鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜 作:トーニオン
「いま、雷の音がしなかったか?」
「知るか!」
雷の臭いも雨の臭いもしない。
刺激臭があまりに強すぎてわからない。
伊之助は川を渡ろうとするところに話しかける。
「伊之助。俺はちょっと向こうに行って見ようと思う。あと伊之助は山を下りて応援を頼んできてくれ」
「は?何でだよ!死ね!」
伊之助は先程の戦闘であちこちに切り傷ができていた。
「あ、あそこに鬼がいるわ」
アリスは川の向こう岸に女の鬼がいることに気がつく。
その鬼はこっちに気がつき急いで森の奥へと逃げていく。
「しゃぁぁぁぁ!ぶった斬ってやるぜ!鬼ゴラァ!」
伊之助は全力で鬼を追うように川を渡る。
その時大きな影が伊之助に近づく。
伊之助は退くと蜘蛛の顔の鬼が川に飛び降りてきた。
すると鬼は、
「俺の家族に、近づくな!」
そういうと川にあった岩を拳で砕く。
そして伊之助に殴りかかってくる。
水の呼吸。弐の型 水車
その腕を斬り落とそうとするも刃が通りきらない。
そこに伊之助もすぐに双刀で応戦するもやはり斬りきれない。
そして思い切り振り払われる。
そして鬼が俺に襲いかかる所を伊之助はさらに斬りかかる。
「くっそ、通らねぇ」
腕にあたるも振り払われる。その時に伊之助の喉に拳があたる。
伊之助は痛そうに喉を押さえながら川に倒れ込む。
そしてもう終わったかと鬼の方はこっちに向かって来る。
「鬼さんこちら!」
アリスが川上の方で煽る。
そしてやや速足で逃げる。
でもこの速さなら周りの木を斬れば鬼にあたる。
そう思い木を切り倒す。
水の呼吸。 弐の型 改 横水車
斬った大木は鬼へとぶち当たる。
「やったわ。」
アリスは喜ぶ。
そして伊之助は川から起き上がる。
伊之助はそれを見ると鬼が溺れているのに気がつく。
こうなれば、決めるしかない。水の型の最強の技を。
全集中 水の呼吸。拾の型
斬りかかろうとすると鬼は木を押し上げそして木を振り回す。
避けようにも間に合わず俺は吹っ飛ばされる。
「金太郎!」
「伊之助!アリス!そいつは十二鬼月だ!死ぬな!絶対に死ぬな!」
高く吹っ飛ばされた俺はなんとか着地しようと型を使う。
水の呼吸。弐の型 水車。
なんとか受身をとって着地する。
そして辺りを見回すと女の子の泣き声がする。
「お願い!やめて!痛い!痛い痛い!うっうっうっ」
木の影から見るとさっきの女の子の鬼が顔を押さえて泣いていた。
その近くには小さい鬼らしき男の子が立っている。
「何見てるの?見せもんじゃないんだけど」
気づかれた。なら話しかけるしかない。
「何してるんだ。君たちは仲間じゃないのか」
「仲間?そんな薄っぺらいもんじゃないよ。僕たちは家族だよ。それに、これは僕と姉さんの問題だよ」
姉の鬼は泣きながら正座している。
「余計な口出しするなら切り刻むよ」
鬼は周りの木々をバラバラにする。
「姉さんもこうなりたくないなら早く俺たちの邪魔するヤツらを倒すんだ」
これに姉鬼は萎縮する。
「家族も仲間も強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように尊い。血の繋がりのあるなしで薄っぺらいなんて、そんなことは無い。それに、強い絆で結ばれていれば信頼の臭いがする。だが、お前たちには憎しみと恐怖と嫌悪の臭いしかしない。こんなのは絆とは言わない。紛い物。偽物だ!」
鬼たちはなにかを感じたように動揺する。
「おまぇ、なんて言ったの?おまえ、今言ったこと、もう一度言ってよ。」
「お前らの絆は偽物だ!」
俺はそう言うと弟の鬼は怒りを微かにあらわにしながら糸で俺に向かって切りかかる。
速い。しかもかなりの糸をだす。
あちこち避けながらも糸は容赦なく吹くの端も肌も切り刻んでいく。
恐らくかなりの鬼だこっちが十二鬼月かもしれない。
「言っとくけど、お前は一息では殺さないからね。ズタズタにして苦しみながら殺す。でも、さっきの言葉を取り消さば一息で殺してあげる。」
「取り消さない!俺の行ったことは間違っていない。間違っているのはお前だ!」
構える。しかも糸の匂いはこいつが1番強い。これなら戦える。
鬼は糸を何本も出してくるが、避けられなくない。
そして俺は全力で斬りかかる。
全集中 水の呼吸。
技を使おうとすると糸が飛んでくる。
糸は俺の日輪刀を折る。
やばいと思い避けるが糸は顔から左肩にかけて浅く斬られ背負っていた籠の片方まで斬る。
一瞬して見ると背中も軽く刀も折れている。
「どう、まださっきの言葉を取り消さない?なら、ズタズタにしてあげる」
蜘蛛の巣状に切れる糸が張り巡らされ俺の方へと向かう。
やばい、避けきれない。
その瞬間兄のピンチに気づいた禰豆子は籠から出て俺の盾になる。
禰豆子は傷だらけになる。
そして禰豆子は倒れ込む。
「禰豆子!兄ちゃんを庇って!」
禰豆子は俺を庇った。ボロボロになり傷もあちこち深い。
これでは死ぬかもしれない。
それを見た姉鬼は驚く。
「あの女の子、鬼みたい、もしかしてあれは兄妹なの?」
弟の鬼は
そう思っていると男の子は動揺する。
「兄妹…兄妹…妹は鬼になっているのか、それなのに身を呈して…」
姉鬼は何かおかしいと呼びかける。
「る…累?」
「本物の絆だ!欲しい!あんな妹よりも強い絆!」
「ちょっと待って、」
糸がものすごい勢いで走る。その糸は姉鬼を巻き込む。
「結局、お前たちは自分の役割をこなせなかった。妹のキスメ以外、いつも…」
「待って、ちゃんと私は姉さんだったでしょ。挽回させてよ」
「だったら今、山のかなをうろちょろする奴らを全員皆殺しにすればいい。そうしたらさっきのことも許してあげる。」
「わかったわ。皆殺しにすればいいのね。」
あの姉弟は完全に上司と部下のような状態だ。ただ、指示をされるしかない役立たずの姉とそれを指揮する弟。
そんな場所に絆など存在しない。
すると弟はこっちに向かってくる。
「坊や、僕はね感動したんだよ。君たちの絆を見てね。でも君たちは殺されるしかない。でもそれだと悲しいよね。だけどたった一つだけ、助かる方法がある。それは、妹の交換、君は子作りしか能の無い蜘蛛鬼の妹、そして僕はその鬼の女の子。どう、それならいいんじゃない」
狂ってると思った。妹をモノ扱い。そんなことをしても絆なんて一生手に入らない。なのになぜ気づかない。
「そんなことを承知するわけない。それに禰豆子はモノじゃない。自分の思いも意思もあるんだ。お前との妹交換なんて」
「心配いらない。僕は強いんだ、恐怖の絆で結ばれれば最高じゃないか。」
俺はそれを聞いて激昴した。
「ふざけるのも大概にしろ!恐怖で雁字搦めにするのを家族の絆とは言わない!その根本的な心得違いを正さなければ、絆とは呼べない!」
「大声出さないでよ、合わないね。君とは」
「禰豆子をお前なんかには渡さない」
「いいよ、殺してでもとるから」
「その前にお前の頸をとる!」
「いいねぇ、楽しくなってきたよ。僕に勝てるかねぇ、十二鬼月、下弦の伍の僕にね」
下弦の伍、やっぱりこの子が本物の十二鬼月、でも折れた刀でどう頸をとる。糸が刀より硬い場合。
「もしかして、僕に勝つつもりかな!」
糸は妹を高い所へと引き上げ、そして何本の糸で絡めて肌を切り刻む。
「禰豆子!」
「うるさいよ、しばらくは死にやしないだろ、鬼なんだから、最悪日の出まで従順にならなければ、太陽で少し炙る」
俺は怒り狂う。でも、どうしようもない、なら間合いを詰めて斬れば。
「もしかして、僕に近づいてみれば首が取れるっていうの?」
今はこの手段しかない。折れた刀を振りながら、足を斬ろうとする。しかし刃が通らない。
「僕の皮膚はねぇ、僕のどの糸よりも硬いんだ。糸すら斬れない君に、首なんか取れないはずなんだから」
そう言われて蹴飛ばされる。
俺は背中を打ち、吐き出しそうになり悶絶する。
それを禰豆子が見ていると糸を外そうともがく。
「うるさいなぁ、少しは黙っててよ」
そういうと糸を強く引く。
「ん゛ん゛ん゛ぅぅぅぅぅ」
「やめろぉぉぉぉ!」
「もう僕の兄だ、黙っててよ」
技はまだ残ってる。この時に使うんだ!
水の呼吸。拾の型 生生流転
糸は切れる。しかし糸は途中から赤くなる。
「この糸はもっと強度をあげられるんだよ」
このままでは危ない。考えろ、なにか方法が、
そうすると過去に父さんが正月の時よく舞っているのを思い出す。
その舞は豊作祈願などの良いことを願うものだ。
そう
"ヒノカミ神楽"
これだ。
ヒノカミ神楽。円舞
糸は切れた。このまま突き進め。この勢いのまま。
下弦の伍は焦る。そこにすかさず禰豆子が放つ。
血鬼術。 爆血
糸が焼ききれる。
すかさず俺も頸に刀を当てる。
「俺と禰豆子の絆は、誰にも引き裂けない。」
「えっ」
鬼の頸がとぶ。
そして体も地面に倒れ。頭は転がる。
それを見て安心したのか気が抜けて倒れ込む。
「禰豆子、勝った。」
なぜ技として出せたのかは分からない。家に代々伝わるヒノカミ神楽。
それを伝承してくれた父さんのおかげだ。
おかげで勝てた。
だが呼吸を使いすぎたせいで這うこともままならない状況だ。伊之助も助けに行かなきゃならない。視界もぼやける。
そんな時、鬼の血の臭いが濃くなる。
まだ倒せてない?
いつもなら灰になるような臭いがするはずなのに。
まさか!
「危なかったよ。僕はあの時自分の糸で頸を刎ねた。あと少し斬るのが速かったら僕を殺せてたんだけどね。まぁいい、こんなに怒ったのは久々だよ。2年振りかな、じゃあ、君たちをなんの未練もなく殺してやるよ。」
腕が上がらない。呼吸もまとまらない。死ぬ!
そんな時だった。
水の呼吸。拾の型 生生流転
糸が全て切れる。
「俺が来るまで、よく堪えた。あとは任せろ」
義勇さんだ。水の呼吸を使うのはやはり。
そう思い振り向くと鬼は血鬼術のようなものを放つ。
しかし、
水の呼吸。拾壱の型 凪
全ての技が消える。
拾壱の型なんて初めてみた。恐らく智溜乃さんのようなオリジナルの型なのかもしれない。
そうして義勇さんが歩き出すと"凪"の間合いも動き下弦の伍の頸が斬られて落ちる。
体の方は俺の方に向かって歩いていくが少しづつ灰になっていく。
そしてその体は俺のところで倒れ込む。その体からは悲しみと憧れの臭いがした。
小刀がどこからか刺さる。おそらく、愈史郎さんかパチュリーさんの使いが血を取りに来たんだろう。消えゆく体から血が吸い取られ。そして体は全て灰となり小刀だけがポツンと残る。
ちょっとそれは無いでしょとは思ったが辛かった。
そんな中、義勇さんが残った服を踏む。
「人を食った鬼に、情けをかけるな。小さい子供だろうと何十年も何百年も生きている、醜い化け物だ。」
俺は酷いと思い言い返す。
「殺された人達の無念を晴らすため、これ以上被害を出さないため、もちろん俺は容赦なく刃を振るいます。だけど、鬼であることを苦しみ、過去の行いを悔いてるものを踏みつけなんかに出来ない。鬼は俺と同じ人間だったんだから。醜い化け物なんかじゃない。虚しい生き物なんだ。悲しい生き物なんだ、だから、踏みつけにしないでください」
そういうと義勇さんは足を退けて俺の背中の方を見る。
何かを思い出したようにはっとする。
その直後、ものすごい勢いでなにかが来る。
それを義勇さんは思い切り跳ね除ける。
女の子だ。蝶の髪飾りをつけた女の子だ。
那田蜘蛛山編第3話
ついに原作のあのお方が登場しましたね。
いやぁ内容描ききれるかねぇ
大正コソコソプロフィール
パチュリー・ノーレッジ
1878年6月9日生まれ
身長は157cm
体重は51kg
出身地はオーストリア=ハンガリー帝国プラハ(現在のチェコ共和国プラハ)
スリーサイズは92-67-90
18歳の時にロシアに渡り後の日露戦争のではバルチック艦隊に乗船。
その後日本の捕虜にされていた中で結核を発症し隔離されているところを珠世さんに助けを求め鬼になる。
ちなみに愈史郎より見た目が大人に見えるのはそれが理由。
日本食の影響でこれでも痩せてきたもののまだまだわがままボディなのが悩み。