鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
少なめですがお楽しみください。
善逸とこいし
吉原の激戦から数日、俺は一人、蝶屋敷の縁側にいた。
あの戦いでは多くの一般人が亡くなり、俺たちも重傷だった。
結果、吉原の復興とまでは行かず商売街として浅草に実質吸収された。
それに、あの戦いにいた隊士で目覚めているのは俺と宇髄さんの継子の二人を合わせた3人だけ。
炭治郎も猪頭も妖夢ちゃんも目が覚めない。アリスちゃんも一時は出血多量で危険な状態だった。だが、幸いなことに甘露寺さんと血液型が同じだったようで、輸血されたおかげで一命は取り留めた。
そして、俺はというと。
「はぁ〜、なんで俺だけ昇進しないんだよ。俺だって頑張ったのに…」
報告があって炭治郎、猪頭、妖夢ちゃん、アリスちゃんは乙に、弁々と八橋は壬から丁まで大出世。
なんで俺だけ未だに丙なんだ。鬼に攫われて途中まで参加できなかったから、それはあの継子の二人も同じなのに、あの二人のことを羨ましく思う。
「こうなりゃ、鬼をたくさん斬れる任務がないかきいてみるか」
俺は本部の方へと向かった。
俺が本部の近くまで来ると一人の女の子が向かってくる。
「あ、善逸くん。丁度よかった!話がある!」
その女の子は古明地こいし、霞柱の継子であり、心柱、古明地さとりの妹だ。
「話ってなに?俺は任務がないか本部に行くとこなんだけど」
「実はね、これから任務があって、私一人だと心細いの。だから、善逸くんも一緒に来て欲しいんだ!」
女の子の頼みとあれば受けるしかない。そう思い俺は、
「もちろんだよこいしちゃん。俺が守ってやるから、安心して任務を遂行しなよ」
そういうとこいしちゃんは笑う。
「次の任務もわからないのに守ってやるって?面白いね!善逸くんは」
「どういうこと?面白いって」
「次の任務はね、樹海に行くんだよ!富士の樹海」
樹海、その言葉を耳にしたときに背筋が凍る。
「えーー!そんな危ないとこに行くの!あそこは危ない場所だよ〜」
俺は知っていた。あそこは自殺や死体隠しの名所と言われていて、俺も借金で取り立てられたときに樹海にでも隠すと脅されたことがあった。
「実はね、富士の樹海の中に万世極楽教の支部があるということで、私はそこの任務に行くんだよ。善逸くんの耳が頼りにもなるし、方角もわかると思うからあなたを誘ってるの」
「え、俺の耳が頼りになる!なら、こうしちゃいられない!樹海に行くぞ!」
俺はこいしちゃんに言われてニヤニヤする。
「ちょっと待って、その前に前田さんのところに行かなきゃならないの。前田さんに頼んでいたものがあって」
「で、着てみたんだけど、何この服、よくわからないんだけど」
「これはね、万世極楽教の人が必ず着る黒装束だよ。変だと思うけど、これを着て潜入するんだよ」
「潜入?もしかして…」
「潜り込んでこっそり鬼の頸をいっぱい取るんだ!私の師範も、こうやっていくつもの支部を潰して柱になったんだよ!」
自分の思っていた任務がこっちからやってきたとは、運がいい。
「私は万世極楽教の支部を7つ潰したから、今は位は乙なんだよ。それに、大きい支部だったら、鬼は10〜20はいるからね」
「そんなにいるの!?それに、もし囲まれたりしたら」
「大丈夫!支部に十二鬼月みたいなのはほとんどいないから、お掃除だと思って片付けようね!」
お掃除とかそういう話ではない。鬼を狩ることをそう言えるこいしちゃんがだんだんヤバい人だと思えてきた。
「じゃあ、いくよ!西のほうの富士樹海まで!出発進行!」
「おーーー!」
俺はノリを合わせてこいしちゃんと任務をすることになった。
だが、こいしちゃんからは一切音が聞こえない。
俺の耳がおかしくなったのかとそう思ってしまった。
その不安の中、俺とこいしちゃんは富士の樹海へと向かった。
富士の樹海の入り口についた俺は、ガクガクと震えていた。
「善逸くん、大丈夫?」
「大丈夫だよ!俺が絶対に守って見せるから」
こいしちゃんには嘘をついてしまった。本当は富士の樹海には入りたくない。
俺は強がっている。心の中で俺は葛藤する。
樹海の道を進んでいくと大きな建物が見える。
その建物は珍しい西洋建築のような建物だった。
「ここが万世極楽教の支部だよ。私たちが潜入する場所」
思っていたよりも違和感が半端ない建物である。
「お前たちは俺たちの仲間だな。さぁ、入れ」
俺たちは奥へと誘導される。
その壁には何やら不思議な絵が飾ってある。
その絵は何とも気持ちの悪い絵ばかりだった。
「こんな気色の悪い建物、よく入れるよな」
「仕方ないでしょ、ここで数日かけて鬼をじわじわと殺すだから」
俺はこの建物で何日も過ごさないといけない。
そんな死刑宣告のようなものを告げられて、呆れた。
まさかの善逸とこいしの共同任務。そして万世極楽教狩りの実態も暴かれます。
さてどうなることやら