鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
里の場所はほんの僅かな人間を除いて知る人はいない。
鬼に襲撃されるのを防ぐためだ。勿論隠の人も例外ではない。
一定の時間で次の隠へ引き渡される。
その上道順も隠の人も頻繁に変更するそうだ。
隠は次の隠の所まで鴉に案内されるがその鴉も頻繁に入れ替わる。
お館様のいる屋敷ははもっと複雑な方法で隠されているらしい。
そのおかげで江戸幕府統治の時代でもさえも誰にも知られなかったらしい。
頭のいい人ってすごい!
でも、刀鍛冶の里に着くまで何人の隠に渡されるんだろう。
感覚が正しければ既に20人以上に背負われている。
「外しますよ」
耳栓が外され、目隠しが外される。
夕焼けが眩しく感じる。
その眩しさが治まると、豪華な建物がズラっと並ぶ。
「すごい建物ですね!!しかもこの匂い!近くに温泉がありそう」
「ありますよ、ここはすごく気持ちがいいので柱たちの新年会もここで行われてましたからね」
つまり柱のみんなはここを知っていたということか。
「あの大きな建物を左に曲がった先が里長の家です。一番に挨拶を」
「わかりました」
「私はこれで失礼します!」
「ありがとうございました」
隠の人は帰っていく。その姿を俺は手を振った。
俺は家の前の守りの人に話しかける。
「鬼殺隊の竈門炭治郎です。」
「あ、炭治郎さんね。お久しぶり」
「もしかしてその声はにとりさん?お久しぶりです!」
「元気だった?心配してたよ。もしかして、里長の方に用?」
「挨拶をしに来ました。里に初めて来たので、挨拶はしないとと」
「ほう、それはいい心がけだ。里長に一番に挨拶をした方が里長の機嫌も良くなるから」
俺は里長の部屋へと案内された。
「どうもコンバンハ。ワシ、この里の長の鉄地河原鉄珍。よろぴく。里で一番小さくって一番偉いの、ワシ。まぁ畳におでこつけて擦るくらい頭下げたってや」
「竈門炭治郎です。よろしくお願いします!」
俺は全力で頭を下げた。
「まぁええ子やな、おいで、栗入り饅頭をあげよう」
「ありがとうございます!」
俺は促されるように栗入り饅頭を頂く。
「蛍なんやけどな、今行方不明になっててな。ワシらも探してるから堪忍してな」
「蛍?蛍って鋼鐵塚さん?」
「そうや、鋼鐵塚蛍。ワシが名付け親だよ」
「可愛い名前ですね」
「可愛すぎと言うて本人から罵倒されたわ、未だに名前を気に入っておらん」
「それは悲しいですね」
「あの子は小さい時からあんなふうや。すーぐ癇癪起こしてどっかに行きよる。まぁいつもだったら1週間程で帰ってくるんやけど今回は2ヶ月以上だ。それに、隊士を来させてしまってすまんの」
里長は呆れてため息をついていた。
「いえいえそんな!俺が刀を折ったり溶かされたり刃毀れさせたりするからで…」
「いや、違う。折れたり刃毀れするような鈍を作ったあの子が悪いのや、刀が溶かされるのは仕方ないが」
里長の言葉に重みを感じる。俺はそのまま手が止まる。
「見つけ次第取り押さえて連れて参りますのでご安心ください。隊士にわざわざ来させるのが悪い」
そういうと後ろの人がブンブンと腕を振り回す。
「あまり乱暴は良くないですよ…」
「あいつのことは1回たんこぶを作らないと覚えないからな。それに、君もまだ鬼狩りに行ける程体が回復してない上に、2日半も背負わされて疲れていると聞いてる。もし蛍が刀を打たない場合は別のものを君の刀鍛冶にする。うちの里の温泉は弱ったり疲れたりした体によく効くから、まぁゆっくり過ごしてや」
「ありがとうございます」
俺は里長の家を出た。
「どうだった?里長は」
「小さいけど貫禄のある方ですね」
「だろう、あの里長が優秀だから、今の刀鍛冶の里が進歩したんだからな。私も感謝してもしきれない」
「すごい人なんですね。やはり、里長の方はそれなりのことをしたからなれるんですね」
「そういえば温泉はどこにあるんですか?」
「こっちよこっち、ついてきて」
俺は案内される。
「ここの里の西側の丘があって、そこを昇る坂の上が温泉よ。ここの温泉はすごいからね。何にでも効くから」
「ありがとうございます!」
俺は温泉へと向かう。
すると、坂をおりる人が来る。
「ひどいよね?無視するなんて」
「私たちを無視するなんていい度胸だよ」
「ほんと、あれが私の同期とは信じられません!」
「あ、咲夜さん、文さん、それと甘露寺さん!」
「あ!炭治郎くんだ!炭治郎くーーーん!」
甘露寺さんが急いで駆け寄ってくる。
その浴衣は大きな胸が揺れてはだけて乳房が零れそうになる。
「危ないです!気をつけてください!はだけてますよ!」
「聞いてよ〜!私たち今そこで無視されたの〜、挨拶したのに無視されたの〜」
「誰にですか?」
「なんか側面を刈られた野郎だった」
「不死川玄弥ですよ。あんな目つきの悪い同期なんて知りません!」
「その子がさぁ〜、完全に顔も合わせないのよ?私、恋柱なのに〜。お風呂上がりのいい気分がもう全部台無し!」
甘露寺さんはメソメソ泣くし。文さんと咲夜さんは機嫌が悪い。
「甘露寺さん、もうすぐ晩ご飯ができるみたいですよ!今日は炊き込みご飯だとか」
「えーーー!ほんとぉ!炊き込みご飯だ!わーーい!」
甘露寺さんはものすごく喜んでいた。それを見た2人は呆れていた。
甘露寺さんは歌を口ずさみながら2人の手をひいて坂をかけおりていった。
俺は坂をのぼり温泉に着く。
すると何か飛んできたので掴んでみる。
掴んだものを見ると前歯が手のひらに乗っていた。
どこから飛んできたのか見渡すと湯気が開け人影が見える。
雰囲気は違うが俺は覚えてた。
「玄弥!久しぶり!」
「うるさい!」
俺は色々聞きたいことがあったのですぐにでも服を脱ぎ、風呂に入る。
「元気でやってた!?風柱と苗字一緒だね!今まで何してた?」
「話しかけんじゃねぇ!風呂くらい静かに入れよ!」
俺は思いきり玄弥に風呂のそこに落ち着けられる。
「俺はあがるからな!」
「裸のつきあいで仲良くなれると思ったんだけど、人間関係って難しいな」
玄弥は何か気にかけてるのかなぁ、そんな臭いがした。
俺が晩ご飯を食べに部屋に入ると、甘露寺さんの前に大量の食器が壁となって積まれていて、それを2人は驚いていた。
「凄いですね。これ全部甘露寺さんが?」
「そうかな?今日は腹八分に抑えるつもりなんだけど」
「甘露寺さんの腹八分は私たちにとっては2食分ですよ?」
「甘露寺さんの食べっぷりは凄いからなぁ、この前なんか私が任務で一緒になった時なんか牛一頭分近く煮込んだ牛鍋をぺろりと平らげてましたからね」
「文ちゃん!その話はしないで〜!」
俺もいっぱい食べて強くならなきゃ、そう心に誓った。
思い出したことがあるので甘露寺さんにきく。
「あっ、そういえば甘露寺さん、玄弥って風柱さんとは同じ苗字だったんですけど何か親戚だったりするんですか?」
「不死川さんは天涯孤独だっていってたわ。兄弟なんかいないって…」
「炭治郎、玄弥は私の師範の弟だぞ」
文さんがとてつもないことを言い出し、場が一瞬止まる。
「「「えーーーーーー!」」」
「どういうことなの?不死川さんの言ってたことって嘘なの?」
「似てるとは思ったけどまさか兄弟とは…」
「文さん!どういうことなんですか!?」
みんなで文さんに詰寄る。
「師範は弟のことが一番大切でさぁ、本当は玄弥には鬼殺隊に入って欲しくなかった。でも入ったら真っ先に継子になるとか言い出す。だからその時私に継子になれって言われて…」
「どうして継子になったんですか?」
「私と師範は同じ育手に弟子入りしたわけだから実際には兄妹弟子ってとこ、それに、私は継子になってからまだ1年ですし」
そんなことがあったのか…なかなか複雑な関係なのかも…
俺は玄弥が来ていないことに気づく。
「そういえば玄弥はまだ来ないですね。一体何してるんでしょうか」
「玄弥は2日に1度しか食事しないって里の人が言ってましたね。そんなに食べないで大丈夫なんでしょうか」
「俺が握り飯とお茶を持っていきます。もしかすると我慢しているのかも」
「それはいい考えだ。それに、炭治郎と玄弥で話す機会もできるし」
俺は握り飯とお茶を用意し、甘露寺さんと2人で玄弥の部屋へと行く。
その道中、
「甘露寺さん、この前はアリスがお世話になりました!
「いいのよ!私の継子なんだから強くなくちゃダメなのよ!それに、任務先でいい男を見つけられたらとか、そんなの考えて私は送り出したのよ。それに、あの子も強くなってきたし。いつか柱の誰かとお見合いをさせたいわ!」
甘露寺さんはかなりいい人だ。真っ直ぐで恋多き乙女、そんな感じの人だと思った。
でもこんな人が鬼殺隊に入ること自体おかしいと思った。
俺は甘露寺さんにきく。
「甘露寺さんはなぜ鬼殺隊にはいったんですか?」
「恥ずかしいな〜。聞いちゃう?あのね…私は添い遂げる殿方を見つけるために入ったの〜!」
え?それだけの理由で鬼殺隊に入ったの?
「やっぱり自分よりも強い人がいいでしょ。守って欲しい!そんな人に私は守られたい!その気持ちだけで入ったの。入ったら柱ってのが一番強いって知ってそれで私は柱に会うためにっていってたら私が柱になっちゃった」
すごい…スゴすぎるぞ甘露寺さんは…
「玄弥くんいないわね〜、どこに行っちゃったのかしら」
せっかく用意した握り飯も無駄になる。どうしよう、そう思っていた時。
「間もなく刀が研ぎ終わるそうです。最後の調整のため、長の工房の方へ来ていただきたく…」
隠の人が甘露寺さんを呼びに来た。
「あらーもう行かなきゃ行けないみたい」
「気になさらず!お見送りします」
「いいのよ、多分夜明け前に発つことになるから」
「いや、でも…そうですか…」
そんな時甘露寺さんは俺の肩に手を当てる。
「炭治郎くん、今度また生きて会えるか分からないけど頑張りましょうね。あなたは既に十二鬼月を何人も斬っている。更には暴走状態の鬼とも戦って生き残った。これは凄い経験よ。実際に体感してえたものはこれ以上ないほど価値がある。五年分十年分の修業に匹敵する。今の炭治郎くんは前よりももっとずっと強くなってる。甘露寺蜜璃は竈門兄妹を応援してるよ〜」
すごい嬉しい。
「ありがとうございます。でもまだまだです俺は宇髄さんに勝たせてもらっただけですから、もっともっと頑張ります。鬼の始祖に勝つために!」
甘露寺さんは俺の言葉に響いたのかキュンとしたようだ。
「炭治郎くんは長く滞在する許可がでてるのよね?」
「あっハイ、一応は…」
「じゃあ教えてあげる。この里には強くなるための秘密の武器があるらしいの?それも二つも、探してみてね」
そう耳元で囁くと、すぐに行ってしまう。
「じゃあね!」
俺は何かに心を打たれたのか鼻血が出る。
「おうおう、なかなか良いもんじゃないか、もしかして甘露寺さんの胸とか見て発情したんじゃ…」
「そんなことは断じてない。俺は安い男じゃない!」
「そうだよね。炭治郎はカナヲが1番好きだからな」
咲夜さんと文さんが増えてましたね
ではまた