雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」 作:ろぼと
やあ、みんな。
特に余韻も無くしれっと戻ってきました(一日ぶり
「完」とか書いたけど早速桃ちゃんの余生篇はーじまーるよー!
今回は短めです。
復活……だと……
とてとて、ぺたぺた。
三界から時間も空間も隔絶された
そんな長い間も何をしてたかって? シロちゃんの輝きを思い出しては奇声を上げる発作が収まるまで待ってたに決まってるでしょ。
「────んふっ、うふふ…」
おっといけない、また思い出し笑いが出てしまった。とにかくコレを落ち着かせないとニチャり散らかした顔で一護の前に姿を晒す羽目になる。キモい再誕者状態のあたしの事も守ろうとしてくれた聖チャンイチェスコも、この愉悦フェイスを見たらドン引きだろう。グリムジョー戦勝利後レベルでイケメンだった我らの主人公にだって救えないものはあるし、耐えられない真実もある(あたしだ)
美しい世界だけを見せてあげるのは、あたしの特大ガバをフォローしてくれたせめてもの感謝です。よくやったチャン一! 近い未来に絨毯にならないよう
ふう、いい加減落ち着かないと。
落ち着いて。落ち着いて。
「はぁ……なんだろ、この幸福感と無気力感が一緒に混ざった感じ…」
…落ち着きすぎた桃ちゃんは小さく溜息を吐く。
原作におけるシロちゃんの曇りポイントを全て回収し、百五十年越しの悲願を果たした余韻を噛み締め終えた今。あたしはお祭りが終わった時のような寂しさを感じていた。
定年退職後の老後生活的な、第二ならぬ前世からの第三の人生が始まったのだが、正直あの最高の「雛森ィィィィ!」以上の生きがいが見つからない。シロちゃんがあたしの人生だったんやなって。
「いや……もうあたし、人どころか魂魄ですらないんだっけ?」
チラリと視界に映る物体。これまでずっと辺りの断界の暗闇を照らしてくれた、あたしの背中から生えるその光源へ目を向ける。
そこにあるのは、二対の翼。
肩甲骨なのか襦袢の衿なのかわからない部分から生えているその四枚は、桃色の星屑が輝いているような美しい色彩をした翅。
ただ蛹から羽化したばかりのニチャニチャと体液が糸を引いているようなグロいヤツ、という形容句がつくけど。
まあ実際にニチャニチャしてるワケでは無いし、羽ばたくとニチャっと巻き散ったりもしないただの霊圧の塊なのだが、そんな擬音が聞こえてきそうな見た目なのがちょっとイヤだ。デイダラボッチ的な神々しさで何とか相殺出来ていると思いたい。
「あとこの服もイヤだな…」
見た目と言えば、今着ているこの初期装備的なボロボロの襦袢。
基本は頭部がはじけた
違うのはマントがないのと、破けた胸元の衿がねばつく炎みたいな霊圧になってて、それが首肩沿いに背中に集まり花開くように翅になってるくらいか。
いや、これは別にいい、問題は裾だ。めっちゃはだけててチャイナドレスみたいなエグいスリットになってる。風でも吹いたら乙女どころか人として死ぬ。もうヒトじゃないけど。
正直もなにも普通に恥ずかしいので何とかしたいのだが、どうもこれ原作の崩玉ヨン様の白タイツみたいに霊体の一部らしく、あまり好き勝手できない。
やっとあの上半身ピンチな破面装束を脱げると思ったら下半身がピンチの新衣装とはこれ如何に。
(ま、まあ一護は織姫ちゃんのあの千年血戦篇衣装も頑張ってスルーしてくれる紳士だから、着てるあたしが堂々としてたら気にしないでくれるでしょう。しないでください)
霊子化して光っている髪の毛先を弄りながら、あたしはそろそろ行動しようと"もう一つの体"へ意識を向ける。
元の美少女死神ボディの方だ。
「…どれどれ、現世は今どうなってるのかな」
そう。あたしがここ断界をうろついているのは、ニチャ顔面修正に手間取ってること以上に、一護が無月修行を始めるまで暇だからだ。
この空間は現世や
…もっとも、自分の
世界から仲間外れな桃ちゃんはしょんぼりしながら、現世に残してきた体を何の不自由なく操作する。
現在あちらは気絶したシロちゃんの腕の中で狸寝入り中だ。今動くのは悲劇のヒロイン的にアウトなので霊圧感知と聴覚だけで辺りを探る。
目覚めイベントはやはりシロちゃんが起きた後でロマンチックに行きたいからね。
「えーと、状況は────うわ、藍染隊長すごい活き活きしてる」
探った情報では、丁度ヨン様が絶妙にネタバレにならないギリギリの発言で主人公勢を混乱させて遊んでいるシーンだった。相変わらず愉しそうで何より。
お、夜一さんと一護パッパが遅れて登場だ。原作通り浦原さんと組んで例の霊圧封じ自滅腕輪鬼道を仕掛けたみたいだけど…
…あっ、ですよねー。
爆発の中から現れたヨン様が、あの悪名高い崩玉ハンペン変化を始める。"
だが原作と違い、急降下したOSR値を回復する起死回生の一手をこの男は有していた。
その通り! 満を持し、完全崩玉が桃玉含め二つあったことを明かしたのである。
一護も京楽さんたちも一斉に渾身のプロトコルを合唱する。今まで自分達が崩玉だと思っていたものは全くの別物で、警戒していた浦原崩玉はなんとヨン様が自身の体内で従えていたのだ!
このムーヴにより彼が雛森桃を(対外的には)ぞんざいに扱っていた伏線が回収され、さらには桃玉の"誕生秘話"まで暴露! 吐き気を催す邪悪さをアピールし急速に
…あ、そこで糸目を開眼してる一〇くん。あなたの探してる乱菊ソウルの一部はお隣のオレンジ頭の人間が持ってますよ…?(小声
ともあれ、その後はチャン一の生まれからこれまでの戦いの全てが我らの掌の上だったと、色々と秘密を仄めかしつつ陰謀無双で容貌OSR値のマイナスをものともしないラスボスっぷりを見せ付けてくれるヨン様。
戦闘でも原作のようなフィギュアスケートポーズや全身陥没ギャグをすることなく、パッパ・浦原・夜一・平子+護廷隊隊長数名を鎧袖一触。天井知らずに聳え立つOSR値を手にした我らがラスボスは、悠々と空座町へ歩を進めたのであった。
そして一〇が穿界門を開く直前。あたしは断界の外にマイ
「……そろそろ通ったかな」
少し待ち、あたしは行動を起こす。ヨン様への感謝を込めた最後のOSRボーナスだ。
これまでの時間で捕まえて、マイ叫谷で飼って(?)いた
『あかんあかん、あれは霊圧やのうて理の側の存在やないですか。霊圧でどうこう出来るモンちゃいますよ』
『……』
『…藍染隊長?』
そんな一〇の心配は杞憂だ。何故なら今のヨン様はハンペンも終わり多少マシなロン毛モード。まだ色々とダサいけど、それでも圧倒的な霊圧と、ムーヴで溜めたオサレポイントがあれば…
『何を恐れる、ギン。理とは、理に縋らねば生きていけぬ者達のためにあるのだ』
『……ッ、嘘やろ』
あの次元の掃除屋さんも為すすべなく爆発四散!
やっぱ理はオサレでねじ伏せるモンだってはっきりわかんだね。あたしは理に縋るというか逆に理から「出てけ」って追い出された身だと思ってたけど、もしかしたらあたしのガバもこの世界的にはオサレだと見做されてた可能性が微レ存…?
『さあ、往こうか。理の涯へ』
何事もなく超然と、静かな断界の先へと進むラスボス。長い襟足と白タイツ以外はとてもかっこいい。
よし。これだけポイントを稼げば、たとえヨン様が原作のようにJKの尻を追い掛け回すくっそ低劣で情けない事をしたとしても、何とか
(…ふふっ、まだまだ「雛森ィィィィ!」以外にもあたしの生きがいは残ってるみたい)
そして。
あたしは最後にヨン様へ「お覚悟!」と心で宣戦布告し、そっと叫谷に開けた拘突用の穴を閉じて隠れるのだった。
『───愉しみにしているよ、桃』
……いやー独り言が多いっすねーヨン様はー(震え声
どうしよう、シロ愛虐を卒業した雛森ちゃんの動かし方がわからない…
とりあえずざっとNEO森ちゃんの状態&ビジュアル解説回。
ガバりすぎて存在自体がガバになった彼女のストレスフリー原作イベ再現とOPB復活用原作破壊が始まります。
ヨン様篇は隔日更新目指しますが、時々お休みするので23時過ぎても投稿がない場合はお察しくださィィィィ!
次回はヨン様無双をチャン一目線でお送りします。一護は彼の超高OSR値を超えられるのか…!?
乞うご期待!