鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
幽々子さんがどういう人だったのか
今明かされます。
大正五年一月十一日
私は目を覚ますと点滴を打たれながら身体中を包帯で巻かれていた。
「妖夢ちゃんが目覚めました」
目が覚めたのを鈴仙さんが報告しにいくと、私の体は痛みで涙が出てきた。
右頬には大きな切り傷ができ、左肩には鎌の貫通した傷、それに加えて帯の攻撃によりできた細かい傷も合わせてあの時は出血多量で死にかけていたと鈴仙さんから伝えられた。
毒に関しては禰豆子ちゃんのおかげで何とかなったものの体はボロボロだった。
それから1週間、まともに病室から出ることも出来ないまま日がたった。
そして、
「はい、だいぶ良くなりましたね。これから回復訓練を始めてもいいですよ」
しのぶさんからお達しが出る。
でも私はしのぶさんに気になったことがあったのできく。
「あの、幽々子さんってご存じですか?」
私が質問をするとしのぶさんの表情が険しくなる。
「ちょっと、私の部屋まで来なさい」
しのぶさんから指示された。何か怒らせることでも言ってしまったのだろう、そう思った。
「失礼します」
しのぶさんの部屋に入るとたくさんの書物や巻物が棚に収納され、薬品などが並べられた棚もある。そんな綺麗な部屋だった。
「私から、幽々子さんについての話をしましょう。そこに座って」
私は正座をし、話を聞く姿勢になる。
「幽々子さん、いや、西行寺幽々子さんは、実は私の姉、胡蝶カナエの妹弟子なんです。彼女は姉が育手に弟子入りした後にその育手に弟子入りした子で、私の姉とは仲が良かったのです。そして彼女は姉の後を追うように、私たちの半年後に最終選別に受かり、私たちは3人で任務に出ることもよくありました。4年前のあの日、私の姉が亡くなった時、彼女は私に遅れて来ました。その時私は姉に言われたことを彼女にも伝えたら、私も姉弟子の夢を実現する。そう言って彼女も姉のように夢を実現しようとする人でした。ですが、1年10ヶ月に彼女も姉の後を追うように鬼に殺されました。2人とも、鬼が人間と仲良くなれる、その夢に犠牲になってしまった」
そんな過去があったのか、私は複雑な気持ちになる。そんな時、前の任務のことを思い出す。
「実は私、この前の任務で、幽々子さんの因縁の鬼と戦いました。その鬼は言ってました。幽々子さんは鬼でもやり直せる。生きて償えば救われる。そう言われたそうです。その思いを強く受けた鬼はそれ以来一切人を食わなくなった。だからこそ幽々子さんはカナエさんの遺志をより良い未来を見据えて行動してたのかもしれません。そう、私は思うのです」
私がしのぶさんにそういうと、私に返す。
「実は、あなたの持っている日輪刀は幽々子さんの持っていた日輪刀なんです。そしてあなたの使っている呼吸、魂の呼吸は、幽々子さんが派生しかけていたものなのです。それをあなたが使っているその呼吸を見る度に、私は幽々子さんを思い出します。もしかすると、あなたには幽々子さんが憑いているのかもしれません」
私に憑いている?もしかして、それが私の呼吸を導いてくれたのが幽々子さんの霊言だったのかも。そう思うと、凄い人だったんだなぁと感心する。
幽々子さんのことをもっと詳しく知りたくなった。
「幽々子さんって普段はどういう感じで過ごしていたんですか?」
「幽々子さんはものすごく大食いで、鬼殺隊の中では私が知る限り、甘露寺さんの次くらいにご飯の量が多かったんです。なので、鈴仙さんの料理がスタミナ系なのも幽々子さんの影響なんですよ。それに、藤襲山には月に1度、大量のおにぎりを持っていったりもしていました。私の姉よりも鬼と仲良くしたかった、そんな人だったのかもしれません」
幽々子さんはとても良い人だった。私は尊敬の思いになる。
しのぶさんはそう話すと立ち上がり、箪笥から物を取り出す。
「それはなんですか?」
「幽々子さんが使っていた蝶のリボンと羽織です。あなたにはこれを授けます。あなたには幽々子さんの思いを継いで欲しいんです。幽々子さんが本当にやり遂げたかった夢を叶えるためにも」
私は蝶のリボンをつけ、隊服を着て羽織を纏う。
「お似合いですよ。幽々子よりも素晴らしい姿です」
それから私は蝶のリボンと幽々子さんの羽織を纏って任務に出るようになった。
それを見た善逸は、
「かわいいね、でも、羽織大きくない?」
身長差で滑りそうなので隠の前田さんに調整してもらった。
身長差ェ…
かなり背が高かったのもありますからね。
そして甘露寺さんと同じく大食い。
もしかして寺のつく苗字の鬼殺隊のメンバーって大食いが多いのか?