鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
ついにここまで書けました。
「急がなきゃ急がなきゃ、里のみんなが危ないわ」
私は文ちゃんの鴉を追って里へと向かう。
「でも私の担当してる地区の中にあったんだ刀匠さんたちの里、それに、さっきのご飯をご馳走になってたところから近かったなんて、びっくり!」
私は栃木県が管轄なんだけど、まさか栃木県内だったとは知らなかった。
「よーし、あと少しで着くよ、がんばるぞぉ!」
私は全力で里へと疾る。
「鬼だー!敵襲ー!敵襲ー!各一族の当主を守れ!柱たちの刀を全て持ち出せ!長を逃がせー!」
刀鍛冶の里の方から鐘の音がする。
里の門が見えてきた。
もうすぐだよ。刀鍛冶の皆さん!
私は門を開けようとする。その時足元に変な感覚を覚える。
「ん?なんか踏んじゃったか…」
足元には歯車が散らばり、無残な姿となった矜羯羅零式が転がっていた。
私は戦慄を覚える。これほどまで強い鬼が今、刀鍛冶の里にいるなんて。
でもこうしてはいられない。
私は門を蹴破り、里の中へと進む。
すると、目の前にはおぞましい金魚のような化け物が百はいようかという数で暴れ回っていた。
「うわぁ!みんな逃げろーー!急いで逃げるんだーー!」
「気を付けろー!あの化け物は爪が刃物みたいに鋭く硬いぞ!一旦、森の奥へ逃げろ!」
刀鍛冶の人々が逃げる。後ろに金魚の化け物。
私は飛び、宙返りをして刀を抜く。
そして一瞬で金魚の化け物を切り刻む。
「遅れてごめんなさい!みんなすぐ倒しますから」
そして私は十、二十、三十と化け物を斬る。
「うぉぉぉぉ!柱が来たぞ!」
「すげぇ!強ぇぇ!」
「可愛くて艶めかしいから忘れてたけどものすごく強いんだよな柱って…」
私は急いで里長の元へ向かった。私の大切な刀を打ってくださった刀鍛冶の鉄珍様のもとへ。
「鉄珍さま…」
鉄珍さまはものすごく気持ちの悪い大きな魚の化け物に握られていた。
「あぁ…たす…け…て…」
里を常駐で警護していた30人の鬼殺隊員があっけなくやられてしまった。
今、戦える隊士はおそらくにとりだけ、でも今にとりは鋼鐵塚の所にいる。
それに、里で最も優れた技術を持つ長を死なせるわけにはいかない。
でも大きすぎるこの化け物、攻撃がまるで効かん。それに異常に動きも速い。
どうすればいいんだ、どうすれば…
「遅れて申し訳ございません。それに動かない方がいいですよ!多分、貴方は内臓が傷ついているから」
「か、甘露寺殿!」
なんだこの刀は、長が…鉄珍さまが打ったものか?
噂には聞いていたがなんと奇妙な…
ものすごい呻き声を上げて甘露寺殿に襲い掛かってくる。
恋の呼吸。壱の型 初恋のわななき
「私、いたずらに人を傷つける奴にはキュンとしないの」
魚の化け物はボロボロと崩れさる。
「鉄珍さま!」
私は落ちる長を抱きかかえる。
「大丈夫ですか鉄珍さま!しっかりなさって!」
私は泣きながら呼びかける。
「う…」
「鉄珍さま!聞こえますか!」
「若くて可愛い娘に抱きしめられてなんだかんだで幸せ…」
「やだもう鉄珍さまったら」
私はキュンとする。
「すまんが、そこのものを拾ってくれんかのう…」
私は鉄珍さまの指さす方を見る。
「え?」
そこには鉄珍さまの左足が転がっていた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
私は悲鳴を上げる。
鉄珍さまの足がもげてしまったの?もしかして手遅れだったとか?
私は焦る。
「すまんのう…驚かせて、儂の義足を取って欲しかっただけなのだが」
私はピタッと止まる。
「鉄珍さま、義足って」
「儂は、もう3年もの間その義足にお世話になってる。それもこれもにとりが作ってくれた義足があったから儂はこうしてお主の刀を打てるんじゃ…」
「そうだったんですか!ありがとうございます!」
恋敵でもできてしまったような気がした。
でもにとりさんも素晴らしい人だったのは知ってたけど。
私は鉄珍さまの義足を取り、鉄珍さまに渡す。
その義足を鉄珍さまは足の継ぎ目にはめる。
「これでよし、では儂は避難する。甘露寺殿も、里のみんなを頼みましたよ」
「はい、わかりました!鉄珍さま:」
私は鉄珍さまが護衛の人におんぶされて逃げる。
「私も残りを倒さなくちゃね」
私は襲い掛かる魚の化け物をさらに倒し続ける。
「よし、これでひとまずは安心ね」
魚の化け物は見える限り全て斬り刻んだ。
「ありがとうございます!貴方がいなければ私たちは…」
「いいからみなさん!早く逃げてください!」
「その前に一度でいいから…その…胸を…」
「ちょ…何を言ってるんですか!言う暇があったら早く逃げてください!」
「あぁ、その恥ずかしがる甘露寺殿もまた…」
男が多い刀鍛冶の里は非常に女性に飢えていた。
私はそれを嫌々としていると、
「てめぇら!甘露寺殿に何をする!」
その声を聴いてふと振り向く。
「にとりさん!」
私はそう呼んだ!
「てめぇらは女に飢える暇があったらさっさと逃げろ!それとも、私の絡繰にしごかれたいのか?」
すると刀鍛冶たちは震えだし、そしてみんな逃げ出した。
「ありがとうにとりさん」
「お礼はいいですよ、それに、私の絡繰は鬼に壊されちゃいましたから、まぁそれをあいつらは知らないと思いますけど」
「あ…」
忘れてた。里の門を蹴破る前に足元に散らばっていた矜羯羅零式のことを。
「それより、大変なんです。さっき…」
バリバリバリバリ、バァン
ものすごい音が響く。
「この音は、もしかすると、炭治郎さんたちが危ない!」
「どういうこと?」
「この里に攻め込んできた鬼は二体いるんです!しかも、十二鬼月が!一体は壺のようなところから気色の悪いやつで下弦の壱、もう一体はおそらく、上弦かもしれません」
上弦、その言葉を聞いた瞬間、ものすごく体が熱くなってきた。
「わかったわ、私は炭治郎くんたちのところへ向かいます。にとりさんは壺のようなやつのところへ!」
「わかりました!あ、あと、渡すものがあります」
するとにとりさんは胸元から物を取り出す。
「先日刀を打った時に鉄珍さんが忘れていた刀の鍔です。桃型の飾りが4つに増えた物です」
「ありがとう」
私は刀に鍔をつける。
「じゃあ私は壺の方に戻りますので、それでは」
「ありがとうね!にとりさん」
私は手を振り、そして炭治郎くんのもとへと向かった。
やっぱりその大きな胸が露わになった隊服のせいで変な気を起こしてしまう刀鍛冶も多いんですね。
それに鉄珍さんが義足をつけていたとは…
それの製作者がにとりさんって、本当ににとりさんって凄くないですか?