鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
原作よりもハードな修業です。
何せ二体もの絡繰相手にやるんですから、
小鉄くんの前に俺、咲夜さん、文さんが並ぶ。
「みなさん、強くなって下さい。そして奴にはこう言うんですよ。その程度か?ゴミカスが、長髪なんだろ?引きちぎるぞ昆布頭。チビ、不細工、腑抜け、短足、童貞、切腹しろ恥知らず!」
「いやいやいや!」
「小鉄くん!それはちょっと言い過ぎだよ!」
「里中引き回しの打首獄門の方がいいですかね」
「いやそこまでは言えない!」.
「言うんです!」
「いやいや」
「みなさん負けたくないですよね!あんな奴より弱いとか腹が立たないんですか?年下に力負けとかそれでもいい歳食ってきたんですか?」
何も言い返せなかった。
俺はまだまだ未熟者だ。そう思う。
「やってやろうじゃねぇか?アタシの風の呼吸で切り刻んでやりたい!」
文さんは一人称が変わった。これは本気だな。
「私たちが強いことを証明して土下座させましょう」
咲夜さんもやる気だ。
「俺もやります!」
こうして俺たちは修業が始まった。
「うわぁぁぁぁ」
「きゃぁぁぁ」
「炭治郎さん!咲夜さん!」
「死んでしまう!二体同時に相手はきつい!」
「二体合わせても腕はたった9本ですよ!あの糞ガキに縁壱の一本壊されたので人形の機能は落ちてます。この程度で死んでるようじゃカスですよ、頑張ってください!」
「いやぁぁぁぁぁぁ」
「文さん!文さんも倒されたので一回止めますね」
強すぎる。連携も上手だからより厳しい。
「3人ともよく聞いてくださいね。あれは癖で動いてるんですよ。皆さん相手の動きを見てから判断してるんじゃないんだ。だから駄目なんですよ。わかります?要は基礎がなってない。本当に今までよく生きてこられましたね、鬼殺隊でギリギリですよ、全てが。俺はあなたたちの弱いところを徹底的に叩きますから俺の言ったことができるようになるまで一切食べ物をあげませんからね。覚悟してください」
「「「はい…」」」
後ににとりさんから聞いた話だが
小鉄くんは元々かなりの毒舌で父を少し前に亡くしたために落ち込んで毒舌もかなり鳴りを潜めていたが、霞柱によって腕を壊されたことにより完全復活した。さらに小鉄くんは非常に分析が得意であった。その優れた分析力故に自分の技術力の低さを正確に捉え絶望していた。十一歳という若さで未来があるにもかかわらず、つまるところ怒りというものは人を突き動かす原動力となる。だからこそ彼に俺たちは付き合う役目がある。
「あの糞ガキには言いませんでしたけど絡繰は首の後ろの鍵を回す以外でも動きの型を変えられるんです。寄木細工の秘密箱ってご存知ですか?」
「あ、知ってる!妹の花子が家族全員分作ってたなぁ」
「正しい手順で動かなさければ開かない箱、あれと同じでこの二つの人形は手首と足首とそれぞれの指を回す数によって動作を決めるから刀鍛冶が剣士の弱点をつく動きを組んで戦わせる。そうでないと本当の意味のある戦闘訓練にはならないんですよ。拷問の訓練なんかうけなくてもな、ヒヒヒ、嫌いな奴には死んでも教えねぇ。それに、縁壱零式と巌勝零式を合わせると196もの技を繰り出せますし、にとりさんの矜羯羅零式の77よりも圧倒的に多いですからね」
つまり絡繰は持ち主と二人三脚なのだ。時透さんは結局刀しか収穫を得られなかったのだ。
それからというもの、強烈な戦闘訓練が続き、
俺たちは何度も打たれる日々が続く。
「みなさん、遅いです。全然ダメ!人形が持ってるのは素振り棒じゃなきゃ死んでますよ!しっかりして、今日で五日目ですよ!明日から両方の人形に刀を持たせますからね!」
それを聞いた俺たちは悲鳴を上げる。
分析力高めの小鉄くん。しかし剣術の教えて 手としてはド素人、どのくらい人間の命の限界かわからないため訓練は鬼畜そのものだった。
言われた通りの条件が出来なければ水も食糧も休憩も与えないという暴挙、さらには隙を見て虫でも貪ろうものならばさらに訓練内容が激化する。それこそが小鉄くんの無知ゆえの純粋なる暴挙だった。
幸い雨が多かったことで命はつながったが恐ろしいほどの運動量の中絶食絶眠無休憩、そんな中で俺たちは何度も三途の川を渡りそうになるも、川に飛び込んでは現世へと戻る。それを繰り返す。
そんな時、何回目かの川へと飛び込んだ時に川底に光るものが見える。その光るものを掴みに行くと不思議なことにその光るものは水の中でも強い臭いがした。
行ける!この臭い、出てくるところがはっきりわかる。
その時はみんなも同じ感覚だった。
「そこだ!」
一瞬の隙が見えた。俺は絡繰に一発の攻撃を与える。
だが、体力の限界を幾度となく超えてきた時点で受け身を取る力も残されてなかった。
「一撃入りましたね。炭治郎さん!あなたが一番乗りです。しょぼすぎて小指しか折れてませんが食べ物をあげましょう!」
その言葉に俺は安堵する。
「私たちは〜!」
「あなたたちはまだ一回も攻撃を入れられてないので続けてください!」
「ひー!」
俺は10日間ぶりに食事をありつけることができた。
小鉄くんが食事を取ってくる間にも文さんと咲夜さんもにとりさんが見てる中でしっかり一撃を入れられたことでご飯にありつけた。
「動作予知ってのかな、その動きをしっかりわかるようになるには普通なら育手のところで習ってくるはずなんだけど、あなたたちはそんなのも習ってこなかったの?私は習ってきたよ!それに、あなたたちはまだまだ未熟だからとにかく十二鬼月を倒すくらいなら柱よりも速い動きが出来ないとダメ!」
にとりさんは元々鬼殺隊だったのを忘れていた。それに、絡繰を自分で作る人だ。その説得力は折り紙付きだ。
そのことに俺たちは何も言い返せなかった。
そして、
「これから縁壱零式と巌勝零式の最終段階に入る。これまでとは比べものにもならないほど速くなる。覚悟しろ!」
「「「はい!」」」
わかる!わかるぞ動きが!食事のお陰で体力が回復した分、ずっとわかりやすくなっている。いける!
俺たちはほぼ同時に察知し、渾身の一撃…
でも壊れたら…
「思いっきり壊してください!絶対に俺とにとりさんが直すから!」
俺たちは渾身の一撃を入れる。
入れた勢いで3人の刀はへし折れてしまった。
だが勢いが余ったせいでみんな背中から地面に落ちる。
「大丈夫ですか!」
「ごめん、借りた刀折れちゃった」
「いいんですよ!それよりすごい一撃がきまりましたね!」
ピシッ
ものすごい音がした。
俺たちがその二体の絡繰人形を見ると、頭と膝は砕け、人形は倒れる。
そこからは刀が二本飛び出した。
二本の刀、まさかここにあるとは、
三人なのに二本?
ということは…