鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
宇髄さんたち柱のやりとりがメインです。
「ふぅ〜、やっと終わったぜ」
俺は瓦礫の広がる吉原を座りながら眺めていた。
あとは全員の解毒を済ませれば終わり、なんとも複雑な任務だった。
「天元様〜」
「おう!雛鶴!まきを!須磨!みんな大丈夫だったか…」
俺は目が眩む。ここまでの激戦で毒をかなり受けた自分の体は限界が近づいていた。
「天元様!大丈夫ですか!」
「天元様ぁ!いやぁぁぁ!」
毒の巡りを遅らせるにも、あの鬼たちの毒は強く、俺の体を蝕んでいた。
そのまま俺は仰向けに倒れる。
「すまねぇ、お前たちには言い残すことがある。今、俺は素晴らしい子たちに会えて本当に良かった!あいつらには俺が死んだあとの未来を助けて欲しい」
「そんな!天元様!死ぬなんてだめですぅ!」
「天元様!早く解毒を済ませなければ」
「天元様には生きてもらわないと!私たちは」
3人の妻たちが俺のことを気にかけている。いい妻達でよかった。
そう安心して死のうとした時、ひょこっと禰豆子が現れる。
「おまえ、どうしたんだ…?」
俺の体に触れると、突然俺の体が炎に包まれる。
その炎はすーっと楽になるやさしい炎だった。
「どういうことなの!火葬なんて早すぎるわ!」
「何を燃やしてるのよ!この女!」
妻たちは良くもわからず泣き叫ぶ。
「一体どういうことだ?」
俺の体を包んだ炎は鬼の毒を全て消すものだった。
覚悟を決めて死ぬつもりだったのに、生き延びてしまった。これでは恥ずかしい。
「禰豆子ちゃんのすごい力が俺たちの毒を飛ばしてくれたんだ!」
善逸が説明をする。もしかすると炭治郎の言っていた鬼の効力を消す血鬼術というものなのかもしれない。
その力が本当にあるのなら、おそらくこの先の戦いでも役に立つかもしれない。
だが、本当にあることは俺自身が体験した。
「すげぇぜ!俺を救ったこと、感謝に値する。お前のその力!お前の兄の危機の時には切り札になるぜ!お前のその力!存分に使え!」
禰豆子という鬼は不思議なものだ。この鬼を連れている炭治郎という奴も、また不思議だと思う。
「みんな〜、ケガは大丈夫ですか〜!」
「お前らが危ないって聞きつけてきたら、どういうことなんだよこれは!」
遠くから声がする。柱でもお似合いの組み合わせと言われる2人が駆けつける。
「遅ぇじゃねぇか、全部片付いたぜ」
「遅ぇも何も、お前の継子に言われて俺と甘露寺の2人で吉原の人々全員を避難させていたんだ!それに、甘露寺が手当もした方がいいと言うからそこまでやってたんだよ!」
「私もアリスちゃんのことが気になって、駆けつけたらこれはどうなっているのでしょうか…」
俺は事情を説明する。
「なるほどな、お前らが倒したのは下弦の弐だな。十二鬼月減らせたこと、実にめでたいことだな。褒めてやってもいい」
「お前に褒められたところで嬉しくねぇよ」
「それに、お前はどうするんだ、まさか引退なんて考えてねぇよな」
図星を突かれた。引退してゆっくりと3人の妻と隠居でもしようと思っていたのに。
「引退はしねぇ、だが、俺は暇が欲しい。3ヶ月もの間この任務についてたからしばらくの間だけでいい、俺は家族の時間というものを満喫してぇんだ」
俺は引退出来ないなら休暇なら大丈夫だと苦し紛れに言い返す。
「わかった、だが、新年会の時までには帰ってこい。それまでは休んでもいい」
「ありがとな、俺が休んでいる時は任務は押し付けてくんなよ。わかったな」
伊黒に対して俺はそう伝えた。
甘露寺はというと、
「アリスちゃん〜!どうしてこんな傷だらけなの〜!私が送り出したばっかりに〜!」
アリスを抱きかかえて泣いていた。
「甘露寺、俺が手を回しきれなかったばかりに、すまねぇ」
俺が妹鬼の方の戦闘を2人に任せたばかりに情けなく思う。
アリスは顔や手足にも深い傷がある。女は傷が付くと価値が下がると言われる。
だからこそ、こんな傷だらけにしてしまったのは俺の配慮不足だった。
「それに、アリスちゃんの自慢の長い髪はどうしたの〜!こんなに短くなっちゃって!」
その部分には気が付かなかった。思えば背中まであるほどのアリスの髪は肩ぐらいまで短くなっていた。妹鬼との戦闘で髪を切られたのかもしれない。
「甘露寺を泣かせるとはどういうことだ!責任を取ってもらおうか!」
「わかったわかった!帰りにでも飯を奢ってやるよ!それならいいだろう!」
それを言われると甘露寺はものすごく喜んでいた。
「あと、報告がひとつあってだなぁ、この吉原は、万世極楽教の繋がりが深い場所だった。ここの鬼が斃された今、おそらく、そこの教祖は焦ってると思うぜ!何せ、今となれば信者が九千を目前とする。大教団にまで成り上がったって話まで来たぜ!」
万世極楽教は鬼との繋がりの噂が絶えない密教だ。それに、その教団の支部を突き止めて乗り込んだ花柱、胡蝶カナエは帰らぬ人となった。だからこそ俺たち鬼殺隊はその教団の支部を鬼狩りの実績積みとして扱うことも時々ある。
その教祖、万世童磨という教祖が吉原に下弦の鬼を送り込み信者集めをしていたことまで情報が確定した。
そのことを俺は2人に伝える。
すると、2人はあまりにも大きなことに震えていた。
「まぁ、仕方ねぇか、でも、これで鬼の増加はかなり抑えられた。鬼が殲滅される可能性が出てきたってもんだ」
俺はそういうとみんなは希望に満ち溢れた顔していた。
「堕姫と妓夫太郎がやられた!?大変なことが起きた!これじゃあ、信者が思うように増えなくなる!どうしよう!どうすればいい!!」
童磨は完全に焦っていた。信者の集まりやすい吉原が全壊し、それを斡旋していた堕姫と妓夫太郎も斃された。彼の計画は完全に狂いだしていた。
「童磨、私の作品のいくつかを売ってその資金で人集めをすればいいでは無いか」
壺から声がする。
「それは名案だね!やっぱり頼りになるよ!玉壺」
壺からは異様な水が溢れ出しながら魚が転がっていた。
万世極楽教はとても恐ろしいものにまで成り上がってましたね。
原作なら250人ほどの信者がここでは9000人近くまで増えている。
ここまで増えていれば鬼殺隊の狩場になるのも頷けます。
てか、童磨ってそんなに敏腕だったっけ?