ホウエンの龍使い   作:紳爾零士

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…規則正しく目覚ましの音が鳴る。

朝礼の時間には起きないといけない。面倒くせえ。そして、朝礼が終わり、今日もマグマ団の活動が始まる。

 

「なぁ、幹部様。私らは何もしなくていいのかい?」

 

「黙ってろ。」

 

今日は隊に分かれてそれぞれの任務を遂行する…。ホムラ隊は地殻調査。カガリ隊は幻のポケモン、ラティアス、ラティオスについて。そして、俺たちは特に無し。

 

「彼女が近くにいなくて拗ねてんのか〜?可愛い奴め〜。」

 

「…テメェ、俺が上司だってこと忘れてんだろ。ヒガナ。」

 

「これは失礼。」

 

隊と言っても泣ける人員不足だ。俺が入れないだけだけどな。故にうちの隊は俺とオンバット、ヒガナとシガナなるゴニョニョの計5人。後はまあ、手持ちのポケモン達だが…。このヒガナ、話によればかなりの強さらしく、中々のキレ者だ。だが、この女、何か隠している。だからこそ、親父やカガリ達には近づかせたくない。だから、コイツが俺の隊に入るときに約束させた。お互いに『隠し事』は無しだと…。

 

「で?どうなんだ?」

 

「どうってなんだ…。」

 

「好きなんだろ?カガリ様のこと。」

 

…最早、態度については何も言うまい。

 

「…何を言って…。」

 

「私らの間に隠し事は無し、だろ?」

 

…つけあがりやがって…。

ますます主従関係の有無が問われるな。こら、シガナも聞きたーいじゃないよ。全く。

 

「…だったらどうするよ。」

 

「んー。私が動きにくくなるかな?私の狙いを知ってるのは君だけだからさ。」

 

…なるほど。

流星の民たるヒガナの狙いはレックウザの招来。そして、レックウザに圧倒的な進化をもたらし、来たる隕石を破壊すること。言葉通りにとれば、この女はホウエンを守ろうとしているのか。

 

「何故、動きにくくなる。」

 

「んー?私としては私の狙いを知ってる人間がいると困るんだよね〜。だからさ、いっそ私のモノにしてしまおうと考えたわけだよ。いい考えだろ。」

 

「…どこが。俺が靡かなければ良いだけじゃねえか。」

 

「ナメないでくれよ?私だって懐柔した男の1人や2人…。」

 

…居ないってシガナ言ってるぞ。

 

「…はぁ…。テメェのその減らず口はどっから出てくんだ、不潔女。」

 

「なっ!?デリカシーなさすぎでは!?ちゃんとお風呂入ってるし〜!!」

 

「カルシウム、取れ。ばーか。」

 

「馬鹿って言った方が馬鹿なんだ!!バーカバーカ!!」

 

子供か…。

静かなトウカの森も騒がしくなるだろうが。木の上で寝るの気持ち良い…。下からの罵声が無ければな。ごめんな。虫ポケモン達。

 

「…ん?」

 

「どーしたんだ?意地悪幹部様。」

 

…今見えたのは…何処の制服だ…?

森の奥に追いかけて行った謎の集団。そして、誘われるように入って行った謎の少女。頭のリボンがよく目立っていた。

 

「…オンバット、お前もそう思うか。」

 

木漏れ日差し込む森の中で、オンバットの声はこだました。

 

「ヒガナ、着いて来い!!」

 

「はぁ?説明してくれよ!!」

 

…してる暇あるか!!

俺たちにとって、嫌な予感がするんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…どういうことだ?」

 

…先ほどから見える景色は変わらない鬱蒼としげる森の中。とても、あのような背の…それも少女が嬉々としてやってくるような場所ではない。

 

見たままだとあの制服は間違いなく、ウチのもの。親父からは説明されていなかったが、デボンの奴を狙っているところを見ると、親父は明確に動き出したのか…。

 

「もー!!なんなのさ!!話の途中で走り出したりして!!」

 

「…うるせえ…。キーキー喚くな。」

 

「おや?ウチの団員じゃないか。なにやってるんだ?あんなところで…。」

 

…見た感じ、事は済んだ後か。あの少女、強いみたいだな。見た目によらず…。

 

「…行くのね…。」

 

「えっ!?リョウカ様!?」

 

森の中から現れた俺を見て、団員達は驚きの声を上げた。前の少女も俺に対して、驚きと疑問を抱くような顔をしていた。

 

…デボンのおっさんよ。そんな女の子の影に隠れて悲しくないんか…。

 

「…あの…誰ですか?その服、その人達の仲間ですよね。」

 

「安心しろ。戦うつもりはねえよ。」

 

しかし、さぞかし良いトレーナーなのだろうな。彼女のポケモンであろう、アチャモが彼女を守るように俺を威嚇している。

…安心しな。アンタのご主人に手ェ出すほど腐っちゃいねえよ。

 

「…いいポケモンだな。お前を守るみたいに俺を威嚇してきやがる。」

 

「はい。自慢の子なんです。」

 

…いいご主人を持ったな。アチャモ。

 

「…で、お兄さんは誰なんですか?」

 

「俺は…リョウカ。マグマ団の幹部だよ。で、アンタが今、戦ってたのは俺の仲間ってわけだ。手荒な真似は許してくれ。」

 

俺が謝る筋合いはない。だが、したことは最後まで始末しろと親父に言われているからな。

 

だが、幹部である俺が謝ったのがおかしかったのか、かの少女は大笑いしていた。…おい、ヒガナ、お前まで笑うな。

 

「おかしいかよ。俺が謝んのは。」

 

「あははっ♪ちょっとだけですけどね♪悪の組織の人なのに…謝るなんて…あははははっ♪」

 

「くくっ…。どこまで律儀なんだい。幹部様は…♪」

 

…悪の組織か。

まぁ、間違っちゃいないよな。

少女にとって、親父の理想は知ったこっちゃない。教えられていないからな。彼女にとっては俺たちは何の罪もないデボンの社員を襲った悪人である。まぁ、これが俺ではなく親父なら根本的にブチギレるだろうな。

 

「でも、貴方は悪い人じゃなさそうです。悪い人にはポケモンはそんな風に懐きませんから。」

 

「…懐いているから悪人じゃない…か。単純な考えだな。」

 

だが、子どもらしい考えだ。

見えてる世界が全てじゃない…なんて、大人の考えは子どもに押し付ける方が愚策か…。俺や元科学者のカガリにそれを教えた親父の意図は敢えて考えるまい。

 

「でも!!何の罪もない人を襲うのは悪いことですっ!!」

 

「…わぁったよ。」

 

…その歳にしてその強さ。

もしかしなくても、この子はチャンピオンを超えるだろう。

 

「…お前、名前は?」

 

「私ですか?私はハルカって言いますっ!!」

 

「…ハルカ…ね。覚えた。」

 

…最早、長居は無用か。

 

「帰るぞ。」

 

「は、はい!!」

 

…あの子とはこれからも会うだろう。

恐らく、これは始まりに過ぎない。

もしかすると、計画も邪魔してくるかもしれない。

 

その時は俺も容赦はしないレベルに成長していることだろうな。彼女と戦う時が今から楽しみだ。




カガリは出ませんでした。次回は出るよ。恐らくね。
出来るだけ、ゲーム本編の物語をなぞっていく形にして、マグマ団の日常を入れてって感じにしようかなと考えてます。何かあれば是非是非、コメントにて。

〜今日のポケモン雑談タイム〜
これ、読んでくれてる人、いるのかなと作者です。いたら…嬉しい…。僕が明確に対戦を始めたのはSMからなんですが、その対戦まがいみたいなのはORASから始めてました。対戦知識は浅くて、統一パとか技を整えたりする程度でしたね〜。Vとかむらっけとかを知らなかった時代が懐かしい…。むらっけオニゴーリ持ってなかったけどね。
そのときの強いキャラと言ったら、主人公ことガブ、初手龍舞のマンダ、そして、犯罪級キャラオニゴーリと親子愛メガガルーラ。冷パン…怖い…。低耐久のガブと速さ抜かれたマンダが殺されちゃう…。耐えても親子愛で死ぬ…ってことが多々ありましたね…。わかってくれる人、います?

では次回。
ではでは〜。
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