戦で俺たちは降格したんだ。それに、俺はあの時、妹には戦うなと言って俺だけ戦った。だが、新しい鬼があまりに強く、俺はなすすべなく負けた。それを妹には知って欲しくなかった。だから俺が起きるまで妹の目に数が現れないようにしたんだ。俺が弱くなったばかりに」
兄鬼は懺悔した。
「なら、お前はどうするんだ」
「俺は、全力で妹の暴走を止める。もう、俺たちの育った吉原を壊す姿を見たくない。だから…」
「ここは一つ手を組むか。倒すべき相手も決まった事だし、お前は妹とともに逝けばいい」
「ありがとう。こんな人間がもっと早くあっていたなら、俺たちはこんなことにならなかったかもな。名を名乗ってなかったな。俺は妓夫太郎。そう呼ばれてたからその名しかない」
「妓夫太郎か、なかなかいい名じゃねぇか?じゃあここは一旦停戦だ!」
宇髄さんたちは堕姫の元へと向かった。
まさかのこっちの妹も暴走、
原作と同じように炭治郎と禰豆子、堕姫と妓夫太郎は似た兄妹なのかもしれません。
さてどうなるのか