雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」 作:ろぼと
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どうしてコメらんのみんなそんなすぐふくせんみぬいちゃうの?(タッカー
ドルドーニを回収したあたしはすかさず桃ちゃんラボの
迎えの従者破面にドルドーニを預けたらとんぼ返りでチルッチの所へ行く。あそこでは今作中有数のオサレバトルが繰り広げられているのだ。絶対に見に行かなくてはならない。ガンテンバインの方はノイトラが介入の隙を窺っているので、邪魔にならないよう回収は
舞い戻って"
「──わからないなら教えようか。君の羽と僕の【
こっそり入った列柱の間では、ちょうど石田くんとチルッチちゃんが切り札を披露し合っていた。
おお、このシーンは…!
「…そう。要するにあたしの羽は、もうあんたに通用しないってことね?」
「ああ、そうだ」
無情な青年の明言にチルッチが小さく深呼吸をする。
「……オッケー」
彼女がそう頷いた直後、その巨体がゴトリと分離した。折れた羽と巨大な両手が無造作に床に転がり、女破面は連獅子のような荒々しい長い毛髪と尻尾を残した人型へと変化する。
「…その解放状態がそんな風に着脱自在なものとは思わなかったよ。君たち破面は全員そうなのか?」
石田の問いにチルッチが苦い笑みで答える。額を流れる脂汗が痛々しい。
「…自在じゃないわ、捨てたの。
彼女の言葉に
「あたしたち破面の斬魄刀は、虚本来の攻撃能力を刀剣の形に封じ込めたもの。
「な…!」
「あたしの【
そしてチルッチが自らの尻尾を天へ掲げた。
「──その分の霊圧を一個に纏めたほうが、マシ」
二又に分かれた尻尾の切先で霊圧が扇状に凝固する。これまでにない力の密度、ギラつく眼光は彼女の覚悟の固さの表れ。我が身の犠牲を厭わぬその決死の想いに気圧され、石田は思わず悲憤に声を荒らげてしまう。
「ッ…君たちにとってこの戦いは、そうまでして勝たなければならないものなのか…!?」
青年の問いに笑止と呆れる女破面。
「あったま悪いんじゃないの、あんた。勝たなくていいなら最初から戦争なんて起きやしないのよ!」
当然だ。道理に疎い子供の石田でも理解出来ること。顔を歪める甘ったれたガキへ、チルッチが己の矜持を言葉にする。
「
「…ッ」
「敵を殺し、勝つために生まれた存在。許された敗北なんて…」
そして束ねた超高密度の霊圧の刃を振り翳し、女破面は自らの役割を全うせんとその命を投げ打った。
…はぁぁぁ、かっこいい。かっこいいよチルッチちゃん。
それまでのギャルっぽい勝気な態度と、ギャグ空間での転倒顔面ダイブからのブチ切れ刀剣解放というマイナス要素を、全てプラスに反転させるオサレな自己犠牲型パワーアップ。
これにはOSR警察のあたしも思わずニッコリ。
ドルドーニもそうだったけど、やっぱ古参の破面は長らくヨン様を見てるからかオサレな人が多い気がする。中でもこの世界のチルッチちゃんは
だが。残念ながらその自己犠牲戦法は既に目の前の敵が過去に使った、ある種のマンネリ手段であり…
「少し勘違いをしているな。【
「なっ、あたしの霊圧が…!」
まあ流石に前座キャラのチルッチでは、あの有名コピペを世に放った石田雨竜に勝つのは無理ですね。
彼は"OPBで戦う滅却師"という最高の戦闘方法を取る作中最強格の一人で、個人的には才能スペック頼りな一護よりも圧倒的に手強い人物だと思う。
正直あたしも当初はこの石田眼鏡の【敵リスペクト型OPB】を戦闘時の参考にして原作キャラたちを輝かせたかったんだけど…やはりシロちゃん最優先の桃玉融合は少し早まったかな…
「すまない、僕の勝ちだ。勝利は確かに、リーチの差だったよ」
「クソ…ッ」
その後は本誌と同じく霊矢形態の
原作通り、石田雨竜のオサレ勝利だった。
***
「──ご苦労様でした、チルッチさん」
戦闘終了からしばらく。
敵でも殺人はしない主義な石田眼鏡とペッシェが列柱の広間を去った後、あたしは見事宿命を果たした自慢の部下の前に姿を晒した。
「…雛森…様…!?」
「お久しぶりです。途中から見てましたが、十刃らしいとても立派な戦いでしたよ」
驚愕するチルッチちゃんへ本心の称賛の言葉を送る。流石はあのオサレ集団の元メンバー。さっきの戦いはガチで相手が悪かっただけだからね、ドンマイ。
だがあたしが慰めようとすると、チルッチちゃんが突然泣き出した。
「…申し訳…ござい…ません…! 雛森様に不甲斐ない戦いを…お見せして…ッうぅ…」
「チルッチさん…」
そ、そんなに悔しかったのか。
いやごめん、そうだよね。あたしの立場で言うなら、一護の無月的な技で飛梅ちゃんを犠牲にしたのに勝てなかったのと同じだもん。これはちゃんとフォローしなければ。
「大丈夫ですよ、チルッチさん。傷も、霊力も、犠牲にした
「あ、ぁ…」
「あなたほど気高い女性を戦士として死なせはしません。ふふっ、待機命令に背いてフラフラしているノイトラさんに爪の垢を煎じてあげたいくらい」
全くだぞ、弱者相手に霊圧でイキることしか出来ないカマキリめ。あなたも少しは前任
しかしあたしが慰めても「お許しください」だの「情けない」だのえぐえぐ自己嫌悪に陥ってしまって話を聞いてくれないチルッチちゃん。仕方ないのでドルドーニの時と同じくそのまま背負ってあげよう。
「ひ、雛森…様…!?」
「安静に。今医務室へ運びますね」
「あたしのような…者に、こんな…」
背中の巨乳の感触に感動しつつ、あたしは急いで桃ちゃんラボの
「傷に障りますよ。しばらくお休みなさい」
「ひな…も……」
優しく【白伏】で眠らせ、現世アジトへの
あたしは先ほどのvs.石田雨竜OPBについて思いを馳せる。
うーん、負けちゃったチルッチちゃん。原作と同じく一時はいい線行ってたと思うんだけど…OPB強者になるにはあともう数歩足りないんだよなぁ。
効果無しと知って即座に羽や腕を潔く犠牲にするのは確かにオサレだが、もう少し引っ張って不利な状況下で【過去回想】を挟んでからの方がもっとOSR値を稼げたはず。彼女の戦士や組織人として覚悟を決めすぎてるところが、なんとなく副隊長モードの侘助に似てて残念感が拭えない。
何よりあのケバい紫メイクとキモい解放状態が容姿ポイント大幅マイナス! せっかくの【女強者】と【容貌:グラマー美女】のプラスを台無しにしている。
あのヨン様でさえ例のハンペン化&羽〇結弦ポーズとキモメルヘン蝶の翅な崩玉変化のOSR値マイナスを覆すことは出来なかった。容姿ポイントを大事にしない者はOPBにおいて絶対に勝利を取り零してしまうのだ。
幾つかイメージはあるけど、あたしも午後の空座町決戦で行う桃玉変化デザインは慎重に選ばないとね…
さて。戻って来たマイルーム。
決戦前に汚れてたらOPB的にマイナスなので、まずは背負った部下たちの血でベトベトの服を着替えねばならない。
この衣装はフィッシュテールドレスの上半身が面倒だけど、頑張れば一人でも着替えられるタイプだ。一応死覇装だしね。
チョーカーとコルセットを緩めて、ベアトップの胸元部分と袴を脱ぐ。
鏡に映るのは下着姿の雛森ボディ。シャルロッテ兄貴姉貴の強い勧めのブライダルランジェリーみたいな純白チューブブラが凄く恥ずかしいが、我慢だ。女子の容貌服装OSR値はシビア。そう、これも最高の「雛森ィィィィ!」のため…っ。
(そ、それより大丈夫だよね? 監視とか…)
洗脳NTRムーヴ用とはいえ、流石にこんな気合い入りまくりな下着姿を味方の男性陣に見られたくない。心配になったので部屋の天井あたりをキョロキョロ見渡す。あのヨン様も女の着替えまでは覗かないだろうが……さっきから視線を感じる気がするのは一体…?
何とか疑念を振り払い、同じシロちゃん曇り用背肩ガン開き死覇装の替えに着替え終わったあたしは、コソコソと更衣室を出る。
諸々の準備を終わらせ、再度
原作の戦いがようやく始まる…!
(より取り見取り。どれを現地観戦するか凄く迷うな…)
ああ、鰤ファンとしてなんて贅沢な悩みだろう。流石は一年五ヶ月も連載していた濃密な作中内五時間だ。これは名シーンや台詞回収のために慎重に見廻る順番とタイミングを整理しなくては。
「──おや、桃ちゃん。君も気になって見に来たん?」
あたしは具体的な状況を把握するため、全てを一望できる中央監視室へ入ると、監視シフト当番の一〇が迎えてくれた。ちょうど原作イベント中だったのかウルキオラもいる。
…うん。一○もこのオサレ破面がいる所であたしの着替えを覗いたりはしないだろう。気のせい気のせい。
気のせいだよね?(威圧
「アーロニーロさんの宮への回廊が動かされた形跡があったので。市丸隊長の仕業ですね?」
「嫌やな、"仕業"なんて。あの子たちが十刃と戦いたい言うんで、ちょっとお節介焼いてやっただけやで」
「わぁ…流石ですね。今度なにか機会があったらあたしもその言い訳参考にしていいですか?」
軽口を叩き合いながら、あたしはパパッと監視室の画面を確認する。確かザエルアポロの宮が081番、アーロニーロの宮が091番、ガンテンバインの部屋の外周辺が147番、一護がウルキオラと戦う大階段付近が235番、ってこっちはルキアがアーロニーロと相打ちした後か。
やっぱり順番的にはまずアーロニーロvsルキア、ノイトラvsチャドを見て、それからウルキオラvs一護の初戦、ザエルアポロvs恋次の順番だな。その四つが終わり、石田が加わってザエルアポロが着替えに行くタイミングでまたこの監視室へ状況確認に戻ってこよう。
段取りを決めたあたしは早速アーロニーロ宮へと踵を返す。
「なんや桃ちゃん、もう負傷兵治療のお仕事にお戻り?」
「ええ、アーロニーロさんが心配なので」
「…へえ、意外やね。君が日番谷隊長以外の死神を評価すんの」
ニヤリと「ルキアちゃんのこと信じてるん?」と聞いてくる一〇。
何だそれは、それであたしにマウント取ってるつもりかね? 先程あのヨン様相手に一勝二敗の接戦を繰り広げた、このNEW桃ちゃん相手にOPBで遊ぼうなどとは笑止千万(調子乗り中)
「…いいえ」
あたしは一〇の問いを否定し、オサレに監視画面へ顔を向ける。彼の注意を映像に促すように。
『──よォ、オメエが一番乗りか?』
『──ッ!』
──
『──仮面ヲ取ッテ、挨拶スルよ』
『──なっ!? あ、貴方は…ッ!』
──
──
かつて
「…あたしはルキアさんを信じてるんじゃありません、市丸隊長」
そして笑う市丸ギンへ、あたしは満面の笑みで笑い返した。
──
ドルドーニ氏、おそらく幼いシロちゃん以来初となる桃ちゃんの体の素肌に触れた男。
そして桃ちゃん、OPB脳すぎてチルッチちゃんの敬愛心に気付かないガバ。
次回はOPBが提唱された原点として有名なアーロニーロ戦。
お楽しみに!