雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」   作:ろぼと

123 / 145
 

お待たせしました。月島さんが精一杯頑張る回。


そして先日支援絵を頂きました!


齟鶯さまの悦森ヤンデレポーズ

https://img.syosetu.org/img/user/271330/80394.jpg

艶やかな唇がえっちなユノ森さん!未来日記懐かしい。
ちょろい!とか言って斧振り下ろしたらシロちゃん泣いちゃう…
消失編以後の原作雛森ちゃんは髪型変えちゃったので、貴重な力作シニヨン桃ちゃん!

素敵な支援絵、大変ありがとうございました!

 


全部…記憶さんが居たからじゃないか…!

 

 

†††

 

 

 

 

「───退きなよ、あんた!」

 

 

 鼓膜を劈く怒声が、青年の意識を呼び覚ます。

 

「……何?」

 

「何じゃないよ、なに道の真ん中でボーッと突っ立ってるのさ。荷車が通れないじゃないかい!」

 

 振り返ると、目の前で大荷物を運ぶ和装の老女が不機嫌そうにこちらを睨んでいた。周囲には木造の平屋が立ち並び、まるで時代劇のような光景が広がっている。

 

 呆けた頭で辺りを見渡す青年──月島秀九郎(つきしましゅうくろう)は、遅れて自分が居る場所を理解した。

 

 

 ここは死した魂が行き着く霊界の辺境、流魂街。あの因縁の女死神──雛森桃(ひなもりもも)の"過去の世界"だ。

 

 

「ッ、そうか…そういう事か」

 

 茶渡泰虎との戦いで記憶の欠落を自覚した月島は、その原因を探ろうとしていた。最有力候補は勿論、この世界に潜む宿敵──"読書家"だ。

 

 【ブック・オブ・ジ・エンド】を挟んだ相手の"元の過去"と"改変後の過去"は、それぞれ別の【本】として脳裏に記録される。

 ところが雛森桃の"元の過去"を記した【本】は不自然に消失しており、やむを得ず月島は残されたもう片方の"改変後の過去"の世界へ意識を転移させた。

 

 しかし、訪れたこの世界さえも…

 

「……ご老人、今の年代がいつかご存知かな」

 

「なんだいあんた、その南蛮服といい新人かい? 現世の話なら昨日の客が『攘夷(じょうい)』がどうとか言っとったけども、生憎ここ尸魂界(ソウルソサエティ)には時間なんてあってないようなものさ」

 

「攘夷……なるほど、ありがとう。お邪魔しました」

 

 住民の話では少なくとも時代にズレはない。商人の老女と別れた月島は足早に街を歩く。

 その胸の内には、隠しきれない焦燥が煮えていた。

 

 

 

「転移直後の記憶が無い……まさか彼女との"出会い"の場面から過去がぶつ切りになっているとは…」

 

 冒頭の自分の異常な放心状態は、間違いなく、乱暴な過去改変による世界の空白化だ。それも本のページを破り捨てるが如き、不用意で危機の迫った行動。この時点で余程の禁忌が明かされたのだろう。

 

 犯人は"読書家"か、それとも…

 

 何れにせよここまで【本】を虫食い状態にされては、この過去を読むだけで精神的危険が伴う。

 不完全な過去世界に触れすぎた者の末路を、何人も壊してきた月島はよく知っていた。

 

「既に彼女への接触は終わってる…ならこのまま【本】の続きを新しく()()()()しかないか」

 

 この世界には確実に僕の望む情報が隠れている。青年はそれを求め、改めてもう一度この世界の【月島秀九郎】として過ごす事を決めた。

 

 

 本当に消えた過去を探って良いのか。消したのは本当に奴なのか。そしてどうして自分は、銀城の野望を脅かすあの女と戦う意思を、完全に失ったのか。

 胸に根を張る不安から目を逸らし、月島は全てを知るこの世界の主を探すため霊圧感知を広げた。

 

 …だが件の人物は、彼の想像よりもずっと近くに居た。

 

 

 

 

 

「──探しましたよ、月島さん」

 

 

 

 

 

 突然の呼び掛けに思わず体が硬化する。しかし即座に平静を装い、青年はいつもの微笑で振り返った。

 

「…ご免、心配かけちゃったかな

 

──(もも)」  

 

 

 かくして彼の想像通り、そこに佇んでいたのは小柄な子供。月島の記憶より幾ばくか幼い雛森桃(ひなもりもも)が、拗ねるように頬を膨らませていた。

 

「全く、一人でスタスタ遠くへ行かないでくださいよ。あたし迷子になって兕丹坊(じだんぼう)さんに保護されるの凄く恥ずかしいんですからね…!」

 

「…それは悪かった。後で彼に礼を言っておくよ」

 

「もう! そういうコトじゃないんですっ」

 

 腰に手を当てぷりぷり怒る少女。どうやら消された過去の範囲は彼女がこちらに気を許す程には長期間のようだ。

 一先ず話を合わせ、月島は女性受けする"ステキなお兄さん"の演技で微笑む。

 

「兕丹坊はこの時間なら白道門だね。一緒について来てくれるかな、桃?」

 

「こっ、子ども扱いしないでください…!」

 

 それなりに効果はあったのか、そっぽを向いて赤い顔を隠そうとする雛森桃。

 

 その頭を撫でる優しい月島の手に秘められた負の感情は、彼のみぞ知る。俳優顔負けの演技力で憎悪と敵意を隠し、月島は例の巨漢の門番が暮らす宿舎へ足を向けた。

 

 

 記憶が消えた今の月島は、本来の自分がこの女の過去にどんな【月島秀九郎】を()()()か把握できない。だが普段の自分なら、彼女の最愛の幼馴染【日番谷冬獅郎】に代わる立場を目指しただろう。

 それが最も長く雛森桃と接触でき、その内に潜む"読書家"の気配に気付きやすい。

 

 【本】の登場人物ゆえ当然だが、雛森がここの過去が破り捨てられた事実を自覚している様子はない。ならばこのまま今の僕の好きに改変させてもらおう。

 

 現実の"読書家"にこの過去を()()()時、お前がどんな面を見せるのか…

 

 

──愉しみにしておくよ

 

 

 

 

 

 …そんな彼の背中を見つめる少女の顔には、先程の恋煩いとは違う、夢の国を満喫する無邪気な笑みが輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

†††

 

 

 

 

 

 

 この世界の月島秀九郎は、流魂街を彷徨っていた孤独な雛森桃を拾い寝食を恵んだ恩人だった。

 炊事洗濯に汗を流す少女の「居候の義務です」の言葉は本心にしか聞こえず、屈託のない笑顔で幸せそうに月島のために働く姿は、現世で懐かれた坊主少年獅子河原萌笑(ししがわらもえ)を想起させる。

 どこまでも素直で気立ての良い子供にしか見えない雛森桃。青年はそんな彼女の内に宿る怪物が尻尾を見せるまで、忍耐力を試された。

 

 

「──それは霊力の修行かい?」

 

 最初に少女が見せた不審な動きは霊圧の制御練習だった。だがこちらへの敵対準備かと思いきや、深夜の秘密鍛錬を見られた雛森が口にしたのは「誰にも言わないで」との懇願だった。

 

「霊力は(ホロウ)から自分や大切な人を守れる大事な力だよ。後ろめたいものじゃないと思うけどな」

 

「でも、今はまだ…」

 

 狼狽する少女が深刻そうに口籠る。その姿を見て、月島はこの娘の一般的に知られている経歴を思い出した。

 

 雛森桃。善良で知られる彼女がかの巨悪・藍染惣右介(あいぜんそうすけ)に下った最たる理由は、孤独な強者のジレンマだったという。

 真相を語る過去は失われたが、恩人の月島に献身的に尽くす少女の姿勢はその名残のように思えた。

 

「…大丈夫。ちゃんと秘密にしておくから安心していいよ。僕が君の嫌がる事をした例、あったかな?」

 

「ッ、月島さん…っ」

 

 とろんと夢見心地に頬を染める雛森へ、青年は内心嘲笑いながら鷹揚に頷く。

 

 

 月島の目的は、"読書家"に【ブック・オブ・ジ・エンド】を挟む事だ。自分の狂った記憶も、失われた雛森桃の正史の【本】も、銀城を奴の魔の手から救う切り札も。全てが懸かった起死回生の一手。

 

 "読書家"は藍染や浦原喜助、黒崎一護、日番谷冬獅郎など多くの霊性技術、霊圧、そして心が合わさり覚醒した奇跡の怪物である。だが今の時点では雛森桃の中で無防備に眠っている脆弱な卵。最短でも奴の人格が目覚めるまでは雛森に自由に行動させるしかない。

 

 だが母体の霊力に呼応し活性化するであろう"読書家"が、雛森の体を乗っ取ったその瞬間こそ。

 決行の最高の好機となるのだ。

 

 

 …それが大きな間違いだったと気付いた時、青年は雛森桃と五十年の年月を共に過ごしていた。

 

 

 

 

†††

 

 

 

 雛森は天賦の才に恵まれた魂魄だった。霊圧の成長速度は勿論、とりわけ隠蔽技術に優れており、身近で観察していた月島でさえ正確に見抜く事は困難だった。

 

 現実において藍染惣右介が彼女を見出した霊術院一年時、その霊圧は既に護廷隊の隊長格に匹敵していたという。無論その程度であれば警戒にも値しないが、後に精強な破面(アランカル)軍を力で従えた雛森を知る月島は、気を緩めることなく監視を続けた。

 

 そして月日は流れ、現実で日番谷冬獅郎が尸魂界(ソウルソサエティ)へ魂葬される年代に差し掛かった頃。

 それは起きた。

 

 

 

「──流魂街の失踪事件?」

 

 その話が月島の耳に届いたのは、瀞霊廷(せいれいてい)の隊長人事があの浦原喜助(うらはらきすけ)に変わってしばらくしての事だった。

 

 隣人たちの身を案じ、密かに注意喚起をした門番の兕丹坊から広まった不安。「怖いですね」と素直に怯える雛森を見て、当初月島は無関係な出来事かと然程気に留めなかった。

 

 だが彼はある日の深夜。異変に気付く。

 

「……桃?」

 

 就寝前に自室へ戻ったはずの彼女が、密かに外出した。月島へ置手紙一つ残さずに。

 

 これまでになかった大胆な動きに驚くも一瞬、月島は直ちに少女の足取りを追う。

 

 先日死神達の命令で立ち入りが禁止された南西流魂街の分離地帯【郛外(ふがい)】。雛森が向かった先もその第六区の森林だった。

 

「何をする気だ…?」

 

 夜闇に紛れ、霊圧を完璧に隠した少女が木々の間を進む。その足取りに迷いは一切ない。

 不審に思う月島だったが、慎重に尾行を続ける彼は直後──そこで目にした光景に思考を奪われた。

 

 

 

 

拳西(けんせい)!?」

 

「なんだ、あの霊圧…   

   まるで(ホロウ)じゃないか…!」

 

「返事しろ拳西!!」     

 

   「ほ…報告だ、リサ!  

       一番隊へ報告を!」

 

「アホかお前ら!    

  早う刀抜かんかい!」

 

 

 

 木々の開けた荒地。そこで大勢の死神達が、一人の屈強な男を中心に同士討ちをしていた。

 

「あいつ等は…」

 

 金髪ロン毛、ツインテール、黒髪アフロ、そして六目の(ホロウ)の仮面。月島は脳内の無数の【本】から彼らの正体を参照する。

 

 百年後の未来にて仮面の軍勢(ヴァイザード)を名乗る(ホロウ)化死神集団。かつて死人として尸魂界(ソウルソサエティ)から除籍された悲運の隊長格達が、まさに悪霊へと落ちようとしている大事件の真っ直中にいた。

 

 …直後、事態は更に動く。

 

「──卍解(ばんかい)

 

 

清虫終式(すずむしついしき)閻魔蟋蟀(えんまこおろぎ)

 

 

『!!?』

 

 突然、戦場が黒いドームに包まれた。秒と経たずに晴れた闇の中に立っていた者は、皆無。

 だが何が起きたのか分からず混乱する瀕死の死神達に対し、月島は今の現象に心当たりがあった。

 

「まさか…」

 

 そして裏切った盲目の死神を問い詰める地べたの一同の前に、その男は現れた。

 

 

 

 

 

(ぼく)が、彼に命じたんですよ      

 

         ────平子(ひらこ)隊長」

 

 

 

 

 

 威厳に満ちた重厚なバリトン。端正な美貌にゾッとする冷笑を浮かべた眼鏡の若者。

 

 後の世に霊界史上最悪の大罪人として恐れられる巨悪──藍染惣右介(あいぜんそうすけ)が、悠然と己の獲物たちを見下ろしていた。

 

 

 

 

 

†††

 

 

 

 

 

 息をも吐かせぬ怒涛の展開。予期せぬ人物との遭遇に、月島は僅かに顔を顰める。

 

 …困った、よもやこんな所で一番の鬼門とぶつかるなんて。

 

 月島秀九郎は極めて優れた完現術師(フルブリンガー)である。恐るべき過去改変能力を駆使する精神攻撃主体の後衛ながら、人間はもちろん強大な死神の隊長格すら凌駕する身体能力を有し、有象無象の過去で経た無限の実戦経験は千年を生きる護廷の達人達にも劣らない。

 

 だが、目の前にいる男はそれら達人達を赤子の如く弄ぶ絶対的な霊圧と技術、そして天上天下唯我独尊の狂気的理性を併せ持つ無敵の怪物だ。あらゆる搦め手を悪魔的英知と純粋な"強さ"で粉砕する、月島が最も苦手な類の敵である。

 

 とは言え、ここは現実とは異なる過去の世界。月島自身に命の危険はなく、また彼の関心は藍染にはない。

 

「……」

 

 ゆっくりと、青年は視線を手前へ向ける。

 

 渦巻く陰謀。動く時代。因縁の始まり。

 その渦中へ迷う事なく向かい、静かに歴史を傍観する者が、一人。普段の天真爛漫で恥ずかしがりやな姿からかけ離れた、強い感情に身をやつす…

 

 雛森桃がそこに居た。

 

 

「漸くか──"読書家"…ッ」

 

 

 月島は歓喜と憤怒に喉を鳴らす。

 

 遂に、遂に奴が表に現れた。

 宿敵の想い人を演じる嫌悪感に耐え忍ぶこと五十年。ノイズの雛森桃ではない、正真正銘の"読書家"の魂が、少女の魄器(からだ)を乗っ取り動き出したのだ。

 

 戦場は混沌を極める。新たに登場した浦原喜助。(ホロウ)化が進む隊長達。藍染が明かす禁断の実験の全貌。

 それらを凝視する女の背中は隙だらけ。

 

 千載一遇の好機を逃すものか。

 月島は奴に(フルブリング)を挟むべく刀を握り──

 

 

「……さて、僕が用意した特等席はお気に召したかい?」

 

 

 

──雛森 桃(ひなもり もも) 

 

 

 

 かつての日番谷冬獅郎がそうであったように。

 運命の少女はまたしても、巨悪の魔王によって奪われようとしていた。

 

 

 

 

 

†††

 

 

 

 

 

「チッ…」

 

 月島は堪らず舌打ちをする。

 

 目の前には素直に姿を晒した標的の女が、あの藍染惣右介と相対している最悪の状況。目的達成にあと一歩まで迫りながら、ただの【本】の住人に過ぎない存在に全てを搔っ攫われるなど悪夢に等しい。

 

 

 魔王の凄まじい存在感を前にして、されど雛森桃は倒れる事無く相手を見つめ返していた。昔の脆弱な小娘だった頃とは別人のように肥大化した霊圧で抗いながら。

 そんな両者の姿を見た月島の脳に、閃光が走る。

 

 これは現実では起きなかった、自分の介入が齎したバタフライエフェクトだ。月島秀九郎の存在が雛森へ何らかの影響を与え、"読書家"の目覚めが早まった結果の出来事。破滅の未来を察知した奴が"本来の過去"より藍染との接触を急いだのだ。

 

 しかし、それは月島にとって不都合な展開であった。

 

 

 どうする。逡巡する青年。

 もし藍染がここで、雛森桃を操る「未来を見通す超越者」の存在を認識した場合、現実と同じように彼女を徹底的に囲うだろう。さすればこちらが"読書家"に栞を()()難易度は跳ね上がる。織姫と泰虎の過去で直接剣を交えた経験から、あの男との正面対決は極力避けたかった。

 

 だが一方で、月島は勝算が無い訳ではなかった。

 今の藍染は崩玉と融合していないただの死神、それも未だ若さの残る百年前の時代だ。決して敵わない相手でも、出し抜けない化物でもない。

 

 …故に、これは月島にとって好機でもあった。

 

 

 

 

「───彼女を放せ、藍染惣右介」

 

 

 

 

 覚悟を決め、青年は完現術(フルブリング)の歩法で戦場に舞い降りる。突然の乱入者に騒ぐ副官たちを下がらせた藍染が、興味深そうに目を細めた。

 

「随分と過保護な事だ、月島秀九郎。(いや)、"無計画"と言うべきかな? 君の()は彼女には少し狭すぎるようだからね」

 

「…仕方ないだろう? 男手一つで夜遊び好きなお転婆娘を育てるのは、無能な死神共を欺く事よりずっと大変なのさ」

 

「フフ、違いない」

 

 初対面とは思えない情報量が飛び交う両者の睨み合い。こちらが雛森を何かに利用すべく囲っている事も見抜いているのだろう。短い言葉の応酬から垣間見える藍染の情報精度と分析能力の高さに、月島は素直に感心する。

 

 だが、自分は別にコイツとおしゃべりするために危険を冒したんじゃない。

 

「…はっきり言っておくよ。僕は君に興味がない。君が死神共を裏切ろうと世界を灰にしようと、それは僕の与り知らぬ事だ」

 

「成程」

 

 無論そんな言葉一つで意思を曲げられてはこちらが困る。折角危ない橋を渡るんだ、精一杯喧嘩を吹っ掛けてやろう。

 

「だけど…」

 

 

──(もも)を傷付けたら話は別だ

 

 

 そして月島は背中に庇う雛森の体を、己の胸の中へ抱き抱えた。

 

「彼女に指一本触れてみろ。次に手を出したら…僕は君を殺してやる」

 

 片手の剣を敵へ突き付け、か弱い少女を守る青年。まるで童話の姫と騎士のようなその光景は、されど騎士のどす黒い悪意を隠す()()()()だった。

 

 

 …この女を完全に僕に依存させる。藍染から最後まで守り続ける事で。

 

 

 現実で執着していた日番谷冬獅郎にも。そして最たる因果──黒崎一護の誕生にも関わらせない。

 そうして僕の事しか見えない、僕の意のままに動く奴隷にして、"読書家"が銀城と敵対する理由そのものを消し去るのだ。

 

 斯くて決意を新たにした月島は、抱える雛森と共に立ち去ろうと踵を返し──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃がしませんよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 




 

次回:月島さんのSAN値チェック3/3

 

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。