鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
意外とにとりさん出番多い。
俺はその縁壱零式をよく見る。
見覚えがあるあの顔。
それにどういうことなのか俺は小鉄くんにきく。
「腕が六本あるのは何で?」
「父の話によるとあの人形の原型となったのは実在した剣士だったらしいんですけど。腕を六本にしなければその剣士の動きを再現できなかったからだそうです。そしてその絡繰の試作として作られた巌勝零式というのもあります」
俺はその名を聞いて前に煉獄さんの父上の話を思い出した。
「これもしかして500年近く経ってるの?よく壊れないで動いてるね」
「よく知ってますね。俺も父から聞いたから実感湧かないですが、あの絡繰は凄い技術で作られてて今でも直せる人がいないんですよ。もし二つとも壊れてしまったら、この里には絡繰人形が一つしかなくなっちゃうんですよ」
「その一つって?」
にとりさんが何故か自信満々で語り出す。
「よくぞ聞いてくれた!その絡繰人形こそ私が縁壱零式と巌勝零式を研究して作り上げた第三の絡繰!その名も矜羯羅零式!元は鬼殺隊が倒したとされる最後の上弦の鬼の剣士。その絡繰はこの里の門番をしている。私の最大の自信作よ!」
「にとりさんはすごいんですよ。俺でも作れない絡繰を作ってしまうんですから、それに引き換え俺は親父もお袋も死んじゃって兄弟もいない。だからこそ俺はこの二つの絡繰を守らなきゃならない。それが俺の大切なものだから…」
「それであんなに怒ってたのか…」
「小鉄くんは気持ちと行動がチグハグなところがあるからね。そこをなんとかしないと」
「それにしてもあの霞柱さん凄いですね。私たちよりも年下なのに柱で才能もあって…」
「ソリャア当然ヨ!アノ子ハ日ノ呼吸と月ノ呼吸ノ使イ手の子孫ダカラネ!」
足元から声がした。この声は鎹鴉の
「アノ子ハ天才ナノヨ!アンタ達トハ次元ガ違ウノヨ!」
「霞柱の鴉だな。なんか偉そうだな」
「偉ソウジャナクテ偉イノヨ!柱二仕エル鴉ハソレニ気安ク触ンナイデヨ、デカチチメスガ!」
「デカチチメスとはどういうことだよ。いい気になってんじゃねぇ!」
文さんは鎹鴉に煽られて怒ってた。
「そういえば二つの始まりの呼吸の使い手ってことはあの人はそんなに凄い人なのか…でも日の呼吸じゃないんだね…使うの…」
「アァ!黙ンナサイヨ!クソガキ!目ン玉ホジクルワヨ!」
「痛い痛い!ハッ!思い出した!俺はあの人を夢で見たんだ!」
それをいうと鎹鴉が啄むのをやめる。
「ハァァ?馬鹿ジャナイノ?アンタコノ里二来タコトアンノ?非現実的スギテ可笑シイワ、戦国時代ノ武士ト知リ合イナワケ?アンタ何歳ヨ?」
静寂が流れる。言い返す言葉が見つからなかった。
「なんかごめん…俺おかしいよな」
「いえいえ!それは記憶の遺伝じゃないですか?うちの里ではよく言われることです。受け継がれていくのは姿形があるものだけではない。生き物は記憶も遺伝する。初めて刀を作る時、同じ場面を見た記憶があったり経験していないはずの出来事に覚えがあったりと、そういったものを記憶の遺伝と呼びます。あなたが見た夢はきっとご先祖様やその縁があった人の記憶なんですよ」
「なるほど、つまり私が一度も小説を書いたことがないのに、スラスラとかけたりしたのも?」
「私が農家の育ちなのに花の呼吸が最初から使えたのも?」
「おそらくはそうだと思います。先祖に物書きがいたり鬼殺隊の剣士がいたらそういうこともあり得ますからね」
「非現実的!ソンナコトアリエナイ!」
「優しいね、ありがとう俺は炭治郎、そして、この銀髪の女の子が咲夜さん、そして、黒髪の背の高い人が文さん」
「俺は鉤村小鉄です。その意地の悪い雌鴉なんて相手にしない方がいいですよ」
バキィ
ものすごい音とともに縁壱零式の鎧が飛ぶ。
「う…ううっ」
小鉄くんはいきなり逃げ出す。
「小鉄くん!」
俺が引き止めようとしてもきかず彼は森の奥へと行ってしまった。
「俺、探してきます!」
「頼んだぞ!お前の鼻が一番よくきくからな」
俺はみんなを置いて小鉄くんを探しに行った。
「小鉄くん!絶対に見つけるよ!小鉄く…ん?」
小鉄くんは高い木の上で蹲っていた。
「俺にできることがあれば手伝うよ、人形のこと諦めちゃダメだ。君には未来がある。十年後二十年後の自分のためにも今頑張らないと、今できないこともいつかできるようになるから」
「ならないよ、自分で自分が駄目なやつだってわかるもん。俺の代で…俺のせいで終わりだよ。」
俺はそんな弱気な小鉄くんを見たくない。俺は木をよじ登り小鉄くんのあごを弾く。
「投げやりになってはいけない。自分のことをそんなふうに言わないでほしい。自分にできなくても必ずにとりさんや他の誰かが引き継いでくれる。次に繋ぐための努力をしなきゃならない。君にはできなくても君の子供や孫ならできるかもしれない。俺は鬼の始祖を倒したいと思っているけれど、鬼になった妹を助けたいと思っているけれど、志半ばで死ぬかもしれない。でも必ず誰かがやり遂げてくれると信じてる。俺たちが…繋いでもらった命で十二鬼月を何体も倒したように俺たちが繋いだ命が必ず鬼の始祖を倒してくれるはず。だから、一緒に頑張ろう!」
俺は小鉄くんの手を握る。
「うん、ありがとう…。俺、人形が壊れるの見たくなかったけど決心つけるよ。戦闘訓練は夕方までかかるはず、だからこそ心の準備して見届ける。ちゃんと俺の目で」
俺はそう言ってくれたことに喜んだ。
俺と小鉄くんはそれから木を降りてすぐに場所へと戻る。
バキバキバキッ
「ものすごい音がした。もしかして」
「大変だ!縁壱零式が!」
小鉄くんと俺は急いで縁壱零式の方へと向かう。
そこには倒れた縁壱零式と一本の刀を掴む腕が転がっていた。
「いい修業だったよ。誰だっけ…あっそうか。俺の刀がさっき折れちゃったからこの刀貰っていくね」
「そんな、縁壱零式が…」
「あ、それとこの刀は処分しといて」
そう言って霞柱は刀を投げ捨てる。そして立ち去った。
悪意の匂いは一切しない。それどころか彼からは意識の臭いさえ希薄だ。
わざとやってるわけじゃないんだろうな…でも…
「言ッタジャナイ!柱ハ強イッテ」
鎹鴉はそう吐き捨てた。あの鴉は全力で悪意があるな…凄い下に見てる。
小鉄くんは縁壱零式の手を取り起き上がらせようとする。
「大変だなぁ、こりゃ動くかわかんないぞ?腕一本砕かれちゃったし」
にとりさんはそう言う。
「わからないじゃないですか!動けるかどうかは確認しないと!」
小鉄くんは必死に起き上がらせる。それに俺は力を合わせて立たせた。
そんな中雨が降ってくる。
その雨は悲しみの雨なのか、やけに強い。
「動かない…やっぱりもう…」
「いや、こりゃ目のところの歯車に小石が詰まってる。石取ったらすぐにでも動くよ」
にとりさんが小石を取り除く。
すると、縁壱零式は刀を構えだす。
「やった動いた!良かった。」
俺は喜んだ。
「そうですね。炭治郎さん、これで修業して、あの澄ました顔の糞ガキよりも絶対に強くなってくださいね…それに、咲夜さん、文さん、俺が全力で協力しますので…!絶対に見返してやりましょう。今、ここから!」
え、今から全員で、
「それに、今から巌勝零式も起動させます。さぁ、本気でいきましょう」
その言葉が俺たちに降りかかる大きな試練だと言うことを俺は今はまだ理解できなかった。
次回、怒涛の修業回確定です。
二体の絡繰と三人の鬼殺隊隊士、
いざ尋常に訓練開始!
大正コソコソプロフィール
九十九弁々・八橋
誕生日1898年9月19日生まれ(二卵性双生児)
身長弁々155cm・八橋156cm
体重 50kg(二人とも同じ)
スリーサイズ
弁々83-59-80
八橋82-59-81
二人とも楽器が得意で音柱の継子である。
元々は別の育手のところにいたが、そこに宇髄さんが弟子入りし、そのすぐ後に宇髄さんが鬼殺隊入隊からのスピード出世で柱になったため、そちらに継子として入る。
二人とも元々は音楽一家に生まれたが日露戦争の時に両親を失い、その後は楽器を使うながしとして生活を送っていた。
そんな中で元鳴柱の育手に拾われて楽器を使い人々を救うことを教えられた。
二人とも絶対音感の持ち主で、宇髄さんの影響からかなり速めな曲が好きらしい。