鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
完結です。そしてこの頃なので
うるさい。
うるさいうるさい。
うるさいうるさいうるさい!
「あーーー!こんなところ嫌だ!早く支部潰しておさらばしたい!」
俺は潜入3日目にして鬼の音がいくつも聴こえるのでイライラしていた。
「しっ!大声を出すと私たちが鬼殺隊だってバレちゃうよ」
「ごめん、俺さ、耳が良すぎるから鬼の音とか苦手なんだよ」
「そうだったね、やっぱりすぐにでも斬りたいのはわかるよ。でもね、じっくり泳がせるのがいいんだよ。それに、あと三日で大礼拝の日だからそれまで待とうよ」
「わかった、あと気になったんだけど、ここ女の子多くない?」
「多いも何も、万世極楽教の信者の6人に5人は女性だよ?それに、吉原から足抜けした人とかがこの教団に入信する人が後をたたないんだって」
「へぇ〜、だから音柱のおっさんも吉原が怪しいって言ってたのか」
「もしかして、吉原が全壊したあの事件の時、参加してた?」
「うん、女装して、吉原に潜入調査してたら鬼に捕まったりで酷い目にあったよ」
「ご愁傷様〜」
「何だよその目は!俺のこと憐んでるのか?」
それから3日が経ち、その日がやってきた。
「ではこれより、万世極楽教の大礼拝を行う」
教団の団員がざっと100人はいるかと思われる状態で大広間に集められた。
鬼の音があちこちから響き渡る。
信者の中に鬼も何体も紛れているからだ。
「それではまず、膝をつきなさい」
俺とこいしちゃんはそれに合わせる。
「そして手を合わせ、高く掲げるのです」
みんなに合わせないと怪しまれる。
「そして唱えるのです。我らは極楽を求める。命は儚く尊い。我々は幸せになるのです。幸せになるためには皆、手を取り合い、協力しあうのだ。いつの世も極楽に行けるような魂となるため!我々は万世極楽の一部となるため!我々の導く預言者、童磨様のために!」
司祭は蝋燭の火を消した。
今こそ鬼を狩る絶好の機会だ。
俺とこいしは、闇の中でも見えるように目を素早く慣らした。
そして、
「ギャー!」
「うわぁ!」
前もって目星をつけていた鬼をいくつも斬る。
礼拝はそれだけ鬼も集まりやすいから、この日を狙ったのだ。
鬼の音が聴こえなくなるまで俺たちは鬼の頸を刎ね続けた。
騒ぎを聞きつけた信者の一人が急いで蝋燭に火を点す。
だが、俺たちの仕事はもう終わっていた。
「キャーーーーーー」
血溜まりが床にでき、首のない鬼の体が転がっていた。
「何があったの!これは一体?なぜ、首が…」
こいしは黒装束を脱ぐ。
「みなさん!騙されないでください。この教団には鬼がいます。その鬼たちが、人を食うのを防ぐために、私たち鬼狩がここにきました。みなさん、万世極楽教は気をつけてください」
「どうして、鬼狩様が駆けつけてくれたんですか?」
「この万世極楽教は鬼が多くいます。あなたたちは先ほどまで食べられるかもしれなかったのです。だから私たちが助けたのです」
信者の人々の多くは自分が殺される可能性があったことを知り怯える。
そんな中で一人の信者が立ち上がる。
そしてこいしのところにまで近づく。
パァン
こいしは信者に平手打ちをされた。
「なんて事してくれたの!私、死ぬつもりでここにきたのに」
俺は驚愕した。死ぬつもりの信者がいたなんて。それに、その声は聴き覚えがある。
「どういうこと!?死ぬつもりで来たって、それに、なぜここにいるんですか!?華扇さん!」
黒装束の頭巾を外すと、赤い髪のお団子巻をした髪と男なら確実に落とせそうな顔が現れた。
「私はね、太夫の暴れたせいで右腕を失ったの!それに、私はもう、この体じゃ人前にも出れない、だから私は鬼に喰われた方が幸せになれる。そう思ったの!」
俺はそのことに怒りを覚えた。そして言い返す。
「喰われりゃ幸せだった?そんな甘い考えだったのなら喰われた方がいい!でもな、生きていて幸せになる方が多いんだよ!生きていれば勝ちだ!死んだら負け!だからあんたには生きて誰かのところに嫁いで幸せになれるよう努力しろよ!あんたにはまだ、傷一つない顔があるじゃねぇか!その顔を武器に男を一人でも二人でも落としてみろ!」
「ちょっと、それは華扇さんに言い過ぎじゃない?」
こいしが俺のことを止めていると、華扇さんは涙を流す。
「私、自暴自棄になってた。あなたのいうとおりね、私は片腕を失っても顔で男を落とせる。そのことを忘れてしまった私がバカだったわ」
華扇さんは涙を流していた。
こうして俺は任務を終えた。
「あ、善逸くん!今日って12月31日だよね?」
「そうだな、12時を過ぎたから今日は12月31日だね」
「あのさ、帰る前に一回登らない?」
こいしからその言葉を聞いた時俺はビックリする。
「え!登るってまさか…」
「富士山登ろう!今年も最後の日だし、富士山の頂で初日の出も見ようよ!」
「え?でも…今って富士山って…」
「冬山だけど、まぁ頑張ればいけるっしょ」
「え〜」
俺とこいしは昼過ぎから山を登る。
「はぁはぁ、こいしちゃん、速いよ〜」
「せっかくの初日の出を見るためなんだし、それに、一年の計は元旦にありっていうし、初日の出が出た時に二人で来年の抱負とかを心の中で祈りながら拝もうよ」
「だからって俺が山頂で暖を取るための薪全部運ぶばせるのはどうなの?」
「いいでしょ、私がご飯とか一式運んでるんだし」
山頂についた頃には日が暮れていた。
俺とこいしは山頂の小屋に泊まることにした。
そして、
「綺麗だね〜」
「あぁ、これを見られるのが同期で今は俺だけってのは気持ちがいい」
俺とこいしは約束通り初日の出を拝むことができた。
そんな時、
「おお、盲目の私にも初日の出の暖かさがしみる」
ものすごい大男が手を合わせていた。
「あ、岩柱の悲鳴嶼さんだ。悲鳴嶼さん!お久しぶりです」
「霞柱の継子の古明地こいしではないか」
「姉がお世話になってます。あと、どうしてここにいるんですか?」
「私の管轄は静岡県です。私は月に一度富士山に登るので」
「へぇ〜、私たちは任務のついでに初日の出を見たくて登りました」
「素晴らしい、体力をつけるのには山登りが一番いい」
3人で初日の出を拝んだあと、俺は蝶屋敷に帰った。
初日の出に悲鳴嶼さんいたの!?
というかどうやって富士山登ったんだろう
気になる