ホウエンの龍使い   作:紳爾零士

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「…炎の石が欲しい?」

 

カガリはコクリとうなづいた。カガリの手持ちは親父とお揃いと喜んでいたバクーダとグラエナだ。彼女が天才ゆえなのか、彼女のポケモンも強く、ホムラや親父ですら手を焼くほど。

話がズレたか、わかるように炎の石を使って進化するようなポケモンは彼女の手持ちにはいない。

 

「…リーダー…マツブサ…いつも疲れてる…。キュウコンとか…ブースターとか捕まえて…もふもふで…癒してもらう…♪」

 

「だったら、お前が横で寝たら良いじゃねえか。お前の頭もキュウコンとかブースターとかとおんなじくらいふわふわしてるぞ?」

 

「…でも…それだとリョウカが困る…。ボクはリョウカともリーダーとも寝たいけど…どっちも寝ると…布団が狭い…。」

 

…俺も親父と寝るのは嫌だな。親父が臭いとかいびきがうるさいとかじゃなくて、なんとなく。寝る時間もあの人、きっちり決めてそうだし…。しかし、もふもふか…。

 

「それで良いのか?カガリはなんも欲しいもん、ねえのか?」

 

親父からそこそこの駄賃は貰っている。来たるときのため、貯めに貯めているから、多少の融通は効くつもりだ。最後まで親父や俺のことを考えている健気なカガリのために少し使ってもバチは当たらんだろう。

 

「…ボクは良い…。リーダーと…君がいてくれたら…。」

 

…無自覚電波系少女。恐ろしい奴…。

そんなこと言われたら世の男子諸君は勘違いするっつうの。

 

しかし、広いな。ミナモデパートは。カガリみたいなチビがわんさかいやがる。こりゃ、嫌でも気にかけてやらなきゃなんねぇな。

 

「…カガリは炎タイプ、好きだよな。マグマ団だからって炎ばっか使ってるやつの方が珍しいのに…。」

 

「…炎タイプは…あったかい…。それに…バクーダとグラエナにも…お友達…作ってあげたい…。」

 

「さいですか。」

 

…ん?待て…。ここに進化の石って…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ぐすっ…ひっぐ…!!」

 

「…悪かったから泣くんじゃねえ。」

 

案の定、デパート内に進化の石のフロアは無く、ものの数分でカガリの目のダムは決壊した。

 

「…だって…!!リーダー…の、ため…に…!!」

 

「ほら!!石探し、手伝ってやるから!!なっ!!」

 

「うっ…うっ…。ほんと…?」

 

「ほんとほんと!!だから泣くな!!」

 

…泣き止んでくれよ…!!

俺がカガリを貶めて泣かせてるみてえで心が痛え…。屋上のベンチまで急いで来たから、周りにも聞かれてるし…。

 

「…わかった…。」

 

「…はぁ…。ほら、これで涙、拭いとけ。」

 

…ったく。女にここまで準備させて何泣かしてんだ。俺は…。台無しじゃねえか。カガリは本当に純粋無垢で優しい子。周りには不思議ちゃんと思われてるけど、こうして見るとやっぱ年相応の女の子なんだよな。

 

「ジュース買ってくるけど、何が欲しい?」

 

「…サイコソーダ…。」

 

「了解。」

 

…はぁ…。普段、こんなことしねえから、骨が折れる。早くふかふかの布団で眠りたい…。こら、オンバット、指を甘噛みするな。可愛い奴め。わかってるよ。カガリに悪気は無いんだよな。優しい子だって。

 

なんでお前が誇らしげな顔して胸を張る。

え?『カガリお姉ちゃんは僕が育てた』だって?

僕が育てられたじゃなくて…?

 

あぁ!!頭を思いっきり噛むなっ!!

痛えんだからっ!!

 

…ったく。『ごめんなさい…。』じゃないんだよ。謝るくらいならやるなよな。………後で構ってやるから、今は待ってくれ。

 

「…えっと、サイコソーダっと。」

 

オンバットもまだレベル15くらいだしな。レベル上げより一緒にお昼寝したりする時間が好きなの!!俺は!!…いつのまにか隣のオンバットがカガリにすりかえされてるけど…。

 

え?『カガリお姉ちゃんは僕のお嫁さんにするんだ』だって?

 

…馬鹿野郎。

アイツは俺のもんにするんだよ。本人には口が裂けても言えんがな。

 

しかし、ミナモデパートの屋上も気持ちいいな。高い場所だし、潮風が流れてきてとても気持ちいい。今日の天気と相待って、油断をしたら目蓋が落ちちまいそうになるな。

 

…めんどくさいってなんだよ。オンバット。

気持ちを素直に伝えれば良いって?昔やったじゃねえか。覚えてねえの?

 

そしたら、カガリより強くなったらパートナーとして迎えに行くって俺が言ったんじゃねえか。男なるもの、後には引けねえの。

 

さてと、お嬢様を迎えにでも行きますか。

 

「……えぇ〜…。」

 

屋上のエスカレーター近くのベンチまで帰るとそこにはカガリが丸くなって眠っていた。そのカガリを温めるかのように一匹のイーブイがカガリの横でくるまっていた。

 

「…サンキューな。そいつ。俺の連れなんだ。」

 

…ん?『女の子が1人寝ていたから私が温めてあげてたの!!』だって?

 

だから、ありがとうって言ったでしょうが。

 

「…横、座っていいか?」

 

イーブイは尻尾を揺らしてご機嫌な様子でコクリとうなづいた。…ありがとね。

 

『どういたしまして!!」…まだこの子も幼いな。

 

ん?綺麗な声をしてるって褒めただけだよ。

おい、オンバット、今なんつった。誰がロリコンだ。誰が。

 

「…ああ。その子はね。」

 

俺はイーブイにここまでのあらましを全て答えた。イーブイは心配そうな顔で今も幸せそうなカガリを見ている。…オンバットが膝枕しろって言ったからしてやったが…。

 

…誰がかわいそうだ。オンバット。

イーブイも起こさないでやれよ。眠ってるのに舐めるな。

 

「…全く…。」

 

『優しい子だね』…って?ほんとだよ。

この子は俺よりマグマ団の…親父の近くにいることを誇りに思っている。愛というよりも洗脳に近いな。こりゃ。

 

俺はカガリ以上に優しい子を見たことがないよ。

 

「…んむ……むにゃ…。」

 

「…あぁ…全く…。」

 

–——————『可愛い奴』め。




なんか、好きを具現化するたびに文才減ってない?僕…。
でも、楽しいからいいや。

今日のポケモン雑談…。
剣盾やって、最近はしてないけど、一番好きなジムリーダーはネズさんです。大人のカッコ良さがあるよね。因みに殿堂入りの時のパーティーは、インテレオン、アーマーガア、オノノクス、ドラパルト、バンギラス、リーフィアとかだったような気がする…。
以上!!今日の誰得コーナーでした!!
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