うちら風雲一派のものでして·····。 作:萩山
妄想を文にしてみたく投稿しました。
傾いた太陽に橙色の空。
この区に来てから俺の日課となっている喫茶店あんていくで過ごす日々。
最近では常連扱いしてくれ、俺の好きな豆を選んで挽いているようだ。
大人しい
珈琲を一杯飲み干し、一息つく。
「誠一郎さんおかわり必要?」
「ありがとうトーカちゃん。頂くよ。」
彼女は
まぁ、難しい年頃なのだ、と勝手にわかった気にっている。
「はい、おかわりの珈琲ね。」
俺の目の前に置かれた珈琲からはほろ苦いいい匂いが漂っている。
笑顔でこう接してくれる当たり、嫌われてはいないのだと思いたい。
「誠一郎さんどうせ暇でしょ?この後付き合ってよ。」
「人を一方的に決めつけて…。まあ暇だからいいけどね。」
俺は時々彼女に頼まれる事がある。
ニッと眩しい笑顔を向けて喜ばれても嬉しくねーぞこんにゃろめ。
「それで?高校はどんな感じなの?」
「またそれ?」
そう。だいたいトーカちゃんとの会話はこれ。
今日はどんなことがあったか、こんなことが楽しかった、テストの結果がどうとか、くだらないようで大切な話。
くだらないからこそ、大切だと思っている。
彼女には親がいない。
彼女は知っているか分からないが近くで見守ってくれる肉親はここで働く四方蓮示ただ1人。
あとは出ていったアヤトくらいだ。
四方もそこまで人との会話が得意な方ではない。
勝手かもしれないが俺はトーカちゃんの事を少し年の離れた妹のように思っているのだ。
彼女がどう思っているかは知らないが、彼女がいつか新しい家族、家庭を築いた時に家族としてのコミュニケーションがちゃんと取れるお母さんになって欲しいと思っている。
それこそ勝手なエゴなのかも知れない。
「今日の手合わせだって手加減してくれよー。おじさんもう歳で疲れちまう。」
「まだ25のくせに。」
そう、彼女が頼んできたのは手合わせ、特訓だ。
強くなろうとすること、強くあろうとすることに反対することは無いが、何故そこまで強くあろうとするのか…。
大体はアヤトのせいだと思ってはいるのだが。
彼女が俺に特訓を頼んできたのは、ちょうどアヤトが出ていった時期と重なる。
俺が彼女の思いにとやかく言うのも野暮だ。
「女子高生からしたら十分おっさんだろうよ。」
「…そうなのかな。」
そうだとも、と俺は返しておく。
「あ、誠一郎さん知ってる?…リゼのこと。」
「ん?あぁ、最近静かだな。別の区に移動でもしたのかな。」
すこし考えるフリをしてトーカちゃんは「手合わせの時に話す」と言って仕事に戻ってしまった。
もう少し、喰種の情報に過敏になるか…。
リゼ…。神代リゼという女性の喰種。
色々な区に渡っては暴食を繰り返す厄介者。
かつて俺らの組も奴の捜索に当たったことがある。
結果は敗北。下っ端が多くやられた。
残された俺、幹部、下っ端でまた勢力はぶり返したが、あまり奴に関わりたくないというのが本音。
そんな奴が大人しくなったのは何故だ?
死んだ、か別の区に移動したか…。
別の区に移動ってのは別にトーカちゃんなら普通に言えるだろう。
前者…か、はたまた別の理由があるのか。
「おまたせ。始めよ。」
「準備運動しとけよ。」
「はーい」と素直に体操しだす彼女が微笑ましい。
動きやすい服装に着替えてきた彼女と俺は軽い準備運動を済ませ向かい合う。
急激に間合いを詰め蹴りを繰り出すトーカちゃんを片手で受け止め押し返す。
体勢を崩したと思ったが、回転をそのまま裏拳を放ってくる。
左手で受止め、そのまま後ろへ投げ飛ばす。
彼女が着地をする前に足祓いを仕掛け転ばせに掛かってみたがさすがに
躱されてしまった。
「今日こそは1本とるよ!」
「どうだかね。」
体勢を立て直したトーカちゃんに再び詰め寄り蹴りを放つ。
彼女はそれをしゃがむことで避ける。
そのままアッパーを繰り出そうとした彼女の腕を掴みあげ、終了の合図をだす。
「はい。終わり。」
「誠一郎さんちっとも本気出さないんだもん。」
あまり本気を出していないのは事実だが、それはトーカちゃんとて同じだろう。
俺も彼女も赫子は出せるし、そうなると勝負は変わってくるかもしれないからな。
「それで?リゼの事って?」
「それなんだけど…。」
彼女から語られたのは鉄骨落下事件で二人の人物が被害にあったということ。
その片方が夕食になるはずの人間の青年、そしてもう1人がリゼだったという話だ。
そして死んだ神代リゼの臓器を移植されたその青年は喰種となっていた、か。
「トーカちゃん。またその青年に関して何かあったらすぐに連絡して欲しい。俺の番号は知ってるよな。」
「…でも私あいつのこと好きじゃない。」
少し不貞腐れた様子のトーカちゃんに頼むと言って了承を貰うが、
「じゃあ、また今度付き合ってよ。」
「また特訓か?」
「今度はちゃんとした服着て駅前集合ね!」と言い笑顔を向けてくる。
常にこんなに元気で愛想のいい子だったら良かったのにな、と思いつつ了承してしまう俺はやっぱり彼女に甘い…のかもしれない。
戦闘シーン難しいですね。
次の戦闘シーンではもう少し上手く仕上げれるように頑張ります。