ホウエンの龍使い   作:紳爾零士

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衝動書きです。やりたくなりました。
舞台はORASです。が、剣盾の要素もすこし含みます。僕は因みにダイパからほぼ全世代やってます。プラチナはしてないけどね。


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…流星の滝。ここは良い。俺の大好きなドラゴンタイプがわんさかいる。静かであり、そして、時折、吹く風が気持ちいい。右も左もわからん俺を拾ってくれたマツブサ…親父のために俺は強くならなければ…。

 

俺の手持ちはドラメシヤとオンバットの二体。決して強くはない。だが、オンバットに関しては卵から育てたし、ドラメシヤは遠く離れたガラルの地へ行った時から俺を主として見てくれている。…いや、俺をドロンチかなにかと勘違いしてきたのだろうか。

 

「…君、こんなところに何か用?」

 

「…さぁな。」

 

何を考えているかわからないこの女。親父に同時期にマグマ団に迎え入れられ、とてつもない勢いで幹部へと昇格しやがった。…俗に言う天才ってやつだ。

 

「…君…名前…なんだっけ…。うろちょろ…されちゃ…困る…。」

 

「どうしたって俺の勝手だろ?」

 

…どこにでもついてきやがる。雛鳥…か。よく言ったもんだ。今は俺は親父から幹部の座を貰ってはいるが、戦いでは無く、ポケモンの力を見抜く…サーチャーみたいなことをしている。どれがどう伸びるかはわからんが、どう使えば伸びるか…とか、技の能力を教える…とかそんな感じ。便利な図鑑みたいな感じだな。

 

「…ダメ…。ボクが…リーダーに…怒られる…。」

 

…子どもだな。どこまでも純粋無垢というか…。まぁ、美形でないと言えば嘘になる。無気力な感じでゆらりゆらりと掴みどころのない感じがする。体つきも女性らしく所謂、巨乳という部類ではあるが、正直…乱れる姿は幼い頃から知っている俺にはわからない。

 

「…それに…君のこと…ちょっと…心配…。」

 

「…俺が弱いからだろ?」

 

カガリは座っているのかわからない首でこくりと頷いた。…馬鹿正直め。俺は弱いが戦えないわけじゃない。オンバットもドラメシヤも頑張ってくれている。ポケモンバトルはトレーナーたちの手腕とポケモンとの絆が試される場…それを負けたからと言って相棒たるポケモンのせいになど出来るか。親父の作ったマグマ団はポケモンは大事にする。じゃなきゃ、メガ進化なんて夢のまた夢だ。

 

「…でも…。」

 

「…ア?」

 

カガリは俺の腕を抱き、横に歩いた。

 

「お前!?なにしやがるっ!!」

 

「…ァハ♪…動揺してるね…♪…ボクは…前に君のこと…ロックオン…したから…♪」

 

…そりゃ、動揺するだろッ!?俺だって男だぜ…。てか、それを悪意と思っていないほどにバカ純粋だったとは…。

 

「はぁ…。テメェ、まだあん時の約束、引っ張ってやがんのか…。」

 

「…仕方ない…もん…。君が…悪いんだからね…。」

 

…切ねえ顔しやがって。俺は一頻りカガリの頭を乱暴に撫でた。カガリは満足そうな声を上げ、にへらと年相応の笑顔を見せた。…この世の全ての話はポケモンバトルで決まっている。とりま、俺のことやそのことはおいおい話していくとして…。

 

「…おい。なに見てやがんだ?」

 

「…え?」

 

カガリに腕を片方貸したまま、目の前にいるとんがった岩に隠れている…奴を見つけた。先に言おう。確実に人ではない。いしあたまポケモン、タツベイだ。

 

俺は数年前からこの流星の滝に足を運んでいるが、あんなボロボロのタツベイは見たことがない。タツベイとはいえ、いつも傷だらけなのはおかしい。

 

「…なに…あれ?」

 

「…はぁ…。どうなったら、そんな傷だらけになるんだよ…。」

 

………あと、カガリ。いい加減手ェ離せ

半ば強引に剥がそうとする俺vs意地でも離れまいと手を絡めるカガリ。親父か、ほむほむが居たら剥がしてくれんだけどな…。まぁ、このままでも良いか。

 

「…テメェ、いっつも一人なのか。」

 

俺は相手を刺激しないように優しく語りかけた。案の定、弱々しい声を出し、人を信用していないのかとんがった岩から出てこないタツベイ。…コイツは…決して強くはないが、その目に信念を感じた。まるで親父のようだ。…いや、何処か既視感を感じる。

 

「…そんなに強くなりたいなら、この俺について来ないか?」

 

タツベイは声を上げた。アイツにとって今の俺はなんの魅力も感じないだろう。だが、俺はどうしてもコイツが欲しい。その生々しい傷がアイツの努力の証。…親父に拾われる前の俺みてえにとりあえず手につくことはなんでもやったんだろう。法に触れる行為だってやった。隣にいた一人のガキを生かすために…。

 

「…俺がお前が飛べるようになるまで一緒に修行してやるッ。そうしたら、俺に風を感じさせてくれ。お前の上でなっ。」

 

俺は精一杯の笑顔でボールを彼にかざした。そして彼は…そのボールのボタンを自ら押したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ボクも…その時は…一緒に…。」

 

「…ったりめえだ。一人じゃ怖くて乗れるか。」

 

俺がそう言うともじもじとしていたカガリの顔はぱぁっと明るくなった。そして、上機嫌で俺の手を掴むその姿はさながら親を見つけた迷子の子どものようだった。…ほんっとつくづく自分の弱さに反吐が出る。俺はその手を力強く握りしめて、流星の滝を後にした。




感想貰えると嬉しいです。
では次回。ではでは〜。
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