雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」 作:ろぼと
めっちゃ筆が乗ったので長めです。
それとスペイン語を誤ってヘネラーリャをヘネラーラに誤訳してました、後で修正しておきます。
そして、farさまより支援絵を頂きました!
ラインスタンプにありそうなデフォルメ絶叫桃ちゃん!目と口がホントかわゆ…かわゆ…
使わせて貰おう…!
https://img.syosetu.org/img/user/15981/67545.png
そう言えばPNGファイルってうp出来たんですね。
farさま、大変ありがとうございました!
『──おのれェ、
深夜の空座町に巨大な怪物の断末魔が響き渡る。絶叫を背に、その異形の虚──破面グランドフィッシャーを屠った一人の死神が、鎮魂の思いを亡き妻へ捧げていた。
「…仇は取れましたか?」
「ンなんじゃねえよ。あいつが死んだのは俺のせいだ」
そんな男へ声をかけるのは、友人にして恩人の浦原喜助。同じ護廷隊の隊長を務めた先輩だが、どうしても胡散臭さが漂い敬意を払うのを忘れてしまう。もっとも本人も気安い関係を望んでいるため二人の関係は良好そのものだった。
男の名は黒崎一心。
かつて志波一心の名でここ現世へ虚退治に向かい、只ならぬ因果で二十年間人間として妻の黒崎真咲と子供たちを見守ってきた、数奇な運命を辿る死神だ。
「
「…ええ、おそらくは彼女でしょう」
そんな一心は、先ほどの破面が口にしていた黒幕らしき存在に心当たりがあった。
直接面識はないが、彼にこの数奇な運命を引き寄せた真の仇にして、ある意味恩人でもある複雑な関係の相手。
「その──"読書家"って女と、藍染が連れ去った桃ちゃんの関係は何かわかったか?」
「いやァ、いい線行ってたと思ったんスけどね。夜一サンもあれが演技だとは思えなかったって言ってましたし、全部振出しです」
「…まあ確かにあの子があんな凶悪事件を起こして平然とお前に挨拶に行けるとは思えねえしな」
二十年前の十番隊での日々を振り返る元隊長。
志波一心は、当時"読書家"を名乗り浦原の前に現れた正体不明の小柄な女性のことは知らない。だが先日
彼女は当時三席だった部下の日番谷冬獅郎の幼馴染兼想い人で、時々十番隊隊舎へ挨拶に来ていたことからよく顔を見る機会があった。清楚で可愛い、花も恥じらう美しい乙女。思春期の少年が思い描く理想の異性をそっくりそのまま形にしたかのような彼女は、冬獅郎といじらしい友人以上恋人未満の関係を築いており、一心もそんな二人をよくからかって遊んでいた。
あんな可憐な少女が裏で大罪人の悪事に加担していたと知らされたときは思わず耳を疑ったが、あの場で藍染が語った話には何かしら大きな嘘が含まれていると一心は朧げに感じていた。
無論、楽観的にも、悲観的にもなりうる危険な嘘だろうが。
「夜一サンの直感を疑うワケじゃないッスけど、藍染も自ら本性を明かすまで誰もが信じられない思いでしたし、雛森桃もそのタイプ…って思ってたんスけどね」
「あるいはお前が読んだ通り本当に裏で藍染と敵対してて、それをヤツに見抜かれたのがあの双殛の丘での出来事に繋がったか…」
各々独自に持論を開示する二人の死神。だが情報が足りず、信憑性も低いものばかりではどうしても想像の域を出ない。
「アタシらに出来るのは最悪を考慮して、あの暴露自体が演技である可能性を捨てないでおくくらいッスかね」
「…まあ"読書家"が桃ちゃんだろうと違かろうと、俺にとっちゃ真咲を苦しめた因縁の相手だ。たとえあのかわい子ちゃん相手でも一発拳骨落とす覚悟は出来てるぜ」
「…拳骨で済む相手なんスか? 最大限楽観視しても信を置けない第三勢力止まりの人物ッスよ、斬りましょうよ」
本人と面識のない浦原のシビアな意見も素直に受け止める一心だったが、彼は情以外の理由でもやはり雛森が「"読書家"では無い」と推理していた。
仮にあの純粋無垢な雛森桃の全てが擬態であったとしても、そんな優秀な部下をこれまで通り護廷隊の獅子身中の虫とせずに連れ帰る利点がわからないのだ。
卍解時の冬獅郎を鬼道一つで瞬殺するほどの実力者を手元に置きたかったのかもしれないが、それでもいざと言う時のカードとしての効率は段違い。浦原の時のように、顔や霊圧に加え声紋まで隠させるほどの徹底した秘匿性から方針が真逆になっている。
「藍染が古参の市丸と東仙を連れ帰ったのは、お前の息のかかった一護や夜一からヤツらの暗躍が露呈することを恐れたからだろう。だが桃ちゃんは違う。連れ帰るメリットがねえんだ」
「藍染の強者のプライドとかじゃないッスか? 宣戦布告後に小細工をするのは矜持に反するとか」
「散々鏡花水月で暗躍しておいて今更それはねえだろ浦原…」
「…ならあとは撒き餌に使うくらいですね」
連れ帰った雛森桃の客観的評価を最大限利用するなら、彼女の奪還を目指す仲の良かった隊長格らを決戦の地から遠ざけるための誘蛾灯としてか。もっともそれなら藍染は彼女を部下と明かさず人質として連れ去ればよいので、この予想も納得のいくものではない。
「──そう言えば息子サンは何か言ってませんでしたか?」
堂々巡りになった考えを変えるべく、二人は別の側面からヒントを得ようと話題を変えた。
「…や、あいつそういう話とかしてくれねえし…」
「いやあんた親ッスよね? せめて知らない女性に何かヘンなことされた覚えはないかくらい確認してくださいよ」
「お、俺だってパパとして十六年頑張ってんだぞ!? 子育ての大変さも知らねえヤツが簡単に言うなボケ!」
もっともこちらも大した情報はないようだ。あの用意周到な"読書家"なら才能を継いだ一護に接触してくると踏んでいたが、どうやら黒崎家の独特過ぎる親子関係のせいでこの父親から情報を得るのは難しいらしい。一心と浦原は共に項垂れ溜息を吐く。
謎の虚研究者、"読書家"。
その正体も目的も悟らせない不気味な女性は、果たして敵か味方か。二十年に亘る因縁に終止符を打つ機会が近いと本能的に察している一心ら二人は、覚悟を新たに万全を期すつもりであらゆる可能性を模索する。
「…それより、例の封印は完成したのか?」
「ええ、まあ。それなりに自信作とでも言っておきましょうか」
「ほう? そいつァいい」
だが彼らの最たる関心はそちらではない。
長く、百年の雌伏のとき。巨悪がついに動き出したことを知り、かつて護廷のために隊首羽織を纏った二人の死神は、それぞれの思いを胸に、本命の話題へと意識を切り替える。
「チャンスは一度。その隙を作るのに、黒崎サンにもご協力をお願いすることになるでしょう」
「まかせろ。仮に"読書家"がヤツの手先なら俺も当事者だからな。こっちは拳一発じゃ水に流せねえぜッ!」
「ええ、それではじっくり整えるとしましょうか…」
──藍染惣右介を倒す手筈を。
***
「──報告は以上になります、軍団長閣下」
…と、そんなシリアスな親父陣営の会話を隠密用虚で盗聴していたあたしこと"読書家"雛森桃は、執務室へグランドフィッシャー敗北の報を届けてくれた空座町監視責任者アイスリンガーとディ・ロイを笑顔で労っていた。
「お二人とも長い間の現世任務、本当にご苦労様でした。新しいお体には慣れそうですか?」
「はっ。これも閣下の御口添えがあってこそ。この新たなアイスリンガー・ウェルナール、益々の忠誠を藍染様へ捧げることを誓います」
「ディ・ロイ・リンカー、右に同じ」
「頼もしい限りです、よろしくお願いしますねっ!」
本誌通りの姿になった二人が、あたしに礼をしながら決意表明をしている。ディ・ロイは部下ロール中もチンピラ感を隠しきれてないが、アイスリンガーはちゃんとヨン様に心酔しているので安心だ。この忠誠心の方向があたしに向いていると時々原作の彼らではあり得ないガバムーヴをしたりするので対処が大変なのです。
「では本日を以てお二人の空座町監視責任者の任を解きます。元の持ち場へ戻ってください」
『はっ…』
なんだかあまり嬉しそうじゃないのはアレか、閑職の門番と同僚のいじめが嫌なのかな。少しフォローしておくか。
「…これはまだ藍染隊長と相談中の話ですけど、黒崎一護とそのお仲間さんたちをここ
「…ッ!」
「彼らの迎撃に備えて、新たな破面化の力を存分に振るえるよう鍛錬を怠らないでくださいね」
「は──はっ! 畏まりましたッ!」
うむうむ、これでやる気を出してくれるだろう。原作における彼の存在理由は石田眼鏡とチャドのレベルアップ経験値である。他の破面みんなに言えることだけど、本誌通りの活躍をしてくれたなら、あとは生きてさえいてくれたら救う手間は惜しまないぞ!
さて、次はディ・ロイだ。
「あたしはこれから新たな
「ッお、俺っすか…?」
「はい。グリムジョーさんを新たに十刃に任命するので、そのときに再破面化で強くなったディ・ロイさんを
「グリムジョーが…俺を…!」
目がキラキラしている不良ってなんかかわいいよね。思わず生暖かい視線を送ってしまうが、まあ残念ながらあたしの言葉はただの気休め以上の意味はないのだ。すまぬ、個としての実力はやはり如何ともし難い…
「ではそろそろ時間ですし、闘技場へ行きましょうか」
『はっ』
二人を連れて執務室を後にし、応接室を通り抜ける。
…その途中、あたしは自分の髪の毛がふわりとベアトップの素肌を撫でた感触を覚え、同時に背中に嫌な視線を感じた気がした。
「軍団長、如何されましたか?」
「い、いえ…」
直立不動のままゆっくりと後ろを振り返る。
後ろにいるのはアイスリンガーとディ・ロイ。二人ともきょとんとしているだけで、目線もあたしの顔から動かない。尸魂界でよく死神たちが向けてきた、あの性的ないやらしさは欠片もなかった。
考えれば虚も破面も子孫を残す必要がないのだから、異性の体に興味を覚えることもないはずだ。やはり気のせいだろう。
しかし。
(…どうしよう、慣れない露出のせいか凄い自意識過剰になっちゃってる…)
不味い、これはNTRリョナヒロインを目指す者として看過できない問題だ。
あたしはシロちゃん限定の愉悦部ヤンデレサイコパスであって、この衣装もシロちゃんを曇らせるために着ている部分が大きいのだ。断じて「やだー、恥ずかしいー(チラッ」がしたいメンヘラではない。一緒にされるのは心外である。
と言うワケで。
「…ちょ、ちょっとその白いの取って貰っていいですか?」
「は? あ、はい。わかりました」
ガン開きな肩と背中を何かで隠そうと辺りを探し、近くのソファに放られていたローブっぽい衣類をすぐ横のディ・ロイに要求する。
手渡して貰ったそれは、先日の例のアレだった。
「おお、それは藍染様の隊首羽織! 流石は軍団長閣下、あの方に下賜して頂いたのですね…!」
「…なんでこれがココにあるのよ」
下賜というかポイ捨てというか。アイスリンガーの感想に思わず敬語が崩れるあたし。一応洗濯はされているみたいだけど、これ着たらまたからかわれそうでヤだな…
やはり引き返して更衣室でちゃんと上着を選ぼう。そう踵を返そうとした瞬間、最速のフラグ回収で犯人があたしの応接室へやって来た。
「──なんや桃ちゃん。ボクが取ってきてあげた藍染隊長のヨダレ拭き、早速気に入ってくれたみたいやね?」
「市丸隊長、言い方ァ!」
入室早々とんでもない誤解を生む爆弾を放り込んできたヨン様の副官は、あたしのぶかぶか隊首羽織姿を指差しニヤニヤ笑いながら勝手に凱旋式典への出席道中に便乗した。
いやあの、あたし先に上に着るボレロ的な何かを取りに行きたいんだけど…
***
かつては大帝バラガンの近衛兵の名を指したそれは、四十四年前に藍染惣右介の下で七つの大罪を冠した七名の最強の
その二十年後。崩玉の大規模強化を経て列した新たな十名が、人が死に至る理由を司る破面──
そしてあたしたちヨン様陣営が浦原喜助の崩玉を手にした今。
「──
あたしは審判の東仙の合図で始まった入れ替え戦を、一〇と共にヨン様の隣で観戦する。
チルッチちゃんは原作通り第二破面化で霊圧があまり増えず、序列詐欺になっていたため開始から既に勝負が成立していない。にも拘わらずこの決闘を認めたのは彼女の強い意思と、浦原崩玉で覚醒したノイトラの戦いをヨン様が見たいだろうと思ったあたしの善意だ。
「勝者、ノイトラ・ジルガ! 軍令に従いこの者を新たな
まあ面目躍如なDJはともかく、大した見せ場もないまま終了したので玉座の貴賓席は冷えっ冷えになっちゃったけど。
一〇の「使えねえなコイツ」的な視線から逃げていると、ふと眼下の闘技場でノイトラがチルッチを殺そうとしていたので縛道でおしおきする。相変わらず元気なことで。
「──グッ!? く、そ…ッ!」
「ダメですよノイトラさん、軍令に逆らったら」
最近ようやく完全無詠唱が出来るようになったお気に入り【六杖光牢】で拘束し、テスラに回収を命じる。ノイトラはネリエル闇討ち以前に一度骨まで燃やしてから基本あたしたち三重臣にも従順になってくれたが、目を放すと時々こういうことをするのでザエルアポロに監視させているのだ。
あの眼鏡は忠誠心はなさそうだけど損得勘定には長けているので、無駄にパトロンの不快を買うようなことはしないから監視者として重宝している。
そしてその眼鏡をノイトラが空けた
「今後も変わらぬ忠誠を我らが王、藍染様に誓います」
「期待しているよ、ザエルアポロ」
おお、ヨン様が珍しく"十刃"に言葉をおかけになったぞ!
やっぱり彼らと絡んでこそのヨン様だよね。もう大虚の勧誘や組織化は今日で終わるのでそろそろこの【"十刃"軍団長】とかいう原作ブレイク役職は返上していいですか? ダメですか? そうですか…
それにしてもザエルアポロ、あたしの忠告のせいかちゃんとヨン様第一を遵守しているのは高評価。ここでこちらに流し目でも向けて来たら睨み返していたところだ。
そうして次の
さて、ここは彼らに相応しくオサレに決めようではないか。
「──これにて諸君ら、種の超越者
あたしは隊首羽織を脱ぎ、眼下の観衆百余名を睥睨する。雛森ボイスはどうしても可愛さが抜けないため無理に勇ましく声を上げず、強者の微笑を張り付け、淡々と無感情に宣言する。
「我らが王、藍染惣右介の剣たる諸君らは、王の下せし絶死の命を冠す、十の死の形を司る」
残念ながらあたしにヨン様ほどのカリスマはないので、代わりに霊圧垂れ流しのズルをして「ここ大事だぞ~」の空気を作る。隣でニヤニヤしている元五番隊の先輩共は無視だ。満足げに頷いているDJだけが心の支えです、ありがとう。
…行くぞ!
「序列第十位。司る死の形は"憤怒"」
──
「…はっ」
バラガンとザエルアポロ、ピカロに次ぐ長い付き合いの巨漢がのしのしとヨン様の貴賓席の前まで歩き、跪いた。うむうむ、教育の成果が出ている。
この男に関しては原作通り序列に仕組みがあるが、それは本人に前々から説明してあるため10の数字に不満はなさそうだ。
「序列第九位。司る死の形は"強欲"」
──
「はい」『ハイ』
縦長の仮面を被ったヒラヒラコートの副音声長身男がヤミーに続き、彼の隣に並んで膝を突く。
アーロニーロ・アルルエリ。その衣装に相応しい鰤界最オサレネームの持ち主の一人だ。彼とルキアの戦いはOPBが提唱されるようになったきっかけなので、是非それに相応しい強者ムーヴを頑張って彼女のオサレ的勝利を強調する逆転敗北劇を演じて欲しい。
「序列第八位。司る死の形は"狂気"」
──
「王の御前に」
優雅に跪く元マッド錬金術師はこういうことに慣れてそうだ。
戦闘面ではぜひ同じ眼鏡仲間の石田くんと恋次くんで遊んで、ネムちゃんで出産プレイを見せて、そして最後にみんなのマユリ様の引き立て役になってくれ。あと千年血戦篇で彼の幻覚に登場して助言するのも忘れないでね!
ついでに地獄篇も。
「序列第七位。司る死の形は"陶酔"」
──
「御身の前に」
ザエルアポロに続いて最敬礼をするシャーマンっぽい雰囲気のアフリカ系男性。
彼はオサレ集団一の空気だけど、他と違って命令に忠実でヘンなことをしないので心配はしていない。存分に白哉のシスコンっぷりを引き出して、その司る死の通りあたしを原作シーン再現に陶酔させて欲しい。させてください何でもしまむら。
「序列第六位。司る死の形は"破壊"」
──
「…はい」
我が家の不良少年その一。どうした、念願の"十刃"だよ? もっと嬉しそうにしなさい、お姉ちゃん君の望みを叶えてあげたのに笑顔が見れないの悲しいわ…
グリムジョー・ジャガージャック。うん、アーロニーロに匹敵する作中三大語呂良しネームは健在だ。君には色々一護くんを鍛える大事な仕事があるのでくれぐれも勝手な事はしないでくれ。いや"しろ"と言うべきかな? とにかく頼む。
「序列第五位。司る死の形は"絶望"」
──
「チッ……はい」
不良少年その二。あたしの頭二つ分くらいデカい脅威の身長215㎝!
ネリエルへの反応を見るに男尊女卑であるはずなのだが、何故かあたしとハリベルには特に反発しないのは何故だろう。まあイキってる反面意外と小心者で、破滅願望というか人生を超悲観しているある意味可哀想な男だが、この辺りの本音は彼の地雷なのでスルーする。本誌で剣八のヤバさが最初に判明したシーンを担当しているから、頑張ってくれ。
「序列第四位。司る死の形は"虚無"」
──
「はい」
ようやく口と鼻と耳と肌が出来た忠臣ウル坊ホントすこ。すこすこのすこ。織姫ちゃんに「ウルキオラくん」って呼ばれるくらい良い雰囲気になって? そしてその特典シーンをあたしに見せて?(血涙願望
この男に関して多くは語るまい。一護くん関連でグリムジョー以上の大事な大事な役割があるので抜かりなく頼む。
「序列第三位。司る死の形は"犠牲"」
──
「はい」
あたしの暇な従者的立場から大出世なハリベルさん。オサレ集団の紅一点としてクールに佇んでいてください。
そして彼女にはあたしのシロちゃんを輝かせる大事な大事な大事な役目があるのだ。シロちゃんがあたしをヨン様から取り戻す()ためにどれだけ頑張って修行したかがわかる指標でもあるので、ぜひ頑張って欲しい。あ、でもあまり頑張りすぎないでね。シロちゃん傷付けたら怒るよ?(無茶ぶり)
「序列第2位。司る死の形は"老い"」
──
「……」
ジロリとあたしを睨み付けて小さく頭を垂れる元
彼はご存じあたしが最初に屈服させた
鬼道好きとしてハッチの戦いは是が非でも見ておきたいので原作通りの活躍を期待してます、お爺ちゃん。
「序列第一位。司る死の形は"孤独"」
──
「…はい」
少し気まずそうにバラガンより上座に跪くカリィおじさん。あたしの卍解が彼の
よくバラガンより弱いんじゃないかとか言われるスタークさんだけど、彼は原作でも隊長四人同時に相手にしながら戦ってた化物だ。ただちょっと半身のロリっ子を殺されたりヨン様の本音を知ってしまったり、色々と悲観的な出来事が重なって人生を諦めちゃっただけなんだ。あたし的に言うなら先日の双殛の丘にてシロちゃんに「雛森ィィィィ!」ではなく「藍染ェェェェン!」って叫ばれてしまったくらいの絶望だ。
わかるよ、スターク。そんな悲劇に見舞われたらどれほど強くても死を選ぶよね…
さて、と。あたしは眼下に勢ぞろいした強者共を見下ろす。
スターク、バラガン、ハリベル、ウルキオラ、ノイトラ、グリムジョー、ゾマリ、ザエルアポロ、アーロニーロ、ヤミー…
ご覧くださいヨン様! そして鰤読者のみんな!
ああ…やっと…
──やっと揃ったよ…
「以上を以て、
思わず安堵の溜息が零れそうになる。
ヨン様が仕事を放棄してから幾星霜。具体的には四十四年と四ヶ月の年月をかけて集めて束ねて躾けて組織して、ようやく完成した完全編成の原作
「死を司る十の刃よ、斯くて諸君らは我らが王に勝利を捧げん」
発表とプチ演説を締めくくり、あたしは飛梅ちゃんの卍解が発動できるほどの霊圧を噴出させる。客席の破面たちがあてられて床に倒れ伏しているが、"十刃"たちは震えつつも全員が頑張ってこちらを見上げていた。うふふ、ならその意気込みと負けん気に応えて、本音を伝えて差し上げましょう。
「──あなたたちの成すべきことを成しなさい」
そこに希望を見たのか、慈悲か、期待か、はたまた嘲りを見たのか。大きく息を吸った"十刃"たちが、一斉に承知の意を表してくれた。
さぁ、こちらの準備は整ったぞ。
そちらはどうかな、
次回:うるきおらくんのはじめてのおつかい