鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は玄弥視点です。
半天狗戦も本格的に大変になってきましたね。


玄弥の過去と鬼の変貌

どこだどこだ!

鬼は一体どこにいるんだ!

術か?また何かの術で見えねぇのか!?

くそっ!長引けば長引く程こっちが消耗してしまう!

「玄弥!西だ!もっと右!近くにいる!かなり低い!」

どこだ!

俺は走る足元に何かを感じた。

 

「ギャーっ」

 

何か小石でも蹴ったのか?

俺は足元を見る。

 

そこにはカブト虫のように背を向ける小さな鬼がいた。

あいつの言っていた本体はこいつか!?

こいつが本体か!?

くそったれが、見つけられるかこんなもん普通、カブト虫程度の大きさじゃねぇか!

それに、俺は気づかず蹴飛ばしちまったわ!

あの四体が強力すぎんだよ!あんなのこの虫の大きさのやつが操ってんのか!?あの四体を相手しながらこの虫捕りクソ面倒くせぇ。

今まで鬼殺隊の人間がやられてきた構図が見えたぜ。

ふざけんな小賢しい!憤懣やる方ねぇ!

俺は草を刈るように刀を振る。

「ギャッ」

よし、頸に入った、行ける!勝った…

 

その時、砂粒程度の手で刀を折られる。

は!?斬れねぇ、それに硬ぇ!馬鹿な!こんな米粒の太さしかねぇ頸だぞ!?

俺は銃で5発撃つ!

しかし、金属音がする。

そして煙からは無傷の小鬼が怯える。

効かねぇ!どういうことだ!

その瞬間背後に飛びかかる鬼を感じる。

しまった!もたつきすぎた!避けられねぇやられる!頸は回復できねぇ!

 

俺はその瞬間走馬灯が走る。

 

兄貴、俺は柱になって兄貴に認められたかった、そしてあの時のことを、謝りたかった。

 

俺のお袋は体の小さな人だった。背は大体4尺半程、だから早い段階で俺はお袋より大きくなった。

お袋は朝から晩までとにかく働いていた。

俺はお袋が寝てるところを見た事がなかった。

それとは別に親父は図体がでかい上にろくでもなかった。

お袋は朝から晩までとにかく働いた。

酒に酔って暴れているところを取り押さえられてその後も刃向かったせいで軍人刺されて死んだのは自業自得だ。

親父はお袋や俺たちをよく殴ってた。

あんな小さな体で六尺半ある親父に怯みもせず俺たちを庇ってくれたお袋は凄い人だと思う。

そんなある日、いつもなら女工として働いていたお袋が帰ってこなかった。

俺は兄妹達でお袋の帰りを待っていた、その時、ものすごい音が外からした。

弟たちや妹たちは帰ってきたのかと思い、家の戸に近づく、するとなにかが飛んで、弟や妹たちがぐちゃぐちゃにされる。

俺は飛んできた戸の破片で顔を切る。

なんだ!あの怪物は、獣か!?野犬…いや!狼だ!

その時はついていた家の電球が割られて何も見えなかった。

襲いかかって来た時、兄貴がその狼のような奴を掴み、全力で窓から外へと飛び出す。

「兄ちゃん!」

その時、俺は弟たちや妹たちの手足が食いちぎられ、全く動かなくなっている姿を目にする。

全力で手当てをしようにも、血が止まらない。それに、息も弱くなっていく。

俺は弟妹たちを応急手当をし、そして家にあったすりこぎ棒を手に、兄貴への加勢に向かった。

そして、兄貴が見えてきた。そこにはお袋の首と胴体が別れて、手足も転がる無惨な姿だった。

「母ちゃん!うわぁぁぁぁ!」

俺は何度も泣き叫ぶ!

「なんで母ちゃんを殺したんだよ!うわぁぁぁぁ!人殺し!兄貴は人殺しだーー!」

その時は酷いこと言ってごめん、兄ちゃん。全部言い訳にしかならないけど混乱していたんだ。弟妹が全員命が失われていくところを見て、声も出せなくなって、駄目だ!もう死ぬというのがわかってしまった。あの狼は、いや、狼だと思ったものは、鬼になった母ちゃんだった。俺たちを守るために戦って、夜が明け始めた外に落ち初めて、家族を襲ったのが母ちゃんたと気づいた時、兄ちゃんはどんな気持ちだったろうか。

最愛の母を手にかけて打ちのめされていた時に、必死で守った弟から罵倒されて、どんな気持ちだったろうか、一緒に守ろうって約束したばっかりだったのに」

 

「家族は俺たち二人で守ろう。親父は刺されて死んじまった。あんなの別にいない方が清々するけど、父親がいねぇとなると皆心細いだろうから、これからは俺とお前でお袋と弟たちを守るんだ、いいな?」

「これからはじゃなくて、これからもだよな、兄ちゃん」

その時俺の事に笑顔を見せてくれたことは忘れない。

 

その後俺と兄貴は離れ離れになり、やっとの思いで同じ鬼殺隊にまでなれた。

ごめん、兄ちゃん。謝れないまま俺は死ぬ。兄ちゃんに笑いかけてもらった時の都合のいい走馬灯を見て、俺、才能なかったよ兄ちゃん。呼吸も使えないし、柱にもなれない。柱にならなきゃ柱に会えないのに、頑張ったけど無理だったよ。

 

「テメェみたいな愚図、俺の弟じゃねぇ、鬼殺隊なんか辞めちまえよ、それに、俺の継子はもう既にいる。だからさっさとどっか行け!」

なんてだよ!俺は兄ちゃんの弟なのに!

 

その時、鬼は斬り刻まれる!

「玄弥!諦めるな!」

「そうだ!もう一度狙え!もう一度頸を斬るんだ!絶対諦めるな!次は斬れる!俺たちが守るから頸を斬ることだけ考えろ!柱になるんじゃないのか!不死川玄弥!」

炭治郎、咲夜、俺にそんなこと言ってくれるなんて。

 

その時、咲夜と炭治郎の背後に哀しみ鬼と喜びの鬼がいる。

「危ねぇ!後ろ!」

 

劇涙刺突

 

その時、俺は、喜びの鬼の頸を撃ち落とし、炭治郎や咲夜の盾となった。

俺にしか出来ないこと、それが、鬼を喰らうこと。そして鬼を食っただけ回復すること、ここは俺が全部やってやる!

 

「行け!」

「玄弥!」

「玄弥!その傷!死んじゃうよ!」

「俺は刀が折れて斬れない。お前らが斬れ!今回だけはお前らに譲る!」

俺は四体の鬼を相手にもう一本の銃を取り出し、2挺の銃で戦う。

「どうだ!俺の弾は一味違うぜ!弾の餌食とな…れ…!」

 

その時だった、突然、怒りの鬼が両手を掲げ、1秒の間に、さっき頭を飛ばした喜と楽の鬼が握り潰されるようにして吸収される。

 

そして、俺が目をやると、哀の鬼の元へと移動し、手を前に出す。

「やめてくれ!それだけは!」

哀の鬼は抗議するように、手を前に出すが、すぐさま吸収された。

そして怒りの鬼の体がものすごい速さで変わり、子供のような姿へと変貌した。

 

「この姿になるのは40年振りだなぁ、さぁ、お前たちの最期だ」




次回、憎珀天戦です。
ついに半天狗も本気を出し始めましたね。
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