鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
彼がどういう思いで戦いに臨むのかが明らかになります。
僕はどこまで飛ばされるんだろう。
そう思いながら体を捻る。すると温泉の湯気が出ているところを見つける。
そうだ、ここで着地すれば、無事で済む。
僕はそう思い、刀を振るい、勢いを抑えて落ちる。
「はぁ、スッキリした。なんか騒がしいなぁ、もしかして鋼鐵塚さんとか暴れてたのかなぁ。まぁいいや、着替えたし、行ってみよ…」
ドボーーーーン
「何?ものすごい音したけど、もしかして、化け物でも落ちてきた?何?」
湯柱が治まるとそこにはびしょびしょになった時透さんが立っていた。
「え!?時透さん?どうしてここに!?」
「僕の話を聞いて、今、刀鍛冶の里に鬼が襲ってきている。刀鍛冶の人たちが危ない。だから、皆を助けないと」
「え、鬼ですか!?なら急がなきゃダメですね。すぐに行きましょう!」
何この子、風柱の継子だからてっきり荒々しいと思ったらこんな口数の多い子だとは。
僕はこの子に呆れていた。
「いやぁ、しかしかなり飛ばされたんですね。六町くらいですかね。それに、炭治郎さんたちの泊まっていた屋敷まで戻るのに結構時間かかると思いますね」
文という子はかなり話しかけてくるけど、本当に隊士としての自覚はあんのかな?
あ、あそこで子供が走っている。
鬼と子供、子供は刀鍛冶として技術も未熟なはず、助ける優先順位は低い。気配からしてあれは本体ではなく術で生み出されたもの、ここで足を止める理由は無い。里全体が襲われているならまず里長、技術や能力の高い者を優先して守らなければ。
「小鉄さん!大丈夫です!今助けに行きますからね!」
文はなぜ助けようと…
炭治郎くんが言っていたことを思い出す。
『人のためにすることは巡り巡って自分のためになる』
僕はその瞬間、術で出た化け物の腕を斬っていた。
「はぁ、ありがとうございます…」
「邪魔になるからさっさと逃げてくれない?」
文は化け物の頸を斬る。
だが、崩れ落ちない。
ならばこっちかな。
背中の壺のような所を斬り砕く。
すると、化け物はボロボロと崩れ落ちる。
壺から力を得ていたのか…やはり血鬼術で作られたもの。
「うわぁぁぁぁ、ありがとう〜〜!」
小鉄くんは僕に抱きついてきた。
「死んだと思った、俺死んだと…うわぁぁぁ」
「小鉄さんってやはり子供ですね。この前なんか時透さんのことを昆布頭だとか、酢昆布かワカメだとか言って引きちぎって魚に餌を上げてやるって言ってましたね」
「え?僕のことそう思ってたの?」
「わぁぁぁんすみませぇん嫌いだったんです」
「こんなことしてる場合じゃないんだ、僕はもう行くからあとは勝手にして」
「待って!鉄穴森さんも襲われてるんです!鋼鐵塚さんが刀の再生で不眠不休の研磨をしてるから…どうか助けてください!少しでも手を止めてしまうともうダメなんです、どうか…!!」
「そうですよ!小鉄さんが助けを求めてるんですよ!」
「いや…僕は…」
記憶がなにかよぎる。
君は必ず自分を自分を取り戻せる 無一郎
なんだ、僕の頭の中に流れ込んでくる。
混乱しているだろうが今はとにかく生きるだけ考えなさい
生きてさえいればどうにかなる
失った記憶は必ず戻るきっかけを見落とさないことだ
ささいな事柄が始まりとなり君の頭の中の霞を鮮やかに晴らしてくれるよ
お館様…若しかすると僕は思い出せる気がします。
「時透さん、どうしたんですか?虚ろになってますよ?」
僕は小鉄くんを肩に抱える。
「文、急いで鉄穴森さんのところに向かおう。一刻も早く」
「はい、急ぎましょう」
僕と文は急いで森を駆け抜ける。
「うわぁぁぁ!ちょっちょっと!!もうちょっとゆっくりで!あともうちょっとだけ!」
「喋ってると舌を噛むから、今は黙ってて」
これは正しいのかな?こんなことしてたら里全体を守れないんじゃ…
いや、できる。僕はお館様に認められた、
鬼殺隊霞柱、時透無一郎だから。
それからは何匹だろう、腕や足の生えた不気味な魚を文と斬り刻みながら鉄穴森さんのところに着く。
「鉄穴森さん!大丈夫でしたか!」
「おおっ時透殿、文殿、これはありがたい瞬きする間に全部斬られている」
「鉄穴森さん!良かった、無事で」
「小鉄少年!そちらこそ無事で良かった。正直もう死んでると思いましたよ」
僕は早く刀を直して欲しくて鉄穴森さんに話しかける。
「鉄穴森さん、僕の刀用意してる?早く出して」
鉄穴森さんは僕の刀を見る。
「おやっこれは酷い刃毀れだ!」
「だから里に来てるんだよ、これで2本目だよ」
「なるほどなるほど、では刀をお渡ししましょう」
「……随分話が早いね」
「良かったですね。感謝したらいいですよ」
鉄穴森さんは話し出す。
「実は炭治郎くんに少し前に頼まれていたんですよ。あなたの刀のことを、そしてあなたをわかってやって欲しいと」
「炭治郎、炭治郎くんが…」
「だから私はあなたを最初に担当していた鉄井戸久道さんを調べて…あっそうだ!鋼鐵塚さんが危ない!」
「良かった!魚の化け物はいない!あの小屋で作業してたんですよ。それに、先程にとりさんも駆けつけてくれたおかげで守りも万全、中には時透殿に渡す刀もあります。それを持ってすぐに里長の所へ向かってください!」
僕は気がついて鉄穴森さんの服を引っ張る。
「既に来てる。そこに壺がある。あれがもしかすると」
「ヒョッ、よくぞ気づいたなぁ、さては貴様、柱ではないか」
壺が動き出す。
そして、本体が現れる。
「うわぁ、気持ち悪い!なんだあいつは!」
鉄穴森さんが腰を抜かす。
「そんなにこのあばら屋が大切かえ?コソコソと何をしているのだろうな?ヒョヒョッ」
「お前、名を名乗れ!」
「おやおや、そう焦んなよ、お胸の大きなお嬢さん、初めまして、私は玉壺と申します。どうかお見知り置きを」
ついに玉壺戦も始まりましたね。
次回は半天狗戦サイドの話になりますので交互に書いていく感じになりそうですね。