鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回はカナヲ回
カナヲにとっての重要な回なので今回は短めですが


貧民街の鬼とカナヲの因縁

炭治郎が意識不明になって2ヶ月、私は毎日炭治郎のことを介抱した。

未だに炭治郎は目覚めてくれない。

「起きて…もう2ヶ月よ…どうして…」

私は起きない炭治郎に焦りを感じていた。

そのせいで私はなかなか任務にも出れない日々が続く。

 

その時、炭治郎は少し動いた。

「炭治郎!起きて!」

だが目が覚めない。

どうしてだろう、私は師範に相談した。

 

「もしかすると、意識は戻ったけど眠りについたのかもしれませんね。炭治郎くんはかなりの重傷でしたから」

「私、炭治郎が起きるまで待つことにします。目覚めたらすぐにでも報告します」

「でも、カナヲはそろそろ任務に出ないと永琳さんに怒られますよ。カナヲはちょっと気にかけすぎだって仰ってましたから」

そんな時、鎹鴉が飛んでくる。

「向島で女子供が多数行方不明!鬼の目撃が多数!カナヲは急ぐのだ!弁々、八橋も向かっている。直ちに向かえ!」

向島?私の生まれた場所、そして思い出したくもない過去がある場所。

私は蝶屋敷を飛び出し向島へと向かった。

「カナヲ、どうしたの!」

「しのぶさん、何かあったんですか?」

「もしかすると、カナヲは…」

 

私は急いで向かった。私の中の何かにかき立てられるように。

 

向島に着くと、そこはいくつもの小さなボロ家が並んでおり、ボロボロの服や汚い服を着たその日を生きるために必死な人々がいた。

「思い出した。私はここで」

「カナヲさん、どうしたんですか?」

「カナヲさん、様子がおかしいですよ?」

2人は私のことを心配した。

私が生まれたのはこの向島の貧民街、そこで私は親に虐待され、兄姉ととも暴力を振るわれ、私が心を閉じてしまった場所。

そんな過去を思い出した私は自分の体を抱きしめる。

「どうしたんですか!」

「カナヲさん!大丈夫ですか!」

私は2人を止める。

「大丈夫、少し悪寒が走っただけ」

「心配させないでください。それに、もし風邪ひいていたら、伝染さないでくださいよ」

私は苦笑いした。

 

 

そして夜になる。

「弁々、気をつけてね。この場所の鬼は集団ができているから」

「八橋こそ、気を抜いて足元掬われないように」

私たち3人は、向島の鬼を何体も斬る。

「あちこちで鬼が暴れてる。ここは3人で手分けして鬼を狩りましょう」

「「はい!」」

3人で分かれたあと、私は東側の方へと向かう。

私は貧民街の奥へと進んでいくと、なにか見覚えのある家を見つける。

「私の…生まれた家、そうだ私は、ここで…」

「おう、女の子がこっちにやってくるとは、こりゃいいツマミになりそうだな」

私が過去のことを一瞬過ぎるとその家の中から鬼の声がする。

そして鬼が家の中から出てくると、私は驚愕する。

覚えてる。私のことを虐待した。その顔を、忘れない。

「お前、どっかで見たことあるなぁ。その紫の目、思い出したよ!お前、俺の娘だな?久しぶりだなぁ。お前に名前をつけてなかったから呼べる名はねぇがな」

私の中で怒りがこみ上げる。そして言い放つ。

「なぜ、私のお兄さんを殺した、なぜ私のお姉さんを嬲った。親として最低なことしかしていない。あなたなんかこの世で最もクズだわ」

「よく言ってくれるねぇ、俺はなぁ、お前に会いたかったんだぞ?あの時蝶の髪飾りの女が端金をばらまいてる隙に奪われた時は本当に辛かったんだよ。俺の子を突然奪いやがって」

「ふざけないでよ、私を吉原に売ってその金で酒でも飲むつもりだったんでしょ!」

「お前は随分鋭いこと言うじゃねぇか、さすが、俺の子だ〜」

私は怒りが頂点に達する。

 

「ホント、あなたは生きる価値なんて何も無いわ、さぁ、さっさと私の前から消えて」

 

花の呼吸。肆の型 紅花衣

 

私はその鬼の頸を刎ねた。

 

「何があったんだ?俺は頸を斬られた!?ちきしょう、お前は俺の父親だぞ!なんてことしてくれる!」

「私には父親なんかいない、それに、あなたは私の家族ですらない、私からあなたに言うことはそれだけよ」

 

鬼は断末魔を上げながら塵へと帰した。

「カナヲさん!こっちも片付きました!」

「カナヲさん!鬼は全て倒しました!あれ、どうしたんですか、涙を流して」

「ううん、大丈夫、私はなんでもない」

鬼になったとはいえ、実の父親を殺したことに少し後悔している。

でも、もう振り返ることは無い。私には師範にアオイ、鈴仙さんにきよ、なほ、すみ、八意さん。みんな私の家族だから。

 

私は任務を終えたあと、音柱の所の継子の2人と別れて、蝶屋敷に帰る。

 

「はぁ、炭治郎、大丈夫かな。私がいない間に目覚めていたら…そんなことはいい。早く、手ぬぐいを取り替えないと」

私は炭治郎のことをずっと思いながらバケツに水を汲んでいた。

炭治郎が起きていたら嬉しい、そう思いながら炭治郎の眠る病室へと私は向かった。




カナヲの父親が鬼になっていたとは…
悲しいこともありましたが、次回は刀鍛冶の里編、始動です!
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