鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回で悲鳴嶼さんの試練完結です。

すごい大変だと思います。


悲鳴嶼さんの過去と反復動作

俺は焦っていた。

既に六日も経ち、アリスが次の試練に行く。

だが、俺は岩が動かず諦めそうになっていた。

 

「はぁ〜」

長いため息を吐き天を仰ぐ。

今日も駄目だった……どうする?

鬼の動きが止まり1ヶ月、いつまで大人しくしてるかわからない。早く行かないと。

単純に筋力が足りないのかな、それともまた別に呼吸法がある?

これだけ訓練してるのにまだ痣を30分以上出し続けられない。

 

「お前の額の痣、かなり濃くなってないか?」

目の開くと玄弥の顔が近い!

「あっ玄弥!」

「大丈夫だったのか?今最後の試練なんだって?」

「あぁ、今最後の試練がむずかしくてみんなで答えを探しているんだ」

「そうなんだ」

「まだ最後の試練を突破した人はいないぜ。それはそうとお前痣」

「あっ、痣濃くなってる?」

「あぁ、かなり濃くなってる」

「誰にも言われなかったけどなぁ」

「そりゃ毎日顔みてりゃ変化がわからんだろ。それに、鏡持ってねぇのか?後で貸してやろうか?」

「うん、ありがとう」

 

俺は玄弥に手鏡を渡され、鏡で額を確認する。

本当に濃くなってる。よかった。嬉しいぞ!

 

「そういえば岩の訓練してんだな、俺もやってるよ」

「いやぁでも全然動かなくて、玄弥は動かせた?」

「動かせるよ。これより一回り大きいの」

 

え?もしかして、でも玄弥は呼吸が使えなかったはずじゃ……

 

「お前ら反復動作はやってんの?」

俺は首を傾げる。

「やってねぇのか……まぁ悲鳴嶼さんも教えるのは上手くねぇからな、よく見て盗まねぇと駄目だぞ。集中力を極限まで高めるために予め決めておいた動作をするんだ。俺の場合は念仏を唱える」

「あ、悲鳴嶼さんもやってる!」

「そうそう、南無南無言ってるだろ」

 

 

 

玄弥に教えてもらった反復動作というものは全ての感覚を一気に開く技だそうだ。

全集中とはまた異なるもので呼吸を使えない玄弥やにとりさんも反復動作はできる。

悲鳴嶼さんたちはこれを使う時は怒りや痛み、苦しみの記憶を思い出す。それにより心拍と体温を上昇させている。

色々話しているうちにもしかしたら俺の痣が出た状態はそれと同じなのではないかと指摘される。

だけど悲鳴嶼さんにも玄弥にもにとりさんにも痣はないから俺たち二人は首をひねった。

 

反復動作をすることによりいつでも一瞬で集中を極限までまで高められる。

痣が濃く出た状態をこれでずっと続けられるようになるといいな。

俺の反復動作はまず大切な人の顔を思い浮かべること、それから、煉獄さんたちの言葉を思い出すこと。心を燃やせ、運命を変えろ。この流れで俺は極限まで集中を高める。

始めのうちは出来なかったけど、反復動作から全力を出す。何度も何度も、それを繰り返しているうちに体が覚え始める。反復動作から全力、この工程を

 

「ぐぁぁぁぁぁ!」

「いったぁぁぁぁぁ!炭治郎いったぁぁぁぁぁ!」

「くそっ、負けたぜ!」

 

だがまだだ……!一瞬で気を抜くと脱力して押し負ける!一秒でも長く岩を押し続けるんだ。

腕だけじゃない。足腰で押す!上半身よりも下半身の方が筋肉量が多い!

 

俺が押し進める間に伊之助も追随する。

「天ぷら!天ぷら!猪突猛進!」

そして伊之助に続き妖夢も

「白玉!豆大福!」

そして善逸も

「おっぱい!おしり!」

4人揃って岩を押し続ける。

 

そして20分押し続け、

 

「はぁはぁ」

全員一町動かせた!これで悲鳴嶼さんの試練は終わりだ!

俺たちは手を握ると全員倒れ込む。

 

脱水症状だ!急激に滝のように汗をかいて水を飲んでなかったから……

誰か……水を……

 

すると、大量の水がかけられる。

「あっ、悲鳴嶼さん……」

助かった!

「そなたたち、岩の試練も達成した。それに加えて、炭治郎、里での正しき行動、私は君を認める。君は刀鍛冶の里で里の人間の命をとにかく優先した」

「あ……それは……」

「恥じることは無い。君は剣士の鑑だ。自分の正しき行動を誇ると良い」

 

「いいえ、違います。決断したのはにとりさんで俺ではありません。俺は決断が出来ず危うく里の人が死ぬ所でした。認められては困ります。

いつもどんな時も間違いのない道を進みたいと思っていますが先のことはわかりませんいつだって誰かが助けてくれて俺は結果間違わずに済んでいるだけです。あの時も本当に危なかったんだ。だから俺のことを簡単に認めないでください。それに、水ありがとうございます。訓練も今日までありがとうございました!勉強になりました!」

 

そういうと俺は悲鳴嶼さんに頭を下げる。

 

「疑いは晴れた。誰がなんと言おうと私は君を認める。竈門炭治郎」

「ええ?わからない……どうしてですか?」

「私は昔、寺で身寄りのない子供たちを育てていた。皆、血の繋がりこそさとりとこいし以外なかったが仲睦まじくお互いに助け合い、家族のように暮らしていた。私はずっとそのようにして生きていくつもりだった。ところが、ある夜、言いつけを守らず、日が暮れても寺に戻らなかった子供、そう、名は獪岳と言ったな。その子供が鬼と遭遇し、自分が助かるために寺にいた私と十一人の子供たちを鬼に喰わせると言ったのだ」

 

「獪岳……」

善逸は下を向いて怒りをじわりと出す。

 

「私の住んでいた地域では鬼の脅威の伝承が根強く残っており、夜は必ず藤の花や葛の花の香炉を焚いていた。その獪岳という子は香炉の火を全て水で消して始末し、寺の中へ鬼を招き入れた。

寝込みだったため、すぐに6人が殺された。残った5人を何とか守ろうとしたが2人の子供たちは私の言うことを聞かなかった。当時私は食べるものも少なくかなり痩せ細っており気も弱く、大きな声を出したこともなかった。更には目も見えぬような大人は何の役にも立たないというあの子たちなりの判断だろう」

 

悲鳴嶼さん目が見えないのか……!?

 

「私の言うことを聞いてくれたのは、さとりとこいしの実の姉妹と沙代だけだった。3人は私の後ろに隠れた。他の2人の子供たちは私をあてにせず逃げ、暗闇の中で手足を引きちぎられ、喉を掻き切られて死んだ。私は、3人を何としても守らねばと思い戦った。生き物を殴る感触は地獄のようだった。あの気色の悪さを私は一生忘れない。生まれて初めて全身の力を込め振るった拳は自分でも恐ろしい威力だった。鬼に襲われなければ死ぬまで私は自分が強いということを知らなかった。私は夜が明けるまで鬼の頭を殴り潰し続けた。私はあの夜山ほどのものを失い、傷つき、命をかけて三人を守ったが、さとりとこいしは気絶していた。そこに駆けつけてきたもの達に沙代はこういった。あの人は化け物。みんなあの人がみんな殺した。怖い」

 

「そんな……恐ろしいめに遭い、混乱したのだろう、まだ四つの子供だ。無理もないこと……子供はそういう生き物だ。しかし私は、それでも沙代にだけは労って欲しかった。私の為に戦ってくれてありがとうと言って欲しかった。その一言があれば私は救われた。しかし子供はいつも自分のことで手一杯だ。鬼の屍は塵へと帰り子供たちの亡骸だけが残った。私は殺人の罪で投獄された。その後、さとりとこいしが近くの寺にいた白蓮さんに伝えて、お館様が救って下さらねば私は処刑されていた。それから私は本当に疑り深くなったように思う。君のことももちろん疑っていた。普段どれほど善良な人間であっても土壇場で本性が出る。しかし炭治郎、君は逃げず目を逸らさず、嘘をつかず素直でひたむきだった。簡単なことのようだがどんな状況でもそうあれるものはかなり少ない……君は特別な子供、大勢の人間を心の目で見てきた私が言うのだからこれは絶対だ。未来に不安があるのは誰しも同じ、君が道を間違えぬようこれからは私も手助けしよう」

「頑張ります……ありがとうございます」

俺は涙を流す。他の3人ももらい泣きをする。

すると、悲鳴嶼さんは俺の頭を撫でてくれた。

「私の試練は完了した……よくやり遂げたな……柱と同等として認めてもいい……」

その時妖夢はなにかを思い出す。

「あの、覚えてますか?私は8年ほど前、あなたに助けられた女の子です」

そう言うと悲鳴嶼さんは妖夢の頭を撫でる。

「覚えているとも、あの時の女の子か、母を鬼に喰われたものの、戻って確認をする勇気ある女の子。私はあの時、青山霊園の近くの寺を紹介したことも」

「あの時はありがとうございました!私はあなたがいなければこうやって鬼殺隊で再会も出来ませんでした」

「強くなったな、妖夢。柱として認めても良いほど……」

 

 

 

「炭治郎!妖夢!ずるいよ!あんなに誉められやがって!」

「そうだ!俺が親分なのに!」

「二人とも、あなたたちも柱から同等と認められてますよね。伊之助は、甘露寺さんと不死川さんに、善逸は、妹紅さんと甘露寺さんと伊黒さんに!」

そうだったのか……ここにいるみんなは認められているんだな。

「だって、伊黒さんの組み合わせにはイラッときたよ。俺は姉弟子とだよ? 頭おかしいのか?」

「俺はカナヲとだぜ!まぁ、殆どの俺がやってたけど」

「あの時は咲夜さんと玄弥の一組とものすごく競いあってましたからね。伊黒さんが珍しく頭抱えてましたから」

 

なんかわからなくもない。

次は最後の試練、さとりさんの試練だ。

玄弥からは答えを探しているとだけ情報が来てるが

何の修業なのかわからない。

俺はずっと考えていた。




ついに残るはたった一つ、
さとりさんの試練になりました!
てかあの時の掛け声で善逸だけおかしかったですね。

そしてさとりさんとこいしちゃんは悲鳴嶼さんと過ごしていた経験があったとは……

あと柱と同等も認められると柱稽古の他として隊士から稽古を頼まれるようになります。
そうやってより高密度の稽古が練り上げられるという訳ですね。悲鳴嶼さん、賢い!


第七の試練突破者
炭治郎、善逸、伊之助、妖夢、アリス、咲夜、カナヲ、玄弥、こいし、魔理沙、文、弁々、八橋、智溜乃、
以上14名とものの見事に甲隊士のみという結果に

ちなみににとりさんは今回隊士としては唯一柱稽古免除をされています。(別の作戦に参加のため)
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