鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

5 / 134
ついに炭治郎が鬼殺隊隊員として活躍します。
ただ内容の都合上沼鬼は飛ばします。


浅草と因縁

桜の花が咲く頃

俺は浅草に任務で来ていた。

この短期間で3つ目だ。さすがに忙しすぎる。

そう思いながらも挫けずに頑張る。これも禰豆子のためだ。

そう引きしめたがさすがに疲れた。

 

そんな時ちょうど屋台をみつける。

水池屋という屋台。

「すみません、鶏そばください」

「あいよ!鶏そばね」

 

俺の生まれた東京でも思ってたのとは大違いだ。

浅草は発展していた、派手すぎる。

しかも見た事もない乗り物まで走っていた。

 

街に飲まれそうなのを抑えながら、鶏そばを待つ。

「あいよ!鶏そば一丁!ついでに月見も入れといたからね」

小豆色の髪の女性が持ってきてくれた。可愛い。

そう思い鶏そばをあと少しで食べ終わろうとしたその時、

鬼の臭い。

しかも、俺の家で嗅いだ臭いと同じ。

鬼の臭いに驚きのあまり丼を落とす。

 

そして剣を持ち籠を背負い、追う。

「おい、そばの代金は貰ってないぞ!」

「ごめんなさい、席のところに置いてあります。」

そういい全力で雷門の方に向かう。

「ちょっとすみません。」

人をかき分ける。そして、その臭いの元の肩に手をかける。

「ん、どうしたんだい?」

「どうしたの?お父さん」

「いや、心配ないよ」

 

驚いた、こいつ、人間のフリをして暮らしている。

しかも子連れ。

知らないのか、こいつが人を食う鬼だって、

それを見せられ一歩退く。

「あら、どうしましたかね?」

 

人間だ。このおばあちゃんと子供は人間だ。

家族なんか作っている。

 

そして一瞬のすきに通る人を2人爪で切る。

そしてその家族は急いで逃げる。

 

待て、という前に人混みへ消えていく。

そして後ろからは唸り声がする。

切られた人は鬼のように暴れだした。

やばい、この状況では大変なことになる。

2人を抑え込むがなかなか止まらない、暴れる。

そこに警察が駆けつける。

「おい、どうしたんだ!色々騒がしいぞ!」

「2人が切られてそこからいきなり暴れだしたんです。」

暴れる2人を抑えていると、突然猫がこっちに来て、こっちに来な、と誘ってくる。

それを追いかけていくと突然行き止まりにぶつかる。

しかし猫は通り抜ける。

俺はその壁に手を当てた。

偽物の壁、その壁は水のように波紋を描いた。

その壁をくぐると桜の散り舞う屋敷があった。

猫はさらに屋敷に入っていく。俺も上がっていくと3人がいた。

1人は和服の女性、1人は頭巾を被る紫の髪の女の子、そして俺と同じくらいの男だ。

和服の女性は俺に声をかけた。

「あなた、あの男について少し話をして欲しいのです。そう、洋服の男、鬼舞辻無惨という鬼について、私たちは鬼舞辻無惨を抹殺したいんです」

そして、すかさず男の方も話す。

「お前が背負ってる籠には鬼が入っているな、しかも、女の鬼だな」

そう敵意を示してきた。

「そういえば名乗っていませんでしたね。私は珠世、そしてこの子はパチュリーと愈史郎、2人はあなたの背負った鬼とは同じ族に分類されます。しかし、私たちは、鬼舞辻無惨とは全く違う鬼なのです。」

珠世さんはそう話した。

「私たちは鬼から人に治す方法を研究しています。それにその後ろの鬼も何か鬼舞辻無惨とはまた違う種族の鬼のようです。そう私たち鬼舞辻無惨の呪いの付いていない鬼というものでしょう。」

色々と説明を聞いていき、わかったことは

 

鬼は鬼舞辻無惨が始祖であること、

鬼舞辻無惨の血には呪いが含まれていること、

その呪いを解除したのは珠世さんが最初ということ、

鬼舞辻無惨は十二鬼月という幹部組織を従えていること、

その鬼たちは今まで戦った鬼とは別格の強さを誇るということ、

そしてともにいる2人は結核により死にかけた所を珠代さんの血で助けたということだった。

 

そして珠世さんはここが1番重要と言う。

「鬼を人間に戻すには少なからず検体が必要です。そのためにはあなたが倒した鬼の血を回収して欲しい。そうすれば妹さんを鬼から人に戻すことが出来るかもしれない」

 

そこには希望の光が射したと思った。

禰豆子を人間に戻す方法が見つかるかもしれない。

そう話していると後ろから物音がする。

 

「花札の耳飾りをつけたやつがいると聞いて足跡を辿ったらこのとおりだ!いるんだろ!さぁ出て来いよ!さぁさぁ出てこないならこの建物ごと潰しちゃうよ!」」

 

やばいと思い外に出る。

すると鬼は1人、鞠を持った鬼だ。

そして鞠を投げる。

しかしその鞠は有り得ない動きがしていた。

鞠は不規則な動きをし、

そして後ろの屋敷の窓を割る。

 

「ははは!花札のような耳飾りをした鬼狩りは貴様だなぁ。さぁ、遊ぼう!」

何個も鞠が投げつけられる。

襲いかかる鞠をいくつも斬る

しかし不規則な動きのせいで珠世さん達を守るだけで精一杯だ。

 

そんな中ひとつ斬り漏らした鞠が愈史郎の首を飛ばす。

「愈史郎さん!」

「大丈夫よ、私たちは鬼ですから、それよりも鞠の鬼を、」

 

珠代さんを心配する中で愈史郎が言う。

「矢印が見えないのか!矢印を。見えないのなら俺の札で見えるようにするからな!」

額に札がつく。

そして鞠の軌道が見えた。

それに矢印の向きを予測し矢印を斬る。

そうなると鞠は真っ直ぐにしか飛ばなくなる。

それに気づいた。

そして兄の危機を感じたのか禰豆子は籠から出てくる。

「禰豆子!矢印はあの左斜めの桜から飛んでくる。そこに別の鬼がいる!」

「ん!んーん!」

禰豆子とともに息を合わせて鬼と戦う。

 

禰豆子は桜を蹴り倒した。

すると鞠からは矢印が消える。

そのスキに鞠を斬りそして鬼の腕も斬る。

 

「うぁぁぁぁ」

鬼は桜から落ちる。

 

「ちっ、あいつ、俺の矢印が見えるんだな、ならばここで交代だ、俺はあの耳飾りのやつをやる。お前はあの禰豆子というやつをやれ」

「そうじゃのう。さぁ遊ぼう」

 

俺は矢印の鬼の方を禰豆子は鞠の鬼の方を倒す。

目を合わせ通じる。

 

 

矢印の方を切ろうとするものの刀が触れれば軌道を変えられる、

しかもかなり痛い、

そんな中1人の女の子がこちらに来る。

「あなたの攻撃見せてもらったわ。なんともずるい手だこと。ただあなたは大きな弱点をお持ちなのね。矢印の向きが変えられるのは60°までだということ」

「ほぅ、よくぞ見破った、だがそれがなんであろうと言うんだ」

「簡単よ、その角度と向きを言えば炭治郎くんも対処出来る」

頭巾の女の子は、矢印の鬼と言葉を交わす。

「あたしはパチュリー・ノーレッジ、珠世さんに救われた鬼よ」

「ふっ、ということは逃れものの珠代も近くにいるということか。だったら話しは早い聞かせてもらおうか!その珠世の居場所を」

「あんたなんかに教える筋合いはないわ、ただ、ひとつ教えるわ。この少年は既にあなたの技をどうするかをわかっていると」

 

そして俺は刀を構えるそして向かう。

「矢印がわかったところで何がわかるというのだ!」

矢印の鬼は切れていくつもの矢印を出す。しかし向きがわかればこっちのもん。

更には言ってくれる女の子もいる。

「矢印、右、そして40°上」

「後ろ、25°左」

こうして教えてくれる女の子のおかげで体が慣れてコツを掴んできた。

矢印は曲げることができるならば緩やかな曲がりを使い巻きとることもできる。

それに気づかなかった使い手の隙の糸それが見えた。

そうして矢印を巻きとり、斬る!

 

水の呼吸。陸の型 ねじれ渦

 

そしてそのまま巻きとった矢印を使う。

 

水の呼吸。弐の型 改 横水車

 

「ぐはぁ!」

鬼の首は吹っ飛びそのまま燃え尽きる。

 

 

 

「ありがとう。パチュリーさん。向きを教えてくれて」

「いいのよ。感謝しなくても。あと、珠世さんなら今は屋敷の奥で私の血鬼術でまもられているし」

 

こうして矢印鬼を倒した俺たちは禰豆子の方に加勢に向かった。

 

~~~~

 

 

「きゃはは、お主はなかなかの蹴鞠の上手さじゃのう。ワシに勝てると思うのか!」

禰豆子と鞠鬼は

鞠はどんどん速度を上げる。

そして禰豆子が力いっぱい蹴った鞠は凄まじい速さで鬼の後ろの壁へとぶつかり、壁に穴を開ける。

それにより鞠鬼は一瞬止まる。

 

「相手は鬼としても強者、鬼舞辻無惨の直属となれば、一溜りもない、ならば私はここから出てやるしかない」

珠世さんはそういうとパチュリーの血鬼術の箱から出て、禰豆子の前に立つ。

 

「はぁ、女は引っ込んどれ」

「一つだけ、お聞かせください。鬼舞辻無惨をご存じですか。あいつはいつも臆病で、そして狡いものです。弱いのを誤魔化すように、そう鬼たちを操作してるのです。」

「黙れ!あのお方は凄まじく強い!誰よりも素晴らしいお方だ、あのお方、鬼舞辻無惨様は!あ…」

 

鞠鬼は鬼舞辻無惨の名を言うと途端に顔が蒼白としてきた。

「言ってしまいましたね、鬼舞辻無惨の名を、そう、鬼舞辻無惨の名を口外すれば、どうなるかを」

 

鞠鬼は手を口で抑え一歩退く。

すると突然鞠鬼の身体から腕が突き破ってあらわれた。

そしてその場で鞠鬼の体を粉々にしていく。

 

「これが…鬼舞辻無惨の呪い」

 

愈史郎は驚いた。

こんな異形の呪いを発動させるようなものが鬼の始祖。

ならばどれだけ恐ろしいものなのか容易に想像できた。

 

「鬼舞辻無惨は必ず鬼になるものにはこの呪いをつけます。そして名を口外すれば即、粛清されると」

 

それを遠くで見た俺はあまりの酷さに吐きそうになった。

そして粛清され粉々になりまともに残ったのは右手だけだった。

その手に珠世さんは注射針を刺し血を採る。

 

そして珠世は俺に話す

「あの鬼は2人とも十二鬼月では無いです。十二鬼月ならば目には数が刻まれているはず」

そう思い出した、あの鞠鬼も矢印鬼も両方とも目に数は刻まれていない。

「しかし、随分と濃い血のようですし、おそらく候補にまでは上がっていたんでしょう。」

 

こうして夜が明ける前に珠世さんたちと屋敷の地下室に入り色々渡された

「この小刀は刺せばすぐにでも血を採取できます。ほら、禰豆子さん、腕を出してください。」

 

そうすると禰豆子に珠世さんは半尺サイズの小刀を刺した。

すると血が小刀に彫られた溝から血が吸われていくのがわかる。

 

こうして鬼の血を採取するためという任務も受けることになる。

それもこれも禰豆子の為だと。




やっと浅草の話終わりました
ここでも新キャラも出てきましたね。
まぁ一人は完全に端役でしたがね。
水池屋の鶏そばは1杯8銭のやや高めのそばだそうです。
現在だと1000円くらいです。
それだけ時代的にも物価が低かったんですね。

あと今回は沼鬼の話をカットしました。
そして次回は戦闘はあんまりないかも

ということでまた〜

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。