鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は玉壺戦です。文さん視点と無一郎視点が入り混じってます。


新たなる刀と悪口合戦

「なかなかやりますねぇ、2人の刀鍛冶を背に、そこまで私の攻撃を防げるとは」

「てめぇなんかみたいな芸術に現抜かしてる弱っちい鬼の攻撃なんか、屁でもねえ!」

「でも、それにしたって随分とボロボロじゃないですか」

「女の体を注視してるから弱いんだよ!」

「失礼しました。私はボロボロの服装とかには性的興奮を覚えるので」

「うわぁきっしょ!やっぱり芸術家気取りは特殊性癖しか持たないんだろうな!」

だが、まずい、鋼鉄塚さんは集中して研いでくれてるけど、さっきの魚は防ぎきれなかった、顔に傷つけちゃってごめんなさい!

でも、私は耐えなくちゃ、時透さんが来るまでは、絶対に!

私は強く願う。そして相手の意識を散漫にさせないと。

時透さんが水獄鉢に囚われて30分、そろそろ防ぎきれなくなってきた。

その時だった。

 

 

刀が振るわれ、玉壺が壺へと引っ込む。

 

「貴様、不意打ちとは、許さんぞ!」

 

玉壺は怒り狂っていた。

「ごめん、遅くなった」

私はその姿を見て、思わず呼んでしまった。

「時透さん!遅いですよ!」

時透さんは来てくれた!これでこっちが優勢。

そう思ったが、少し時透さんの様子がおかしかった。

顔には不思議な紋様が浮き上がっていた。

 

「おのれ、貴様、私の美しい体に傷をつけやがって!許さん許さん許さん!」

 

血鬼術 蛸壺地獄 改

 

刀で斬ろうにも、より弾力のある蛸足のせいで時透さんの刀が折れる。

更にはものすごい勢いで飛び出たため、あばら家が全壊する。

 

「ヒョヒョ、どうだこの蛸の肉の弾力は!マダコ型よりもより大きなミズダコ型だ!これは斬れまい!」

私たちは蛸にギチギチと締められる。

「先程は少々手を抜きすぎた。今度は確実に潰して吸収するとしよう。そして、さっき取り逃した刀鍛冶はどこか…」

 

突然蛸足は斬り刻まれる。

「何!?」

 

そして地面に降り立った時透さんは言う。

「俺のために、刀を作ってくれてありがとう、鉄穴森さん」

その刀はものすごく美しい白に近い刀だった。刀身には悪鬼滅殺が刻まれている。

「いや、私はあなたの最初の刀鍛冶のかきつけ通りに作っただけ…」

「そうだったね、鉄井戸さんが最初に俺の刀を作ってくれた。心臓の病気で死んでしまった」

私は、なにか覚醒した時透さんがものすごく綺麗に見えた。

 

 

 

ああ、しっくりくる。これほどまで良い刀だったなんて。

俺は力強く刀を握り、思い返す。

 

「儂は心配だよ坊や、誰がわかってくれようか、お前さんのことを。お前さんがどれだけ手一杯か、どれだけギリギリと余裕が無いか、物を覚えていられんことの不安がどれだけか、そして血反吐を吐くような努力を誰がわかってくれようか。儂はお前さんが使った刀を見ると涙が止まらなくなる。儂ももう長くない、命を惜しむ歳、いや、もう傘寿を超えた儂には思うことではないが、どうにもお前さんが気がかりじゃ、お前のことを最後まで見ることができずすまんかった。この鉄井戸久道、お前には申し訳ないと思う」

 

 

鉄井戸さん、ごめん。心配かけたなぁ、だけど俺は、もう大丈夫だよ。

 

霞の呼吸。伍の型 霞雲の海

 

蛸足がぐちゃぐちゃに斬り刻まれる。

 

「素速いみじん切りだが、壺の高速移動にはついて来れないようだな」

「そうかな?」

「何?お前は…」

「随分感覚が鈍いみたいだね。何百年も生きてるからかな、それとも鋼鐵塚さんの超集中に見とれてたとか?」

 

玉壺の手足が斬られ、下弦と刻まれた目が潰される。

「次は斬るから、お前の下らない壺遊びにいつまてまも付き合ってられないし」

「舐めるなよ小僧、これくらいの傷、私ならすぐに完治できる」

「いや、舐めてるわけじゃないよ、事実を言ってるだけで、どうせ君は僕たちに頸を斬られて壺も割られて死ぬんだし。だってなんだか凄く俺は調子がいいんだ今、どうしてだろう」

「その口の利き方が舐めていると言ってるんだ糞餓鬼め、たかだか十年二十年やそこらしか生きていない分際で」

「そう言われても君には尊敬出来るところが全く無いからなぁ、見た目も喋り方もとにかく気色が悪いし」

「私のこの美しさ、気品、優雅さが理解できないのはお前が無教養の貧乏人だからだ、便所虫に本を見せても読めないのと同じ。世界的評価をされている私には効かぬ」

「君の方が何だか便所に住んでいそうだけど、それに、便所に陶器が最近使われているって聞くし」

「黙れ便所虫、お前のような手足の短いちんちくりんの刃で私の頸には届かない」

「いや、さっき思いきり届いてたでしょ、そもそも君の方が圧倒的に手足短いし、ああもしかして自分に対して言ってる独り言だった?邪魔してごめんね」

「ヒョヒョッ安い挑発だのう、この程度で玉壺様が取り乱すとでも?勝ちたくて必死なようだな。見苦しいことだ」

「うーん、なんかね、すごい気になることがあるんだ」

「何だ?、便所虫」

「気になっちゃってね…なんか今まで見てきた壺さぁ、全部形歪んでない?真円を描こうとしてるけど、楕円なんだよね?ヘッタクソだなぁ、それに、絵柄も完全な五角形に描こうとしてるけど、なんか2枚目と3枚目の花びらの内角が8度ほど狭いんだよね」

 

「貴様、それは貴様の目玉がくさっているからだろうがぁぁぁぁぁ!私の壺のおぉぉ!どこが楕円だと言うんだぁぁぁぁ!」

 

血鬼術、一万滑空粘魚

 

「溢れ出る1万匹の刺客が骨まで喰らい尽くす!私の作品の一部にして品評会にでも飾ってやろうか!」

「悪いけど、そんな攻撃弱いし、鰯なのかな?その魚」

 

霞の呼吸。陸の型 月の霞消

 

「全部斬りおった!この速度と攻撃範囲!、私の毒は何処へ行った。想定外だがしかし問題ない」

 

「これ全部毒でしょ、わかってるよそんなこと」

 

霞の呼吸。参の型 霞散の飛沫

 

「なにぃぃ!お前、まだそんな技を」

「後ろががら空きですよ!便器でも作ってれば良かったのに!」

文が玉壺の頸を刎ねようと斬りかかる。

だが斬ったのは、玉壺の皮だった。

「あーめんどくさい!何回脱皮するんだよこいつは」

「避けて木の上に逃げるのやめてくれないかな?変態特殊性癖野郎」

 

玉壺は月の光の影で蠢く。

「お前たちには私の真の姿を見せてやる、この姿を見せるのは鬼狩りには初めてだ!」

「へぇ、じゃあ普通の人間とかには見せたことあるんだなぁ」

「黙れ!私が本気を出した時は生きていられた者はいない。私の本当の姿が見られるのは工房にいる一部の社員のみだ!」

「すごいねー」

「口を閉じてろ馬鹿餓鬼共が!まぁいい、この透き通るような鱗は金剛石よりも尚硬く強い。私が壺の中で練り上げたこの完全なる美しき姿に平伏すがいい!」

 

「………」

「…………」

「何とか言ったらどうなんだこの木偶の坊共が!本当に人の神経を何回逆撫でするんだ!」

「いやだってさっき口を閉じてろって言われたし…そんな吃驚しなかったし」

「なんか人間っぽくなっちゃったから、面白みも弄りがいもない平凡に見えちゃったから拍子抜けしちゃったし…」

玉壺は文と無一郎、2人に対して殴りかかった。

 

そこには大量の魚が溢れかえっていた。

 

「お前ら、木の上に逃げるなと言わなかったか?面倒なことだのう」

「いや、単純に生臭かったから、鼻が曲がりそうだよ」

「どうだね、私のこの神の手の威力、拳で触れたものは全て愛くるしい鮮魚となる。そしてこの速さ!この体の柔らかくとも強靭のバネ、更には鱗のような波打ちにより縦横無尽自由自在よ、まるで葛飾北斎のような芸術そのものだ!震えているな、恐ろしいか?先程の攻撃も本気ではない」

「どんな凄い攻撃でも当たらなかったら意味無いでしょ、それに、戦闘に使ったのはこれが初めてっぽいし」

 

私、射命丸文は時透さんのその顔に少し引きました。

なにあの顔、正義とかそういう顔じゃない。強者であり、獲物を狩るまさに猛獣の笑み、怖すぎるよ!それに、私に、口数が多いって言ってたけど私よりも喋っているじゃないですか!そっくりそのまま返したい!

「あ、文、気になってたけど、腰周り、今下着姿だから、後で隊服の替え、あげるからね。さすがにそんな姿で戦うのは甘露寺さんだけで十分だから」

私は少し恥ずかしくなった。

でも、ここまで来たらあと少し、切り抜けなきゃ。

私は片手で股を抑えていた。




無一郎登場!
そして玉壺も本当の姿を出しましたね。
無一郎さんがここまで喋るのはちょっと驚きです。
そして文さん、その痴態は…

ということで次回玉壺戦完結編!
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