新テニスの王子様最速RTA U-17日本代表中学主将ルート 作:どぐう
ㅤ3年生を差し置いて2年生ながら主将を目指すRTA、はーじまーるよー!
ㅤ昨日は乾汁を飲めなかったので、状態によるブーストは掛けられません。勿体無い気もしますが、こればっかりはどうしようもない。
ㅤここからは練習・試合・練習というスケジュールが3日続きます。三船コーチがおすすめ練習メニューを提示してきますが、それは無視しても大丈夫です。男は黙って乾と走りましょう。ハイ、ヨロシクゥ!
「なぁ、気になることがあるんだが」
ㅤ乾が話し掛けてきましたね。向こうから話し掛けてきたら仕方ありません。無視すると好感度が下がるので、相手してやりましょう。
「この崖の上での合宿、これは選手の潜在能力を大幅に引き出すことにとても優れている。ここに来てから、皆実力がメキメキと上がっているのは確か。しかし、財前……君だけは伸び具合が誰よりも飛び抜けている」
ㅤまぁ……そうだろうねぇ。明らか変だし。
ㅤ乾からすれば、あの準決勝で「手塚や千歳には付いていけない」って感じの奴が10球打ち急にキメてきた訳ですから。
ㅤとはいえ、ここは「知wらwなwいwよw」と言い張りましょう。だってホントに知らないんだからさ。終わりっ! 閉廷! 以上! 皆解散!
「そうか……何か心当たりがあったら教えてくれ。データを取りたいからな」
ㅤ一応引き下がってくれました。また聞いてきそうだな……コレ。でも、乾汁1本くれました。ありがとうございますー! こんなんなんぼあってもいいですからね!
ㅤそして、ようやくの試合パートです。が、その前に。今作における技習得についての説明をば。
ㅤこの前の「スポーツマン狩り」のように、イベントで獲得できる場合もありますが、基本は試合で得たポイントを使用して技を覚えていきます。
ㅤ強い技ほど、多くのポイント消費を必要とします。それに、技を覚えるにはステ値が一定を超えていないと成功しません。この数値は、技によって様々です。
ㅤ例えば、「零式ドロップ」や「手塚ゾーン」などは結構消費ポイントが重たい上、要求されるステ値も高いです。そのぶん、非常に強力ではありますが。
ㅤ技習得画面では、消費ポイントのみが表示されています。ステータス条件については書かれておりません。ですので、発売当初は大量のポイントを消費したのに、あえなく失敗という事例が多くありました。しかし、今では有志の検証により、全ての技において成功条件が見つかっております。有志ニキ、ありがとナス!
ㅤ倒すキャラが強ければ強いほど、ポイントは多くゲットできます。逆に弱いキャラ(負け組高校生など)だとよわよわポインヨしか貰えません。
ㅤですが、初試合です。KOを確実に取る為にも、雑魚を狩りましょう。パパパッとやって終わり!
――金太郎が試合に誘ってきた!
「財前ー! ワイと試合しよ! 試合!」
ㅤやめてくれよ……。というのも、試合に誘われると断れないんですね。リョーマとか手塚、幸村でプレイするとメチャメチャ誘われるんで、自分の意思では相手を選べないレベルです。
ㅤだからこそ、キャラ同士の交流が少ない財前を選んでたのに……。5球打ちの時は誰にも誘われなかったのですが。やっぱ、10球だとみんな熱い手のひら返ししてくるんですね。手首モーター式なんか?
ㅤまぁこれくらいなら大丈夫大丈夫。十分リカバリー可能です。
ㅤ試合パートは3Dモデルを操作します。なので、バグって怖いことになることがあるらしいです。今のところ、見たことないんですけどね。
ㅤ先攻・後攻はランダムに決まります。千石なんかだと無条件に先攻になります。……今回は後攻のようです。普段なら先攻の方が望ましいですが、今から取る方法だと、相手から先に攻撃して欲しいので良かったです。
ㅤ画面には自分と対戦相手の体力ゲージ・技ゲージが出ます。体力はスタミナ値が反映されており、高いほど長くなっています。技はテクニック値の反映で、高いほど貯まるスピードが速いです。
ㅤ勝利条件はテニスのルール通りに勝つか、あるいは体力ゲージを全部削ってしまうかです。後者は皆さんご存知の通り、KOですね。テニスにKOって無いと思うんだけど(名推理)
ㅤとにかく操作していきましょう。
ㅤでも、今回はずっと棒立ちです。ただ、コートチェンジの時間がもったいない為、ワンゲームが終わらないようにはします。デュースに持ち込むよう調整する訳ですね。
ㅤここからは画面に変化もないので、しばらく倍速。……はい、向こうの技ゲージが貯まりましたね。ゲージが貯まると、技を撃ってきます。
「いくでぇ!
ㅤ金太郎の必殺技、「超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐」です。頭の悪そうな名前だな(正論)
ㅤ返せなかったら、大体終わります。……もうお分かりでしょうか。相手をKOできないなら、自分がKOされれば良いじゃない理論です。負けなので経験値は渋くなりますが、雑魚キャラ倒すのと同じくらいだし良いことにします。
「――大車輪山嵐ッ!」
ㅤ来た! 後はぶつかりに行くだけです!
KO……じゃない? あれ?
ㅤコイツ、ギリギリで耐えやがった! 妖怪いち残しにこんなところで……ラストダンスじゃないんだから。どうしよう。落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ。
ㅤ……えっと、大丈夫です。向こうがボールを打ってくるのを打ち返せば、体力ゲージが削れてくれる筈です。パワーが上回る相手だと、打撃が重いんで打ち返すだけで体力持ってかれます。スタミナを伸ばしておく必要があるのは、やっぱりそれが大きいんで。
ㅤというわけ、ボールを打ち返して……ヨシ!(現場猫)
ㅤアーッ! ひっ、ひどい……。どうしてこんなことに……。
ㅤいや、自分でやったんですが。やっぱ最高だなこのゲーム。だからテニスはやめらんねぇ。
ㅤLOSEの文字の向こうで、財前が担がれてコートの外に出されていく様子が映ります。こういうとこ、結構凝ってるんですよね。そして、半々くらいの確率で次の練習に出られるかが決まります。……あっ、出れるみたいです。あれだけ飛ばされたのに、意外と大したことないんですね(困惑)
――はい、という訳で練習しましょう。
ㅤ時間は有限ですからね。ちょっとKOされたくらいで、おちおちしてられません。イヌイ=サン、今日も練習付き合って貰ってもいいっすか?
「……流石にやめた方が良いんじゃないか?」
ㅤうるせぇ! 自分の体のことは一番自分が分かってるんだよ!(半ギレ)
ㅤここは食い下がりましょう。好感度が多少下がりますが、そう大したことはありません。お願いします! なんでもしますから!(なんでもするとは言ってない)
「仕方ないな……そこまで言うなら」
ㅤ根負けして、練習に付き合ってくれます。良い人ですね。
ㅤ練習が終了したら、技習得の画面を開いてみましょう。所持ポイントは右下に表示されています。
ㅤ覚えられる技には、原作キャラ所持の技とゲームオリジナル技の2種類が存在します。ゲームオリジナル技は消費ポイントは少ないですが、威力は原作キャラ技に比べて弱いです。しかし、ここではオリジナル技「ナパーム」を覚えたいと思います。
ㅤこの「ナパーム」。ご存知の方は、ご存知だと思います。名作と名高い過去作品「最強チーム」にて、KOを決める際に重用されていた技です。
ㅤですが、残念なことに今作では弱体化されており、強キャラ相手には役に立ちません……そのままでは。ナパームの活用方法については、もう少しプレイを進めた後で説明したいと思います。暫しお待ちを。
ㅤでは、ポイントを消費して……成功しました! これの成功条件は「パワー2」とハードルが低いので、殆どのキャラが覚えられます。序盤には便利ですので、どんどん使っていきましょう。
ㅤそして、最後は忘れずに乾汁を飲まないといけません。試合に負けた場合、次の日の状態が不可になりやすいですからね。では、おやすみなさい。ご視聴ありがとうございました。
*
Side:乾貞治
ㅤデータマンとして、数多くの選手のデータを収集している乾。
ㅤとはいえ、そんな彼でも「財前光」について持っている情報は「全国の準決勝で対戦したことになっている」程度である。残念なことに、ダブルスだったはずのあの試合はシングルスの様相を為してしまった。無我の境地――その向こう側のレベルで戦う手塚と千歳の間には、乾も財前も割り込むことが出来なかったのだ。
ㅤ財前はそれを理解できないまま、ただ前へと走り出して……失敗してしまう。実力差というものは、あまりにも残酷なものだ。
ㅤだが、乾は財前を「身の程知らず」と嗤いはしなかった。データの更新は、経験にある。今の自分には届かない存在に触れることで、広がる世界があるだろう。全国大会の厳しさを知り、奮起することがあるだろう。
ㅤ試合に出る、ということはそういう意味でも重要なのである。特に彼はまだ2年生。悔しさを知って、成長出来る良い時期だ。来年が楽しみな選手だな、そんな風にも乾は考えていた。けれど、それだけだ。有望な選手は他にも沢山いる。例えば、自分の後輩とか。だから、彼のことは記憶からすぐに消えてしまった。
ㅤ全国大会後、乾含め多くの中学生テニスプレーヤーはU-17合宿に招集された。
ㅤそして、そこですぐに「メンタルを鍛える」という名目で行われた同士討ちマッチ。試合前に腹痛の憂き目に合い、不幸にも彼は不戦敗に。そのまま合宿所を追い出され、よく分からぬまま崖を登らされた。他にも、理不尽な目に散々遭った。挙句、洞窟に放り出されて一夜を過ごす羽目にも。
ㅤそんな最悪の目覚めから始まった朝……「彼」は話しかけてきたのだ。
「良かったら、練習しません? ちょっと、アドバイスとか欲しいんすけど」
ㅤそう言って、財前は乾にアドバイスを求めてきた。
ㅤ知り合いでもない自分に? 何故? 内心困惑したが、自身が集めたデータを活用するのはやぶさかではない。
「一緒に練習? 別に構わないが……」
ㅤデータマンとしての矜持もあることだし、彼の練習を見てやることにした。
「――うん、全体的なバランスは悪くないね。ただ、パワーが少し見劣りするかな。筋力増強のトレーニングを増やした方が良い。それから……」
ㅤ乾汁も飲んだ方が良い。そんな風に言葉を続けてから、はたと気付く。彼はあの自作栄養ドリンクのことを知らない筈だ。乾汁というのは……そう説明しようとした時、彼は手でそれを制した。
「知ってます。結構、知れ渡ってるっすよ。その汁」
ㅤそう言いながら、彼はポケットから水筒を取り出した。水筒には丸に囲まれた「乾」の文字が大きく書かれていた。
「それは……」
「乾汁っすね。昨日、あのオッサンに言われて酒盗んで来た時に、一緒にパチってきたんすわ」
ㅤなんと、財前は既に乾汁を所持していた。それどころか、昨晩も飲んで寝たのだという。それはもう、ファンではないか。
「これ、味に問題しかないですやん。もうちょっと何とかした方がええんとちゃいます?」
ㅤ彼は汁への文句も言ってきたが、そんなことは気にならない。他校の人間がわざわざ入手して飲んでくれているという事実が嬉しかったから。
「……検討しておこう」
「それ絶対やらんやつですやん」
ㅤ呆れ顔をする彼に、乾は「まぁそうかもな」と言って笑った。
「一緒に練習出来て良かったよ、財前。またやろう」
ㅤこれは、本心からの言葉だった。
ㅤ彼が今後どのようなテニスプレイヤーに成長していくのか。少し興味が湧いてきたのだ。
ㅤしかし……乾は後で思い知ることになる。
ㅤ全国大会準決勝D-1のあの時、青学は知らぬうちに敵に塩を送ってしまったのだと。悔しさによって、「彼」は恐ろしい程に成長を遂げてしまった。
ㅤ四天宝寺の天才、財前光。
ㅤ向上心を持てずに燻っていた少年は、餓狼の心を獲得した。勝利の日まで、もう彼は走ることをやめないだろう。
ㅤもはや、誰が彼を止められる?
ㅤ乾はその答えを出そうとして……言葉に詰まってしまった。
ナパーム、良いですよね。