鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
翌朝、俺と咲夜さんと文さんの3人で武器を探すことにした。
「甘露寺さんの言ってた武器ってなんだろうなぁ、やっぱり刀かな?埋まってたりするのかなぁ」
「もしかすると槌や斧かもしれない、現に岩柱もそんな武器使ってたし」
「それとも銛や細剣みたいな細身のものかも」
「どうなんだろうなぁ、宝探しみたいでわくわくする」
探し始めようとするも俺の鼻は温泉の硫黄の強い臭いで利きにくくなっている。
だからこそ手当たり次第で探さなきゃならない。
そう思っていた。
探していると、何か声が聞こえる。
「あれ、なんかあそこで言い争いしてますね」
「子供?ともう一人は…」
「あのお方は、霞柱、時透無一郎さん!なぜこの場所に!?」
霞柱もいるということはもしかして同じものを探しているのか?
そう思い俺たちは近づくと、
「どっか行けよ!何があっても鍵は渡さない!使い方も絶対教えねぇからな!」
揉め事だったら仲裁しないと、そう思いながら急ぐ。
「まぁ、手をあげるまで動かない方がいいかも、霞柱がどんな人か気になるし」
「文さん、手をあげてからでは遅い。だから、手をあげる前に…」
霞柱は手刀を子供の首に決める。
その子は倒れ込む。
俺はいてもたってもいられず文さんの手を振り切り、仲裁に入る。
「やめろーー!何してるんだ!」
霞柱は子供の服を掴み高く引き上げる。
「手を放せ!」
俺は霞柱の手首を掴む。
「声がうるさい。誰?」
「子供相手に何してるんだ!手をはな…」
霞柱の手首はビクともしない。俺よりも細い腕をしているのに。
「君が手を放しなよ」
すると霞柱の肘打ちが俺の鳩尾に決まる。
俺は倒れ込み息が苦しくなる。
「すごく弱いね…よく鬼殺隊に入れたな…。ん?その箱から変な感じがする。鬼の気配かな…何が入ってるの?それ…開けて…」
パシィン
「触るな…絶対に!」
俺は怒りをぶつける。
その隙に咲夜さんが子供を霞柱の手から助ける。
「大丈夫?怪我はない?」
「はなせ!あっちにいけ!」
俺と咲夜は心配になる。さっきまで吊られていたのに。
「誰にも鍵は渡さない。暴力を振るわれたって、拷問されたって、絶対に渡さない!あれはもう次で壊れる!」
子供は震えながらそう言う。
すると霞柱が子供に言い放つ。
「ねぇ、君は拷問の訓練を受けてるの?大人だって殆ど耐えられないのに君は無理だよ。度を超えて頭が悪い子みたいだね。壊れるから何?また作ったら?君がそうやって下らないことをぐだぐだ言ってる間に何十人が死ぬと思っているわけ?柱の邪魔をするって言うのはそう言うことだよ。柱の時間と君たちの時間は全く価値が違う。少し考えればわかるよね?刀鍛冶は戦力としては無力。人の命さえ救えない。武器を作るしか能がないから、ほら、鍵。自分の立場を弁えて行動しなよ。赤子じゃないんだから」
俺は怒りがこみ上げ、霞柱の差し出した手をはたく。
「すごく嫌な気がした!なんだろう…配慮が欠けていて残酷です!」
「この程度が残酷?君は何を…」
「正しいです!あなたが言ってることは概ね正しいんだろうけど、間違ってはいないんだろうけど、でも刀鍛冶は重要で大切な仕事です。剣士とは別の凄い技術を持った人たちだ。だって実際刀を打ってもらえなかったら俺たち何もできないですよね?剣士と刀鍛冶はお互いがお互いを必要としています。戦っているのはどちらも同じです。俺たちはそれぞれの場所で日々戦って、切磋琢磨するん…」
「悪いけど、下らない話に付き合ってる暇ないんだよね」
俺の首に手刀が打ちつけられ、転ばされ、意識を飛ばされる。その直前に、遠くに鋼鐵塚さんの姿が見えた。
「お〜い、起きろ〜、こんなとこで寝てんじゃないよ」
俺は目を覚まし起き上がる。
「大丈夫ですか?急に起きない方が…」
「鋼鐵塚さんいた?さっき見えたんだけど」
「いないですよ。さっき見えたのって私のことじゃない?」
「にとりさん!」
「俺はどのくらい気絶してたの?」
「そうね、15分くらい」
「柱の人は!?」
「さっきの霞柱?鍵を小鉄くんからもらったら行っちゃったよ」
「渡しちゃったのか…渡すしかない感じだったけど…いや事情もよくわからない俺がゴチャゴチャ言うことじゃないけど…」
俺は首を押さえながらそう答える。
「そりゃそうだよなぁ、あまり口を出すのはよく…」
「嬉しかったです!見ず知らずの俺を庇ってくれて…ありがとうございました」
「いやいや役に立てず申し訳ない」
「あ…ならよかった」
すると咲夜さんも起き上がる。
「いてて、転ばすだけでは済まさず、手刀まで打たれるなんて…」
「こっちも起きたか…、だいぶやられたみたいだが」
咲夜さんの隊服は泥だらけになっていた。
「こりゃ大変だねぇ。二人とも災難だったね。あと、そこで隠れてる奴!早く出てこい!」
「あちゃー、バレてましたか」
文さんは茂みから現れる。
「コソコソ覗き見とかいい度胸してるよ。このことは風柱にも伝えておくからね」
「それだけはご勘弁を〜」
文さんはにとりさんに泣きついていた。
「ところで、結局鍵っていうのはなんの鍵だったの?」
「絡繰人形です。」
「ん?絡繰人形?」
「はい、俺の先祖が作ったもので百八つの動きができます」
「へぇー凄い!そんなのがあるんだ!」
「人間を凌駕する力があるので戦闘訓練に長らく利用されてきました」
「そうか彼は訓練のためにそれを…」
「はい…だけど老朽化が進んで、壊れそうなんです」
「それってどういうものなの」
「実は…」
小鉄くんが言おうとするとものすごい音が森の奥から聞こえてくる。
「さっきの人がもう訓練を始めてる!急がないと!」
そう言われて小鉄くんに案内される。
案内された先にはものすごい戦闘を霞柱と絡繰人形が繰り広げていた。
「あれが…俺の祖先が作った戦闘用絡繰人形の一つ、縁壱零式です」
小鉄くんがそういうと
「ありゃ〜だいぶ鈍ってきてるなぁ、まぁ仕方ないか」
にとりさんはそういう、この速さで鈍っているというのはどういうことなのか。
縁壱零式が登場しました。ですが「一つ」ってどういうことなんですかね…