鬼滅の東刃〜Another of Slayer〜   作:トーニオン

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今回は猗窩座を視点とした話です。
そろそろ無限城編も間近ですね。



猗窩座と勇儀

無惨に血与えられ鬼となり、280年、俺は何も成し遂げられないでいた。

鬼になろうと誘い続けるも、誰一人として鬼になろうとはしなかった。

 

そして二年前、大血戦により上弦の伍に降格。

その辺りから他の上弦の鬼からも扱いがぞんざいになり、燻っている。

 

やり遂げなければと焦るが、何も思いつかない。

手当たり次第に思いついたものは全てやり尽くした。

 

だが、何一つ成功と呼べるものにはならなかった。

 

黒死牟は、新たな鬼を紹介し、それが俺の下、上弦の陸の獪岳である。

童磨は、万世極楽教を大成功し、大量の人間という食材を確保した。

だが、元上弦の参である俺は未だに無惨様の命令である青い彼岸花を見つけられていない。

その青い彼岸花探しも、昨日、ついにやらなくてよいと言われてしまう。

 

やり遂げなければ、俺は厄介払いされてしまう。あの元下弦の陸、響凱のように。

 

 

 

そう悩んでいると、俺の本拠地に、何か気配が近づいてくる。

俺は素速く動き、何者かを殴る。

 

「いきなり、拳を放つとは、だいぶ気が立ってるようだな、猗窩座」

「お前は、勇儀!なぜ俺の本拠地に!」

「ちょっと、話があってだな。無惨様の命令ではなく、ちょっと気になったことがある」

俺はため息をつく。

「はぁ、そんなことか、なら入れ」

俺は勇儀を中に入れる。

 

俺は本拠地の真ん中の大きな部屋でお互い向かい合う。

「へぇ、だいぶすっきりしてるなぁ、家具とかそういうのもほとんど無いな」

「当たり前だろ。俺はとにかく必要なもの以外は置かない主義でな」

「ほほぅ、やっぱり無惨様きっての武人は違うねぇ、私なら酒を常備するがな」

「お前は本当に酒が好きだな。上弦の鬼は酒に酔わないはずだが?」

「そうだな、あたしは酒を飲んでいる自分に酔うのが好きでな」

勇儀はそういい、大きな杯を発現させる。

「またそんなに呑むつもりか?本当酒が好きだな」

「いいだろ?酔わないんだし、私にとっちゃ水と同じだよ」

 

「そうか……俺はあまり酒が好きじゃねぇから」

「そう言ってこの前酒呑み合戦なんかやったのはどこのどいつだ」

「あれは…お前が酒蔵襲って大量に酒を持ってきたからだろ!あれ呑みきるまで一週間かかったんだぞ?」

「ははは、それはすまんかった」

 

「お前、花火は見たことないか?」

「あ?見たことはあるが、それがどうした?」

「なんだろう、俺は昔、花火に関して何かをしたような気がするんだ」

「……あたしも、何かひっかかるところはある……」

「本当か?なら何か教えてくれ!」

「……思い出せない、いや、何かを思い出そうとすると目の前が真っ暗になる」

「なるほど…、実は俺もはっきりとは思い出せない。ぼんやりとだが、花火の音がする場所で誰かと会った気がする…。だが、誰だったのかは全く…」

「ははは!お互い花火に関することは何かあるようだ」

 

 

俺は思いつくことだけを話す。

だが、何かは引っかかる。でもそれまでだ。

 

「勇儀!」

「なんだ?」

「お前はいつから鬼になった?」

俺はそれをきく。

「んーー。はっきりと思い出せるのは享保の頃からだな。私が思い出せる範囲は」

 

それを聞いた時、俺はお猪口を落とす。

 

「そ……その時代……、俺も享保の頃だ。偶然なのかはわからないがな」

「まぁ、偶然だろう、それにあたしとお前は元々別々のお方についていたからな。ほんの三年ほど前までは」

 

「そうだったな、俺と同じ時期に鬼になったやつなんかかなり多いからな」

享保、俺が鬼になった頃の元号、俺が鬼になったのは享保9年、そのあたりからの記憶がある…もしかすると、あるかもしれない。

 

 

「猗窩座ってなんであたしと戦った時、ちょっと打ち合っただけで負けを認めたの?」

「俺はなぁ、女を絶対に攻撃しないと決めてるんだよ。それに、俺は絶対に女を喰ったりしない」

「なるほどな」

俺は実際に女の肉を食わない。

童磨が喜んで食いまくっているのを見ると反吐が出る。

 

「あ、そういえば、童磨、最近男の肉も食うようになったんだって」

「何?あいつはほぼ女の信者を抱えながらか?」

「なんでも黒死牟殿に何度も指摘されてから食うようになったんだとか」

 

なるほどな、あいつ、黒死牟に何回も挑んで負けてたから頭が上がらないんだろう。それにしてもあいつが俺よりも40年も遅くに鬼になったくせに上弦の参にいるのは腹立たしい。

いつか絶対にあいつに勝って俺が上弦の参になってやる。

 

「忘れてた、本題に入る。猗窩座、最近あのお方から命令は来ているか?」

「一つだけだな、鬼たちは絶対に人を食わないようにという話だな」

「なるほど、私もその一つだけだ」

「ならなぜ、話をしにきたんだ」

「実はだな、無惨様から話があってだな、太陽を克服した鬼が現れた」

「なんだと?ということは俺たちは不死身になるのか?」

「その可能性は高い、もしそうなればあのお方は必ずやると思う。世界を鬼の支配下にするためにも」

 

 

俺はなにか壮大なことを聞いてしまった気がする。

4年前までは鬼殺隊を皆殺しにするぞとか青い彼岸花を探しだし、太陽の下で歩けるようになるぞ。

としか言ってなかったあのお方がなぜそのような大層な野望を掲げるようになったのか。

 

それもこれも無惨様が結婚したことによるものだ。

無惨様は俺のことは一番のお気に入りだと言われたこともある。

なら、俺をここまで隅に追いやったのは何故なのか?

 

やはりあの無惨の妻が関わっているかもしれない。

 

 

ベン!

 

俺たちは無限城に召喚される。

「勇儀、猗窩座、ついに私の増築した無限城が完成した。この大きな姿を見よ!」

そこには和を施した城とそれとは全く合わないであろう。西洋のような城が混ざる外観に変わっていた。

 

「面白いだろう、ほとんどの鬼をここに集めて増築したかいがあった。これで1000人、いや10万人がこの城に突き落とされようとも余裕となる城になった」

「素晴らしいです!これで今までよりも戦闘をできる範囲が確保できます」

「それにだな、ついに鬼殺隊の本部を発見した!

場所は船橋、そこの近くでは鬼殺隊の隊士が何やら活発的に動いている。

それを全て見つけた鳴女は本当に優秀だ!

恐らく鬼殺隊は1000を超えるだろう。

だが、それに対抗しうる鬼たちもほぼ全て集めた。

私が鬼殺隊の本部に出向く。そこで、産屋敷を殺す。

そして鳴女がその隊士達のほとんどを無限城に突き落とす。鬼殺隊を全滅させ、太陽の下でも生きてられる禰豆子の血を何としても手に入れろ!それがお前たちの私からの最後かもしれない命令だ!」

 

最後かもしれない命令?どういうことだ。もしかして無惨様……。




無限城増築完了!

そして無惨襲撃まで残り8日です。
炭治郎たちは一体どうなるのでしょうか。

そして猗窩座は勇儀になにか引っかかりましたね。
何が起こるのやら
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